映画
神谷浩史さん、坂本真綾さんら『傷物語〈I鉄血篇〉』舞台挨拶に登壇

完結の際に改めて声優をやっていて良かったと思えるように/神谷浩史――劇場アニメ『傷物語〈I鉄血篇〉』舞台挨拶レポート

 2010年に劇場アニメ化が発表され、幾分かの時を数えた『化物語』からはじまる『〈物語〉シリーズ』の劇場映画、『傷物語』3部作の第1作目〈I 鉄血篇〉が、2016年1月8日(金)よりついに公開! それに際し公開初日に阿良々木暦役・神谷浩史さん、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード役・坂本真綾さん、羽川翼役・堀江由衣さん、忍野メメ役・櫻井孝宏さんらメインキャスト4名が登壇した舞台挨拶が、TOHOシネマズ新宿にて行われました。本稿ではその模様をお届けしていきます。キャストのみなさんが公開に際して抱く思いとは――

 

■ 遂に2012年がやってきた!? シリーズ第1作『化物語』収録時のエピソードも明らかに!

 上映終了後の会場に、司会進行役を務めたアニプレックスの『〈物語〉シリーズ』宣伝プロデューサー・高橋祐馬さんの呼び込みのもと、神谷さんから順番に登壇。一言ずつの挨拶では、神谷さんの「ようやく2012年がやってきました。公開されるまでが2012年で、今からが2016年です」といったジョークに会場全体に笑みがこぼれます。

 また、昨年末に試写会で本作をご覧になった際には、3部作の内のまだ1作目にも関わらず、その全てを見たかのような濃密さがあったとコメント。さらに、『〈物語〉シリーズ』のはじまりを飾った『化物語』の収録を進めていた頃のエピソードとして、高橋さんが収録時にその第1話の白箱をすごいものができたと言って持ってきたという思い出話が飛び出し、神谷さんはその時の感情を、もう一度同じシリーズのなかで感じることができるなんてとその感慨を露わに。

 続く坂本さんは、ストーリーや映像だけでなく、音楽や効果音がさらに本作の世界観を形作っていること、本作は、物語の全体を通して余白が大事な作品であることを伝えました。堀江さんの挨拶へと移ったところでは、途中で噛んでしまった堀江さんに、神谷さんが『〈物語〉シリーズ』の作中ではもはや鉄板となっている、阿良々木暦と八九寺真宵の恒例のやり取りを思わせるネタでツッコミを入れるなんて一幕もありました。


■ これまでの記憶をゼロに。阿良々木暦と怪異やそれにまつわる人たちとの出会いのエピソード

 続いては、登壇キャストのみなさんが演じるそれぞれのキャラクターについて、そして、本作が『〈物語〉シリーズ』の時系列で言うと「最初(はじまり)」であることから、今、この出会いの物語を演じることについての感想をトークしていきました。まずは神谷さんが、台本チェックの際に、原作や辞書を用意して臨んだこと。そしてこの傷物語の収録の間に、ほかの様々なシリーズ作品を経てきているので、一度この『傷物語』の阿良々木暦を演じるために暦としての記憶をゼロにすることが必要だったと語りました。

 坂本さんは、キスショットとしてではなく忍野忍として演じる機会が多かった点や、『傷物語』のオーディションが行われてからいつの間にか5年もの時間が経過していたこと、この『〈物語〉シリーズ』の世界観を、本作の公開前に肌で感じることができたことは糧になったのではないかと述べました。また、パンフレットにあった“本気の命乞い”については、「一回でOKが出ないと本気は一度しか出せないので、一度で決めるつもりで臨んだ」とも。

 『傷物語』は羽川翼との出会いの物語でもあるということで、堀江さんにお話を伺うと、監督から可愛く演じてくださいと言われていたことを明かしました。その監督の言葉にはプレッシャーを感じられたそうで、それを受けてかちょっと若く可愛く演じようと思っていたそうです。また暦との出会いのエピソードであることを強調し、今まで通りすぎないことに加え、これまでも翼の演技の出し方として心がけていた、いつもにこやかにフラットであることを今回も意識したことを明かしました。

 忍野メメについては、櫻井さんが「あのメメの怪しげな風体からくるいかがわしさや、演じる際に優しくなり過ぎないことを意識した」とコメント。ぜひこのメメの得体の知れなさと、それにもかかわらずもしかしたら力になってくれるんじゃないかと思わずにはいられない、あの不思議な安心感は劇場で実際に確かめてみてください!


■ 観たら何かいいことあったと思える作品! そして神谷さんの決意とは……!?

 そして、終了の時間が近づくと最後は締めのご挨拶。先陣を切った櫻井さんからは、本作を見終わった会場のみなさんが“何かいいことあった”顔をされていたこと。堀江さんからは、『傷物語』から『〈物語〉シリーズ』を知るという方は、本作がはじまりの物語であることから時系列順に楽しむことができる点。坂本さんは、本作の前に『〈物語〉シリーズ』の作品が数々世に送り出されてきたことは結果的には良かったことだとし、ファンのみなさんの“観たい”という気持ちと、原作の西尾維新先生をはじめとする作り手の人たちの“作りたい”という気持ちが合致してこのシリーズが紡がれてきたのではと語りました。

 最後は主人公である暦を演じる神谷さんが、この日会場に訪れてくださったファンのみなさんに感謝を述べると、昨年末に『猫物語(黒)』から『化物語』を時系列順に楽しんだことを明かし、先ほどの堀江さんの話にもあったこの『〈物語〉シリーズ』を『傷物語』の公開によって時系列順で楽しむことができるようになったことを改めてファンのみなさん、そしてこれからシリーズを知るという方々へ提案。そして、本作を何もかもがパズルのピースのように綺麗にハマった作品であるとコメントし、演じた時に思っていたものがそのまま映像になっていたので怖い程だったとも。

 しかし、それも本作に対する絶対的な自信の表れ! 最後に神谷さんは本作を見て声優をやってきて良かったと思ったと語ると、本作はまだ3部作のひとつ目なので、完結の暁にはもう一度この声優をやっていて良かったという感情を抱けるように、そのための努力をして行こうという決意を語り本舞台挨拶は幕を閉じました。

 遂に公開となった『傷物語』。第2部の〈II熱血篇〉の公開時期も確定し、ますます期待が深まることと思います。ぜひ一度と言わず何度でも、劇場に足を運んでご覧になってくださいませ。


■『傷物語〈I鉄血篇〉』作品概要

高校二年生の阿良々木暦は春休みのある夜、伝説の吸血鬼であり、“怪異の王”キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと衝撃的な出会いを果たす。

まばゆいほどに美しく。
血も凍るほどに恐ろしく。
四肢を失い、痛々しくも無残な伝説の吸血鬼。

ようこそ、夜の世界へ

――全ての〈物語〉はここから始まる。

【INTRODUCTION】

2014年のオリコン作家別売上ランキングにて、第1位を獲得した作家・西尾維新。代表作〈物語〉シリーズは、2009年の『化物語』を皮切りに、監督・新房昭之×制作・シャフト(代表作『魔法少女まどか☆マギカ』)によってTVアニメ化。先鋭的な演出と魅力的なキャラクター造形、原作の文体を忠実に再現した台詞まわしで大きな話題を集め、Blu-ray、DVD全27タイトルが累計出荷枚数200万枚を突破。異例のセールスを記録した。現在『暦物語』までのアニメ化が決定している、まさに2010年代を代表するアニメシリーズのひとつである。今回、劇場作品として公開される『傷物語』全三部作では、シリーズ最初のエピソードが語られる。スタイリッシュな映像とともに描き出される「〈物語〉の始まり」は、多くの観客に衝撃を持って受け止められることだろう。

【STORY】

それは3月25日——春休みのある日のこと。私立直江津高校に通う高校二年生・阿良々木暦は、偶然に学校一の優等生・羽川翼と知り合う。彼女の口から飛び出したのは、最近出没するという「金髪の吸血鬼」の噂だった。普段人との関わりを避けているものの、気さくな翼のことを好ましく思う暦。その夜、暦は噂の吸血鬼と遭遇する。“怪異の王”キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。金髪金眼の彼女は、四肢を切断され、周囲に血を撒き散らしながら、暦に助けを請う。求められるままに、キスショットに自分の血を与える暦。次に目覚めたとき、彼は彼女の眷属に生まれ変わっていた。戸惑う暦に、キスショットは告げる。「ようこそ、夜の世界へ」と……。

【解説/〈物語〉シリーズとは】

2006年に講談社BOXより発表された第一作『化物語』から、2016年1月刊行の最新作『業物語』までで20巻に達し、またアニメ化作品も2009年の『化物語』を筆頭に、現在までで6作・全75話を数える人気シリーズである。吸血鬼体質となった高校生・阿良々木暦が、“怪異”に悩まされる少女たちを助けるべく奔走する本シリーズは、巻数を追うごとに、ヒロインそれぞれにスポットを当て、より深くキャラクターを掘り下げていく構成が採られている。ほぼすべての作品がシリーズの出発点であり、また阿良々木が“吸血鬼”になった経緯を描く『傷物語』から、わずか1年以内の出来事を描いているというのも、特筆すべきポイントである。

【STAFF】

原作:西尾維新「傷物語」(講談社 BOX)
総監督:新房昭之
監督:尾石達也
キャラクターデザイン:渡辺明夫、守岡英行
音響監督:鶴岡陽太
音楽:神前暁
アニメーション制作:シャフト
製作:アニプレックス、講談社、シャフト
配給:東宝映像事業部

【CAST】

阿良々木暦:神谷浩史
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード:坂本真綾
羽川翼:堀江由衣
忍野メメ:櫻井孝宏

■公開情報

『傷物語〈I鉄血篇〉』2016年1月8日(金)全国ロードショー
配給:東宝映像事業部

■関連情報

★TVアニメ「終物語」Blu-ray&DVD 第1巻 12月23日(水)より発売中
★シリーズ最新作「愚物語」(講談社BOX) 発売中
★『傷物語〈II熱血篇〉』2016年夏 全国ロードショー
『傷物語〈II熱血篇〉』特典クリアファイル付き全国共通特別前売券&ムビチケ
1,300円(税込) 2016年1月8日より発売決定


>>劇場アニメ『傷物語』公式サイト

(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
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