TVアニメ『SHIROBAKO』、「リアルな現場が勉強になる!」宮森あおい役・木村珠莉さんインタビュー
アニメ制作現場の裏側を描くテレビアニメ『SHIROBAKO』で、主役の宮森あおい役を演じる声優・木村珠莉さんに作品の見どころを語っていただきました。アフレコ現場の様子や役を演じる苦労、これからの展開なども伺ってきました!
■ 最近ドーナツに目がいくようになった?
――まずはご自身とキャラクターの自己紹介をお願いします。
木村珠莉さん:宮森あおい役を担当させていただいております、木村珠莉と申します。宮森さんは作中のなかで、すごく頑張り屋で表情豊かで、「一生懸命」という言葉がぴったりの子です。それと、ドーナツが大好き(笑)。彼女はアニメが好きで制作進行の仕事をしていますが、それ以上に人が好きだったり、制作の仕事が好きだったり、ピュアな部分を持っている子で、尊敬できるキャラクターです。
――木村さんご自身は、ドーナツはお好きですか?
木村珠莉さん:最近はあまり甘いものを食べていなかったのですが、宮森さんの役を始めてからドーナツに目が行くようになりました! 作中でよく食べてるものですから、ついつい目がいっちゃうんです(笑)。
――『SHIROBAKO』の現場は差し入れにドーナツが増えてきそうですね。
木村珠莉さん:すでにドーナツをいくつもいただいてます(笑)。先輩の声優さんがイベントでどこかに行かれたお土産に、ドーナツを買ってきてくださるんです。
――木村さんはどんなドーナツがお好きですか?
木村珠莉さん:私は素朴なドーナツが好きです。 実は『SHIROBAKO』が始まる前にメインキャストの5人で、吉祥寺にある、とあるドーナツ屋さんに行ったんです。ちょうど4話で「吉祥寺に5人で集まる」というお話のように、みんなで「どんどんドーナツ! どんと行こう!」をやってきました。
■ 番組の魅力は「リアリティー」
――作品について伺います。木村さんが感じる『SHIROBAKO』の魅力はどこでしょうか?
木村珠莉さん:見どころはたくさんありますが、アニメ制作現場のリアリティーが魅力のひとつだと思います。アニメ制作現場はたくさんの人が関わって動いていきます。私たち5人の女の子がメインキャストになっていますけど、その他の大勢の方々の努力によってアニメが作られるところがしっかり描かれているところが素敵ですね。アニメはひとりのチカラでどうにかなるものではありません。
あとはメインの5人の女の子たちが、アニメへの関わり方がみんな違うのがおもしろいです。それぞれ仕事が違うので、それぞれの悩みや葛藤、喜びも異なります。見てくだされば、アニメ制作のいろいろなセクションを幅広く知っていただけます。アニメ制作に少しでも興味がある方には、特に見ていただきたい作品です。
――『SHIROBAKO』で描かれているアニメ制作の現場はリアルなのでしょうか?
木村珠莉さん:とてもリアルだと伺っています。たとえば3話の「サーバーにデータがアップロードできない」というエピソードは、実際の経験を元に作られたそうです。アニメではあのようなシーンになりましたが、実際の現場ではもっともっとタイヘンなことになる場合もあるそうです。
当然、アフレコの現場にはスタッフさんがたくさんいるので、実際のアニメ制作の現場で使われている言葉や言い方などを指示してもらうこともあります。アフレコ中にセリフが変わることもありました。音響監督の水島さん以外からも、よりリアルな指示をいただいてます。
――アフレコで『SHIROBAKO』ならではのお話ですね。他作品と比べて、本作ならではの難しさはありますか?
木村珠莉さん:私がこの作品に関われて嬉しいなと思うのは、「アニメを作っている方々を想像しやすい」ところです。どんな作品でも制作のスタッフさんたちは同じくらい苦労なさっているはずですが、『SHIROBAKO』はその苦労も細かく描かれているので、尊敬の気持ちを持って役に向き合えるんです。
私にとって『SHIROBAKO』は、初めてメインをやらせていただく作品です。初めてのメインがこのような素晴らしい作品だなんて、今後声優人生を続ける上で、ものすごく大事なものを与えてもらったなと思います。
――木村さんは声優さんですが、アニメ制作をやってみたかったことはありますか?
木村珠莉さん:音泉さんでラジオをやらせていただいているのですが、5人で実際にアニメを作る企画が動いているんです(笑)。そしていま、ちょうどキャラデザをしたりロケハンをしてます。
――そのアニメの制作に、制作のプロがヘルプをすることは?
木村珠莉さん:「ほとんど期待しないでくれ」って言われてます!
一同:(笑)
木村珠莉さん:なので『SHIROBAKO』を見ながら勉強しています。アニメを見る目が変わりました(笑)。
――ハードル高そうですね、『SHIROBAKO』のファンを喜ばせるアニメができたら、「このアニメはリアルなんだ」と思ってもらえそうです。
木村珠莉さん:そうですね! そう思ってもらえるように、私たちもがんばっています。スケジュールがきつきつなので……。
――木村さんはなにを担当されるのですか?
木村珠莉さん:宮森さんが制作進行なので、私も制作進行です。「リアルあおい」をやらせていただいています。
――作中のような激しい車の運転はしないでくださいね!
木村珠莉さん:自動車免許は持っていないので大丈夫です!(笑)。
――木村さんは昔から役者さんを目指していたのですか?
木村珠莉さん:実はそうではなくて、大学生のときに将来の夢がわからなくなっていたときに、ドキュメントとかを好きでよく見ていたのもあって、ナレーターさんとか、声の演出に興味を持っていたんです。ですが養成所に入ってお芝居を勉強していく内に、演じることを楽しく感じるようになり、声優をやってみたいなと思うようになりました。その思いが膨らんできて、いまこうやって声優をやらせていただいています。
■ 楽しいだけじゃない、勉強になるアフレコ現場の様子
――『SHIROBAKO』の収録現場の雰囲気は、どのような感じですか?
木村珠莉さん:すっごくいい雰囲気です! 先日、檜山修之さん(『えくそだすっ!』木下誠一監督役)が誕生日を迎えられたときに、佳村はるかさん(新人アニメーター・安原絵麻役)が企画して、みんなでサプライズのお祝いをすることになったんです。私はぜんぜん気づかずにいたので、その日の帰り道で佳村さんに「思いついてくれてありがとう」とお礼を言ったら、佳村さんも他の現場でやってもらったことがあったそうなんです。その現場で、ある先輩から「いつかメインキャストをやることになったら自分がやってあげられるような人間になればいいよと言われたから、ずっとやりたかった」と聞いて、私は「なんていい子なんだ!」と思うと同時に、私もそういう周りのことにも気を配れる人間になりたいと思いました。
――楽しいだけじゃなくて、とても勉強になる現場ですね。その他に、なにかみなさんで集まってイベントはやりましたか?
木村珠莉さん:1話の放送のときは、スタッフさんやキャストが集まって鑑賞会をしました。1話の作中のシーン、そのままですね(笑)。ただ、放送中はみんな画面を食い入るように真剣に見ていました。先輩も若手声優の5人も、みんなで現場を考えて作っている作品です。関わらせていただいて、すごくありがたいなと思っています。
――『SHIROBAKO』にはとても多くのキャラクターが登場しますが、木村さんが気になるキャラクターは?
木村珠莉さん:女性だったら制作進行の「矢野エリカさん(CV:山岡ゆり)」が大好きです。すごくかわいくて、この子のためだったら頑張ろうと思えるような人だと、水島監督がおっしゃっていました。
男性だったら演出の「山田昌志さん(CV:浜田賢二)」が気になります。制作進行と演出は、仕事を密接に連携してやっていくんですが、宮森さんが担当している話数の演出が山田さんなんです。けっこうぶっきらぼうでブスッとしている人だと思っていたんですが、2話で「あやちんは~」とか、キャラに対する秘めたる愛を出してきたんです(笑)。3話の人間味溢れるところもいいですね。あのギャップが大好きです。
――『SHIROBAKO』は本当にキャラクターが多いですが、全部で何人登場しますか?
木村珠莉さん:現状でも20~30人はいますが、まだまだ登場します。いまの倍くらい登場するようです。
――『SHIROBAKO』のアフレコ収録は、何人くらい参加しているんですか?
木村珠莉さん:録る話によっては出ない方もいるので、一度に全員が集まることはありませんが、普段から15~20人くらいでしょうか? どんなに少なくても10人を下回ったことはありません。
――アフレコで楽しかったエピソードや、失敗したエピソードはありますか?
木村珠莉さん:う~ん、そうですねぇ。おもしろい話じゃないんですけど……。『SHIROBAKO』の現場はキャストさんが多いので、アフレコで入れ替わりがとても多いんです。そこで私は、絶対にやっちゃいけないコトなんですけど……。
――それ、書いちゃっていいんですか?
木村珠莉さん:あっ、じゃぁやめときます(笑)。
一同:(爆笑)
――書けるレベルのお話をお願いします(笑)。
木村珠莉さん:それでは高木渉さんが丸川正人社長の役を担当されているのですが、リハーサルからものすごくアドリブを盛り込んでくださって、ついつい笑ってセリフを言えなくなっちゃうくらいなんです(笑)。テストなのでもちろん放送されないのですが、とにかくすごいんです! パッと現場が和やかになりますね。
――『SHIROBAKO』で今後やってみたいイベントはありますか?
木村珠莉さん:私自身は1度だけ上映会に参加させていただきました。お客さんの反応をダイレクトに見られて、とても楽しかったです。なのでまたキャストやスタッフさんと一緒に上映会をやってみたいです。たぶんファンのみなさんもいろいろ質問があるでしょうから、その場でスタッフさんが質問に答えたりすると、より作品を好きになってもらえると思います。
■ テレビ版とは異なる主題歌CDも要注目!
――『SHIROBAKO』のCDも11月26日に発売されましたね。
木村珠莉さん:はい! 主題歌CDが発売になりました。石田燿子さんのオープニングテーマ『COLORFUL BOX』と、私と佳村はるかさんと千菅春香さんのキャラクターが歌っているエンディングテーマ『Animetic Love Letter』です。Animetic Love Letterは桃井はるこさんが作詞作曲をしてくださって、一瞬聞くとキラキラしたかわいい曲なんですが、2番まで聴くと「あれ?」と歌詞に違和感を持つかもしれません。アニメに恋をしているストーリーなんです。「ガラス越しの~」とか「16:9のフレーム~」とか、ちょこっとニヤッとできる歌詞です。しかもTVサイズとはアレンジも違っていて、若干雰囲気が違います。テレビよりももっとキラキラしていて元気な感じに仕上がっています。ぜひ聴いていただきたいです。
――それでは最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。
木村珠莉さん:これからの『SHIROBAKO』は、5人の女の子が成長する姿を描いていくところに突入します。「5人でアニメを作ろう」という宮森さんの夢、ドーナツの誓いが実現するかどうかを見守ってくださったら嬉しいです。そして、ファンのみなさまといつか「どんどんドーナツ! どんと行こう!」をやれる日を楽しみにしています。
<作品概要>
SHIROBAKO
【作品あらすじ】
SHIROBAKOとは? シロバコとは映像業界で使われる白い箱に入ったビデオテープの事でありひとつの作品が完成した際に、制作者が最初に手にする事が出来る成果物である。 イラストや写真等で華やかに作られている販売用パッケージと比べれば、白い箱に入っただけのテープは地味かもしれない。しかし、そこにはクリエイター達の想いが詰まっている。
この物語は、5人の夢追う女の子を中心に、シロバコの完成を目指し奮闘するアニメ業界にスポットを当て日々起こるトラブルや、クリエイティブな仕事ゆえに起こる葛藤や挫折、集団で作るからこそ起こる結束や衝突といったアニメ業界の日常を描いた群像劇作品である。
そして、5人が共に目指した夢への挑戦。その先に見出す希望へと続くサクセスストーリー。
そう、アニメの今がここにある・・・
【スタッフ】
監督:水島 努
シリーズ構成:横手美智子
キャラクター原案:ぽんかん(8)
アニメーションキャラクターデザイン:関口可奈味
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:P.A.WORKS
【キャスト】
宮森あおい:木村珠莉
安原絵麻:佳村はるか
坂木しずか:千菅春香
藤堂美沙:髙野麻美
今井みどり:大和田仁美
ほか
<放送スケジュール>
TOKYO MX 毎週木曜日 23:30~
テレビ愛知 毎週木曜日 26:05~
MBS 毎週土曜日 27:28~
チューリップテレビ 毎週日曜日 24:30~
BSフジ 毎週日曜日 24:30~
AT-X 毎週水曜日 23:30~(ほかリピート放送あり)
<配信スケジュール>
dアニメストア 毎週月曜12:00
ニコニコ動画 毎週月曜12:00
ニコニコ生放送 毎週月曜24:30
Gyao! 毎週火曜12:00