ファン待望の新作劇場版『劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 未来篇』舞台挨拶を速報レポート
2015年4月25日(土)に、東京・新宿ピカデリーにて『劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE- 未来篇』の舞台挨拶が行われました。舞台挨拶では、種田梨沙さん(栗山未来役)、KENNさん(神原秋人役)、茅原実里さん(名瀬美月役)の声優陣に加え、監督を務めた石立太一さんが登壇。MCは山岡ゆりさん(新堂愛役)が務めました。
『境界の彼方』は、鳥居なごむ氏の同名小説を原作に、京都アニメーションが製作を手がけ、2013年10月にTVアニメを放送。劇場版は二部構成となっており、3月14日(土)に『過去篇』を公開、本日より完全新作の『未来篇』が封切られました。『未来篇』はキャッチコピーにある「絆と愛、そして未来へ──」とあるように、『過去篇』から1年後の世界を描いています。
ファン待望の新作劇場版は、スタッフ陣にとってもやはり思い入れのある作品となったようです。挨拶では何度も「涙」というフレーズが飛び出すほど、胸に迫る一本に仕上がっていることが伺えた舞台挨拶の模様を、速報レポートでお届けします。
「いよいよ境界のかだ……あ”ー!もうだめだー!」といきなり噛んでしまった山岡ゆりさんでしたが、その後はKENNさんにサポートをもらいつつも、しっかりとMCを進行。
主演を務めた種田梨沙さんは、演じたキャラクターの栗山未来を思わせる赤いメガネをかけて登場。「試写で見させていただいて、私と茅原実里さんは(涙で)びっしゃびしゃでしたね……。携わってくださった多くの方たちのお力で完成したと、感謝の気持ちでいっぱいです」と話しました。
種田さんと一緒に涙したという茅原実里さんは、「ひとりで見ていたら嗚咽ですね。一緒に見てくれていてよかったです。(体がこわばっていたせいか)すごい筋肉痛になりました(笑)。ひとりでも多くの人に見てもらいたい気持ちでいっぱいです」と感慨深げ。
KENNさんも作品の仕上がりには満足しているようで「僕も一足先に見させていただいて、泣いちゃいました。自分がアフレコで演じているときとちがって客観的に見られたのもあるし、感慨深いものがありました。僕は映画を見る時に、エンディングテロップが流れている間に、『この1、2時間に何があったか』を思い出すようにしているのですが、この未来篇は『すごく幸せな時間だったな』と思えました」とコメント。
石立監督は「未来篇の前半は結構暗い展開で進むのですが、パンフレットにも書かせていただいたように、この物語は未来というキャラクターがどれだけみんなに愛されていたのか、その愛を受けて、その先の“未来”に彼女たちがどう歩んでいくのかをご覧いただきたくて、作っていました。少しでもご鑑賞いただいたみなさまにもその愛が伝わっているといいな感じます」と語りました。
その後のクロストークでは、茅原実里さんが「台本を読んだ時点で自分が冷静でいられるんだろうかと思うくらい頭がぐるぐるしていたんですけど、収録ではしっかりと演じられました。美月はこれまでにも見せない顔を見せていたので…」と、話しながら涙ぐみそうになる場面も。
劇中で未来が記憶をなくしてしまうというシーンについて、山岡ゆりさんが「どの段階から考えていたんですか、監督!」とツッコミ。石立監督は「最初からではないです。最終的には“みんなが幸せになる”という過程においては、困難が必要になります。そして、愛する気持ち、愛される気持ち…気持ちというか、意識というのはどこからくるのだろうと。それが記憶によって構成されているのなら、“未来の記憶がない”というのを乗り越えていく上で、本当に必要になってくるものは愛だろうと考えたんです」と、制作の舞台裏を聞かせてくれました。
話は尽きない中、残念ながら時間切れ。特製パネルを持ったフォトセッションのあとで、登壇者が観客とファンへメッセージを送りました。以下、メッセージを抜粋でお届けします。
山岡ゆりさん(新堂愛役)
(MCは)過去編からのブランクがあって…たどたどしかったですけども…今日もKENNさんにいっぱい助けられちゃって…次からはがんばります!朝早くからみなさまありがとうございました!本当に素晴らしい作品で、画もストーリーも音楽も、本当にどの部分をとってもステキだなと思って、『境界の彼方』のスタッフさんじゃないとこのステキさは出ないと思っていますし、私たちキャストのですしおすし、キャストの仲良さも全面に出ていて、この作品の一部になれて、本当にうれしいです。あと、パンフレットも!売っておりまして!すごいんです!鑑賞した後だと、未来ちゃんと秋人くんのこの感じ、涙が出ます!パンフレットもネタバレ満載で、終演後にぜひ見てください!お友達さんとかを誘って何回も何回も、来場特典も変わってくるので、そちらも楽しみにぜひ来てください!
石立太一監督
本日はご来場ありがとうございました。僕も山岡さんと同じくですが、監督という立場で関わらせていただいて、幸せに思っております。わざわざ劇場に足を運んでいただいて、本当に、本当にありがとうございます!一応、これをもって、僕は燃え尽きていいかと思っております(種田さんから「だめです!」とツッコミ)。本当にありがとうございました。
茅原実里さん(名瀬美月役)
ほんとうに素敵な作品に参加できて、幸せだったなと思っております。人見知りの私を巻き込んで、みんな仲良くしてくれて、いつもごはん食べ行ったり、こんなにコミュニケ−ションをとる現場ってなかったので、私にとって大切な、たいせつな現場でした。見終わったあと、自分の大切な人、愛する人が、笑顔でいてくれたらいいなと心の底から思った作品だったと思います。私は未来篇でもテーマソングの『会いたかった空』を歌わせていただいているのですが、この未来篇のストーリーがなければおそらく生まれていなかった楽曲で、私としてもすごく大好きな曲で、歌えることができて幸せでした。みなさんの心に残る作品になっているといいなと思います。
KENNさん(神原秋人役)
過去篇で、秋人が未来ちゃんが消えちゃう時に、抱きしめようとして、でも消えちゃって、自分も崖から落ちて、指をかけて…という流れがありました。未来篇でも同じように崖から落ちるシーンがあるのですが、そこでは自分が真っ先につかまえていこうとする秋人のエネルギーやパワーには、すごく僕も心を打たれました。物事って諦めちゃいけないんだな、思ったらすぐに動いて何とかするっていうエネルギーが大事なんだと、秋人に教えてもらえました。キャラクターそれぞれが抱えているものってあるけれど、みんなで一緒にいて、みんなで笑っていくことで生まれる絆は、月並みですけれど素晴らしいなって。自分も大切なものを、もっともっと大切にしていきたいなと感じる作品でした。ひとまず、未来篇が終わって、またこういう機会があったらすごく嬉しいなと思いつつ、自分も頑張っていきます。ぜひこれからも、何回も劇場に足を運んで見ていただけたら幸いです。
種田梨沙さん(栗山未来役)
未来編は、なんだか「後編」だというのがアフレコの時からそこまで実感がわいていませんでした。ただただがむしゃらに、未来ちゃんと同じように戸惑いながらも、前に進むしかないという気持ちでアフレコをしていて、でも画と音がついて、完成した作品を見た瞬間に、自分のやってきたことは間違いじゃなかったんだ、みんなを信じて頑張って一緒に作ってきてよかったんだなと心から思える作品になっていました。自然と、泣こうと思っていないのに涙が出てきちゃう作品って本当に尊いなと思っていて。この作品で描かれていることって、本当に人生そのものというか、人と愛し合うことであったり、家族との絆であったり、そういうものがすべてこの作品の過去篇と未来篇をあわせて詰まっているなと感じるので、本当に秋人と未来ちゃんの、ひとつの出会いと、そして結ばれるまでの過程を、スタッフみんなと一緒に作り上げて、それを今日こうしてみなさんと観ることができて、本当に嬉しかったです。何度見ても発見がある作品だと思いますし、特典もたくさん変わっていきますので(笑)、いろんな楽しみ方を、これから『境界の彼方』でしていただけたら嬉しいです。
<作品情報>
■『劇場版 境界の彼方 未来篇』
4月25日(土)ロードショー
【スタッフ】
原作:鳥居なごむ著『境界の彼方』
(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
監督:石立太一
脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:門脇未来
アニメーション制作:京都アニメーション
配給:松竹
製作:境界の彼方製作委員会
【キャスト】
種田梨沙、KENN、茅原実里、鈴木達央、山岡ゆり、他
>>『劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE-』公式サイト
文・写真:松本塩梅