浪川大輔さんの初監督作品『Wonderful World』のトークイベントがTOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催!――浪川さん「監督の視点で役者を見ることが出来た」
アニメ『君に届け』の風早翔太役をはじめ、アニメ『閃光のナイトレイド』の伊波葛役などのほか、洋画の吹き替えなどでも活躍している声優の浪川大輔さん。彼が初めてメガホンをとった実写映画『Wonderful World』 が2010年に公開される。その公開を前に、5月14日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて浪川監督によるトークショーが行われた。
片山誠志役を宮野守さんが、兄の晃一役を監督でもある浪川さんが、その他にも普段声優として活動している森久保祥太郎さん、杉田智和さん、甲斐田裕子さんなどが出演。さらにヒロインはモデルの上原歩さん、テレビや映画で活躍中の平田裕香さん、そしてロックバンド「彩冷える」のギターリスト・夢人さんや、お笑いタレントのヒロシさんなど様々な分野の表現者がこの『Wonderful World』に集結した。
<STORY>
弁護士である片山誠志は、幼少の頃に自分の過失によって20年もの間植物状態で入院している兄・片山晃一に自責の念を抱えている。ところが人が眠っている間に生活をしているという『ヘム』の世界で気ままな生活をしている兄と出会う。誠志はヘムで様々な体験をすることになるが、やがてヘムで起こったことが形を変え現実世界で再現されていくのに気づくのであった。
●監督することを決意した理由とは?
オーディションや作品で役をもらったときに、どのように役に入り込んだらいいのか、役作りとはなにか?と壁に当たった時期があるという浪川さんは「監督になって、この役者はどんなふうに役を見るのかな?という視点で見ることができて、例えば宮野君の役の作り方は自分にはまったくない役の作り方だったので、そういう意味では役者として知ることができて良かったですし、ちょうど伝えたいメッセージがしっかりあった時期でもあったので、良いタイミングだなと思って監督をやらせてもらいました。」と話した。
●映画のテーマは「壁を乗り越えて大人になっていくこと」
自分のせいで兄を植物状態にさせてしまったという思いから、勝手に責任を感じて、人を助けたり、人のために役に立つことが償うことなんだと思い込んで過ごしてきた主人公の姿を描いた本作。浪川さんは「普遍的な誰もが感じることをテーマにしたくて、それぞれの人が持っているハードルや壁というものを乗り越える勇気がでるような作品にしたかった。」と話し、続けて「「反省はしても後悔はするな」という好きな言葉があって、後悔しても何にも始まらなくて、反省して次に同じことを繰り返さなければ良い、それが一つ大人になるというイメージがあります。主人公のように“過去をしまって良い顔をしているのでは、いくらたっても成長しない”と思ったのでそれをテーマにしたかった。」と描きたいテーマについて全てのあらすじを話す勢いで語ってくれた。
●このイベントでしか聞けない・見れないことが盛りだくさん
登場キャラクターとそのキャスティングについて解説も行われ、そのトークに時折会場は笑いに包まれていた。また今回のイベントのためだけに作られた本編のダイジェスト映像やDVDの特典映像として収録されるスピンオフドラマのダイジェスト映像の上映のほか、主題歌『Wonderful World』を音楽ユニットの『angela』が担当することも発表され、その歌詞についても浪川さんは語ってくれた。
今回のイベントでは、来場者からの質問タイムも設けられた。トークに、質問に、監督・浪川大輔として熱く語るが姿がとても印象的で、監督を手がけたことによって彼がさらに充実したパフォーマーに成長したことを感じさせてくれた。映画は2010年に公開。スクリーンからあふれ出す彼の熱い想い。キミもその眼でキャッチしてみてはいかが?
<取材・文:藤本厚>
>>『Wonderful World』公式サイト