
私たちにしかできない、唯一無二の調べを、歌を。『バンドリ!』Morfonicaの2nd Album『Polyphony』に刻まれた、彼女たちの“今”と“これから”。二葉つくし役・mikaさん、八潮瑠唯役・Ayasaさんインタビュー
2025年3月に活動5周年を迎えたMorfonica。本作には、彼女たちが見つめる“現在地”を音で綴るリード曲「Polyphonyscape」をはじめ、心躍るクリスマスソング「Merry Merry Thanks!!」、ミステリアスな雰囲気漂う「ティリカモニカリラ」など、多彩な楽曲を全12曲収録。これまでの歩みを感じさせると同時に、未来へと進む意志を鮮やかに描き出す作品となった。
さらにBlu-ray付生産限定盤には、2024年10月に河口湖ステラシアターで開催されたMorfonica Concept LIVE「ff」を収録。バンドのルーツとも言える場所で繰り広げられた「forte」シリーズの集大成を映像でも体感できる。
そして、『バンドリ!』がアニバーサリーイヤーを迎える2025年。その中で、Morfonicaも3月に結成5周年を迎え、新たなライブ 「Rubato」 の開催が決定している。2nd Album『Polyphony』の調べ、歌に刻まれた、彼女たちの“今”と“これから”。Dr.二葉つくし役のmikaさん、Vn.八潮瑠唯役のAyasaさんに話を聞いた。
「Daylight -デイライト- 」からはじまったライブの歴史
──MorfonicaとしてのフルAlbumは約2年ぶりになりますが、この2年間を振り返ってのお気持ちを聞かせてください。
Dr.二葉つくし役・mikaさん(以下、mika):前作の『QUINTET』(1st Album)がリリースされたのが2023年……ということですよね。今「もう2年経ったんだ」としみじみと思いました。ツアーもありましたし、コロナ禍が明けて、お客さんの声出しができるようになったことで、ライブの形も変わりました。それまでとは違うスタイルでのライブを経験することができましたし、1年をかけてコンセプトライブにも取り組みました。本当に濃密でしたね。
Vn.八潮瑠唯役・Ayasaさん(以下、Ayasa):『QUINTET』にも収録されている「誓いのWingbeat」が、私たちにとってすごく大事な曲になっていたんです。それからの2年間で、「誓いのWingbeat」は本当にたくさんの場面で演奏しましたし、ライブでもお客さんと一緒に作り上げる曲として育っていきました。前作から今日までの間で、うちら何回やったんだろう?と思うくらい(笑)。
さきほどmikaさんも声出しについて言及されていましたけど、コロナ禍が明けて、声出しが解禁されたことで、ライブの一体感が増しましたよね。「Daylight -デイライト- 」にも言えることですが、「Daylight -デイライト- 」を大事にしてきた自分たちのもとに、今度は「誓いのWingbeat」が届いて、それを大事に進んできた2年間という印象です。「アニサマ」など、新しいイベントにも参加させていただけるようになって。
──コロナ禍の終盤から現在にかけて、Morfonicaの楽曲も変化してきたと感じる部分はありますか?
mika:ありますね。前作の『QUINTET』の時は、「さあ、今からMorfonicaは羽ばたくぞ!」というイメージだったんです。でも、今回は「もうすでに進み始めている」という感覚があります。バンドの物語が動き出して、それがAlbumにも表れているなと。新しいモニカの曲調というか。バンドリーマーさんと一緒に楽しめるような曲が増えた印象です。
Ayasa:『QUINTET』が今からMonicaが羽ばたくぞ、という「スタート地点」だったとしたら、『Polyphony』はそこから前進した姿を描いている感じがしています。『ガルパ』(『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』)のストーリーの中でもメンバーの関係性がより深まっているし、学年も上がったことでキャラクターとしての成長も見える。だからこそ、楽曲の雰囲気にも変化が出ているのかなって思います。
──今回のAlbumを聴いたとき、みんなで楽しめる曲が増えた印象がありました。例えば、コール&レスポンスができる曲も増えましたよね。
mika:そうですね。Albumに収録されている「Tempest」なんかも、そういう雰囲気が強いと思います。
Ayasa:確かに。「Tempest」はソロ回しもあって、より一体感を感じられる曲になっています。まもなく5周年を迎えることもあり、バンドとして成長する中で、それぞれの楽器の見せ場も増えてきました。
──その変化は、意識的なものだったのでしょうか?
Ayasa:もしかしたらたまたまかもしれませんが、その間に発表した「forte」(2023年発売)を挟んで、今回のAlbumではましろちゃんを主軸に、メンバーそれぞれをフィーチャーした楽曲がちゃんと全部入っていて。
例えば、「Secret Dawn」は七深の曲、「One step at a time」は透子の曲というように、それぞれのキャラクターにフォーカスした楽曲がしっかり収録されているんです。で、「Merry Merry Thanks!!」はつくしが歌っていたり、「Steer to Utopia」は瑠唯のストーリーとリンクしていたり……そういう点でもバンドの個性がより明確になったAlbumだと思います。
──キャラクターとリンクした楽曲が増えたことで、より深みのある作品になったんですね。
Ayasa:そう思います。初期は曲調的にもバイオリンの存在感が強かったんですけど、それぞれの楽器がどんどん進化していって、特に透子のギターの成長がすごく感じられます。ましろちゃんの歌も、表現の幅が広がってきましたし、バンドとしての成長をAlbum全体で感じられると思います。
──まさに『Polyphony』というタイトルの通り、5人の音が重なり合って響くような作品になったんですね。
mika:いろいろな音が交じり合って、一つの音楽としてまとまる。バンドとしての今の姿をしっかり表現できたAlbumになったと思います。
Ayasa:今回はより「バンドらしい」楽曲が増えたなと感じています。「両翼のBrilliance」は特にベースがフィーチャーされていたり、イントロからバンド感が強まっている印象があります。
Poppin’Partyが切り拓いてくれた道を私たちも盛り上げたい
──ここからは少し話を広げて、この5年間の活動を振り返りたいのですが、お二人にとってMorfonicaという存在を言葉にするなら、どんなものになりますか?
mika:やっぱり「一緒に歩んできた存在」ですね。私たちは最初からこのバンドで活動してきて、ミュージシャン経験がないメンバーもすごく成長してきて。その子たちに触発されて、曲の中の物語性を意識するようになりました。Morfonicaがあるからこそ、自分自身も成長できたと感じていますし、これからも一緒に成長していきたいですね。
──5年間でリアルのメンバー同士の関係性も変化してきましたか?
mika:そうですね! 結成当初からすごく仲が良くて。リハーサルのあとにはお茶会をするのが恒例になっていて。Ayasaさんもいつも美味しいお菓子を持ってきてくれるんです(笑)。
Ayasa:お茶会しています(笑)。メンバーとの関係性はすごく変わりましたね。最初は「お互いどんな人なんだろう?」と探り探りだったんですが、今ではすっかり信頼し合える関係になっています。リハーサルでも、本番でも、それぞれの動きがなんとなく予測できるようになりましたし、5年間ずっと一緒に歩んできたからこそ、良い意味で気を使わずに過ごせるようになりました。本当に良い意味で、気を使わなくなったというか。
最初はステージで緊張していたメンバーも、今ではライブ前に落ち着いてお弁当を食べられるようになりました(笑)。特に我ら以外は初めての楽器を持ってのライブだったり、あまねすは初めてセンターで歌うことになったりと、いろいろな初めてがあったけど、どんどんと慣れていって。今ではそれが自然になってきていて、成長を感じます。
──『バンドリ!』プロジェクト自体も10周年を迎えて、その大きな歴史の中でMorfonicaは独自の存在感を持っているように感じます。
mika:ああ、確かに。さっきの話にもつながりますが、Morfonicaってそれぞれが自由に羽ばたいていて。もちろん 『バンドリ!』の一員として、一緒にシーンを盛り上げたいという思いでスタートしましたが、コロナ禍の影響でライブができない時期もあって、悔しいこともあったんですけども……でも、今はライブができる環境が整って、ようやく本来の勢いを取り戻してきたなと感じます。
そういう中で『バンドリ!』が10周年を迎えて、そのタイミングで、MorfonicaもAlbumを出すことができて。予想外の動きもしたいなって思っているんですよね。去年のリリースイベントでは、いろんな地域に行って、普段会えないバンドリーマーさんにも直接お会いできました。今年もまた、そういう機会が作れたらいいなと思っています。
──ということは、『Polyphony』を引っさげて、新たな動きが期待できるということですね?
mika:そうですね! ライブが終わったあとや、Albumがリリースされたときに、どんなことを考えていたかを振り返る時間も楽しいんですよね。新曲ができるたびにそういう機会を作っていけたらと思います。
──そういう意味では、このAlbumをきっかけに、これからの活動の可能性がさらに広がっていくということですね。
mika:すごく楽しみです。『バンドリ!』も10周年を迎えましたし、Poppin’Partyの皆さんが切り拓いてくれた道を、私たちMorfonicaもしっかりと盛り上げていけたらと思っています。