ゆかなさんが10年ぶりとなるニューアルバム『Blooming Voices』を10月29日にリリース!angelaのKATSUさんがサウンドプロデュースする話題作のリリース3カ月前に記者会見を開催!!
ゆかなさんがメジャーからは10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Blooming Voices』を10月29日にリリースすることが発表され、その記者会見が7月31日、東京・銀座BENOAにて行われた。会場にはアルバムの収録曲から数曲が流れ、穏やかで優雅な雰囲気が流れていた。落ち着いたムードの中、記者会見は始まり、ゆかなさんとサウンドプロデュースを務めるangelaのKATSUさんが同席し、スターチャイルド担当者との質疑応答形式で進んでいった。
『Blooming Voices』には12曲が収録され、まず過去にインディーズで発表されたり、ライブで披露されるのみだった貴重な楽曲を再レコーディングした6曲があり、その曲はすべて当時のライブメンバーをそのまま起用し、一発録りに近いライブレコーディングされている。また新曲の6曲は表題曲の生命力あふれる「命咲く」などが収録されている。全体的に包み込むような温かさと、自然の雄大さを感じさせるテイストが詰まった曲がそろい、ゆかなさんのやさしく落ち着いた歌声と、スローなナンバーの数々は1曲1曲がからだの中に染み込むような心地よさとみなぎる強さがあり、ゆかなさんのサウンドだけでなく、人間性も垣間見えるアルバムになりそうだ。
またサプライズとして二人に縁のある斎賀みつきさんからビデオメッセージが届けられた。KASTUさんはangelaとしてのメジャーデビュー曲が『宇宙のステルヴィア』の主題歌で、斎賀さんはこの作品に出演しており、それ以来、懇意にされている間柄で誕生日も同じとのこと。ゆかなさんは声優として共演するほか、斎賀さんのアルバムへの楽曲提供もしており、そのアルバムに収録された「We can share」という楽曲を、今回の『Blooming Voices』でセルフカバーしている。そんなエピソードを明かしたビデオメッセージの後、ゆかなさんも「斎賀さんがangelaをベタぼめしていた」と逸話を披露した。
アルバムについて落ち着いた表情で丁寧に語っていたゆかなさんから、今回のアルバムに対する想いの熱さが伝わってきた。KATSUさんのコメントからもアーティスト・ゆかなに対する期待の大きさが随所に感じられた。10年間の想いを込めたアルバム『Blooming Voices』の発売まであと3カ月があるが、収穫の秋にふさわしい素晴らしい音楽が届けられるはず。それまで公式サイトなどでの情報をチェックしながら楽しみに待とう!
●ゆかなさん「半分はレア音源、自主公演の雰囲気を生かした音作りになってます」
――今回、アルバムをリリースされることになった経緯を説明していただけますか?
ゆかなさん:まさかスターチャイルドさんからアルバムを出すことになるとは夢にも思いませんでした。
ある日、ひょんなことからキングレコードの大月俊倫プロデューサーからお話をいただいて。正直、最初は戸惑いました。お仕事としての音楽活動を再開することにもちゅうちょする気持ちがあってだいぶ悩みましたが、とても熱心で誠意のあるお誘いだったので、「もう一度、頑張ってみよう」と思って、お世話になることになりました。
今回、サウンドプロデュースを、同じスターチャイルドレーベルに所属するangelaのKATSUさんにしていただいていますが、それも大月さんから「もしかしてすごく相性がいいかもしれないから一度会ってみない?」と言われて、KATSUさんとお会いしました。ここまで一緒にお仕事させていただいて本当によかったと思っています。
KATSUさん:大月さんはゆかなさんに話を持っていく随分昔からゆかなさんのCDを出したいという構想があったみたいで、あとは「このプロジェクトを誰にやらせようか」と。そんな時、今、放送されている『薬師寺涼子の怪奇事件簿』という作品で僕が初めてサウンドプロデュースをやらせていただいて、それを大月さんが気に入ってくれたようで、「KATSU君に会わせたい人がいるんだけど」と言われ、ゆかなさんとお会いすることになったんです。
――このアルバムには過去に発表された曲やライブなどで歌われてきた曲が収録されていますが、そのような曲を今回新たにレコーディングしようと思った理由は?
ゆかなさん:音楽活動をしていくなかで自分が未熟だったため、気持ちを伝えきれずにいた時期があって。アルバムを出していなかった10年間はインディーズでアルバムを出したり、自主公演としてライブを行っていました。この期間に私が何に悩み、何を感じたのかということは私にとって、とても大事なことでした。
またKATSUさんには過去の音源をくださいと言われて、ゆかなの名義で作った曲と、また今、私が感じていることはたぶん自主公演のライブで表現していることかなと思って、その時のライブの音源も一緒にお渡ししたんです。
KATSUさん:ゆかなさんとは『ヒロイック・エイジ』と『蒼穹のファフナー』などに出演されていた時に簡単に会釈した程度で、今回一緒にお仕事をするにあたって、ゆかなさんが過去に作られてきた音源をすべて聴かせていただきました。ライブの音源は本格的にレコーディングしたものではないので完成形の状態ではありませんでしたが、伝わってくる空気感がとてもよかったし、このライブ感を生かしたような、3~4人の演奏で歌っている曲のほうがゆかなさんらしいなと思って、昔の曲をやりたいと。そこでゆかなさんに「この空気感をそのまま生かす方向でアレンジしたい」と打診したところ、ゆかなさん自身の思惑ともピッタリあって。そしてライブをやった時のミュージシャンの方に参加していただいてライブ形式でレコーディングしました。12曲の収録曲の半分は昔のレア音源になっています。
ゆかなさん:私が悩みながら作っていたものがあり、その上でライブでつたないながらも積み上げてきたものがあり、それがいいと言ってくださった皆さんがいたから「頑張ろう」と思ってやってこれたので今回、こういった形でその曲達を聴いていただけることはありがたいことだと感謝しています。
――収録曲の半分は新曲になっていますが、これまでゆかなさんが温めてきた曲とのことですが……
ゆかなさん:そうですね。フルサイズの形ではありませんが、モチーフだったり、イメージなど温めてきたものの中から6曲選びました。
●KATSUさん「ゆかなさんから生まれてきたものを壊したり、崩さないようにしなきゃと思いました」
――KATSUさんは普段、angelaとして活動されていますが今回、サウンドプロデュースするにあたっての方向性を説明していただけますか?
KATSUさん:初めてゆかなさんの歌を聴いた時、すごく衝撃がありました。素質的なもの、声質もすごくよくて。そこでこの声を活かすアレンジをしようと。僕がangelaでやっているサウンドのイメージは速さや激しさだと思いますが、今回はそういう曲は一切ありません。今までとはまったく違うところで勝負しています。
ゆかなさん:KATSUさんから「どの曲もテンポが全部二ケタだけどいいの?」って聞かれました(笑)。
KATSUさん:一番速い曲でミドルテンポ以下で。だから今回チャレンジしがいがあって。スローな曲ばかりのなかでアーティスト・ゆかなの振り幅をどこまで表現できるかというのがテーマになりました。
――一緒に制作作業をしていくなかで印象的なエピソードはありますか?
KATSUさん:それほど意見の食い違いはなかったですね。感性的にお互い近いものがあって、「こうしようと思うんだけど」と投げかけたら、「それしかないよね」みたいな感じで割とすんなりいってます。それはやはりゆかなさん自身が曲を作った上に打ち込みなどのアレンジも自分でやっていてある程度、方向性を出していただいているのが大きいですね。
ゆかなさん:デモなのにコーラスを入れたり(笑)。
KATSUさん:かなり完成形が見えている状態のものをいただいてからの作業なので、ゆかなさんのやりたいことがくみ取りやすかったんですよね。
ゆかなさん:私はそこがビックリしたところで。サウンドプロデューサーの方は自分の仕事を前面に出したがる方もいらっしゃると思うんですが、私のデモのベースラインがそのまま採用されていたりして、「本当にいいのかな?」って。
KATSUさん:むしろ僕がもし一人でやっていたら生まれてこない部分でもあるし、活かしたほうがいいかなと。
ゆかなさん:そこがKATSUさんの寛容なところなんでしょうね。
KATSUさん:もちろん間違っていたところなどは直しましたよ(笑)。でもゆかなさんから生まれてきたものを壊したり、崩さないようにしなきゃと思いました。
ゆかなさん:私は最初、KATSUさんとスタッフの方たちはもともとお付き合いがある仲だったので、そこに慣れていくことに多少時間がかかりました。「ここでどうしてこうなるんだろう?」と疑問に思うこともあったりして。でも一緒にやっていくなかで、KATSUさんのB型振り切れタイプの、いい意味でテンションが上がるとどこかに行ってしまうような振り幅にも慣れてきて、段々楽しくなりました。もうそろそろ制作も終盤に入りますが、スタッフの方とのチームワークも築けて、そんな部分も音に現れていればいいなと思います。
――新曲のひとつ、「命咲く」は表題曲の扱いになっていますが、アルバムタイトルが『Blooming Voices』になった由来を教えてください
ゆかなさん:この曲をスタッフの皆さんがすごく気に入ってくださって、アルバムタイトルもこの曲名にしようかという話がありました。でも「命咲く」という言葉が持つ力は少し強すぎる感じがして、他の楽曲の色まで塗り替えてしまう気がしたので、その言葉のニュアンスは残しつつ、いろいろな声や世界が入ったアルバムで、それぞれが咲きほこるという意味でアルバムタイトルを『Blooming Voices』にしました。
●表題曲「命咲く」は、自分自身も含め立ち上がるきっかけになるような曲
――「命咲く」はどんな曲ですか?
ゆかなさん:いろいろな命は生まれ落ちた瞬間に死に向かっていると言われたりしますが、「死に向かうんだったら生まれなくてもいいんじゃないか」とは誰も思わないですよね。生まれることには意味があって、力があると。私が10年間立ち上がれなかった気持ちにも照らし合わせて、どんな悲しいことが待っていようともう一度、立ち上がろうという想いを込めました。もし悩んでいる方がいて、この曲を聴くことで立ち上がるきっかけになればうれしいですし、何よりも私が立ち上がるきっかけにしたいと思いから作りました。
KATSUさん:曲をもらった時、まだメロの状態でしたがすごいパワーを感じました。また受け取った時期が4月くらいということもあり、「桜」や「咲く」というイメージがわいて、和のテイストを入れたらいいかなと。でも和楽器を使ってしまうのではなく、アジア的な要素を取り入れた楽曲にしたいと思いました。
ゆかなさん:私からのオーダーもあまり機械っぽいものでなく、ナチュラルっぽいもの、土臭いくらいネイティブなものを入れたいとお願いしました。
――アルバムの他の楽曲も、自然や生命感に満ちた曲が多いと思いますが、アルバムのトータル的なイメージとしてもそのような部分はあったのでしょうか?
ゆかなさん:自分自身がもう一度立ち上がるという意味があって、とにかく前のめりに、一歩でいいから歩こうという想いが全曲の中に敷き詰められています。
KATSUさん:レコーディングに入る前にゆかなさんがどういう方なのかを知るところから始めて、街を歩いていて気になったものがあったら写メで送ってとお願いしたら、森だったり、ナチュラルでオーガニック的な写真が多かったんです。空気や光を音に変換するようなイメージが湧いてきました。
――最後に皆さんへメッセージをお願いします
KATSUさん:angelaとしての活動以外にもサウンドプロデュース的な仕事にも関心を持っていたので今回、このアルバム制作に携わらせていただいて、これからの音楽人生の中で貴重な体験であり、後悔のない作品にしようという想いで現在制作をしています。声優としてのゆかなさんに期待してほしい楽曲もあるし、まだ誰も見たことのないゆかなさんを出せたらいいなと思っています。皆さんと同じようにゆかなさんの歌声に魅せられた一人として、たくさんの方の期待に応えられるように頑張っていますので楽しみに待っていてください。
ゆかなさん:このままアルバムについて語り出したら何時間も必要なほど、10年間の想いが私の中にたくさんあふれています。今もまだアルバムのために、一生懸命歌っていますし、制作にも取り組んでいます。素敵な音楽をお届けできるようにKATSUさん達と頑張っていますので、ぜひ興味を持っていただけましたらアルバムを聴いていただければうれしいです。
ゆかな『Blooming Voices』
10月29日(水)発売
3,000円(税込)
発売:キングレコード