『舞一夜』舞台でブレイクしたふたりがアーティストデビュー！新ユニット「Ash」の中村誠治郎さん＆根本正勝さんインタビュー

　『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 舞一夜』でブレイクした俳優の中村誠治郎さんと根本正勝さん。舞台で大人気のふたりが、ついに新ユニット「Ash」としてアーティストデビューを果たす。8月12日にリリースされるデビューシングル『With You』はDVD＋CDの2枚組仕様となり、ヴォーカル曲「With You」ではサウンドプロデューサーに「ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 舞一夜」のテーマソングを担当したシャ乱Q・たいせい氏を迎え、ふたりの歌声も爽やかなアコースティックナンバーに仕上がった。そこで今回、「Ash」の中村誠治郎さんと根本正勝さんにインタビュー。ユニットへの意気込みや、初作詞にも挑戦したという今作について語っていただいた。

●根本さん「ハモリは練習あるのみでした！」

――ユニットでデビューすることを最初に聞いたときはどう思いましたか？

根本正勝さん：正直、びっくりしました。でも歌は芝居とは違って色々な言葉を歌にのせて贈ることができるので、そういうことをやれるのは光栄なことだなと。そのチャンスをいただけたことは本当に良かったなと思いました。

中村誠治郎さん：僕も単純にびっくりして、最初は本当の話か疑ってしまいました（笑）。でも音楽はずっと好きだったので、すごく嬉しいです。


――実際に歌ってみて、難しかった部分は？

中村さん：僕は元々キーが高く、ねもっちゃん（根本さん）の声が低いので、今回の曲では僕がキーの高いパートを担当しているんですけど、サビの部分でガッと上がるところに苦戦しました。あとはハモリの部分。とにかく練習あるのみでした。

根本さん：技術的なところで言うと、メインのサビでは僕がハモリの下パートなので、主旋律に引っぱられないようにとか。ふたりで歌う以上、ハーモニーが大切になると思ったので、そこはすごく難しかったところですね。あとは技術的な部分に頼ろうとすると、せっかく歌詞を自分たちで書いたのに、想いを伝えようとする気持ちがなくなりそうになってしまうので、それはレコーディング中に気をつけないといけないなと思いました。


――「With You」のサウンドを聴いたときの印象は？

根本さん：一言でいうと、すごく爽やかなんですよ。レコーディングをしているときも自分たちの曲だから何回も聴いたりするじゃないですか。でも繰り返し聴いても全然イヤになったりしないで、サウンドがすっと入ってくる。重くないんですよね。だからそういう意味でも、これからの季節にいいんじゃないかなと思います。

中村さん：「With You」には僕たちが考えた歌詞も入っていて、曲を聴く前は自分で考えた歌詞に違和感があるかなと思っていたんですけど、メロディに乗せてみると全然そんなことはなくて。テーマは「初恋」みたいな感じで歌詞を書いていたので、ピュアな自分に戻れたというか、歌っているときはピュアになれました（笑）。


――共作で作詞にも挑戦されたということですが感想は？

根本さん：今回は曲調が爽やかな感じだと聞いていたので、実際に自分たちで作詞をするときに、そのメロディの世界観から詞が浮かんでくることが多くて。だから変に考えようとせずに、そこからどんどん浮かんできた世界をそのまま書けたかなと思います。

中村さん：僕も曲を聴いたときのイメージをそのまま書きました。あとは自分の実体験とか。初めて女の子と付き合ったときの気持ちとか、そういうことを言葉にしたり。作詞をするのが初めてということもあって、想像しただけのものを歌詞にするのは上手くできないなと思ったし、やっぱり自分の実体験を書いたほうが皆さんに伝わると思ったので、そこに気をつけて書きました。


――今回の曲にはどのような想いを込めましたか？

根本さん：聴いてくださる方たちに、自分たちの曲を歌えるという喜びを伝えたい気持ちと、曲としては誰でも経験のある恋愛のこととか、「自分がいるのは君がいるからだよ」というのが歌詞の中にもあるんですけど、意外と忘れがちな部分を大切にしてほしいなという気持ちが、この曲には込められていると思います。

中村さん：皆さんも初恋を経験したことがあるかと思いますけど、そういうのって自分で気付かないうちに忘れてしまっていることが多いですよね。そのときのことを少し思い出してもらいたいなということと、恋愛だけじゃなくても、例えばちょっとヘコんだり、疲れたりしたときには音楽の影響を受けることが多いと思うので、少しでも癒されてくれればいいかなという気持ちで歌いました。

●中村さん「PVは自然な僕たちの姿です」

――レコーディング現場の雰囲気は？

中村さん：スタジオに入って機材を見たときに、すごすぎてちょっと引いてしまったというか。歌う前にプロの方たちがバンド演奏したんですけど、それにすごく感動して。そのあとに歌のレコーディングをしたので最初は縮こまっていたんですけど、周りのスタッフがサポートしてくれたので最終的にはものすごく気持ちよく歌うことができました。


――サウンドプロデューサーのたいせい氏について、現場ではどんな印象を持ちましたか？

根本さん：それはもう、たいせいさんは鬼のようでした（笑）。やっぱり「歌となったら覚悟しておけよ」っていう言葉にならないプレッシャーが伝わってきて。最初は戸惑いがあったんですけど、すごいなと思うのは僕たちが縮こまっていると、たいせいさんが歌いやすい環境を作ってくれるんです。場をなごませるために小ネタを言ったりとか。そういう部分は本当に助けられたと思うので、プロだなと実感しました。


――DVDには「With You」のPVも収録されているそうですが、PVの内容について教えてください

中村さん：自分で言うのもなんですが、カッコいいです（笑）。電車の中とか色々な場所で撮影して、ここでは絶対に歌わないだろうという場所でも歌っていますが、曲に合った爽やかなイメージになっています。普段の根本正勝、中村誠治郎として撮ってもらえたので、……軽く格好はつけましたけど（笑）。自然な、素の僕たちでやれました。

根本さん：結構ストレートに曲のイメージと合わせてくれたので、撮影しているときにはキーワードとして「ちょっとした青春」っていうのもあったよね。作り込んだというより、自然な感じで撮ってもらえたので、僕たちも楽しみです。


――ちなみに「Ash」というユニット名の由来は？

根本さん：ユニット名に関しては相当悩みました。辞書を引いて意味を考えたりとか。それでお互いに考えた名前の候補を出し合ったときに、ふたりとも候補の中に「Ash」があったんです。そこでピンときて。

中村さん：色の名前を使いたいと思っていたんです。「ブラックとか、色の名前っていいよね」って話をしていて。

根本さん：僕たちの中では8割くらいの気持ちで「これがいいです」って出したんですけど、偶然たいせいさんの飼っている猫がアッシュ色の毛並みの「アッシュ」という名前だったんですよ。そのときにもうこれは10割で決定だろうと（笑）。そんなに偶然が重なることもないので、これは運命的なものを感じるなと思って「Ash」に決まりました。


――「Ash」を通じてファンに伝えたいことは？

根本さん：色々なものを経て、こうやってアーティストとして活動することができるので、気取らない2人なんだなと思ってもらえれば。歌はもちろん、ライブのときはトークでも楽しめるような。変に“アーティスト”というこだわりは、ふたりでは持ちたくないなと思っています。

中村さん：未知数なところがあるので、これからどんどん“「Ash」らしさ”みたいなものが出来ていくのかなと。

根本さん：今でもちょっとフワフワしている部分があると思うんですけど（笑）。これから活動していくうちにイメージが出てくると思うし、きっと僕たちを見てくれたり、曲を聴いてくれる人たちにも出てくると思うので、それが僕らなりの色になってくれたらいいなと思います。


――最後にメッセージをお願いします

根本さん：やっと発表できる時がきました。今は率直に自分の歌声を通して勇気付けられたり、元気付けられたりできればいいなと思います。その反応を見て僕たちも頑張ろうという気持ちになれるので、それだけが楽しみです。

中村さん：まず「聴いてもらいたい」ということがひとつと、やっぱり僕が今まで音楽から影響を受けてきたように、聴いてくれた人たちに対して何かを与えることができたらいいなと思います。ぜひ聴いてほしいです。

●たいせい氏からもコメントが

　さらに今作のサウンドプロデューサーをつとめた、たいせい氏からもコメントをいただいたのでご紹介しよう。

たいせい氏：『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 舞一夜』では2人ともカッコいい役でヒーロー的なポジションだったので、今回はもう少し素の彼らに近いような、ちょっとナイーブな部分があったりとか「強い男性像に頑張って近づこうとしている男の子」というイメージがありました。アーティストとして始まったばかりのふたりなので、こちらからは「人に伝えるのはどういうことか」「何を一番大事に歌わなければならないか」といったアドバイスをしましたが、最初に僕が曲をつくって「こういったかたちでやりたい」と思っていたものに仕上がりました。彼らの魅力は見た通りにカッコいいですし、ふたりとも根が素直な良い青年。軽く嫉妬しながらではありますが（笑）、そういうところを歌詞の中や歌の部分で出せたのではと思っています。

　Ashのデビューシングル『With You』は2008年8月12日発売。DVD＋CDは8月13日～17日に再公演が決定している『ネオロマンス・ステージ 遙かなる時空の中で 舞一夜』の会場のほか、GAMECITY通販などでも販売される。

中村誠治郎さん

根本正勝さん