サクラ大戦よ、目覚めよ! 巴里花組公演に続いて帝都花組公演も決定と、夢のつづきが現実のものになる! 「サクラ大戦巴里花組ライブ2009 ~燃え上がれ自由の翼~」開催
久々に『サクラ大戦』メンバーが結集して想い出の名曲の数々を聴かせた「田中公平作家生活30周年記念コンサート」から2ヶ月。ついに本格的な公演として、伝説の『サクラ大戦』の舞台が復活を遂げた。
2009年12月26日と27日の2日間、サクラのホームグラウンドとも言える東京渋谷・青山劇場で、実に5年ぶりとなる巴里花組公演が開催された。これまでディナーショウが中心だった巴里花組にとっては珍しい、大ホールでのライブショウで、久しぶりの新曲も豊富に披露。紐育星組から応援メンバーも駆けつけ、これぞサクラの舞台という華やかな歌と踊り、キャラの掛け合いを楽しませた。更に、帝都花組からも映像が届き、2010年3月6日に公演を行うことも明かされた。
いつかまた、と願い続けた夢のつづきが、幕を開ける。
出演は、日高のり子(エリカ・フォンティーヌ)、島津冴子(グリシーヌ・ブルーメール)、小桜エツ子(コクリコ)、井上喜久子(ロベリア・カルリーニ)、鷹森淑乃(北大路花火)、小島幸子(メル・レゾン)、かないみか(シー・カプリス)、高木渉(シゾー)、陶山章央(大神一郎)、園崎未恵(九条昴)、菅沼久義(大河新次郎)、内田直哉(マイケル・サニーサイド)、Velo 武田(ベロムーチョ武田)ほか。
●巴里花組、颯爽と再臨!
前説には敵の怪人ながら狂言回し役として人気者のシゾーが久しぶりに登場し、エリカやベロムーチョ武田と「御旗のもとに」の振りの説明や観劇の注意事項を織り込んだ寸隙を繰り広げる。
オープニングはいきなり新曲「巴里よ、目覚めよ」から。まさに『サクラ大戦』の新たな目覚めを感じさせる期待感に溢れた新曲で、巴里花組5人が歌い踊る。3つの歌劇団のうち、巴里組だけはラストを銘打った公演もないままにファイナルの武道館ライブで活動終了となっていたため、舞台も客席も心に燃え残っていた炎が一気に燃え上がる。
シャノワールのメイドコンビ、メルとシーが定番曲「花の巴里」で続き、巴里のステージが本当に帰ってきたと実感する。途中から巴里花組の5人、さらに昴やサニーサイドなど紐育星組の応援メンバーも加わり、ステージいっぱいにキャストがずらりと並ぶ様子が、これこそサクラのレビューだと主張する。
歌の後は巴里花組と紐育星組の、これが初めてとなる交流が描かれる。そもそもなぜ紐育星組がここにいるかについては、サニーサイドが新次郎に世界のショウを観せて勉強させるため、巴里にまで連れてきたと語り、この2人ではいかにも心配ということで昴がお目付け役に付いてきたと説明する。その昴を見て、紐育星組にも日本人がいて嬉しいと花火が喜び、エリカは日本人と見ればサムライと決めつけ、昴はサムライではなく公家だと説明するなど、キャラとしての会話が弾んでいく。ゲームではなかなか描けない、他の組のキャラとの他愛ない日常風景をたっぷり描くのもサクラの舞台の特色だ。
エリカが得意のダンスで魅せる「祈り」、グリシーヌとロベリアがグラスを傾けながら歌う「モンパルナスの夜」、コクリコと花火が愛らしく踊りながら歌う「ぼくの巴里 わたしの巴里」と、個別曲で各自の魅力を楽しませた後は、再びシゾーが登場してお笑いタイムへ。シゾーは悪者の毒舌キャラだけに、何を言っても許される部分があり、自由奔放に客いじりやネタを連発して笑わせる。「シゾーのテーマ」をしっかり2番まで歌い、さらに調子に乗って「ゲキテイ」まで始めたところで大神に厳しいツッコミを入れられた際も、「俺、こういう格好してるけどさ、お前の先輩だよ?」とアドリブを入れて大神を弱らせ、サニーサイドには内田直哉さんの『レ・ミゼラブル』ネタを振って巴里との関係を印象付け、昴には「摩天楼にバッキューン!」ポーズを舞台の隅で習うなど、必要以上に観客の視線を引きつける。しかしサニーサイドの押しの強さはそれ以上で、「脇役でしょ?」の一言でシゾーを退場させてしまう。だがシゾーも負けておらず、紐育星組の「Love is」の決めポーズに乱入してやり返すなど、攻防が実に面白い。
その間に巴里花組メンバーはシャノワールの夜の踊り子衣装に着替え、シャノワールのショウが幕を開ける。黒猫エリカとマジカルエンジェル・コクリコの異国情緒溢れる「アラビアンカフェ」、サフィールとタタミゼ・ジュンヌの恋の歌「月夜の森へ」、ブルーアイとサフィールの荘厳な「暗闇の王」、黒猫エリカとタタミゼ・ジュンヌの明るく弾む「ラグタイムショウ」、ブルーアイの華やかさが輝く「愛の灯をセーヌにともせ」とメドレーで送り、場内をすっかり巴里の夜の雰囲気に染める。
第1部のラストは新曲「恋はスピード」。好きな人に想いを伝える勇気が欲しいという、恋する人に贈る応援歌で、タオルを頭上で回す振り付けがあり、会場中でダオルをブンブン回して盛り上がった。
休憩前の恒例、3分間ショッピングでは、メル、シー、新次郎がシャノワール特製ラスクや特製黒猫タオルを楽しくかわいく宣伝。細かいところまでキャラで作り込むサクラの舞台の健在さが、こんな部分にも現れる。
●新曲多数で巴里花組の新たな魅力を描き出す
第2部は、メンバーそれぞれのデートをモチーフにした新曲を一挙に送る。グリシーヌの「恋の歌」は、夏の木漏れ日の中で身を寄せ、馬を並べて森を進む爽やかなデート。コクリコの「魔法のように」は、好きな人のために得意の料理で魔法をかけるかわいらしい食卓デート。ロベリアの「マイボーイ」は、恋人の前だと柄にもなく夢見る少女のようになってしまうというギャップを歌うロックナンバー。花火の「はじめてのことなのに」は、手をつないで恥らう大和撫子らしさが愛らしい曲。エリカの「一緒にいたい」は、恋に臆病だけど積極的というエリカらしい心情をアイドルソング風にした曲。どの曲もキャラクターの個性を出しつつ、デート気分を味わえる印象的なものとなった。
ここで帝都花組からとっておきの情報が。さくらとすみれが映像メッセージで、2010年3月6日に帝都花組ライブショウを厚生年金会館で開催すると発表したのだ。サプライズでの新たな夢のつづきの提示に、会場が歓喜で満たされたのは言うまでもない。
再び日本に戻る大神との爽やかな別れ、紐育に帰る紐育星組との明るい別れを済ませ、巴里花組はこれからも巴里で愛の力を広めていくという決意を「天使の瞳」に込めて歌い、最後は「シャノワール」「未来(ボヤージュ)」と続ける最強の名曲メドレー。しかも帝都花組とお揃いのレビュー衣装姿を初披露するサプライズも付き、コクリコとロベリアに至っては初めてのスカート姿まで見せるなど、最後までとことん楽しませてくれる。
エリカの「絶対にまたお逢いしましょうね!」という力強いコメントで一旦幕が閉まった後、そう言えば重要な1曲を歌い忘れていたとグリシーヌが思い出し、全員がもう一度基本のキャラクター服に着替えて「御旗のもとに」を熱唱。
「またいつか、サクラ愛の御旗のもとにみなさまとお逢いできる日を夢見ております」というエリカの最後のコメントは、幕が閉まり切る瞬間まで舞台上から手を振り続ける巴里花組と、拍手を贈り続ける観客全員の心からの願いでもあった。
ファンが信じ続けることで実現した『サクラ大戦』の夢のつづき。これからも希望の灯をともし続ければ、必ず夢はつづくと信じよう。
このライブの模様を収録したDVDが、2010年2月25日にセガより発売予定。
■サクラ大戦巴里花組ライブ2009 ~燃え上がれ自由の翼~
第1幕
M-1 巴里よ、目覚めよ
M-2 花の巴里
M-3 祈り
M-4 モンパルナスの夜
M-5 ぼくの巴里 わたしの巴里
M-6 シゾーのテーマ
M-7 Love is
M-8 アラビアンカフェ
M-9 月夜の森へ
M-10 暗闇の王
M-11 ラグタイムショウ
M-12 愛の灯をセーヌにともせ
M-13 恋はスピード
第2幕
M-14 恋の歌
M-15 魔法のように
M-16 マイボーイ
M-17 はじめてのことなのに
M-18 一緒にいたい
M-19 クリスマス巴里
M-20 天使の瞳
M-21 シャノワール
M-22 未来(ボヤージュ)
M-23 御旗のもとに
>>公式サイト「サクラ大戦.com」