
「負けちゃいられない!ついていかなくちゃ!」戦場のようなアフレコ現場とは!? 『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第2期 美杉美々美役・Lynnさん&華暮愛々役・高尾奏音さんインタビュー|最終話はアニメ史に残る伝説になるはず
休憩中は学校のような雰囲気だけど、本番中は戦場のようなアフレコ現場。
──第2期から参加してみて、本作の現場の雰囲気はいかがでしたか?
高尾:基本的にワイワイ喋っていて、学校の休み時間みたいでした(笑)。
Lynn:そうそう。世代が近い人たちが多いからなのか、なかなかこんな現場はないなと思いながら、みんなの話を楽しく聞いていました。
Lynn:でも収録が始まると、「みんなで力を合わせて乗り越えようね」って気合いがないと置いていかれそうになります。ページをめくるのが間に合わないぐらい忙しいので。マイクも譲り合いだし、一緒に入れるところは入ることもあって、本当に戦場のようでした。
高尾:協力し合わないと出来ない現場でしたよね。
Lynn:コミカルなシーンでの振り切れ方もすごくて、第1期のメンバーがそこまでやっているなら、第2期から入った私たちも「負けちゃいられない! ついていかなくちゃ!」って気持ちになっていました。“彼女”のひとりとして、ちゃんと好きになってもらいたいって思いながらアフレコに臨んでいました。
高尾:こんなに女の子がたくさんいるのに、それぞれの個性が強すぎますからね。
Lynn:アフレコの作業自体はすごく難しかったですが、みんなで入れ替わり立ち替わり、ぎゃあぎゃあしている中でお芝居をするのがめちゃくちゃ楽しかったです。
──コロナ禍を経て、ここ最近はみんなで収録をすることが出来るようになったと、話を聞けること自体が嬉しいです。
Lynn:本当にそうですね。これを分散収録(キャラクターごとに一人ずつ個別で収録すること)で、全部1人でやったら成り立たないと思います。
高尾:成り立たないですよね。空気感が全く変わっちゃいそう。なんかスクランブル交差点みたいだなって思いました。
Lynn:そうそう(笑)。
高尾:朝の時間帯の収録だったんですけど、みんな朝からハイテンションでしたよね。
Lynn:話数によっては「朝にやることじゃない」と思いながら演じてました(笑)。
──お二人が演じるキャラクターは高校生ですが、おふたりはどんな学生時代を過ごしていましたか?
Lynn:私は中学までが一番イキイキしていたかもしれないです(笑)。生徒の人数が少なかったこともありますが、結構リーダーシップを発揮するような感じで「みんなついてきなさい!」ってタイプでした。
高尾:美々美さんみたい。
Lynn:そうかも。スポーツも好きで、楽しく過ごしていました。でも高校に入ったら、井の中の蛙でしたね(笑)。外には知らない世界がいっぱいあるんだなと感じて、高校はごく一部の仲の良い子たちと一緒に静かに過ごしていました。
高尾:私は高校生のときからこのお仕事をしているのですが、友達がめちゃくちゃ多いタイプではなく、特定の子と仲良くしている感じでした。ただ、人見知りなので、入学した頃は友達ができなさすぎて、1人でお弁当を食べていました。
Lynn:友達作るのって難しいよね。私も話しかけてもらえたらすごく嬉しいんだけど、自分からは行けないタイプだから。
高尾:ぼっちだと思われるのが恥ずかしくて、試験勉強をしているフリをしながらお弁当を食べていて……そのおかげで成績はちょっと伸びました(笑)。
──Lynnさんも学生時代から養成所に?
Lynn:高校から養成所に通っていました。でも通うのは日曜日だけで、平日はバスケ部のマネージャーをしていました。
高尾:バスケ部のマネージャー! 格好いい! 私は文芸部の幽霊部員でした(笑)。
(愛城恋太郎役の)加藤くんは彼女たちへの愛情に差が出ないよう、すごく考えてお芝居してくれてるんだろうなって思います。
──これもぜひお聞きしたいのですが、キャラクターではなく個人の感想として、恋太郎はどんな印象ですか?
高尾:憎めないですよね。
Lynn:うん、みんなに平等な愛を向けているから、すごく誠実に感じます。普通だったら、こんなに彼女がいたら「きー!!」ってなるはずなのに…。恋太郎のあの真っ直ぐさは何よりも魅力だと思います。
高尾:恋太郎ならすべてが許せてしまうというか…。
──不思議ですよね。
Lynn:フィクションだからではあるんですが、それをちゃんとリアルに感じられるようなお芝居をしていて。(恋太郎役の)加藤くんは彼女たちへの愛情に差が出ないよう、すごく考えてお芝居してくれたんだろうなって思います。
高尾:本当にそうですよね。
──そのほか、気になるキャラクターやキャストのこともお聞かせください。
Lynn:(好本)静ちゃんですね。長縄まりあは本当に天才だと思います。静ちゃん自身が持っているスマホ(テキスト読み上げアプリ)の声も、長縄さんご本人が喋っているんですよ。すごくないですか?
※好本 静は人と喋ることが苦手なため、当初は愛読書の文章を指で差して会話していたが、第1期・第3話(「無口な姫と騎士と武士」)にて、恋太郎が用意したテキスト読み上げアプリを使って会話するようになった。
高尾:ビックリしました。本当に機械音みたいな声でしたよね……。
Lynn:ちょっと真似してみましたが、私には出来なかったです。
高尾:普通、出来ないですよね。
Lynn:彼女はサラッとやっていますが、めちゃめちゃ技術がいると思います。
最終話はアニメ史に残る伝説になる!?
──これまでの話数の中で特に印象的だったエピソードを教えて下さい。
Lynn:第21話(「髪のみぞ知る世界」)はマジでヤバイと思いました。何をやっているのか、ずっと意味がわからなかったです(笑)。なんか、地球が滅ぶみたいな話になって……。
高尾:私は当時まだアフレコに参加できていなかったのですが、ヤバい話があったという噂は聞きました…!(笑)
Lynn:何回読んでも、「マジで何を言ってるの?」「何をやってるの?この人たち」って意味がわからなくて。このインタビューが出ているころには皆さんご覧になっていると思いますが、私も見るのがすごく楽しみです。珍しくアフレコ現場には加藤さん以外の男性陣もいて、とんでもない災害が起こるかもしれなくて、国際問題に発展している!?というところから始まるので、「ほんとに『100カノ』始まった?」みたいに思いました。
──皆さんの反応も含めて楽しみですね。高尾さんはいかがですか?
高尾:私は第22話です。教頭先生の頭に愛々が隠れているシーンで、教頭先生が「急にダジャレで滑って、赤面して消えた生徒が……」っていうセリフがあるんです。愛々がダジャレを言うシーンは他にないので、「どんなダジャレを言ったんだろう?」って気になりました。それに私自身、もともとダジャレがめちゃくちゃ好きなんですよ。
──X(旧Twitter)でも高尾さんご自身のアカウントでポストしていますよね?
高尾:毎朝、ダジャレをポストしています(笑)。
Lynn:そうなの?
高尾:そうなんです。なので台本を読んだとき、「運命!?」って思いました。「もしかしたら、私に寄せて台本を書いてくださったのかな?」と思って原作を読んだら、原作にもちゃんとダジャレと書いてあったので、これは神様からのプレゼントだなって思いました。
Lynn:(高尾さんのXを確認して)ほんとだ! 言ってる! なんか可愛い。絵文字も添えてあって、朝イチでこれを見たら元気がでますね。
高尾:“美しさ探し”をしてくれました(笑)。でも、朝は思いつかないので、夜に考えてひねり出しています。
Lynn:偉すぎる(笑)。
──第2期も残すところあと2話となりました。最後に、第23話(「失われしツンデレ」)と最終回となる第24話の見どころをお聞かせください。
Lynn:たぶん最終話はアニメ史に残ると思います。伝説になるんじゃないかなと。
高尾:みんな言っていますよね。
Lynn:アフレコで“そのシーン”が終わったときは、感動して泣きそうになりました。みんなで「頑張れ、頑張れ」と思いながら見守っていたんです。
高尾:後ろでみんな祈っていましたよね。
Lynn:それから、これまでの話数もそうでしたが、第23話や第24話は、かなりほかの作品をリスペクトした内容になっています(笑)。BGM(劇伴)もこだわっていますので、そこも注目して欲しいです。
高尾:セリフの言い回しも、みんな研究していましたよね。最後まで笑いが止まらないですよね。
Lynn:本当に大笑いして終われます。見た人みんなが幸せになれるんじゃないかな。
高尾:見ていたらつらいことを全部忘れられると思います!
──楽しみにしています! 本日はありがとうございました。
[文・千葉研一 / 写真・塚越淳一]
作品概要

あらすじ
キャスト
(C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会