
夢限大みゅーたいぷ 対談インタビュー連載「ゆめみたの WA !」 第2回:藤都子 × 高尾奏音(Ave Mujica)|音楽って楽しいですか?――3歳からの宿命と、16歳の初挑戦。Wキーボーディストによる音楽の向き合い方
3歳からの宿命と、16歳からの挑戦。それぞれの道のり
──おふたりに用意していただいた質問のなかで、共通するものとして、キーボードをはじめたきっかけというものがありました。おふたりとも出自はそれぞれ違って。
高尾:私は3歳からピアノをやっていて。名前の「奏音」は本名なんです。生まれたときから「音楽をやらなきゃいけない」みたいな宿命を、親から課せられていたというか(笑)。兄(高尾奏之介さん)もピアノをやっていて、今は作曲家なので、「妹もやりなさい」という流れで、家族に勧められて始めました。気づいたら、弾いていましたね。
藤:へええ……!
高尾:ただ、正直、子どもの頃はピアノが楽しいと思ったことはあまりなくて。「何かきっかけがあったら、やめられるかな」って思っていた時期もありました。でも、コンクールを受ける機会があった際に、イタリアで1位をいただいたりして。
──高尾さんは11歳の時にミラノ国際ジュニアピアノコンクールにて最高位ASSOLUTOを受賞されているんですよね。
高尾:まさかそういった賞をいただけるとは思っていなかったのですが、そのときに「あ、これはもうやめられないな」って(笑)。その一方で、ピアノを続けていくなかで息抜きに観たアニメがきっかけで、声優をやりたいと思うようになったんです。両方続けていたら、声優もピアノも活かせる場所として、『バンドリ!』に出会うことができて。今振り返ると、すごく運命的だったなと思います。
──声優としてのデビューも早いタイミングでしたよね。思い立ったら、すぐ行動されるタイプなのでしょうか。
高尾:そうですね。小学校5年生くらいで声優になりたいと思って、6年生でデビューしていましたし。すぐ行動しがちなのかも(笑)。
藤:すごい……。
──藤さんの場合はゆめみた以前にピアノやキーボードに触る機会はあったのでしょうか?
藤:いえ、ピアノはまったく触ったことがなくて、ゆめみたがきっかけでした。ただ、物心ついた頃からずっと絵を描くのが好きで、小学生の頃から漫画家・イラストレーターになりたいと思っていたんです。音楽も好きだったので、中学では吹奏楽部に入って、パーカッション担当になりドラムをやっていました。
以前から漫画家として活動していたんですが、その中で「絵も描きたいけど、音楽もやりたい」「表現する仕事をしたい」という思いがずっとあって。そのときに『バンドリ!』のオーディションに出会ったんです。藤都子はイラストが特技で、いただいたセリフのなかに「漫画家」としてのセリフがあって。
高尾:ええっすごい。当て書きのような。
藤:だから今、まさに高尾さんがおっしゃっていたみたいに、このバンドに入って、もともとやっていた漫画のお仕事もできるし、こうして音楽活動や、おしゃべりする配信活動とか、自分がやりたかったことを全部できる環境にいるのは、すごいことだなと思っています。
「音楽って楽しいですか?」
──高尾さんからの質問に「ピアノ(キーボード)を日々演奏する中で、一番楽しいと思う瞬間はどんなときでしょうか?」といったものがありましたが、どうでしょう?
藤:私の場合、ピアノを始めたばかりの頃は「押すと音が出る!」っていうのが楽しくて。
高尾:……! 「押すと音が出ることが楽しい」。染みる……。
藤:息を吹き込めば音が出る管楽器と同じで、鍵盤を押すと音が鳴って、それを重ねるとこうなるんだ、みたいな。その感覚がすごく面白くて、赤ちゃんみたいな気持ちで弾いていました。今も、音そのものも好きなんですけど、特にリズムが好きで。ピアノって弦楽器でもあるけど、打楽器とも言われるじゃないですか。美しい旋律を弾くのも楽しいですけど、メンバーと一緒にユニゾンでリズムを刻む瞬間が、すごく楽しいです。叩きまくってます。
──高尾さんがしみじみと聞かれている……(笑)。
高尾:めちゃくちゃ沁みました……。「音が出るのが楽しい」という感覚、私はもう忘れてたなって。私、弾いている中で「楽しい瞬間」をずっと探しているんです。やりすぎると、楽しみ方が分からなくなるじゃないですか。
藤:ありますよね。私は漫画がまさにそうでした。
高尾:同じ感覚だと思います。今のお話を聞いて、「あ、そうだった」って、忘れていたものが一気に戻ってきた感じがしました。
藤:それこそ、ゆめみたのメンバーになると決まった時、「ピアノをやる」って言われて、正直ピアニカしかやったことがなかったので、そもそも両手が動くのか?ってところからのスタートでした。小さい頃からピアノを習っている人が多いイメージがあったので、16歳とはいえ、ある程度大人になってからピアノを始めるって、かなりハードルが高いなと思っていて。
──すぐに練習を始めたのでしょうか。
藤:最初のレッスンはピアノ担当が決まった4日後にあって、課題曲を音だけ聞いてきてと言われたのですが、先生もどれくらい弾けるか分からないと困るだろうなと思って。それでその4日間、毎日8時間くらい練習して。片手ずつだけなら弾ける、両手は無理、っていう状態で行きました。
高尾:4日で!? それはすごい。
藤:その時はまだそこまで難しい譜面ではなかったんですけど、とにかく気合でした。不安だったからこそ、時間をかければどれくらいできるのか、自分で確かめたかったんですよね。時間をかければ、ある程度はいけるかもしれない、って。
高尾:私、以前にライブ映像を拝見させていただいたことがあって。歌とピアノだけでMyGO!!!!!の「壱雫空」をカバーされていたじゃないですか。私も自分のライブで歌とピアノだけの曲をやったことがあるんですけど、もう本当に緊張して。注目度がすごいじゃないですか(笑)。だから、初めてピアノをやられて、あの形でライブに立って、この緊張を乗り越えたんだって思って、すごいなって感じました。
藤:あれはもう、完全にプロデューサーの無茶振りで(笑)。でも、1st LIVEとか2nd LIVEの段階って、そもそも人前で演奏する経験がなかったから、注目される状態自体がよく分かってなくて。逆に、怖いもの知らずでできたところは正直あったかもしれないですね。でも今、映像を見ると、手が震えてるところがめちゃめちゃ映ってて……「自分が止まってしまったら歌が止まってしまう」と思うと震えてしまうんですよね。
高尾:わかるーーー! そう、そうなのよ!
藤:ただ、ボーカルのことはすごく信頼しているので、仮に私が止まっても歌い続けてくれるだろうなっていう気持ちはありました。委ねていた部分はありますね。
高尾:それも分かる!「私が止まっても佐々木李子はきっと歌い続けるだろうな」って思ってる。
藤:分かります。メンバー間の信頼は大きいですよね。
──高尾さんは悠々と弾かれているイメージもありますが……。
高尾:頑張って緊張を隠してます(笑)。多分、表ではバレてない……と思います。





























