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『おねてぃ&ツインズ』10周年記念イベントレポ

聖地・木崎湖に井出監督&井上喜久子さん降臨! 「『おねがい☆ティーチャー&ツインズ』放送&聖地巡礼10周年記念イベント Ecclesia -エクレシヤ-」開催

 聖地を愛する10年分の想いが結実! 2012年8月19日(日)、『おねがい』シリーズ誕生および聖地巡礼10周年を記念した地元主導のイベントが、長野県大町市の木崎湖キャンプ場特設ステージで盛大に開催された。

 イベントのメインとなるトークショーには、『おねがい』シリーズの生みの親である井出安軌監督と、『おねがい☆ティーチャー』ヒロイン・風見みずほ役の井上喜久子さんが登場。番組放送から10年を経てなお初公開となった秘話や、木崎湖での想い出などを語り、聖地に駆けつけた満場のファンを大いに喜ばせた。

井出安軌監督と風見みずほ役の井上喜久子さんが、『おねがい』シリーズの聖地・木崎湖でトークショーに出演!

井出安軌監督と風見みずほ役の井上喜久子さんが、『おねがい』シリーズの聖地・木崎湖でトークショーに出演!

 木崎湖キャンプ場といえば、『おねがい』シリーズの聖地巡礼においては欠かせないスポットだ。中でも番組オープニングでキャラクターが印象的なポーズを取っていたことなどに因んで、「みずほ桟橋」「苺桟橋」と呼ばれる2つの桟橋が名物となっている。その桟橋を臨む位置に、今回の特設ステージは設けられた。

 檀上にはチェーンソーアートで有名な長野県安曇野市在住の彫刻師ジェイソンさんが、木崎湖のために制作してきた『おねがい』シリーズヒロインの等身大木像の数々も飾られた。このうち縁川小石の像は今回のために作り起こされたもので、仕上げは午前中に当ステージ上でパフォーマンスイベントとして行われたという、まさに出来立てである。

 いよいよトークショーの時間となり、井出安軌監督に続いて浴衣姿の井上喜久子さんがステージに登場すると、井上さんの聖地降臨を待っていたファンから大歓声が湧き上がる。その熱烈な歓迎ぶりに、井上さんも開口一番「みなさんの声援を聞いて、もう泣きそうになりました」と感激した様子。と思いきや、「いつものあれ、やっていいですか?」とおなじみの17才あいさつネタで“つかみはOK!”状態に。

 また井上さんはイベント2日前から来て、聖地を堪能していたそうで、自転車で木崎湖のほとりを走りながら「サイコー! サイコー!」と叫ぶ様は我ながら「ちょっと危ない人でしたね」と苦笑していた。しかも、途中でみずほ先生が車体にラッピングされた巡礼バスと出会った際には、バスに停まってもらって記念写真を撮ったとか。ちょうど乗り合わせたファンたちに注目されるのも厭わず、はしゃいで撮影していたことには「すいません。それが若さっていうんですか」と言い訳をして、さらに笑いを誘っていた。

 放送から10年経ち、作品について語り尽くしてきたと思われる井出監督と井上さんに、新たなトークを引き出すための斬新な企画と称して用意されたのは、サイコロトークでおなじみの巨大サイコロ。各面には「木崎湖の想い出」「現場の話」「今後やりたい作品」「おねてぃな話」「今だから言える話」「?」のお題が書かれており、「なにが出るかな、なにが出るかな♪」の歌も会場全体で再現する。まずは井出監督が振り、出たのは「今だから言える話」。

 『おねがい☆ティーチャー』の企画初期段階、ひとりでバイクに乗ってロケハンの下調べに出た井出監督は、以前に来たことがある木崎湖を「やっぱりここがいいかな」と選んだという。その後Please!のロケ隊と来たものの、当時は湖の全景を見渡せる場所であるパラグライダー場の存在を知らなかったため、制作現場ではネットで入手した写真を参考にしていたそうだ。そして翌年の『おねがい☆ツインズ』の頃には、木崎湖の完璧な資料を基に作画を行えたと、まさに今だから言える制作秘話を明かした。

 なお木崎湖を上から見ると、2本の桟橋が「17」と見えることについて、井上さんはそれを知った時に「奇跡キター! って思いました。なんかこう運命を感じました」と語って観客を湧かせた。なお桟橋がなぜ「17」の形なのかは、司会を務めるキャンプ場の管理人・荒井氏も知らないとか。
 そこで「もう井上喜久子さんに合わせたってことでいいんじゃないですかね」との提案が出され、井上さんも「私のために作っていただいた桟橋もあるんですよ、みたいな感じでこれからやってってもいいんですか?」とお伺いを立てると、満場の拍手で観客も同意を示した。

「こんにちは、風見みずほ役の井上喜久子17才ですっ!」「おいおい!」と、定番の挨拶でスタート。

「こんにちは、風見みずほ役の井上喜久子17才ですっ!」「おいおい!」と、定番の挨拶でスタート。

後ろに立つ等身大木像は、左がみずほ先生、右が縁川小石。細かな造形までチェーンソーで仕上げるジェイソンさんの技は見事で、小石の黒い部分をバーナーで焼いて再現する様子も午前中のステージで生披露された。

後ろに立つ等身大木像は、左がみずほ先生、右が縁川小石。細かな造形までチェーンソーで仕上げるジェイソンさんの技は見事で、小石の黒い部分をバーナーで焼いて再現する様子も午前中のステージで生披露された。

サイコロトークから飛び出す秘話の数々。

サイコロトークから飛び出す秘話の数々。

「なにが出るかな、なにが出るかな♪」とすごく楽しそう。

「なにが出るかな、なにが出るかな♪」とすごく楽しそう。

 続いて井上さんがサイコロを振ると、出たのは再び「今だから言える話」。「私、実を言うと、この作品に関わるまでは、湖が怖かったんです」と語り始めた井上さんに、一同の頭上には「?」が浮かぶが、要は子供の頃にテレビで観た外国映画の影響だったようだ。湖から巨大タコが現れ、人々を水中に引きずり込むというその作品があまりに恐ろしく、湖がトラウマになったらしい。

 「でも『おねがい☆ティーチャー』に出逢ってから、湖が大好きになりました」ときれいにまとめる井上さんに、「タコは海なんじゃ……」と井出監督が冷静にツッコミを入れると会場は大爆笑。さらに井上さんが「誰か観てないですかね? 私が子供の時、たぶん40年くらい前の……って違いますね。17才でした」と、観客にもその映画のタイトルがわかる人がいるかを問うが、結局わからず仕舞いとなった。予想だが、1977年のイタリア映画『テンタクルズ』ではないかと思われる。

 2周目のサイコロトークに入り、井出監督が振ると、出たのは三度「今だから言える話」。迷った末に、監督はオーディション時の秘話を切り出した。セリフを読んでもらう以外に、声優に自由に喋ってもらって素の声も参考にするという井出監督は、『おねがい☆ツインズ』の神城麻郁役のオーディションでは「妹のことを好きになったらどうするか」というトークのお題を出した。
 その際の浪川大輔さんの行動が印象的だったそうで、「何を思ったのか、架空のかわいい妹に対して想いを切々と語る一人芝居を始めたんですよ。ああっ、そういうんじゃないんだと思ったんだけど、音響監督の菊田(浩巳)さんが『面白いんで、止めないでいきましょう』って。浪川さんも、ひとしきりやり遂げたみたいな状態でしたね」。そんなわけで、浪川さんが見事麻郁役に決まったらしい。

 井上さんは2周目で「今後やりたい作品」というお題を出すが、おもむろに『おねがい☆ティーチャーZ』と語って場を騒がせる。観客がスカウターで戦闘力を測る系アニメを想像する中、井上さんは「いま流行りのっていうか。Zは動物園のZooのZです。『おねがい☆ティーチャー』のキャラクターたちが、みんな動物になって動物園で暮らすっていう」と、癒し系アニメであると説明した。では実際どんな動物に置き換わるか考えてみたところ、「停滞」の病気はただの冬眠になるとか、みずほ先生は飼育員といったアイデアで盛り上がった。

 井出監督の3周目のお題は「木崎湖の想い出」。長野県松本市出身の監督が一番最初に木崎湖を訪れたのは、高校2年の夏休みだそうで、男女8人で来て星湖亭の横の園地で遊んだり、ボートを借りたりと健全に過ごしたという。「キャラクターたちがやったようなことを、同じような世代の時にやっていたんですね」と、『おねがい』シリーズが井出監督の中から生まれた理由がまたひとつ判明した。

 続いて井上さんがサイコロを振ると、出たのは「?」。これは質問に「はい」「いいえ」の札で答えるというもので、「やっぱりみずほ先生が一番?」の問いには井上さんはもちろん、井出監督も「はい」。さらに「桂くんは理想の夫である?」の問いには井出監督は「はい」、井上さんは「わかりません」の札を上げてごまかした。

 ここで井出監督が『おねがい』シリーズのプロデューサーであるバンダイビジュアル・森本浩二氏を呼び込み、サイコロトークにサプライズ参加させた。お題は「木崎湖の想い出」で、『おねがい☆ツインズ』の神城麻郁の家のモデルとなったのは普通の一般家庭であり、許諾を得るために菓子折りを持って挨拶に行ったことが一番の想い出だったと明かした。

キャンプ場に特設された野外ステージには、遠方から駆けつけたファンがぎっしりと。

キャンプ場に特設された野外ステージには、遠方から駆けつけたファンがぎっしりと。

前日から来ている井上さんは、縁川商店ことYショップ ニシにも立ち寄り、名物のうちわを貰ってきたとか。

前日から来ている井上さんは、縁川商店ことYショップ ニシにも立ち寄り、名物のうちわを貰ってきたとか。

「桂くんは理想の夫である?」の質問に、「わかりません」の札で答えを濁す井上さん。

「桂くんは理想の夫である?」の質問に、「わかりません」の札で答えを濁す井上さん。

『おねがい☆ティーチャー』サイクルウェアのPRのために来ていたバンダイビジュアルの森本浩二プロデューサーも、サイコロトークに参加。ロケの秘話を語った。

『おねがい☆ティーチャー』サイクルウェアのPRのために来ていたバンダイビジュアルの森本浩二プロデューサーも、サイコロトークに参加。ロケの秘話を語った。

木崎湖フォトコンテストにて、井上さんが選んだみずほ先生のコスプレ写真の応募者さんが、井上さんと感動の対面。

木崎湖フォトコンテストにて、井上さんが選んだみずほ先生のコスプレ写真の応募者さんが、井上さんと感動の対面。

 トークショーの後は、木崎湖の想い出をテーマにしたフォトコンテストの審査となり、ステージ上に並んだ最終候補20作品に井出監督と井上さんが歓喜の声を上げる。散々迷った結果、井出監督は小石が桂に告白したシチュエーションである夜の海ノ口駅の写真を、井上さんはみずほのコスプレの写真をそれぞれ井出監督賞、みずほ先生賞として選んだ。会場には応募者も来ていたため、ステージに呼んで感動の対面も果たした。

 井出監督は最後に「今日のために何ヶ月も前から準備をしてくださった方たちに、本当に頭が下がります。10年も前の作品に、実際の舞台となった場所でこういったイベントを企画していただけたことは、監督冥利に尽きると思います。みなさんもわざわざここまで足をお運びいただいて、ありがとうございました」と、スタッフおよび今日集まったすべての人に感謝を捧げた。

 井上さんもスタッフやファンに篤く感謝の言葉を述べ、「私もみなさんと同じように、この木崎湖をこれから何度も訪れて、自分の第2の故郷みたいな気持ちになっていくんだろうなって思います」と聖地への想いを表した後、「最後にみずほ先生の決めゼリフを言ってもいいですか?」と提案。「これからも『おねがい☆ティーチャー』をいっしょに盛り上げてくださいね。最優先事項よ!」と決めポーズを取り、万雷の拍手の中でイベントを締めた。


>>おねがい☆ティーチャー&ツインズ放送&聖地巡礼10周年記念サイト

イベントが大盛況で終わったことに、深々と頭を下げる井出監督。

イベントが大盛況で終わったことに、深々と頭を下げる井出監督。

最後は井上さんが「最優先事項よ!」とばっちりキメて終了!

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