アフィリア・サーガ・イースト 4thワンマンライブ「キ☆ラ☆リ☆ン☆魔法」2012.12.15＠品川ステラボール ライブレポート

2012年は『アニサマ』出演、台湾公演、オリコンデイリー1位など、大きな躍進を遂げたアフィリア・サーガ・イースト。激動の1年を締め括るツアーの東京公演が行われた。2013年に向けた発表もあり、このライブ自体が新たなステップになった。

■ 萌えと癒しで気持ちがトリップまさに魔法のようなステージ

　ステージの幕が開き、魔女っ子衣裳で後ろ向きの10人が頭上に掲げた腕を左右に振る。緑のレーザー光線が行き交う中、おもむろに振り返って「アフィリリル～！」。アフィリア・サーガ・イーストの4thワンマンライブは「よろしくね　センパイ！」と、「Dearセンパイ♡～メンバー自己紹介ソング～」からスタートした。

　メンバーが1人ずつ、凸型のステージの出っ張りに来て、「いつもマイペース。あなたの？」「女神！」（ユカフィン）などと、コール＆レスポンスでご挨拶。全員並ぶと、息の合ったステップを見せて。

　ステラボールのオールスタンディングのアリーナはファンでギッシリ。委員長のルイズが「すごいたくさんの先輩がいるー！」と高揚して話す。定番の自己紹介を挟んで「どんどん歌っていきますよ」と続けた2曲目「禁断無敵のだーりん」は、“キミは客席の2列目　いつもステキな笑顔で”と、チョクにファンに向けた歌。会場のテンションはさらに上がる。片足を横に跳ね上げて体を傾けるキュートな振りに、間奏ではコサックダンスも。

　MCでは、この4thワンマンのためにメンバーたちが取り組んできたことを話す。「毎日ラーメンを食べるのをやめました」というクルミに失笑も起きつつ(笑)、体育会系のローラは「ライブの最後で体力がなくて全力を出せないのが悔しくて、時間があれば早朝ランニングをしてました」と気合いの入ったところを見せた。

　「先輩方も負けずについてきてくださいね」と、「メリディンの祈り」からまた立て続けに歌う。ダンスは10人が動きをユニゾンに揃えるのを基本に、バリエーションを付けていくスタイル。軽やかに左右へ動くステップ、後ろ手に組んで腰を回しながらの迫り出し、5人が歌い5人が静止して交錯したりのフォーメーション。衣裳のマントやスカートが揺れて。そこに胸を撫でるような歌声が乗って、キュンキュンする。

　このライブでは三つの重大発表があると予告されていたが、MCでルイズが「あの話をしましょう」と言い掛けたところで、ピエロが三つの札を持って踊りながら登場。札を一つ引いて、読み上げるルイズ。「新メンバーを発表しちゃいます！」

　手を振りながら「こんにちは」とステージに現れたのは、アフィリア・シェリーズ（上野店）のレイミー・ヘヴンリー。さっそく10人と共にセンターに立ち、「My White Ribbon」を歌った。清楚な雰囲気で、初ステージのわりに落ち着きも感じられ、ダンスもソツなく溶け込んでいて。歌い終わって、「緊張して顔が固まっちゃって、ちゃんと笑えてなかったと思います」と言いつつ、「知ってる先輩がいっぱいいる～」と、ステージの端まで出て手を振った。

　目標を聞かれると「東京ドームでやりたいです！」と堂々の宣言。同じシェリーズ所属のマホによると、「人気の後輩で、お店に入って1周年のときは、人が入りきれないぐらい並んでました」とのこと。心強いメンバーが加わったようだ。

　ちょうど良いゆったり感。萌えでもあり癒しでもあり、気づくとフワッと気持ちがトリップしてるのは、まさに魔法にかかったよう。あるいは健全なドラッグムービーとでも言えそうな、アフィリアのステージはクセになる。

　凛とした「未来が私を待っている」では、2人1組でマリオネットを手繰るパントマイム風の振りも。羽ばたくような動きには力強さも出ていた。

■ 小柄な３人がセクシーに純白なサンタ衣裳に歓声

　ライブはそこから、メンバーのフィーチャリングコーナーへ。まずはルイズ、コヒメ、アリア、マホ、エミュウの5人。「何度も歌ってきたけど、このワンマンのために振り付けをカッコよくしてきました」と披露したのは、『Memories off』ナンバーのカバー「Triangle Wave」。クールさを強調し、シャープでキレのいいダンスを見せる。

　入れ代わりで、純白のサンタ衣裳に着替えたユカフィン、ミク、アヤミ、ローラが登場。「オペラファンタジア」を小気味良く踊りながら、凛々しい感じで歌った。ミクはトナカイのツノを付けて、衣裳はヘソ出し。「自分で切っちゃった」とのことで「セクシー！」と声が掛かったが、MCに流れて他のメンバーも同じく白い衣裳で現れると、アリアは1人、お腹をパックリ出して、さらに高い露出度。「オーッ！」と歓声が上がった。

　「この服で歌うとかわいいじゃん、という曲を」と、全員で「ヴィーナス☆女神っくす！」。ゼンマイ仕掛けのようにパキパキした振りで、ルイズやユカフィンはキリッと、コヒメやエミュウは愛らしく、コントラストを見せる。「せーの！」でパンパンッ！と手拍子が起きた。

　続いてルイズ、クルミ、アリアと身長159 ㎝の3人で、「HMV アイドル学園」でカバーした中川翔子のヒット「空色デイズ」を披露。突き進む曲にかわいらしいエッセンスが入ったのが、アフィアらしい。次にコヒメ、マホ、エミュウと小柄な3人がスタンダードナンバー「フレンズ」を、セクシーさも漂わせながら歌った。

　早替えで最新曲「SURVIVE!!」の赤と黒の衣裳をまとい、メンバーたちが順次、ステージに集まってくる。再びピエロも現われ、重大発表の二つ目として、アルバムの4月発売が告げられた。「このワクワクした気持ちを歌に乗せて」と、「SURVIVE!!」からの後半は力強さのある曲がたたみ込まれた。

　天を指で突き刺しながらのステップ。5人ずつ二つの円を作ってクルリと回ったり、飛行機のように両手を広げてステージに散らばったり、メンバーたちの動きがテンポアップ。「行くよ！」「一緒に！」と煽りを入れて、会場からもすごい勢いでコールが起きてサイリウムが振られ、盛り上がりは最高潮に。

　「教育的指導！」ではメンバーが2人ずつステージの出っ張りに駆けて出てきて、「そこ！　そこ！」と場内を指差す。“ランランランラン、ランララン～”の合唱で、ステージと会場が一体になった。

■ 先輩への感謝を込めてフィナーレさらなる飛躍を誓い独特な余韻も

　ノンストップで歌い続けながら、ルイズが「残りわずかです！」と叫び、ラストスパート。「恋をゲームにしないで！」で全員が一緒のステップを踏む隊形に戻って、パフォーマンスにいっそう熱が帯びる。観ていてトリップ感も増して、頭がいい感じでボーッとしてくる。アフィリアの世界に、すっかり持って行かれていた。

　本編ラストは「放課後_ロマンス」。コヒメが「いくつもの試練を乗り越えて、このステージに立ちました。私たちはもっと遠くの未来へ向かって旅立っていきます。先輩、精一杯の歌を聴いてください！」と叫んだ通り、最後まで彼女たちの熱が溢れ出していた。

　アンコールを受けて、新メンバーのレイミーも交えた11人がライブＴシャツで登場。重大発表の三つ目として告知されたのは、来年5月の東名阪ツアー。そして、年内いっぱいでの活動休止を発表していたクルミが、初めてファンへ直接報告を。

　「自分が決めたことで、前向きな決断です。正直寂しい気持ちもありますけど、帰ってくるので。クルミが離れてる間も、アフィリア・サーガ・イーストのことをよろしくお願いします」と言うと、ユカフィンと抱き合って涙。ルイズが「メイリも体調を崩して、残念ながら今日のステージにも立てませんでしたが、来年は2人の穴を埋めるくらい盛り上げていくので、よろしくお願いします」とお辞儀して、会場から暖かい拍手が送られた。

　アンコールは、飛び跳ねながら左右に動く「聖ナルwktkノ星」など2曲を続けた後で、オーラスへ。ルイズが「今年は本当にいろいろなことがあって。最後の曲は、先輩方への感謝の気持ちを伝えたいと思って選びました」と、「エシカル～ありがとうを伝えたい～」で締めた。“誰かのための自分でいたい　あなたの声にこたえるわ”という歌。そして、「ずっと一緒ですよ、先輩」（コヒメ）というメンバーの言葉……。

　気がつけば、あっという間の3時間。暖かくて、どこか夢を見ていたようでもある余韻は、アフィリア・サーガ・イーストのステージならではのものだろう。

Text／斉藤貴志

アフィリア・サーガ・イースト 4thワンマンライブ「キ☆ラ☆リ☆ン☆魔法」
2012.12.15＠品川ステラボール ライブレポート

SET LIST
①Dearセンパイ♡～メンバー自己紹介ソング～
②禁断無敵のだーりん
③倍速恋愛時計
④TANTEI☆ラプソディ
⑤メリディンの祈り
⑥ルミナスの泉
⑦未来が私を待っている
⑧術式は誰かのために
⑨My White Ribbon
⑩Triangle Wave
⑪オペラファンタジア
⑫ヴィーナス☆女神っくす！
⑬空色デイズ
⑭フレンズ
⑮SURVIVE!!
⑯La＊La＊Laラボリューション
⑰ワタシ☆LOVEな☆オトメ！
⑱教育的指導！
⑲恋をゲームにしないで！
⑳飛行実習～Learn to Fly～
21放課後_ロマンス
EN①ニーハイ・エゴイスト
EN②聖ナルwktkノ星
EN③エシカル～ありがとうを伝えたい～

>>アフィリア・サーガ オフィシャルサイト