
娘に強引に勧められた『プロセカ』も今や私の趣味に――『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』を娘と鑑賞して気付いたこと|「きっと届くはず」ミクの歌声と想い あなたはひとりじゃない
実際に劇場に足を運び見てきて感じた事
まずはチケット提示と共にもらえる週によって入れ替わる入場特典! 映画が始まる前に席で開封し、本当は全部揃えたいね、と映画が始まるまでの時間をワクワク過ごしました。
そして遂に上映開始! 公開2日目だったので、ミクちゃんの舞台挨拶がありました。ひたすら可愛くて、写真オーケーの時間に何度もシャッターを切りました。
いざ上映が始まると、DECO*27さんとボカロPさん達が作り上げた最高の音楽を高音質の大音量で聴ける喜び! 更にゲームで慣れ親しんだキャラクター・ボーカロイド達がアニメとして動き喋って、ユニットの垣根を超えた交流・プロジェクトセカイの世界を見る事ができる! もう最高でニコニコしながらスクリーンに釘付けになっていました。
しかし、映画が進むにつれて“歌えないミクちゃん”とその世界の住人(となる人)に不穏な兆しが。心配で可哀想で苦しくて、時々娘と顔を見合わせました。
ついに負の感情に潰されてしまったミク。そこで、そんなミクと壁にぶつかり絶望・失望した人たちを救おう、励まそう、と各ユニットのメンバー達が奮起し、曲・パフォーマンスを作りだします。そんな仲間を想う懸命な姿に希望を見出し感動しました。
そして皆の想いのこもった曲が完成し、披露された各ユニット達のメドレー曲は圧巻! 各ユニットの想いの詰まった歌から力をもらった人たち。そして目覚めたミク。ミクも失意のどん底にいる人たちも、そしてあなたも、「ひとりなんかじゃない」。
感動の渦に包まれた会場では、更に、メドレー曲の最後にミクが披露する『ハローセカイ』に『プロセカ』で皆に愛されている『セカイ』『Journey』のフレーズが入っている、というサプライズに感激で会場がざわつきました! 皆の想い、そして楽曲の素晴らしさに、鳥肌と涙が止まりませんでした。
また、この最後にミクが歌う『ハローセカイ』。この楽曲は、アップテンポな明るい曲調で素敵ですが、その中にある歌詞の優しさにぜひ注目していただきたいと思います。
「未来にいる理想の君を 今の君に押し付け過ぎないで」や「ハロー、セカイ 僕の声はちゃんと届いてるかい 思ったよりも大丈夫 君はひとりなんかじゃない」の歌詞があたたかくて、私は大好きです。
「押し続けすぎないで」や「大丈夫」「ひとりなんかじゃない」、という言葉。明るい曲調の中に、相手の心を気遣う言葉。何か壁にぶつかり、落ち込み、未来が見えなくなる時……きっとみんな一度は経験していると思います。そんな時に、励ましもありがたいけれど、このように寄り添ってくれるあたたかい言葉が一番心に届き、救ってくれるのではないでしょうか。だから、一人でも多くの人にこの作品と曲が届いてほしいと思ってしまいます。
映画が終わり胸いっぱいのファンに、ここで更に嬉しいアフターライブ! 臨場感溢れるアフターライブはずっと見ていたいほど。映画の余韻を楽しむには豪華すぎるライブでした。
娘とのやり取り
終演後は映画からもらった色んな感情に、2人ともへとへとになって顔を見合わせました。
夕方の回だったので、帰りに食事をして帰ったのですが、2人とももう胸がいっぱいで、席に着くなり感想が止まりませんでした。
とにかく“歌えないミク”がどうなってしまうのかハラハラドキドキしたし、負の感情が暴走した時は本当に怖かった、という娘。あの黒い渦のようなものはホラー映画を見ているような怖ささえあったと印象的だったようです。
そこから一転、ミクと希望を失い絶望しかけている人たちへ、皆が想いを込めた歌を作る後半。「誰かのために仲間と力を合わせて懸命に頑張る姿に胸を打たれた。私も励まされたし、この映画を観に来てよかった!」という娘。実際に隣の席で、ミクと希望を失いかけている人を救いたい、勇気づけたい、という『プロセカ』メンバー達の純粋な願いが奇跡を起こすシーンに感動し、娘も私も気付いた時には涙が溢れていました。
沢山の感動をくれた『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』。家に帰ってからも余韻で胸がいっぱいな中、更に嬉しいプレゼントが。なんと入場特典に、ゲームの『プロセカ』で使える豪華特典のコードが同封されていたのです! 映画の内容はもちろんのこと、帰ってからのお楽しみまでプレゼントしてくれる『プロセカ』に脱帽です。
特典の一つに、映画のミクがセカイに現れて、映画で交流した各キャラクターとの出来事や想いを話してくれるのですが、映画を観終わった後の独特の寂しさも消してしまう『プロセカ』。またこの入場特典ももらいたくなりますし、また『プロセカ』のみんなに会いに、感動をもらいに、何度でも劇場に足を運びたくなる素敵な素敵な作品でした。
あとがき
どうしてプロセカが人気なのか……もちろんビジュアルや音楽、ゲームとしての楽しさがあることが入り口になると思います。ただ、それだけではなく、各ユニット・イベントのストーリーから、同じことで悩んでいた人は励まされ勇気をもらい、「そうだよねこれ楽しい!可愛い!かっこいい!」と元気をもらう。スマホを開けたら推しをはじめみんながいる。第2のマイホームのような、ユーザー1人1人を明るく優しく照らすようなあたたかい存在なのでは……? と考えました。
『プロセカ』は年齢関係なく楽しめ、元気や勇気、そして感動をもらえるエンターテンメントだと思っています。
――私の座右の銘は「not too late」――
私も最初『プロセカ』をプレイした際は、スマホで音ゲーだなんて細かい事私には無理、と思っていましたが、数回プレイするうちにいつの間にか気分転換に。そして心地よい音楽に癒され、今日は疲れてるから『blender』を、今日は元気が欲しいから『ハローセカイ』や『Neo』を……など、今ではなくてはならない癒しになっています。
もう歳だから、と思うことも少なくない中、強引にプレイさせてきてくれた娘には感謝しています。『プロセカ』だけでなくファッションやスイーツも。なんだって好きになること、楽しむことに遅いことは無いはず。自分が楽しみたいものを楽しみ、自分が頑張りたいことを頑張る! そんなことを思いながら日々過ごしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。1人でも多くの人が『プロセカ』やエンターテインメントを通して笑顔になれますように。
[文/西澤あさこ]
作品情報

あらすじ
CDショップで聴いたことのないミクの歌を耳にした星乃一歌。彼女はモニターに、見たことのない姿の”初音ミク”を見つけ、「ミク!?」と思わず声に出す。その声に驚いたミクは、一歌と目が合ったものの、ほどなくして消えてしまう。
後日、路上ライブを終えた一歌のスマホに、以前見かけたミクが姿を現す。寂しそうに俯くミクに、一歌はそっと話を聞いてみると、歌を届けたい人たちがいるのに、いくら歌っても、その歌が届かないという。
ライブで多くの人の心に歌を届ける一歌の姿を見て、彼女のことを知れば自分も同じように出来るのではと考えたミクは、一歌のもとにやってきたのだった。ミクの願いに「私でよければ」と微笑みながら一歌は答え、初音ミクと少年少女たちの新たな物語が始まる―。
キャスト
鏡音リン・鏡音レン:ORIGINAL CV BY 下田麻美
巡音ルカ:ORIGINAL CV BY 浅川悠
MEIKO:ORIGINAL CV BY 拝郷メイコ
KAITO:ORIGINAL CV BY 風雅なおと
星乃一歌:野口瑠璃子
天馬咲希:礒部花凜
望月穂波:上田麗奈
日野森志歩:中島由貴
花里みのり:小倉唯
桐谷遥:吉岡茉祐
桃井愛莉:降幡愛
日野森雫:本泉莉奈
小豆沢こはね:秋奈
白石杏:鷲見友美ジェナ
東雲彰人:今井文也
青柳冬弥:伊東健人
天馬司:廣瀬大介
鳳えむ:木野日菜
草薙寧々:Machico
神代類:土岐隼一
宵崎奏:楠木ともり
朝比奈まふゆ:田辺留依
東雲絵名:鈴木みのり
暁山瑞希:佐藤日向
(C)「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」製作委員会