新しい試み! Kiramune Presents リーディングライヴ『鍵のかかった部屋』10月28日夜公演をレポート
神谷浩史さんや浪川大輔さん、入野自由さんをはじめ、人気男性声優の所属する音楽レーベルKiramune。そんな同レーベル初のリーディングライヴ『鍵のかかった部屋』が2012年10月27日(土)・28日(日)に舞浜アンフィシアターにて開催された。ここでは、10月28日夜公演の模様をレポート!
原作は今年テレビドラマ化もされた人気作家・貴志祐介の『鍵のかかった部屋』を、今回のリーディングライヴ用にアレンジしたもの。防犯ショップ店長の榎本径と弁護士(神谷浩史)の青砥純(27日:入野自由、28日:浪川大輔)が密室で起きた事件のトリックを解明していく推理ものだ。
円形のステージに用意されたひとつひとつ違うデザインの扉と中央に置かれた椅子のみというシンプルなセット。朗読劇ではありながら、ストーリーが展開していくたびに出演キャストが次々と扉を出入りしたり、椅子やソファーなどのセットを入れ替えたり、スポットライトなどで動きを表現。また、スクリーンを使い人物紹介をしたりと、細やかな演出が施されていた。
物語は榎本と青砥の出会いから始まる。ある日、青砥が榎本のもとに元泥棒の会田愛一郎(野島健児)を連れてくる。刑務所を出所した直後に会田は亡くなった姉の忘れ形見、美樹(庄司宇芽香)と大樹に会いに、亡き姉の再婚相手である高澤芳男(27日:木村良平、28日:吉野裕行)のもとに訪れたところで事件に遭遇する。
なんと甥である大樹が“鍵のかかった部屋”で死んでいたのだ。刑事(三宅淳一)は自殺と断定するのだが、会田は「大樹は絶対自殺じゃない」と信じ、榎本と青砥に真実の解明を依頼する。
事件が起こり、その謎を調べていくうちに明らかになっていく不審なものの数々。朗読しているだけにもかかわらず、その場の情景をまるで見ているような錯覚に陥るほどの迫真の演技に驚かされる。
榎本が飄々と謎を明らかにしていく姿と冷たい表情でそれに答える高澤の攻防戦に会場は緊張感に包まれた。まるで榎本と一緒に謎解きをやっているかのような感覚になるからおもしろい。榎本の「密室は破れたんですから……。」のセリフとともに舞台の幕が下りる。それまで物語に引きこまれていた客席から会場の静寂を破るかのような盛大な拍手が熱演したキャスト陣に送られた。
鳴り止まない拍手に応え、再びステージに登場。出演キャストが一言ずつ挨拶。最後に挨拶した神谷さんの「これからもKiramuneではリーディングライヴや歌のライヴ、PVなどの映像やトークライヴイベントなど、いろんなものでみなさんを楽しませ続けていきたいと思ってます。」という言葉で公演を締めくくった。
これまでさまざまな角度から“声で表現する”ことにアプローチしてきたKiramune。今後どのような展開をみせてくれるのか楽しみだ。