『家庭教師ヒットマンREBORN!』放送中のエンディング「青い夢」を歌う森翼にインタビュー!
3月に発売した1stアルバム『コワイモノシラズ』に続き、8月19日に4thシングル「青い夢」をリリースする森翼。この楽曲は、人気アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN!』のエンディングテーマとして現在放送中。
『家庭教師ヒットマンREBORN!』と言えば、昨年発売した2ndシングル「すべり台」も、同じくエンディングテーマへ起用。ふたたび、『家庭教師ヒットマンREBORN!』と手を組んだ森翼。彼が「青い夢」を通して伝えたかった想い。それをこれから紐解きたい。(敬称略)
●「青い夢」誕生の背景!! 森翼とツナ(沢田綱吉)の共通項を探れっ!!
――まずは、「青い夢」が出来上がるまでの背景から教えてください。
森:『青い夢』というタイトルから想像できる通り、最初に想い浮かんだのが夢に向かってがむしゃらに突き進んでいる姿。そんな「走っている途中の気持ちを書きたい」ということでした。ちょうど同じ頃に『家庭教師ヒットマンREBORN!』のエンディングテーマにまた使って頂ける事が決まったので、久しぶりにコミックスを読み返したんです。そうしたら主人公のツナ(沢田綱吉)くんの性格と自分の想いに重なる部分があるなぁと思ったんです。そのリンクした気持ちを広げていったら、もともと書きたかった想いがさらに膨らんでいくと思って、そこから具体的な作業へ入っていきました。
――ツナくんのどんな性格に共鳴したのでしょうか??
森:ツナくんも僕も、とても生き方が不器用なんです。失敗も多ければ格好悪い面もいろいろ人に見せちゃう。しかも一生懸命になればなるほど空回りしたりとか(笑)。でもツナくんの場合、そのひたむきな生き方が輝いて見えるんですね。そしてもう一つ、ツナくんは何時も友達や仲間のことを大切に想っている。たとえ空回りした行動になっても、みんなツナくんの気持ちをわかっているからこそ彼を信頼して付いてくる。その姿こそ僕が理想としている生き方なんですよ。
――理想的な生き方ですか……
森:そう。ツナくんは、仲間は本当に大切な存在なんだっていうぶれない気持ちを、いつも強く持っている。大切なものを守るため、時には戦ったり必至に汗を流したり、思いっきり涙も見せてしまう。人によっては計算もへったくれもないぶん「ダサイ」と思える生き方なのかも知れないですよね。でもね、たとえ結果がどうであろうと、そうやって流した汗や涙は絶対にその人のことを裏切らないと思うんです。そんなひたむきな熱い気持ちと、夢に向かって突き進んでいく意志を重ね合わせて、僕は「青い夢」を描きました。
●流した汗や涙は裏切らない!! 森翼とツナがともに抱き続けている感情とは!?
――この歌に登場する主人公は「夢を見つけられたときがスタートだ」と語りかけてきます。
森:何かを始めることに、僕は早いも遅いもないと思っています。むしろ、自分を変えたいこれをやってみたいと思った瞬間から、もう新しい自分へ進むためのスタートを切っているんですよね。
――いくつになっても、人はスタートを切れるんだと。
森:そうですね。僕だって、歌いたいというぶれない芯を持ちながらも、未来の姿を描けなくて悩んだり葛藤したこともいっぱいありました。そういうときに救いになったのが、必至になって流した汗や涙は絶対無駄にはならないという気持ちでした。その度にここからがスタートだって何度も気持ちをリセットして、自らもう一度スタートの合図を切り続けてきたような感じです。
――流した汗や涙は裏切らない。ツナくんも翼さんも、そう。自分であきらめなければ、ズッと夢は続いていくんですよね。
森:世の中にはそのスタートの合図を見い出せない人だっていると思うんです。だったら僕が、この「青い夢」を通してそういう人たちの背中を押してあげたいなと思って。
●まだまだ僕らは、夢の途中 君は明日へ向かって走れますか!?
――「青い夢」というタイトルにも、青春と同じ匂いを感じました。
森:僕にはその夢がまだまだ叶えきれてない青い状態に見えているんですね。青春も“青い春”と書くように、未熟だからこそ夢もまた青く見えるんだと思うんです。だからこそ苦悩もするし必至にもがいたりもする。ツナくんもそうですよね。今の僕だって、やっぱりまだまだ夢の途中なんですよね。
――まだまだ、ゴールは遥か遠い先にあると。
森:もちろんそうです。僕自身もそうなんですけど、周りがどう言おうと自分が信じた想いはけっして間違ってなんかないと思うんです。だったら僕が「間違ってなんかないで!!」って、この歌を通してみんなに言ってあげたかったと言うか。そうやってみんなが信じた気持ちを胸に走り続けてくれるなら、僕も負けじと先の夢へ向かって走り続けていけるやろうと思ったし。まだまだ夢を描き続けていこうとも思ってますしね。そんな夢の途中=青い夢を綴ったのが、この歌なんです。
――あらためて、『青い夢』に対する想いを語っていただけますか??
森:僕自身、いろんな葛藤を背負いながら、まだまだ夢に向かって走っている途中なんです。そうやって汗かきながらがむしゃらに走り続けている姿を観て、「僕も走ってみようかな」「あいつ頑張ってるな。だったら俺も少し前へ向かって歩いてみよう」とか、前に進むきっかけになってくれたら、とても嬉しいなと思ってます。僕は歌詞の中で、「汗と涙は裏切らない」って断定的な言葉を通して、今一番伝えたい想いを投げかけました。あとは聴いてくれた人たちがその言葉をどう受け止め、自分の糧にしてくれるかだと思っています。
●熱いファンが急増中!! 森翼の音楽と「家庭教師ヒットマンREBORN!」ファンとの共通性
――『すべり台』『青い夢』と、「家庭教師ヒットマンREBORN!」と2作品コラボレートしてきました。いろんな反響の声は返ってきてますか??
森:「家庭教師ヒットマンREBORN!」は、「友情」「仲間を思う気持ち」「戦う意識」「自分が一歩踏み出そうとしていく意志」なんかを描いた熱い作品じゃないですか。きっと観ているファンの方々も、心熱い方たちが多いんでしょうね。森翼の作品にも共感して下さっての反響は色々返ってきてますし、僕のライブにも足を運んでくださる方が増えましたよ。
――それだけ、素敵なコラボレートになったということでしょうか??
森:だとしたら、すごく嬉しいです。僕今ね、アニソン系のコンサートへ出演して歌ってみたいなぁと思うんです。アニソン・ファンの人たちって、自分なりの楽しみ方を知っている人が多いじゃないですか。僕もその中に入って一緒に盛り上がりたいなと思ってるんです。関係者の方、これを観ていたらぜひ声をかけてください(笑)。積極的に参加していきますので(笑)。
●C/Wに込めた、森翼の心模様 気づいて欲しい、心の中の憧憬たち
――2曲目には、疾走感満載、ロックなテイストを持った「一瞬と永遠」を収録しました。
森:「青い夢」がポップな表情を持った楽曲だとすると、「一瞬と永遠」は僕の中にある陰の感情を尖ったスタイルで描き出した曲です。伝え方の表現面でも、「青い夢」で「汗と涙は裏切らへん」と言い切ったスタイルとは一変していて、「一瞬と永遠」では「見て、俺はこんなに傷ついたけど、それでもまだまだ俺は頑張ろうと思う。じゃあ、お前はどうする!?」というような感じで。
――確かに、葛藤しながらも必至に前へ向かおうとしていく意識が、激しい表情の中からさえもしっかり見えてきます。
森:嫌なこともつらいことも悔しいこともいろいろあったけど、その悔しい気持ちを忘れずにいたら、何時かきっと見返してやれるかもしれない。そういう陰な感情を鋭く描き出すために、サウンド面もかなりロックな方向にしていったんです。
――3曲目には、森翼さんらしい、幸せを見つけた想いを綴ったハートフルな歌「第3希望のプレゼント」を収録しました。
森:その場面が劇的でもドラマチックでなくても、ぜんぜん構わない。実は日常の中にある何気ない行動や出来事を一つ一つ振り返っただけでも、自分にとってこの子はとても大切な存在なんやって気付けることって実際あるじゃないですか。むしろ日常の中にあるからこそ、見落としてしまいそうになる物事って言うか…。
――そういうことって当たり前すぎるからこそ、あとになって気付くんですよね。
森:僕なんかは特にそうなんです。鈍感すぎてその場は全く気付かないのに、あとで振り返ったらむしろ細かい面まで色々気付いてしまったりとか。でもそれって、もったいない事ですよね。その時になって「あん時こうしてれば…」と後悔してしまったり。だからこそ、今その大切なことに気づいて欲しい。その相手が誰であろうと、日常にある大切な物事に今しっかりと気付いてもらいたくて、この歌を書きました。
●森翼の新しいステージが始まる。今、この瞬間を大切にしてください。そのメッセージの意味とは…!?
――あらためて完成した作品に対して、ひと言お願いします。
森:収録した3曲とも異なった視点や曲調になっていますが、どの歌にも共通しているのが、今向かっていることに対して何が大切なのかを感じて欲しいという事なんです。あとになって気付く事も大切かも知れないけど、むしろ今、その大切なことに気づいて欲しい。そうしたらもっともっと、その夢や相手の人とかにその人自身が深く没頭できたり大切にしたりできるはずだから。
――その気持ち、しっかり受け止めておきます。
森:今回収録した3曲とも、すべて1stアルバムの『コワイモノシラズ』の完成した後に作りました。ここから新しい森翼を描きたかったんです。そんな僕の新しい第二のステージ、ぜひ耳を傾けて心で感じてもらえたらと思います。