劇場版『空の境界』第5章「矛盾螺旋」が待望の公開で初日舞台挨拶!シリーズ中最大のボリュームに秘められたパワーとは!?坂本さん・鈴村さんに加え中田譲治さん、柿原徹也さんも登場!
07年12月1日より第1作の公開が開始。その後、上映される各章が連日満員。驚異のヒットとなった劇場版『空の境界』の最新作となる、第5章「矛盾螺旋」が、8月16日(土)より東京・テアトル新宿ほかで公開された。恒例となった初日舞台挨拶だが、これまた恒例となってしまった悪天候のなかでの開始。そんななか、熱い思いを抱いて劇場に駆けつけたファンにメインキャスト&監督が登壇、メッセージを送った。
●20日ほど遅れたが、いよいよ公開した第5章『矛盾螺旋』
当初、7月26日公開の予定が、20日遅れとなった今回の第5章。舞台挨拶はまず、お詫びの言葉から始まった。しかし今回はそれも頷けるほどのボリュームのある内容で、上映時間は実に2時間弱にも及ぶ大作となった。
第5章では、臙条巴(えんじょうともえ)という人物が登場する。とある事情で両親を殺害し、逃げているところ両儀式(りょうぎしき)と出会い、式は彼に好意を抱かれながらも彼の狂気に巻き込まれていく。そこに複雑に絡むのが荒耶宗蓮(あらやそうれん)。黒桐幹也(こくとうみきや)も事態に翻弄される。「偶然」という言葉は、知りえない法則を隠すために生み出された神秘性を持つ言葉。4人はこの言葉に振り回されながらも、示された路に向かって突き進んでいく――。
重厚かつ独特のリズム感が観客を圧倒する映像に仕上がった「矛盾螺旋」。初回上映前に行われた舞台挨拶には、両儀式役の坂本真綾さん、黒桐幹也役の鈴村健一さん、荒耶宗蓮役の中田譲治さん、臙条巴役の柿原徹也さんのメインキャストと、第5章監督の平尾隆之さんが登壇。会場を埋め尽くす大勢の観客を前に上映に先駆けてのメッセージを送った。
平尾隆之監督:公開予定が延びてしまった分、作品に関しては申し分なく一生懸命制作させていただきました。出来栄えは見てご判断いただきたいと思います。
第5章では、炎上巴という男の生き様を描こうと思っていましたので、最後に巴という男はどんな人物だったのか?その生き様からこの作品が何を伝えたかったのか?そんなところを見てほしいなと思っています。
坂本真綾さん:会場に来る際に土砂降りにあいまして、この舞台挨拶の時は毎回雨が降っている気がします(笑)。私は普段は晴れ女なので私のせいではないと思いつつ、(雨も)作品に合ってしまっている不思議な縁を感じます。そんな荒れ気味の天候の中、今日はお越しいただき有難うございました。第五章はボリュームがあり、内容も濃いので、集中して観てしまう分、見終わった後はしばらく放心状態になるのではないかと思います。今日、お帰りの際には気をつけてください。
鈴村健一さん:ついに第5章までやってきました。今までお届けしてきた中では最大の山場を見せていると思います。とにかくボリュームがすごいことになっていて、非常に密度の濃い内容だと思っています。原作の息吹を持ちながらも違った形で見事に表現しているものになっていると言えます。絶対に楽しんでいただける作品だと確信しております。
中田譲治さん:いよいよこの日がやってまいりまして、おめでたい気持ちでいっぱいです。オリンピックでは水泳の北島選手も金メダルを2つ取って、映画も無事公開ができ、本当におめでたいです。公開が遅れてしまったのですが、この内容で、このボリュームで無事公開できたことは、スタッフのみなさんの頑張りがあってこそだと思います。感謝に絶えません。
そしてこれだけ大勢の方たちに来ていただいて、見ていただけることを幸せに思います。2時間という長編の作品ですが、どうか最後まで楽しんでいってください。
柿原徹也さん:今回からの登場になりますが、巴役を演じるにあたって、原作者の奈須先生をはじめ、平尾監督や音響監督の岩波氏からも多くの指示をいただきました。第5章からいきなり参加した自分が、第1章から4章までみなさんが構築されてきた作品の中に入ってきてしまって、大丈夫かなと不安もあったなか、すんなりと『空の境界』の世界に溶け込むことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
完成した矛盾螺旋を見られることを、僕自身楽しみにしていました。今日はみなさんに、満足して帰ってもらえたら嬉しいと思っています。
●第5章の見どころはズバリここだ!
坂本さん:見どころたくさんあり、ご覧いただくまでは言えないことも多いのですけれども、個人的には、“橙子”と“荒耶”の掛け合いが好きで、大人の2人の会話は見ていてグッときてしまいました。後は、アルバのキレっぷりですね。かなりヤバイです。ぜひご注目ください。
鈴村さん:言えないなぁ(笑)。本当にみなさんに見ていただきたい気持ちでいっぱいですが、この世の中は色々なことが対になっていて、螺旋のようにつながっているんだなと、強く感じながら私自身も生きているのですが、矛盾螺旋というのは、自分のフィルムの中にも残っているところもあって、それは皆さんそれぞれにもあるのではと思っています。そんなところを、感じていただけたら演じている者としては幸せに思います。何か1つでも感じて帰っていただけたら嬉しいです。
中田さん:5章だけに、内容については“後生”勘弁願いたい気持ちです(笑)。ぜひ真っ白な状態で見ていただけたらと思う部分もありますが、クライマックスへ向けての山場だけに見どころは盛りだくさんあって、2時間弱たっぷりと楽しんでいただける内容になっていると思います。
柿原さん:小説を読んだときにまず、この内容をどう映像で表現するんだろうかと思いました。台本をいただいたとき、小説の中で随所に描かれていた場面転換がこう絵になるんだ、会話はこう繋がって成立するんだと驚き、感心しました。なので、小説と映画の表現方法の違いをぜひ見ていただきたいなと思います。
またこの作品は「愛」「信頼」といったことへのメッセージ性の強い内容だと感じています。その中で巴がどう成長していくのかというところがみなさんに伝われば嬉しいです。
最後は、これから佳境へと向かう『空の境界』。全体の中における第5章の位置づけと、映画を見る上での心構えを、坂本真綾さんが次のように語り、締めの言葉となった。
私自身1度見て、もう1度見てみたい気持ちになりました。4章とはかなり空気も異なり、予告を見ると6章はまた違ったものになるようです。それぞれの章に良さがあって、まるで体操競技における、技のバリエーションのように、見るものに刺激を与えてくれます。「こう来たか!」とほくそえみながら、見ていただけたらなと思います。