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TVアニメ『うしおととら』メインキャストインタビュー

畠中祐さん、小山力也さん、小松未可子さん、安野希世乃さんが作品への思いを語る――『うしおととら』メインキャストインタビュー

 2015年7月3日よりTOKYO MXほかにて放送開始となるTVアニメ『うしおととら』。本作は、1990年代に「週刊少年サンデー」にて連載されていた、藤田和日郎さんによるマンガを原作とした作品だ。中学生の少年・うしおと、二千歳を超える大妖怪・とらのコンビによる冒険とバトルが描かれる。

 単行本の発行部数は累計で2,500万部を超え、1990年代を代表するヒット作とも言えるタイトルであり、今なお多くの人に愛されている不朽の名作。そんな『うしおととら』がTVアニメ化されることが発表され、驚きを覚えたファンも多いだろう。7月3日の放送開始が迫ってきた今回、メインキャストである蒼月潮役の畠中祐さん、とら役の小山力也さん、中村麻子役の小松未可子さん、井上真由子役の安野希世乃さんの4人に収録や作品に関する思いを聞くことが出来たので、その内容をお伝えしよう。


●若い世代に読んでほしい。――名作マンガ『うしおととら』

――まずは『うしおととら』のアニメ化が決まったことへの感想をお聞かせください。

蒼月潮役・畠中祐さん(以下、畠中):昔から大人気の名作マンガであり、僕も原作を読んでみたのですが、今の僕らにもダイレクトに響いてくる素晴らしい作品でした。今回のTVアニメ化は、そんな作品が僕らの世代や子どもたちなど、まだ『うしおととら』に触れていない人たちに触れてもらえるいい機会だと思います。

とら役・小山力也さん(以下、小山):不朽の名作ですからね。理屈抜きに楽しめる作品ですし、インパクトが強い作品ですので、そのインパクトを大事に、自分もインパクトを持って思いっきり暴れてやろうと思います。全239回放送ですね(笑)。

一同:そんなに(笑)。

小山:それぐらいやりたいということで(笑)。

中村麻子役・小松未可子さん(以下、小松):過去にOVAという形でアニメ化したことはありますが、ずっとTVアニメ化が待ち望まれていた作品だと思います。私たち役者もいち視聴者として楽しみにしています。

井上真由子役・安野希世乃さん(以下、安野):連載終了を迎えてから長い時間が経っていますが、今回のTVシリーズは『うしおととら』という作品を描ききる意気込みでスタッフの皆さんが頑張っていらっしゃるので、それだけ当時の世代の方々に刺さっている、世代の代表にもなっている作品なんだなと感じています。その頑張りに乗っかって、『うしおととら』を現代に蘇らせたとき、お客様が期待してくれているところに負けない作品作りをしていけたらと思います。

――出演が決まったときの心境はいかがでしたか?

畠中:オーディションを受けたときはまだ作品をよく知らない状態でしたので、原作をしっかり読んでオーディションに臨みました。真っ直ぐに思いを告げたり、問題に対して全身でぶち当たっていくような、今時珍しい潮のような主人公が大好きなので、どうしても演じたいと思っていました。オーディションは1次、2次とあり、厳しいものになると思っていましたが、合格の連絡をいただいたときは、外で電話を受けたのに思わず叫んでしまうぐらい嬉しかったですね。

小山:僕は40代後半の頃、生前の大塚周夫さんと「小山君はいくつになったんだい?」「48になりました」「男はね、50になったら色気が出てくるんだよ。いい芝居が出来るんだよ」なんてお話をしていたことがありました。周夫さんからそんな風に声を掛けてもらって、まさにその年代になって、周夫さんのなさった作品をやらせていただくことになるとは思っていませんでした。まるで周夫さんが背中を押してくださったような気がして、非常に嬉しく思っています。

小松:やはり難関のオーディションではありました。でも自分の中で「麻子はこうだ!」という具体的なイメージがあったので、それを貫き通した結果を認めていただけたのはすごく嬉しかったです。麻子は気が強くて、世話好きな女の子なので、麻子が潮を引っ張っているように、私も作品のスパイスとして引っ張っていけたらなと思います。

安野:最初の台詞を録音したものをお送りするテープオーディションでは麻子を受けていたのですが、実はそちらは落ちてしまったのですが、その後の、実際にスタジオで掛け合いをするスタジオオーディションでは「真由子をチャレンジしてみませんか?」とお声掛けいただきました。そのとき、いろんな方と一緒にお芝居をしたのですが、(畠中)祐さんのお芝居が野生児みたいで(笑)、原作を読んだときに感じた潮の野性味溢れる感じと波長が合っているなと思っていたんです。勝手ながら「祐さんが潮だったらいいのにな」って考えていたので、決まったときは納得しましたし、麻子がみかこし(小松さん)と聞いたときもピッタリだと思いました。私が真由子になったのも、なにか本質の部分で真由子とぼんやりとでも合っているところがあると感じていただけたのかなと嬉しく思っています。


――キャラクターと自分の相性や演じやすさ、難しさなど、演じてみての感想はいかがでしょうか?

畠中:全然自分の中で潮を作っている気はなくて、人物の目的、なぜ今動いたのか、どういうことを考えているのか、何に挑んでいるのかなど、そういったことを意識すれば自然と役に入っていけると感じています。自分の中で何か作ろうと考えて演じるのではなく、来たものに対して反応できる素晴らしい現場なので、そこに乗っからせてもらっています。

小山:そう(畠中さんの言うように)ディレクターも仰っていますね。僕も作らないでくださいと言われましたし、「挑んで」「決意を伝えて」「覚悟を伝えて」といった行動ラインでダメだしが出るので、それを確実に肉体化する現場です。

小松:演じているという感覚がないぐらいストレートに麻子に入れていますし、自分の地の部分に近いのかなと思います。ただ、作品としてのエネルギッシュさや情熱もあるので、そこに感情を乗せる上で、自分が100かなと思っていたら実際には150ぐらいの勢いでやらないとたどり着かないので、体力勝負な部分もあります。なるべく自分の中にある感情を研ぎ澄まして、演じていきたいと思います。

安野:アニメなどの作品では、キャラクター付けがハッキリしていると、何をしたいキャラクターなのかという、個性や我の強さが生まれてくると思います。真由子に関しては、あの若さにして「自分の大切なものや好きな人が幸せであることが自分の幸せ」と言う考えを確信して生きている女の子なんですね。そういったところを大人だと思ったり、愛が深いと感じます。好きな相手の幸せを願う気持ち、真由子の一番大切な部分をずらさないように演じたいなと思っています。

――原作の連載は90年代と昔の作品ですが、小山さんは当時のエピソードなど、ほかの皆さんは出演が決まって周りの反応などはいかがでしたか?

小山:現役世代として当時読んでいました。色んなお仕事を引き受けさせていただいて、それまで知らなかった作品も多いのですが、これはよく知っておりました。コインランドリーに積んであり、洗濯物が乾くのを待ちながら読んでいたんです(笑)。乾燥機が要らないぐらい、熱い気持ちになって読んでいました。

畠中:僕は、例えば事務所の先輩であれば、同年代の方よりも上の年代の先輩方に「お前『うしとら』の潮やるの!?」といって話しかけていただく機会がすごく多かったですね。ただ、ほかにも父親の世代が読んでいて、父親からマンガを受け継いで読んでいる家庭も多くて、大学の友人でも父親の影響を受けてファンになった人がいました。その友人と二人で飲んだときは「俺がどれだけ『うしとら』を好きか」という熱い話になったぐらいで(笑)、僕らの世代でも知っている人が多い作品でもあると思いますし、若い世代に読んでほしい気持ちが強いですね。

小松:周囲の方から、特にラジオの構成作家さんからは、「『うしとら』大好きなんだよね」「俺のバイブルだからさ、頑張ってね」と声を掛けていただくことが多いですね。やっぱりアニメやマンガが好きで業界に入った方が多いので、そういった方々の原動力になった作品なんだなって感じます。

安野:私も出演が決まった後は、同じ業界にいても周りの大人の方が喜んでくださっていたので、そういった反応から尊い作品なんだなと、ひしひしと感じています。私もマンガが好きでオーディションに受かってから単行本をすべてそろえたのですが、現役世代の方は「週刊少年サンデー」の大きな紙面の状態で読まれていたというのが羨ましいですね。今ある小さいサイズで読むのがもったいない気がして、探してみたらビッグ版があったのでそれも買っているんですが、春からは改訂版の完全版が出るとのことで、それも揃えて原作のパワーを今一度味わいたいなと思っています。


――収録で掛け合いをして見て、お互いの印象などはいかがでしょうか?

小山:僕らは全然一緒に仕事をしたことがなくて、サンデーフェスのときに始めてお目にかかったんです。イベントのとき挨拶に来てくれて、いざ会ってみたら好青年で腰が低くて、でも熱くて、手汗もすごくて「俺も汗っかきだけどこいつも汗っかきなんだな」なんて(笑)。熱くて謙虚で真っ直ぐな、小細工をしない人なので「ああ、よかった。これは上手く行く!」と思いました。

畠中:僕もそのとき初めてお会いしたのですが、とらのパワフルさはもちろん持ち合わせていて、なおかつ切ないと言うか、すごく繊細なところもあって

小山:そうなんです! 僕は繊細なんです。

畠中:それご自身で言ったら一気に嘘っぽくなっちゃいます(笑)。でもそれがお芝居に出ているというか、とらが単にばかっぽいキャラクターにせず、奥深さまで表現してくださるので、潮としてどんなボールをぶつけても、ものすごいボールが返ってくるので、演じていて楽しいと心から思います。


――原作者の藤田和日郎さんとお会いしたときのエピソードがあれば教えてください。

畠中:収録後に先生とご挨拶をする機会があり、握手をしてもらったのですが、そのときに「良かったよ」と言っていただけたことがすごく印象に残っています。出演が決まったときも嬉かったですが、先生にそういっていただけた瞬間が一番嬉しかったです。

小山:とても喜んでくださっていました。すごく気さくな方で、でも熱い方でした。当時はクーラーのないアパートで汗をダラダラ流しつつ、冷蔵庫もなくてぬるい水を飲みながら描いていたんだよな、なんてお話を聞いて、その情熱をこちらも感じて嬉しかったです。

安野:アニメの製作にも先生が携わっている部分が多いらしく、原作と同じだけ、アニメ版も我が子のように思ってくださっているんだなって伝わってきました。

小松:藤田先生自身もすごく熱い方で、『うしおととら』は先生そのものなんだなと感じました。


――放送開始となる7月3日にはニコニコ生放送での特番も行われます。放送や特番へ向けての意気込み、放送を待っている方へのメッセージをお願いします。

畠中:7月3日の放送開始前ということで、僕らのほうが緊張しているんじゃないかというぐらいドキドキしている瞬間だと思いますが、みなさんと楽しく盛り上がっていきたいと思いますので、ぜひニコ生の特番もご覧ください。

小山: (ニコ生のコメントでは)いいことだけを書くようにしてください。言うことを聞かなかったら引きちぎるぞ!なんて(笑)。僕はほとんど完成に近い映像を見ましたし、先生も「これは絶対面白くなる!」と仰っていました。素晴らしいものができていますので、放送を楽しみにお待ちください。

小松:現代に『うしおととら』が蘇る歴史的瞬間なんじゃないかなって思います。今から緊張もありますが、同じような緊張感やワクワク感を視聴者の皆さんとニコ生で共有できる時間になればいいなと思っています。

安野:個人的にMAPPAさんのアニメーションが大好きなのですが、それに期待値の高い『うしおととら』が組み合わさったとき、どんな1話になるのか今から期待しています。本放送が楽しみすぎてニコ生そっちのけで浮き足立っているかもしれませんが(笑)、そのワクワク感含めて皆さんと時間を共有して、1話のオンエアを楽しみに待ちたいと思います。

 キャスト陣へのインタビューは以上となる。ニコニコ生放送での特番には、今回お話を聞いた4名のキャストが出演する予定となっており、放送会場への観覧応募が6月17日いっぱいまで受付されている。番組の開始はTVアニメの放送開始の30分前からとなっているので、20年の時を経てTVシリーズで描かれる不朽の名作の本放送を、キャストの皆さんと共に迎えてみてはいかがだろうか。詳しくは下記をはじめ、応募ページなどの各情報をチェックしてほしい。


■「うしおととら」放送開始直前ニコ生緊急特番
放送日時:2015年7月3日(金)22:00~23:00(予定)
出演者:(予定)
蒼月 潮役:畠中
とら役:小山 力也
中村 麻子役:小松
井上 真由子役:安野

【ニコニコ生放送観覧応募について】
2015年時6月10日(水)10:00から6月17日(水)23:59まで観覧希望者の募集をいたします。なお、応募多数の場合は、抽選の上、参加者を決定いたします。

[募集要項]
放送日時:2015年7月3日(金)22:00開始/21:30(開場予定)
会場:都内某所
応募資格:放送日当日に満18歳を迎えている方、日本国内に移住されている方
応募方法:TVアニメ『うしおととら』公式サイトからご応募ください


■TVアニメ『うしおととら』

【ON AIR】
2015年7月3日よりTVアニメ放送開始!!

TOKYO MX:7月3日より 毎週金曜日 22:30~
サンテレビ:7月6日より 毎週月曜日 24:00~
KBS京都:7月6日より 毎週月曜日 25:30~
テレビ愛知:7月6日より 毎週月曜日 26:35~
BSフジ:7月7日より 毎週火曜日 24:25~

※編成の都合により放送曜日、時間、開始日が変更になる可能性がございます。予めご了承下さい。

【STAFF】
原作:藤田和日郎(週刊少年サンデー)
監督:西村 聡
シリーズ構成:井上敏樹
藤田和日郎キャラクターデザイン / 総作監:森 智子
アクション作監:平山貴章
美術監督:清水友幸
撮影監督:熊澤祐哉
色彩設計:堀川佳典
編集:神宮司由美
音楽:瀬川英史
音響監督:三間雅文クリエイティブ
プロデューサー:丸山正雄
三田圭志アニメーション制作:MAPPA & VOLN
製作:うしおととら製作委員会

【CAST】
蒼月 潮:畠中 祐
とら:小山力也
中村麻子:小松未可子
井上真由子:安野希世乃
蒼月紫暮:藤原啓治
羽生礼子:牧野由依

茅野愛衣、坂本真綾、高垣彩陽、豊崎愛生
南里侑香、花澤香菜、水樹奈々
<予定>

【STORY】
 中学生の少年・蒼月潮は、寺の住職をつとめる父親と二人暮らし。ある日、彼は自宅にある蔵の地下室でとんでもないものと出会ってしまう。それははるか昔、凶悪なバケモノとして民に恐れられ、「獣の槍」によって五百年間も封じ込められていた大妖怪であった!槍を引き抜いてしまった潮はあわや妖怪に食われかかるが、同時に眠りから目覚めた「獣の槍」の力によって変身し、妖気に群がってきた他の妖怪たちをあっという間に撃破する。槍の威力を恐れて思わず協力してしまった大妖怪は、潮に「とら」と名付けられ、行動を共にすることに。かくして「獣の槍」の伝承者となってしまった少年と、いつか彼を食ってやろうとつけ狙う大妖怪の“うしとら”コンビが誕生したのだった。そして襲いくる妖怪どもを次々と蹴散らしていく彼らは世界の存亡をかけた壮大な戦いに巻き込まれていく・・


>>TVアニメ『うしおととら』公式サイト
>>TVアニメ『うしおととら』公式Twitter

(C)藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会
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