新作は“ファンへのラブソング”――VALSHE 7thシングル『TRANSFORM / marvelous road』発売記念インタビュー【前編】
今年2月に発売したアルバム『V.D.』で一切フィクションのない、自分自身そのものを描いたVALSHEさんが、“転生”をテーマにしたニューシングルをリリース!
疾走感に満ちたサウンドと純度の高い歌詞でまっすぐ心を射抜く『TRANSFORM』、声優/ビジュアル監修としても携わっているアプリケーション「WRITERZ」のテーマソング『marvelous road』を両A面に掲げた今作。これまでとは一線を画すダイナミックなアレンジが特徴で、カラーこそ違うがドラマチックに高まっていくエネルギーに溢れた2曲だ。
「自分の足で立っているという自信がやっとついた」と、いつになく穏やかな表情で話してくれたVALSHEさん。何度もインタビューさせてもらっている身としても、いちファンとしても、彼女の語り口や表情、表現力の高まりから “進化”を感じずにはいられない。なぜこのタイミングで『TRANSFORM』(転生)を遂げたのか。そして新作に込めた強い想いとは──。前編・後編に渡ってじっくり話を訊いた。
●「自分にしかできないことはこんなにある」
──アルバム『V.D.』のリリースから約半年。どのような気持ちでシングルに向かっていったのでしょうか。
VALSHEさん(以下、敬称略):自分のなかでは『V.D.』のリリースがつい最近のことなので大きな心境の変化はないんですけど、今回の『TRANSFORM』は『V.D.』を作ったからこそ完成した作品物なんです。“LIVE THE JOKER 2013”(昨年11月に行われた初ライブ)と『V.D.』の制作が終わったあとで沸き起こった感情や心境をコンセプトにしているので、形作るうえで今までとは決定的に違うのかなと。
──“沸き起こる感情”は、実際にやってみないと分からないモノですもんね。
VALSHE:そうなんですよね。ライブのときもそうだったんですけど、ステージに立つまで自分がどう思うか立ってみないと分からないんだなと。イラストから実写になって、実写ですべてを出します!ってアルバムを発売したら自分はどういう気持ちになるのか、これからどうしていきたいのか。やっぱり、やってみないと分からないという。それが分かったからこそできたシングルです。
──具体的にどんなことを自覚されたんですか?
VALSHE:自分のなかで一番大きな部分は“VALSHEはVALSHEでしかない”ということを自分の感覚レベルで自覚したというか。前回のシングル(『Butterfly Core』)、アルバム、ライブを経て……だれがどれくらいの想いを持ってやっても、最終的に中心に立っているのは自分なんだということを良い意味で理解したんです。また “そうであるべきなんだ”と思えたし、周りのひとたちは“そうであるため”に頑張ってくれているんだなと。
というのも、これまでは自分はあくまでも“チームVALSHEのひとり”という意識のほうが強かったんです。無意識だったんですが、その考えが無意識のうちに膨れてしまっていたんです。たとえば、取材やラジオでも今までは“誰が何をやってくれたか”っていうのをきちんと言わなきゃと思っていて。
──ああ、実際話してくれていましたよね。
VALSHE:そうなんです。でも『V.D.』が発売されてすぐくらいかな? ある日“スタッフさんが受け答えしているみたい”“チームの代表が話しているみたい”って言われて、すごく驚いて。自分は“そうじゃなきゃいけない”って思っていたけど、“敢えて言わなくても、みんなで気持ちをひとつにして作ってるんだということは誰しも分かってるんじゃない?”って言われて納得して。もっとどっしり構えててもいいんだと思えたんですよね。スタッフさんと横一列に並んで同じようにいることを誰も望んでいないし、自分にしかできないことはこんなにある。それをもっと自覚したいって思うようになって……。そういうちょっとした革命が自分のなかに起きたんです(笑)。
──最初に“大きな心境の変化はない”とおっしゃっていましたが、それは大きな変化ですよ! なんだかVALSHEさんがVALSHEさん自身をすごく信じている感じがするというか。今までにないような力強い発言が続いていますね。
VALSHE:そうなんです。信じられるようになったんです。自分の足で立っているという自信がやっとついたのかなという気がしています。ライブ前は“自信がない”と思っていたんです。でもそれを越えて……ある意味(チームVALSHEの)それぞれの自立の時期が来たのかなと。仲良く作っていることは自分のなかではすごく強みで、ベルトコンベアではなく輪っかのなかで仲間と情報を共有するということに関してはこれからも続けていきたいんですけど……これからはそれぞれがそれぞれのやるべきこと、やりたいことをやっていく中で、よりよいものを作り上げていくことができたらなと。
──なるほど。さきほど“革命”とおっしゃっていたんですけど、それに気づいたときってどういう感覚だったんですか?
VALSHE:……最初は寂しさもありましたね。
──そうですよね。
VALSHE:それだけ密接に一緒に作品を作ってきていたので。でも、物理的に接触をする時間が少なくなってしまったことで寂しいと自分が感じるとしたら、ファンのひとが聞いたときにもっと寂しいと思うのかなって。自分が寂しいって思ったらファンの人だってそう感じてしまうと思ったので、それはダメだなと。
──その話はminatoさんにはしたんですか?
VALSHE:しました。
──どういう反応でしたか?
VALSHE:彼も……いや、もしかしたらもう少し早かったのかもしれないですけど、同じことを思っていて。これまで一心同体のつもりでやってくれていたし、これからも一緒に活動はしていくけど、彼が“自分はVALSHEではない”とハッとすることがあったらしくて──たぶんライブを見てだと思うんですけど。VALSHEの世界観は一緒に考えていたとしても、あくまでそれは“VALSHEの世界観”であると。minatoとは兄弟や親子みたいな不思議な関係性なので、そこに気づいたことでやっぱり寂しさもあったんですけど、お互いの自立を確認したからこそ“もっと面白いことができるね”“そういう話ができて良かったね”って。
──すごく前向きにとらえることができたんですね。
VALSHE:そうですね。それに……寂しいかもしれないけど、“いまが最善”となってしまったらこれ以上チームVALSHEは進化しないと思うんです。それだったらいいところだけを残してずっと進化し続けたいという願いを込めて、『TRANSFORM』(転生) というコンセプトの作品を作りました。
●「歌いたい理由ってファンのひとたちの存在以外に特にないんです」
──『TRANSFORM』はいつになくエネルギーに溢れた楽曲となっていますが、楽曲はいつからあったんですか?
VALSHE:楽曲自体は『V.D.』発売前からあって、歌詞は『V.D.』発売後に書きました。『TRANSFORM』=転生というコンセプトから、いろいろなところで“新しいこと”を取り入れていて、作詞の面でも新しいことにチャレンジしています。いちばん明確なところが、表題曲にVALSHEが初めてラブソングを書いているという。
──しかも、ものすごくストレートな歌詞ですよね。
VALSHE:そうなんです。明確なんです。今回はVALSHEがファンのかたに向けて書いたラブソングで。これまではストーリー性のあるコンセプトを設けて抽象的に世界を書いて、そこに自分の気持ちを投影して……あとは“どういう世界の設定なのか聴く人にお任せします”って委ねていたんですけど、今回は分かりやすい形にしようと。
──なぜこのタイミングで、こういう歌詞を書こうと思ったんでしょうか。
VALSHE:『V.D.』を発売してより思うことのひとつとして……自分自身が歌いたい理由ってファンのひとたちの存在以外に特にないんですよ。音楽は大切だし、自分が生きていく上で欠かせないもの。でも音楽が好きなだけなら趣味の範囲でいいですし、こういう活動形態である必要はないと思っていて。でも誰かに発信して、それを受け取ってくれるひとがいて、そこのつながりが自分にとって同等か、それ以上には大事なモノだからこそこの形で発信しているんですよね。ぶっちゃけ恋愛感情みたいなモノって分からないんですけど(笑)、自分のファンの人に対する想いは周りのひとのいうそれにすごく似ているなって。その人たちに対して自分の思っていることを濁さずに、捻じ曲げずに書きたいって思ったんです。
[インタビュー&テキスト・逆井マリ]
■リリース記念イベント
<THE Quizzical BOX ~TRANSFORM / marvelous road Zepp Tour 2014~>
7/30(水) 大阪・Zepp NAMBA 応募締切:7/20(日)23:59
8/03(日) 東京・Zepp DiverCity 応募締切:7/20(日)23:59
8/20(水) 愛知・Zepp NAGOYA 応募締切:8/7(木)23:59
※CD購入応募者全員をご招待!
※各会場2公演を予定
※応募方法等、他詳細は商品封入チラシをご覧ください。
■7thシングル『TRANSFORM/ marvelous road』(全タイプ共通)
1.TRANSFORM(作詞:VALSHE 作曲:minato 編曲:中山真斗)
2. marvelous road(作詞・作曲:minato 編曲:G’n-)※iOS/Androidアプリ『WRITERZ』テーマソング
3. Chewing girl(作詞・作曲:VALSHE 編曲:G’n-)
4. TRANSFORM -Instrumental-
5. marvelous road -Instrumental-
6. Chewing girl -Instrumental-
【初回限定盤A VALSHE盤(CD+DVD+スリーブ仕様)】JBCZ-4009 / ¥1,619+税
※特典DVD収録内容
1. “TRANSFORM” MUSIC VIDEO
2. ばる散歩 ~川越編~
【初回限定盤B WRITERZ盤(2CD+スリーブ仕様)】JBCZ-4010 / ¥1,429+税
※特典CD収録内容
1. VALSHE RADIO ~スマホ落としてトイレに流れる編~
2. つぐない(原曲:テレサ・テン)
作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし 編曲:FAITH-T
3. VALSHE RADIO ~スマホ落としてトイレが壊れる編~
【通常盤 (CD)】JBCZ-4011 / ¥1,238+税
【Musing盤 (CD+オリジナルムービー視聴ID+デジパック仕様)】JBCF-1004 / ¥1,905+税
※特典オリジナルムービー内容
Musing Special Movie ~川越出張編~
>>VALSHEオフィシャルウェブサイト
>>VALSHE Twitter(@valshe9)
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