奇人変人との謎解きはキャストもビックリ!?　『乱歩奇譚Game of Laplace』櫻井さん、高橋さん、山下さんインタビュー【前編】

　2014年11月27日(木)に開催された「ノイタミナプロジェクト発表会2015」にて制作発表が行われた『乱歩奇譚Game of Laplace』。未だ多くの謎に秘められた本作だが、キャスト、スタッフともに精鋭が揃い、アニメファンにとっても期待値の高い作品であることは間違いないだろう。

　そんな本作に出演する櫻井孝宏さん(アケチ役)、高橋李依さん(コバヤシ役)、山下大輝さん(ハシバ役)の3人にインタビューする機会を得た。みなさんはどのような思いで没後50年を迎える江戸川乱歩作品にチャレンジしているのだろうか？

　本稿ではインタビュー前編の模様をお届け。前編ではアフレコの様子やみなさんが演じるキャラクターについてお伺いした。キャラクターに対するキャストの思いをお楽しみいただこう。

●キャラクターと一緒に謎解きをしながらのアフレコ

──アフレコお疲れ様でした。今回のアフレコの様子はいかがでしたか？

山下大輝(以下、山下)：今日も新しいキャラクターが登場したり、ハチャメチャな展開でした(笑)。

高橋李依(以下、高橋)：台詞を言い終わった後に、調整室でスタッフさんたちの大爆笑が巻き起こっていました(笑)。

山下：笑いが起こるようなシーンから、いきなりシリアスな展開になったりして、その切り替えが忙しかったですね。でも、楽しい気分で収録を進められました。

▲アケチ(CV:櫻井孝宏さん)

──新人の高橋さんはドキドキの収録だったんじゃないですか？

高橋：ドキドキでした！　その中でもみなさんがガーッとお芝居を引っ張ってくださるのですが、私が演じているコバヤシは興味のある人としかきちんと話さないし、話していても会話でのキャッチボールが成立しにくいタイプなので苦労しています。私の新人っぽさが上手くマッチしているといいんですけど……。

一同：(笑)。

高橋：なんて言ったらいいのかわからないんですが、アンバランス感というか、そういうもので化学反応を起こせたらいいなと思っています。

▲コバヤシ(CV:高橋李依さん)

──先輩のお二人から見て、高橋さんのアフレコの様子はいかがでしたか？

櫻井孝宏(以下、櫻井)：彼女の言う通りですね。

高橋：やめてください！(笑)

山下：まさに「コバヤシ」って感じでした。

櫻井：いいこと言うなぁ。

高橋：感想が雑になってますよ！

櫻井：こういう感じでアフレコが進んでいます(笑)。

一同：(笑)。

▲ハシバ(CV:山下大輝さん)

──なるほど(笑)。なんとなくですが雰囲気が伝わりました。しかし、みなさんもこれから『乱歩奇譚』がどのように展開していくのか知らされていないそうですね。

山下：そうなんです。僕たちもキャラクターたちと一緒に謎を解いているような感覚がありますね。たまに、斜め上のところからネタバレが飛んできたりするんですけど(笑)。

高橋：スタッフさんが「あの人が犯人ですよ」ってサラッと言うんですよ！

櫻井：台詞の中にお芝居のヒントがあるので、あらかじめ先の展開を教えてもらうことがあるんです。例えばこちらが気付いてない重要な台詞があったときに、「◯◯が犯人なので」と当たり前のようにネタバレされたり……。

一同：(笑)。

櫻井：そこから「よって、特別なニュアンスがセリフに欲しいんです」とディレクションされることがあったりするんです。ただ、それを聞くまでは誰が犯人なのか見当もつきませんでしたよ。本当に上手に作られているなと思いました。

──岸誠二さんが監督で、脚本は上江洲誠さんですからね。しかも江戸川乱歩作品をオマージュするとなると、アフレコ中のディレクションも凝ったものになっているんじゃないですか？

高橋：コバヤシの場合だと、リアクションを普通に演じていると「もっと可愛くして欲しい」って言われることが多いですね。可愛くするというのはオーディションのときから意識するように言われていました。

──第2話までの台本を読ませてもらったのですが、コバヤシはわりと冷めたような印象でした。

高橋：実はダビング(映像に音声をつける音声編集作業)を見学させていただいたんです。そのときに……。

櫻井：抜け駆けだ！

山下：抜け駆けされた！　流石コバヤシ。

一同：(笑)。

高橋：あの、キャラクターをしっかりつかみたかったんです！(笑)　なので、こっそり見学させていただきました……。そのとき映像を見たらすごく可愛くなっていて。でも、興味のなさだったり、冷めた部分はしっかりと映像として出ていました。音楽も素敵でしたね。

スタッフ：実は出来立てホヤホヤの公式HPで公開するメインビジュアルが届いていまして……。

櫻井：おおー！

高橋：すごーい！　これ死体君かな？

山下：やっぱりおどろおどろしい雰囲気なんですね。

櫻井：奥にいるキャラクター誰だろう？

山下：まだ出てきてないですね。

スタッフ：ですね……。

櫻井：まだ言えないんですね(笑)。

──これはすごいですね。改めて、公式HPも要チェックですね。

櫻井：ビジュアルだけでかなりの情報量がある作品です。江戸川乱歩はファンが多いですよね。ホラーやオカルトとは違う人間の持つ怖さをモチーフにしている作品が面白いですよね。『乱歩奇譚』も、第1話からかなり飛ばしていますよ。


──それは期待が高まりますね。その中で、みなさんが演じているキャラクターはどういった活躍をするのでしょうか？

櫻井：タイトルが『乱歩奇譚』でアケチといったら、あの名探偵の明智小五郎をイメージしますが、この作品のアケチは、宮内庁公認の高校生探偵です。切れ者で凄い洞察力の持ち主なんですが、人間性にやや問題が……(笑)。過去に重い何かがあったんだろうなと思わせる描写がちらほらあって、それが彼の謎めいたキャラクターの味付けになっています。アニメ『乱歩奇譚』でも、様々な事件を解決していく中で、コバヤシやハシバなどのキャラクターたちとの関係性が描かれていきますね。優れた能力を持ちつつも、正義の味方のようなスーパーマンではない、といったキャラクターです。

　協力的ではないし、いいお兄さんという感じでもないんですよ。かといって、全く他人事のように振舞っているわけでもない……。付かず離れず、半歩引いているような、半歩先に行っているような、つかみづらいキャラクターですね。一応、タクトは握っているような印象を受けています。

山下：周りが奇人変人ばかりの中で、唯一お客さん目線に立つのがハシバです。コバヤシや事件にいつも振り回されていますね。学校では頼られているしっかりとした男の子なんですけど、周りの天才たちの中では影が薄れてしまうというか。でも、コバヤシに対する気持ちは強くて、とても一途なところがあるんじゃないかなと思っています。台詞で「コバヤシ」ってたくさん言うんですよ。

高橋：多いですよね。

山下：コバヤシに対する気持ちが親心なのか恋心！？なのかは難しいところですが、とにかくコバヤシが心配で仕方がないでしょうね。でも、アケチには負けたくないという背伸びをして「俺は男だぜ！」みたいなところもあって、感情の波が一番激しいキャラクターだと思います。怖いところには「ヒッ！」ってなりますし(笑)。演じていても感情の浮き沈みがあって楽しいし、見ていて同情しちゃうようなキャラクターでもあるかもしれませんね。

高橋：私が、担当、している、コバヤシは……。

山下：どうしたの!?　いきなりロボットみたいになっちゃったけど(笑)。

高橋：考えながら話していたら言葉にならなくて(笑)。

一同：(笑)。

高橋：コバヤシは他者への興味がないキャラクターで、第1話でもそうなんですが、興味のない人のことはシルエットにしか見えていないんです。先生に話しかけられても、先生という存在はわかっているけど、話は耳にも頭にも入ってこないんです。人の顔って、何かきっかけや興味がないとしっかりと認識しないと思いますが、コバヤシの場合はそれが顕著に出ています。キービジュアルなどではクールなキャラクターに見えるんですが、興味を持ち始めたことには積極的だし、感情をあらわにするし、表情が豊かになるんです。私は、本当はすごく明るい人なんじゃないかなって思っていて、コバヤシの本当の性格が気になっています。

　ストーリーも第1話からコバヤシ目線で進行して、アケチと出会ってワクワクさせられるものを見つけ出すところが描かれています。視聴者のみなさんは、第1話ではコバヤシと一緒にキャラクターを覚えていくことになるんじゃないかなと思います。興味を持ち始めるワードやシーンにもSEや音楽が付いていて、こういう言葉だとコバヤシは変わっていくんだ、興味を持っていくのかというのがわかるようになっていますね。ダビングでは、捜査や謎に関わるタイミングで、鮮明に興味を持ち始める姿が見ることができました。


　インタビュー後編の模様は近日公開予定。後編では、オススメのシーンや乱歩作品に挑むことになった心境などを伺っている。放送前にぜひともチェックしていただきたい。

◆TVアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』作品概要

2015年7月2日よりフジテレビ「ノイタミナ」にて
毎週木曜24：55～放送開始　ほか各局でも放送開始

「 その日、初めて退屈じゃなくなった ― 」
とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。
この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。
異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、
友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。
次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。



＜STAFF＞
監督：岸 誠二
シリーズ構成・脚本：上江洲 誠
キャラクターデザイン：森田和明
音楽：横山 克
アニメーション制作： Lerche

＜CAST＞
アケチ／櫻井孝宏
コバヤシ／高橋李依
ハシバ／山下大輝　
カガミ／小西克幸
ナカムラ／チョー
黒蜥蜴／日笠陽子
影男／子安武人
ミナミ／藤田 咲
死体君／山口勝平　ほか

＜オープニング・テーマ＞
「スピードと摩擦」（アーティスト：amazarashi）　

＜エンディング・テーマ＞
「ミカヅキ」（アーティスト：さユり）


>>アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」公式サイト
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