TVアニメ『海月姫』放送開始記念リレーインタビュー企画――今回登場していただいたのは“尼~ず”の面々です!斉藤貴美子さん・岡村明美さん・くまいもとこさん・能登麻美子さん座談会
東村アキコ氏原作の人気コミック『海月姫』(講談社刊『Kiss』連載中)のTVアニメがフジテレビのノイタミナ枠で好評放送中!
当サイトではアニメ化を記念してリレー企画をお送りしてます!第2弾となる今回はヒロイン・月海が住む天水館の住人・尼~ずの4人の座談会です。千絵子役の斉藤貴美子さん、まやや役の岡村明美さん、ばんばさん役のくまいもとこさん、ジジ役の能登麻美子さんが華やかに、にぎやかに作品の魅力を語ります。
●友人だった東村先生と夢見たアニメ化が実現!
――まず作品についての印象をお聞かせください。
千絵子役・斉藤貴美子さん(以下斉藤):原作者の東村アキコさんとは、6年くらい前に偶然、飲み屋さんで隣り合わせになって意気投合したんですよね。お互いの仕事も知らないまま(笑)。その後、仲良くさせていただくうちに「いつかアニメ化できるようなマンガを描いて一緒にできたらいいね」と言っていたら本当に実現するとは。作品ももちろん読んでいて、すごくおもしろくて好きでした。オーディションは緊張しましたが、関わることができて幸せです。実際に見た映像もきれいで躍動感があって。キャストのみんなのテンポも良くて。ある意味、毎回、戦いだなと。
ばんば役・くまいもとこさん(以下くまい ):大丈夫!千絵子は勝ってるよ。
斉藤:それはよかったです(笑)。思い入れの深い作品だけにキャラが動くだけでも感動的だけど、アニメ化で大きく世界観が広がったなと思います。
まやや役・岡村明美さん(以下岡村):初めて原作を読んだ時、東村先生の言葉のセンスがすごくおもしろくて。クララのかわいさにもキュンときましたが、アニメになってよりかわいさが増して。「ガチで苦しいでつ」と言われたら、それだけで「ごちそうさま!」(笑)。まややもあんなに動くと思わなかったので驚いて「さぁ、どうしよう?」って。
●同じおたくとしてキャラに共感
――鉄道好きなばんばさんは?
くまい:私はばんばさんと同じボーダー好きで(笑)、ばんばさんが電車の音を聞くだけで車両がわかるように、私もバイクの排気音を聞くだけで車種がわかるほどのバイクおたくなので共感できるんです。没頭できるほど好きなことがあるのは素晴らしいと改めて思わせてくれる作品だと思います。また自分が出たアニメはいつも反省ばかりなので1回見て封印することが多いけど、この作品は見終わった後、巻き戻して見たくなる魔力があるんです。大森監督はすごいと思います!
ジジ役・能登麻美子さん(以下能登):原作を読んで、「こんなにおもしろいものを描く方ってどんな方なんだろう?」と気になりました(笑)。
斉藤:素敵な方ですよね。また皆で飲みに行こう(笑)。
能登:ありがとうございます。性別や年齢を問わずに誰でも楽しめる、すごいエンターテイメントだなと思いました。また私は尼~ずの方達ほど「これがすごく好き!」というものを持っていないので、みんながうらやましいです。
くまい:これを機にジジ専に?
能登:ありえますね(笑)。
●尼~ずはちょっと変わったところがあるだけの普通の人
――キャラについての印象や実際に演じた感想は?
斉藤:千絵子は“和もの”が好きな古式ゆかしき女性。いつも月海を心配するお母さんみたいな。
くまい:あんな母がいる天水館に私も住みたい!
斉藤:天水館のオーナーの娘ということもあるかもしれないけど、温かさと母性を持った愛情深い人だなと。演じる時はありのままでいこうと思いました。たぶん千絵子はどこにでもいる普通の女性なんです。だから気張らず感じたままでやろうと決めました。
岡村:まややはすごくテンションが高いけど、私的にはそれほどテンション高くやってる気はなくて。
能登:すごいパワーですよ。
岡村:強引にやっているわけではなくて、しゃべってると擬音が出たり、手が拳法のように出てしまう人なんだなと思っているので、できるだけ自然にやってます。
●どこまで表情を出していいのかが難しい
――ばんばさんはいかがですか?
くまい:ばんばさんみたいに無口でぼそっと話すような役は少なかったので、今後、演じる機会が増えることを期待しています。一番小さくて、前髪で目が隠れてしまっているせいで表情が分かりにくい分、どこまで表現していいのか考えながらも、その時のニュートラルな位置でお芝居しようと心がけてます。でも好きな電車の話になると口角が上がってしゃべり始める感じとか、ばんばさんのかわいさが自然と出ればいいなと思ってます。
能登:皆さんのテンションにのっかりたくなりがちですが、監督から「もう少し押さえ気味に」と言われてからは、淡々とした方向でやらせていただいてます。最近、気持ち悪いほうに行ってないか、ちょっと心配なんですけど(笑)。
くまい:大丈夫だよ!
●突出したキャラ達の織り成す物語は見逃せない!
――5話まで演じた中で気になるキャラや好きなシーンは?
斉藤:どこかと言われると難しいですね。キャラがみんなインパクトがあるし、物語も毎回、ジェットコースターに乗ったみたいに「わぉ!わぉ!」という感じなので。
くまい:月海ちゃんはかわいいし、蔵之介君はカッコイイし。その周りには鯉淵家や私達、尼~ずがいて。バランスいいですよね。
岡村:総理大臣の根岸さんも濃いよね。
能登:笑いをこらえるのが大変で。
斉藤:まややさんが来ると「来たっ!」ってテンションのスイッチが入る。
岡村:ばんばさんも食べ物を前にすると一気にMAXに上がるよね。ばんばスコープも出てきて。地井武男さんが特別出演した時もビックリしたよね。
能登:あの写真は強烈でしたね。
くまい:全キャラ、全シーンを注目ということで。とにかく毎回、見逃せませんよ!
●好きなものにストレートに熱くなれるのが尼~ずの素晴らしさ
――ここで尼~ずの素晴らしさをアピールしてもらえますか?
岡村:やはりそれぞれの突出した個性です。各キャラをピックアップすれば1本の番組できちゃうくらいの濃さで。
くまい:みんな、深く熱く語れちゃうから。
岡村:だからアドリブが大変で、専門的な用語を言わなきゃいけない時も。
斉藤:岡村さんは元々、三国志については……。
岡村:いやいや。学校の歴史の授業とちょっと学んだ程度。台本に出てるのは調べるけど、全巻読むのはさすがにね(笑)。
くまい:私も電車について詳しくないし。
斉藤:私達は割と大丈夫だよね?
能登:はい。あまり難しい用語も出てこないから。でも千絵子さんは長ゼリフが大変そう。
斉藤:得意分野になるとまくし立てますからね。でも趣味以外はみんな、普通なんです。
岡村:誰でもそういうものを持ってると思う。一緒に住む人達がそれぞれ好きなものがあって、それぞれ好きなことだけやってられるところっていいですよね。私も住みたいもん!
くまい:私も! まやや様と暮らしたい!!
岡村:3日で飽きると思うよ(笑)。
●嫌なキャラがいない天水館
――仲もいいですよね。月海も含めた5人でよくお茶を飲んでるし。
能登:そう思います。
斉藤:会話してるかなと思ったら、おのおの好きなこと言ってるだけで(笑)。
くまい:こういう一つ屋根の下で複数の人が暮らす場合って、一人くらい屈折してたり、嫌な人がいるものだけど、この作品には一人も嫌な人がいないんです。そこが素晴らしい!
斉藤:キャスト同士も仲良くなれて嬉しい!リアル尼~ずじゃないけど(笑)。収録が毎回楽しみです。
●ブルーレイ&DVDに尼~ずフィーチャした特典映像を収録
――映画の名作の数々をオマージュしたOP映像。本当にあんな作品がありそうな感じですね。
くまい:実は来年1月に発売されるブルーレイとDVDに、“海月姫 英雄列伝☆(ヒーローズ)”と題した、各キャラをフィーチャーしたTV未放映の特典映像が収録されるんです!
岡村:ちなみに最初はまややからです。
斉藤:彼女達の日常を切り取った映像も楽しいですよ。
くまい:千絵子さんだったら人形にずっと話しかけてるだけとか。
斉藤:しかも誰も突っ込まない。そういえば、ばんばさんって怒らないですよね。髪の毛踏まれても。熱く怒る事ってあるのかな?
岡村:唯一、怒ったのは鍋の話で蔵之介が肉としらたきを一緒に入れた時。
くまい:でも、それも一緒に煮ると大好きな肉が堅くなるからだし。
能登:あとで蔵之介が松坂牛を差し入れたら、すぐ機嫌が直って、月海ちゃんもあ然としてた。
斉藤:尼~ずの各キャラでスピンオフという企画は?「天水館24時」とか。
岡村:おもしろい!
能登:観たい!
くまい:お風呂入る順番とか超気になるもん!
●幸福感をもらえて、自分を見つめ直すきっかけにもなる作品
――ここで『海月姫』の魅力を挙げていただけますか?
能登:やはり幸福感ですね。ホッとするというか。1日が終わる深夜にこういう人達を見て、幸せな気持ちで寝てもらえたら。
岡村:みんな幸せそう。蔵之介はお金持ちで何でも手に入るけど幸せそうじゃない。尼~ずは貧乏で親のすねをかじってるけど、好きなことができて幸せ。
斉藤:おしゃれ人間に対してコンプレックスを抱いてるけど、そこも人間らしいですね。誰でも皆、どこかで自信がなかったりしますもの。蔵之介の「よろいを身にまとう」という発言も印象的でした。
岡村:「見た目でしか見ない人もいるんだから」って。
くまい:それでも尼~ずは幸せそう。この世代は現実でも就職氷河期で、職場や会社でも苦労されてる世代だと思うんです。そんな同世代の人が、彼女達がけなげに楽しそうに毎日を過ごす姿に共感したり、元気付けられたらいいな。
能登:幸せは人それぞれ違うし、価値観も違う。そんな中で、尼~ずの人たちの“幸せの形”を皆さんに楽しんで観て頂けたらと思います。
くまい:ジジ様のようにお話を聞いてもらえなくてもね。
斉藤:嫌われてるわけじゃないですからね。
岡村:「あっ、いたの?」という時もあるけど。
能登:それは影が薄いだけで(笑)。
●天水館に忍び寄る危機と月海を巡る恋模様に注目!
――では最後に『海月姫』の今後の見どころを教えてください。
くまい:天水地区の再開発を目論む稲荷さんが出てきて天水館がどうなるのか? 修への月海ちゃんの恋、そして蔵之介の心境は?見どころいっぱいです。
岡村:蔵之介との距離感は、尼~ずにとっても少しずつ変化していて。
斉藤:あんなに毛嫌いしていた蔵之介だけど、今では天水館にいても何の違和感も感じない。
能登:松坂牛がきっかけとはいえ。
岡村:そう考えると尼~ずは柔軟ですよね。それに蔵之介を女子だと信じ込んで、1ミリも疑ってない。
能登:月海ちゃんが必死に隠す姿は涙ぐましいです。
くまい:このままバレずに済むのか? はたまた発覚した時、どうなるのか? 気になりますね。
斉藤:でも我々が一番気になるのは果たして尼~ずは今後どうなっていくのかでしょう!?今日(11月25日)、放送される6話ではあんなことが!?
岡村:あんなことが~!!
斉藤:詳しくは番組をご覧になっていただいて。
能登:尼~ず以外にも個性的なキャラばかり。根岸総理も最高ですよね!
岡村:千葉繁さんがマイク前に立つだけでなぜか笑っちゃうんです。
くまい:いろいろな作品のオマージュやパロディも見逃せません。OPは名作映画オマージュのオンパレード。各話のタイトルも名画にかかってる。本編でも「クララが立った!」とか、「これって大丈夫なの?」と心配になる演出(笑)が今後もたくさん出てきますのでお見逃しなく!
岡村:細かいこだわりがいっぱいの作品です。結論は本編はもちろん毎回欠かさず見ていただいて、DVDとブルーレイも買ってほしいということなんですけど(笑)。限定盤に付くクララのマスコットがまたかわいいですよ!
斉藤:皆さん、『海月姫』をあますことなく、楽しんでください!
くまい:そして尼~ずスピンオフ企画へのプッシュもお願いします(笑)。
<取材・文:永井和幸>
原作の東村アキコ氏と大森貴弘監督によるトークイベント開催決定!!
11月26日(金)発売の原作コミック第6巻の帯に付属の「イベント応募券A」と2011年1月28日(金)発売のアニメDVDもしくはBlu-rayの帯に付属の「イベント応募券B」を官製はがきに貼り、必要事項をご明記の上、ご応募ください。抽選で100 名様をトークイベントにご招待致します。当選者はイベント入場券の発送をもってかえさせて頂きます。詳細は「海月姫」公式サイトまで! 日程は2011年3月5日(土)!
>>アニメ『海月姫』公式サイト