
「ザコも愛せる」のが『北斗の拳』の魅力――『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』ラオウ役・楠 大典さん×『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』ノブ役・下野 紘さんインタビュー
面白い部分を抽出してスピンオフにしたのは、すごく正解
──改めて、楠さんは『ザコ挽』にどんな印象をお持ちですか?
楠:『北斗の拳』といえば、テーマが愛だったり、出てくる人物がみんなカッコよかったりするわけじゃないですか。そのなかで、「あべし!」といった断末魔が面白いということで話題になった側面もあると思っていて。その面白い部分を抽出してスピンオフにしたというのは、すごく正解だと感じています。
下野:そうですね。ツッコミどころのある部分を抽出していますから。
楠:逆に、『ザコ挽』のほうが流行るんじゃないかって気すらしていて。5分アニメで見やすいし。
下野:いや、それはどうですかね(笑)。でも、両方の作品を見たらなんか謎が解けるとかあるんですかね。実は、あの裏でこんなことになっていたとか。
楠:あったら面白いけどね。
下野:つなげたいのか、つなげたくないのか……。制作サイドはどういう想いで今回『ザコ挽』をモーションコミック化したのか。
楠:そんな深く考えてないよ、きっと。
下野:まぁ、そうですよね。面白ければいいかという。そういう作品ですよね!
──『ザコ挽』を見ている方のなかには、ノブが本編に登場するかどうか期待している人がいるかもしれません。
下野:いや、いないでしょ。
楠:いやいや、本編にも出てくればいいのに。ちょろちょろと。
下野:僕はそう思いますが、ノブですからね。出てきたとしてもたぶんセリフないですよ。『ザコ挽』のなかでは周りが濃すぎて、逆に目立っているだけですから(笑)。
楠:そんなキャラクターが主人公になる世界。すごいな、『ザコ挽』。
高橋伸也さんがヒーローのようでした
──それぞれの収録現場の様子もお聞かせください。
下野:途中から一人での収録になっちゃったのですが、最初はみんなでワイワイしながら録っていました。そのなかでも、(ナレーションを担当する)高橋伸也さんが光っていましたね。みんなからの色々な期待やいじりをぜんぶ受け止めては返す。もうヒーローのようでした(笑)
──ナレーションでいえば、アニメでナレーションを担当されていた千葉 繫さんも『ザコ挽』に出演されていましたね。
下野:千葉さんもね、一話だけですから。本当、何オファーしてんだよって思いました(笑)。
楠:『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』のほうは原哲夫先生が収録を見に来てくださって。作品も先生も偉大過ぎて、ちょっと緊張しました。レジェンドの声優さんが演じてきた作品ですし、プレッシャーも感じながら収録していましたね。
──『ザコ挽』とはずいぶん温度差がありそうですね。
下野:そりゃそうでしょうね(笑)。こう言うとあれですが、ずいぶん気楽な気持ちで収録していました。
楠:それだけのびのびと楽しみながら収録できたなら、相当いい作品に仕上がっているんだろうなぁ。
下野:……。なんで今このタイミングでプレッシャーをかけられ始めたのか、その理由を知りたいです(笑)。
楠:悔しいから(笑)。
下野:いやいやいやいいや(笑)。
──同じ『北斗の拳』でも、これだけ違うのかという。
下野:そうですよね。『ザコ挽』は一瞬にして散っていく奴ばかりですから。
──そのなかで、ノブはしぶとく生き残っていますよね。
下野:余計な事はあまりしませんから。だいたいは勝手なことをやって、勝手に散っていくんです。ノブはそんな勝手な奴らに「やっちゃいけないんじゃないか?」って制止をするのですが、止まんないんですよね~。基本、ルールを守っている人たちは長く生き残っている気がします。
ザコも愛せるのが『北斗の拳』の魅力
──色々なキャラクターが登場する『北斗の拳』。おふたりが好きなキャラクターは?
下野:『ザコ挽』のなかでという話になっちゃいますが、師団長のザクです。なんだかんだまともですからね。なんであの人が拳王軍にいるのか、謎ですもん。もう放り投げて、ふつうの仕事をすればいいのにとすら思っています。
楠:僕はシュウかな。みんなカッコいいですが、エピソードとしてシュウの話が好き。すげえいい話だよ。見たら絶対泣いちゃうから。『北斗の拳』って、戦うだけじゃなくて、愛がいっぱいある話なんですよ。だから、テーマ曲も「愛をとりもどせ!!」だったわけでしょ。
下野:なるほど!
──『ザコ挽』に愛のある話は……。
下野:実は、なくはないんですよ。愛と言っていいのか微妙ではありますが……。壮大な感じのエピソードは若干あるので、楽しみにしていてください。
──最後におふたりが改めて思う『北斗の拳』の魅力を語っていただければと思います。
下野:ザコも含めて、キャラクターが見た目も中身も個性を持ちすぎですよね。個性豊かというのはこういうキャラクターたちのことを言うんだと思います。『ザコ挽』にも色々なキャラクターがいて、エピソードなんか見ていると、「もしかしたら、こんな苦労してきたのではないだろうか」と想像して愛を感じる部分があるかもしれません。そんなザコも愛せるというのが、『北斗の拳』の魅力なのかなと思います。
楠:作品全体として、名セリフがすごく多いじゃないですか。ザコにもいっぱいありますし。それが魅力のひとつなのかなと。あとは、一人、一人のキャラクターに人生があるというのが『ザコ挽』で描かれて、よかったなと思います。
下野:お気遣いいただき、ありがとうございます。
楠:それだけちゃんと作り込んでいるというか。どのキャラクターも魅力的に描かれているっていうのがすごい。
下野:ザコだけでスピンオフ作品を作れちゃう訳ですもんね。
楠:そうそう。そこまで思わせてしまうのが『北斗の拳』の魅力かなと思います。
[文・M.TOKU]
作品情報
北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-
あらすじ
海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命が絶滅したかにみえた……。
だが…人類は死滅していなかった……!!
荒廃した世界の大地の上で、人々は希望を繋ぎ、水や食料を求め必死に生きようとしていた。
しかしその願いは、暴力によって踏みにじられる。
この世界は、力だけがすべてを支配し、弱き者は蹂躙されるのみ。
そんな絶望の淵に、一人の男が現れる。
彼は胸に7つの傷を持つ、伝説の暗殺拳“北斗神拳”の伝承者・ケンシロウ。
婚約者のユリアを奪った宿敵・シンを追い、荒野をさすらう彼は、
虐げられし者たちの叫びに応え、希望の光をともしてゆく。
彼の前に立ちはだかるのは、世紀末の乱世を生き延び、野心と欲望を剥き出しにした強者たち。
略奪と殺戮が渦巻く世紀末、
ケンシロウは人々の祈りさえ届かぬ狂った世界をその拳で切り拓く!
キャスト
(C)武論尊・原哲夫/コアミックス, 「北斗の拳」製作委員会
北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌





































