『攻殻機動隊ARISE border：1 Ghost Pain』初日舞台挨拶レポート！　坂本真綾さんや冲方丁氏など、キャスト＆スタッフが想いを激白！

　2013年6月22日（土）、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて、『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』の初日舞台挨拶が行われた。
　大人気アニメ『攻殻機動隊』シリーズ最新作ということもあり、会場には大勢の観客が集まっていた。この日は、坂本真綾さん（草薙素子役）、黄瀬和哉氏（総監督・キャラクターデザイン）、冲方丁氏（シリーズ構成・脚本）、むらた雅彦氏（監督・絵コンテ）、石川光久氏（製作総指揮）が登壇し、各人の想いや制作秘話などを明かしてくれた。

▲左からRQの武田あやりさん、石川光久氏、冲方丁氏、坂本真綾さん、黄瀬和哉氏、むらた雅彦氏、RQの有馬綾香さん

【石川光久氏（製作総指揮）コメント】
「『攻殻機動隊』というタイトルはですね、日本以上に、ものすごい海外で支持されているんですね。そういう面では、世界で戦えるスタッフを選ぶと、それが最初のテーマだったんですね。今回は、黄瀬を総監督において、日本のアニメーションのすごさを出して、世界に打って出ようっていうのが、まず頭に浮かんだんですね。あっこれは2番目かもしれない（笑）。もうひとつですね、ドリームワークスと『攻殻機動隊』の脚本チームと色々話したことがあったんですが、その時に、お話がいかに大事かというのを身にしみたんです。それで脚本は、沖方さんにやってもらうしかないと思ったんです」

【冲方丁氏（シリーズ構成・脚本）】
「石川社長に、六本木ヒルズの会員しかは入れないレストランにいきなり呼び出されて、“ここの親子丼が美味いから食いたまえ”って。僕は食事を一緒にするつもりで行ったんですよ。それで“美味いっすね親子丼”て言ってたら、“これも美味いよ”って、士郎（正宗）さんの資料とメモをどさーっと渡されて（笑）。会員レストランだから、“考えさせてください”って勝手に移動できないんですよ。それで周りはプロダクション・アイジーのプロデューサーで……。
　ただ、その時の石川社長の真剣さと熱意が伝わったんです。『攻殻機動隊』を一度再起動するっていうのは、ちょっと考えただけでも、ものすごい大変で、それを本気でやると！　しかもご指名いただいたっていうので、ここで逃げたら、色んなものがすたってしまうと思わされました。それもまあ、石川戦術なのかもしれないですけれども（笑）。
　今回、少佐も含めて、あらゆるキャラクターを若返らせています。で、ホントにシンプルなコンセプトを決めていこうと思いました。で、考えたのが、可愛い素子と、カッコイイ荒巻と、かわいそうなバトーなんです。この3拍子はいかがですかって、黄瀬さんにお話して、その路線で行きましょうと。今回、素子が可愛く描かれてて、これまでにない素子の表情や姿が、出てるんじゃないかなって思いましたね」

【むらた雅彦氏（監督・絵コンテ）コメント】
「自分でコンテをやる時に、『攻殻機動隊』という作品なら、（ワンシーンを）長い尺でじっくり見せるのができると思っていました。それで、そういうシーンは作ろうとしたときに、バトルの長いシーンを、世界に名だたる沖浦啓之さんに作画をお願いできました。他のところもそうなんですが、名前の通った方に作画をやっていただいていて、作画監督の西尾鉄也さんも、世界に名だたる方です。すごいスタッフの中で、やれたのが自分はすごい幸せでした」

【坂本真綾さん（草薙素子役）コメント】
「オーディションでは、何の作品なのか、詳しいお話はキャストは誰も聞いていなかったんですね。役柄も草薙素子とは知りませんでした。台詞を読んで、テープに録って、監督に判断していただいたわけなんです。私は、オーディションに受かりましたというお知らせをいただいたときに、タイトルをお聞きしまして、びっくりしたという感じなんです。それで、新たに驚いたのが、以前、子供の擬体の素子というのを、映画『GHOST IN THE SHELL／攻殻機動隊』などでやってましたけども、そのことは監督は全然知らなかったっていうことです。黄瀬監督も携わってたんですが（笑）。それでも、私をご縁で結んでいただいたっていうのは、ホントに面白いなって思いました」

【黄瀬和哉氏（総監督・キャラクターデザイン）コメント】
「今現在、border:2がかなり進んでいます。シナリオも読んで、コンテも読んで、border:1とは違う切り口で、パワフルな作品になっていると思いますので、是非、ご期待ください！」

　などなど、キャスト＆スタッフ陣の熱い想いが語られた。
　他にも話題になったのが、劇場先行発売の“「攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain」シナリオ付き劇場限定版Blu-ray”。本編中では、中佐が誰に殺されたか、よく分からないつくりになっているが、そのシナリオにはハッキリと記されているのだ。画面上でも、よく見ると分かるらしいので、まずは劇場で何度か見返したり、Blu-rayをじっくり見てから推理して、それからシナリオを読むば、楽しみが倍増することだろう。ただ、Blu-rayは売り切れる劇場も多く、この日の会場でも完売するほどの大人気ぶりだ。お求めの際は、ご注意を！

▲パシフィックレーシングチームの公式レスクイーン「パシフィックフェアリーズ」からさん、武田あやりさんが応援に駆けつけてくれた。

　そして最後に、坂本さんが代表して、会場のみんなに向けてご挨拶をしてくれた。

「始まったばかりです『ARISE』。まずは、border:1を観ていただいて、きっと続きが観たいなと思ってくださったことと思います。私自身は、素子の“さあこれから誰をスカウトしようかしら”って台詞を読んだ時に、ゾクっと鳥肌が立ったんです。どうやってあの9課ができていったのか、みんなで見届けていただけたらと思います」

　本作は、この日より2週間限定で、全国劇場にて上映。次回作「border:1 Ghost Wispers」は、11月30日より全国劇場にて上映となる。『攻殻機動隊ARISE』の熱いデキを、是非とも体感してほしい！