総勢56名のキャストが登場！　テニミュ2ndシーズンを締めくくる「ミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2014」初日公演レポート

　2003年に誕生し、11年ものあいだ根強い人気を誇っている漫画原作ミュージカルの金字塔「ミュージカル『テニスの王子様』」。本作が、今年もコンサート「Dream Live（通称、ドリライ）」を開催！　前週の神戸公演に引き続き、11月22日(土)より、さいたまスーパーアリーナにて3日間5公演を行った。

　通算公演数1000回突破、累計動員数180万人達成など、11年の歴史のなかで数々の偉業を成し遂げてきた“テニミュ”。とくに今回のドリライは、テニミュ史上最大規模の会場であることに加え、2010年から続いていた2ndシーズンキャスト陣の卒業公演でもあり、一層注目が集まっていた。この地で、キャスト陣はどんな集大成を見せたのか。本稿では、さいたまスーパーアリーナ公演初日の様子をレポートする。


【青学】
小越勇輝さん（越前リョーマ役）、多和田秀弥さん（手塚国光役）、山本一慶さん（大石秀一郎役）、矢田悠祐さん（不二周助役）、黒羽麻璃央さん（菊丸英二役）、稲垣成弥さん（乾 貞治役）、章平さん（河村 隆役）、石渡真修さん（桃城 武役）、木村達成さん（海堂 薫役）、岩 義人さん（堀尾聡史役）、三井理陽さん（加藤勝郎役）、小林瑞紀さん（水野カツオ役）

【氷帝】
青木玄徳さん（跡部景吾役）、菊池卓也さん（忍足侑士役）、志尊 淳さん（向日岳人役）、桑野晃輔さん（宍戸 亮役）、赤澤 燈さん（芥川慈郎役）、西島顕人さん（滝 萩之介役）、古家広之さん（樺地崇弘役）、白洲迅さん（鳳 長太郎役）、伊勢大貴さん（日吉 若役）

【六角】
吉田大輝さん（葵 剣太郎役）、内海大輔さん（佐伯虎次郎役）、本川翔太さん（黒羽春風役）、木村 敦さん（天根ヒカル役）、橋本真一さん（樹 希彦役）、廣瀬大介さん（木更津 亮役）

【立海】
神永圭佑さん（幸村精市役）、小笠原 健さん（真田弦一郎役）、水石亜飛夢さん（柳 蓮二役）、味方良介さん（柳生比呂士役）、久保田秀敏さん（仁王雅治役）、安川純平さん（丸井ブン太役）、塩田康平さん（ジャッカル桑原役）、原嶋元久さん（切原赤也役）

【比嘉】
土井一海さん（木手永四郎役）、荒牧慶彦さん（甲斐裕次郎役）、染谷俊之さん（平古場 凛役）、吉岡 佑さん（知念 寛役）、友常勇気さん（田仁志 慧役）

【四天宝寺】
安西慎太郎さん（白石蔵ノ介役）、東 啓介さん（千歳千里役）、福島海太さん（金色小春役）、杉江大志さん（一氏ユウジ役）、碕 理人さん（忍足謙也役）、山内圭輔さん（石田 銀役）、佐藤流司さん（財前 光役）、松岡広大さん（遠山金太郎役）君沢ユウキさん（渡邊オサム役）

【不動峰】
上田悠介さん（橘桔平役）、岡崎和寛さん（伊武深司役）

【聖ルドルフ】
小西成弥さん（不二裕太役）

【山吹】
岸本卓也さん（亜久津 仁役）

【氷帝】
小沼将太さん（跡部景吾役）

【特別出演】
本山新之助さん、森山栄治さん（越前南次郎役）

※掲載写真は一部、神戸公演のものがございます。

●過去最大規模で見せた圧巻のステージ！　これが2ndシーズンの集大成だ！

　総勢56名のキャストが出演した、ドリライ1日目。まずはキャスト総出演の『THE TOP』で幕が開いた。青学、氷帝、六角、立海、比嘉、四天宝寺、さらに不動峰、聖ルドルフ、山吹の代表メンバーが次々登場。各校のコールでは、「埼玉のメス猫ども！　今日は俺たち氷帝の美技に酔いしれて帰りな」と跡部が告げると、会場全体を大歓声が包んだ。続く『Do your Best！』では、「金太郎！」「木手！」と各キャラの名前をコール。早くもキャストと観客が一体となる。

　『常勝立海』、『氷点下の情熱』、『四天宝寺 大阪マンボ』と、3校の表題曲が披露されたパートでは、各校のメンバーがトークを繰り広げる“ブレイクタイム”も。個性あふれるやりとりに、沸きに沸く場内。完成された歌と、トークのギャップに酔った。

　続く、リョーマ、白石、不二、仁王によるソロ曲、乾＆海堂、小春＆一氏らのペア曲では、物語のなかで深い関わりを持つメンバーもステージへ。ステージ上でラリーをしてみせるなど、テニミュ本編を彷彿とさせる演出で、観客の胸を熱くさせた。とくに手塚＆リョーマの『お前は青学の柱になれ』は、スクリーン歴代キャストが演じるリョーマと手塚のシーンが映し出され、より浸れるものになっていた。

　南次郎とオサムによるMCコーナーでは、テニミュの歴史を振り返るVTRのほか、コメント上映も。この日は、初代立海で柳生比呂士を演じた馬場徹さん、2代目青学で乾 貞治を演じた荒木宏文さんがスクリーンに姿を現し、当時の思い出や「今はダンスも歌もお芝居もばっちりできる子たちが集まって、最高のショーを作り上げてる」といったテニミュの進化に触れたコメントをよせた。多くの有名キャストを輩出した、テニミュの厚みを感じられる時間となった。

　青学レギュラー陣による『マッチポイント』からはじまった後半戦。ここでは、『南の島から来た刺客〜ダークホース 2012』、『コートで会おう！』など、各校をテーマとした楽曲のほか、『幸村のテニス』まで披露。センターステージまでの花道をゆっくり歩き歌唱する幸村に、観客からは惜しみない歓声がおくられた。さらに、その後は小沼さんが跡部として登場。氷帝コールののち、『氷の世界』と各チーム代表メンバーによる『鎬を削る者達』が披露された。「跪け！」「わめけ、メス猫ども！」の声に、会場は絶叫！　“ライバル”たちが存在感を示した。

　『コイツを倒したい！2013』では、リョーマと金太郎のフライングが。さいたまスーパーアリーナという大会場でもひけをとらない、テニミュのスケールを見せつけた。そして、各校ごと制服姿で登場した『リフレッシュ 新たな自分へ』、私服姿が新鮮な『俺たちの合言葉』と、全キャストによる歌唱が続き、本編はエンディングへ。

　『笑顔見せよう』披露後、白いジャケットをまとった青学レギュラー陣によるあいさつがあり、「不二という役に出会えて、成長することができました」(矢田さん)、「2年間たくさんの愛をありがとうございました」(多和田さん)、「この4年間、本当に素敵な物語を体験することができました。ありがとうございました！」(小越さん)など、思い思いに言葉を紡いだ。

　アンコールでは、『THAT'S MY FUTURE！LET'S GO！』、『頑張れ 負けるな 必ず勝て』が全員で披露された。＜きしむテニスシューズの音をおぼえていてね＞など、2ndシーズン最後を飾る公演だからこそ一層刺さる歌詞もあり、キャストも観客もその光景を目や耳に焼き付けるようにして楽しんだ。こんな大盛り上がりの空気のなか、ラストを飾ったのは『WE ARE ALWAYS TOGETHER』。キャスト陣が客席に姿を現し、手を振り合うなど大いにふれあいながら終幕した。

　圧巻の集大成を見せ、締めくくられた2ndシーズン。テニミュは、満を持して3rdシーズンへと向かう。「3rdシーズン 青学vs不動峰」は、2015年2月より全国5都市のほか、台湾・香港にて公演予定だ。テニミュの進化はまだまだ止まらない！

[取材＆文・松本まゆげ　／　撮影：設楽光徳]

>>ミュージカル『テニスの王子様』 Dream Live 2014 特設サイト