お互いの仕草にドキッ! 劇場版『セブンデイズ』の主演二人が語る、作品とBLの魅力
1週間限定の男子高校生同士の恋を描くボーイズラブコミック『セブンデイズ』。6月6日に上映がスタートした劇場版の前編「セブンデイズ MONDAY→THURSDAY」は、「キュンキュンする!」「続きが気になる」とネット上では大きな反響を呼んでいます。今回は7月4日に公開の後編「セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY」の見どころなどを、主演の芹生冬至役演じる廣瀬智紀さんと、篠弓弦役を演じる山田ジェームス武さんにお聞きしました!
■ 男同士のキスシーンは経験済みだったので、意外とすんなり入っていけました!
――はじめ、作品へのオファーがあった時はどのようなお気持ちでしたか?
廣瀬智紀さん(以下、廣瀬さん):僕自身、BL作品を手に取ったのは初めてだったので、最初は「おっ、ボーイズラブか」と驚きました。ですが、以前「私のホストちゃん」という舞台で、既に男性とキスをするシーンも経験していたので、作品に対して抵抗はなかったです。それに、原作を読んでみたらまるで少女漫画のようなピュアな内容だったので、とても作品に入っていきやすかったです。
山田ジェームズ武さん(以下、山田さん):それは僕も同じです。初めて読んだときに、芹生と弓弦が同性である以外は誰もが一度は経験したことがあるような甘酸っぱい恋愛が描かれていて、どんどんページをめくる手が止まりませんでした。実は僕、もともと弓弦役ではなく弓弦のクラスメイトの内海武役でオーディションを受けていたんです。すると、監督が「弓弦とジェームズは素が似ているから」という理由で、僕を弓弦役に選んでくださったらしくて。まさか僕も弓弦役をやるとは思ってもいなかったので、最初はビックリしました。
――なるほど。山田さんは実際に弓弦を演じて「似ているな」と感じましたか?
山田さん:それはもう! 恋愛の仕方が僕と弓弦ってそっくりなんです。僕は自分が今したいこと、やりたいなぁと感じたことを後先考えずに突っ走って始めるタイプの人間なんで、そういう部分は似ていると自分でも思いました。弓弦のように「もっとクールな人だと思ってた」と女の子に言われたこともありますし……。
廣瀬さん:もうオーディションの時点で、監督に見抜かれてたのかもね(笑)
山田さん:そうかもしれないですね。でも、僕が自分らしく演技できたのは、智紀くんがかなり作品に忠実に芹生を演じてくれたからだと思います。現場でもお兄ちゃんみたいに面倒を見てくれて、僕は本当に伸び伸び、楽しく撮影ができました。
廣瀬さん:うれしいこと言ってくれるね! でも、僕も芹生にはいろんなことを学びました。僕自身も恋愛は奥手な方で、人を好きになりたくても相手を素直に受け入れることができないタイプなんですが、芹生が弓弦に徐々に心を開こう、距離を詰めようと努力する姿は尊敬します。
――では恋愛観でも通ずるところがあったんですね。
廣瀬さん:そうですね。僕はどうしても相手の反応を伺ってしまって、両想いになるのが難しそうなら、引いちゃうんです。あ、でも行けそうなら自分から告白もしますよ! ズルい人間なんです、僕(笑)
山田さん:恋愛関係になるまでの過程も楽しいですもんね。この作品にも、そんな二人の心が通じるまでのドキドキだったり、歯がゆさが描かれているので、ぜひあのキュンキュンする感じを味わってほしいです!
■ もし本当に付き合ったら、やっぱりお家デートがしたい!
――ではもう少し踏み込んだ質問をさせてください! 撮影を通していちばんドキドキしたシーンはどこですか?
山田さん:僕は断トツで弓弦の部屋で二人きりになるシーンです。あそこで二人の距離がグッと縮まって……あっ、これ以上はネタバレなんで、ぜひ劇場でご覧ください!(笑)
廣瀬さん:僕はドキドキというか、ジェームズのことを「男前だなぁ」と思った瞬間ならあります。とあるシーンの撮影の時に、二人の距離が物理的に近くなる場面があるんですが、ジェームズが役に入り込みすぎて、僕のセリフを飛ばしてグッと近寄ってきた時があったんです。もちろん、俳優にとってセリフを飛ばすなんて言語道断なんですが……それくらい一生懸命作品に集中してるんだなぁと思って、カッコいいと思いました。
山田さん:あの時! 今思い出すとちょっと恥ずかしいですね(笑) 僕も智紀くんのことカッコいいなと思った瞬間ありますよ。前編で弓弦が芹生のホクロを見つけて、顔を見つめるシーンがあるんですが、素直に「コイツ、かっけぇな」と思いました。あと、教室を出て廊下を歩いていく姿を見守る場面があるんですが、智紀くんってすごく顔が小さくて足も長いんで、見惚れちゃいましたね!
――お二人とも仲睦まじくて、こちらがドキドキしてしまいます! では、もし来週の月曜日から実際にお二人が付き合うなら、何がしたいですか?
廣瀬さん:そうだな……お互いの家に行きたいですね。男同士って服を買いに行ったり、外に遊びに行くことはあるんですけど、部屋の中で二人っきりになることってあんまりないので。
山田さん:確かに、ある意味恋人っぽい緊張感が生まれるかもしれないですね。二人で密室にいると、照れくさいけど、幸せを感じるかも!
廣瀬さん:でも、僕は小さい頃に四六時中一緒に遊んでいた男友達がいて、相手の家に入り浸ったりしていたんです。もちろん僕は相手のことを恋愛対象としては意識していなかったですが、彼に彼女ができたり、「他の男友達と遊ぶから今日は智紀とは遊べない」って言われた時、普通に妬きました。
山田さん:それ、もう開花しちゃってるじゃん!
廣瀬さん:そうなのかな(笑) もしかしたらBLも男同士の友情の延長線上にあるのかもしれないです。
■ 芹生と弓弦だけでなく、僕たち二人の距離感も近づいていきます
――では最後に、読者に一言いただけますか?
山田さん:今回の作品は、前後編通してシナリオの冒頭から順を追って撮影を進めていったんです。なので、芹生と弓弦の距離感と、智紀くんと僕との距離感がリンクしている部分があると思います。そうしたリアルな心の距離感と作品の中での二人の心が一緒に近づいていっている様子もぜひ見てほしいです。
廣瀬さん:撮影を通して、僕たち自身はもちろん、周りの景色や二人の空気感もとても美しく撮っていただいているので、そこに注目してほしいです。それに、僕もこの作品を通して、BLというものに対しても考え方が大きく変わりました。この作品もそうですが、男同士の恋愛というだけで、それ以外、一般的な恋愛とは何一つ変わらないんです。どんな形であれ、今絶賛恋愛中の人にとっての「恋愛指南書」のような作品になると思います。
――ありがとうございました。
(文=黒潮くるみ)