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『うどんの国の金色蹴鞠』1話先行上映会&トークショーが開催!

「この作品は故郷と家族をめぐるお話です」――TVアニメ『うどんの国の金色毛鞠』1話先行上映会&トークショーが開催!

 2016年9月22日(木)新宿バルト9にて、10月から放送がスタートするTVアニメ『うどんの国の金色毛鞠』の第1話先行上映会が開催されました。

 本作は、「月刊コミック@バンチ」にて連載されている、通称"うどん県"で有名な香川県を舞台にした作品。父親の死に際し生まれ故郷へ帰った主人公・俵宗太(声:中村悠一さん)が人間の子供の姿に化けたタヌキのポコ(声:古城門志帆さん)と出会い、親友や、姉、初恋の同級生など周囲の人たちとの生活を通じて自分を見つめ直す物語です。

 上映会後にはメインキャストの中村さん、古城門さん、そして本作の監督を務める宅野誠起さんを招いてのトークショーが開催され、『うどんの国の金色毛鞠』の、そして香川県の魅力をたっぷりと語っていただきました。今回はその模様をお届けします!

 

取材を繰り返して描かれた香川の魅力と暖かさ
 電車に揺られる主人公から始まる本作は、静かな日常を描いた作品が始まることを告げています。ゆっくりと丁寧な心理描写と、キャラクター同士のテンポの良い会話で物語は進み、中村さんの感情表現と相まって主人公・宗太の心情が確かに伝わってきます。

 1話では宗太がポコとの出会い、そしてその正体が判明するところまで一気に進むのですが、見ている間は時間の流れがゆっくりになったようで、駆け足に物語が進んだようにはまったく感じません。ED後に待っているCパートでは作中の人気キャラクター・ガオガオちゃんを主人公にしたショートアニメが描かれ、さらにその後の次回予告はアニメキャラクター化した要潤さん(うどん県副知事)が登場するなど、クスっとくる遊び心も満載で毎回が楽しみになる仕上がりとなっていました。

 上映会が終了すると、そのままキャストを招いてのトークショーに移っていきます。未だアニメの余韻が残る中、大きな拍手に迎えられメインキャストの中村さん、古城門さん、監督の宅野さんが登壇。「アフレコ時に絵が全てある状態でやらせていただいた珍しい現場だったんですが、音がついてより完成した物になり、演技のニュアンスが間違っていなかったかを意識していました」(中村さん)、「香川の暖かさを表現している色味のある作品で、雨の音や風の音も細かい音も表現されていて自然を感じながら見ていただける作品になったなと思います」(古城門さん)、「感無量です。1話はこの作品の雰囲気を伝えるために試行錯誤を繰り返しましたから。雨のシーンって普通は暗くなってしまうんですけど、その中でこの作品の明るい雰囲気を感じていただけるんじゃないかと思っています」(宅野さん)など、作品の拘りポイントやキャラクター演じる上での捉え方などを語り合いながらトークを続けていきます。

 主人公の宗太が父親を亡くし故郷に帰ってきたことから始まる物語ということもあり、特に拘りが見られるのはその心情部分。演じる中村さんも「キャラクターとしてではなく、そういう形で故郷に帰ってきたその内面には共感できる部分が見つかりました」と語り、また人間に化けた狸であるポコを演じる古城門さんも「人間で言ったら2歳くらいの子供を演じたときに違和感なく受け入れてもらえるように芝居をしたいと思って演じました」とキャラクターを演じる上での考えを語りました。

 また作品の軸は「純粋な子供であるポコと触れ合って宗太が忘れていたものを取り戻していくことにある」と話す宅野さん。雰囲気作りにもかなり力を入れているようで実際に何度も香川県に足を運んで取材を行ったと言います。風景や食べ物まで入念なリサーチを行って描かれていて、中村さんも香川県を思い出すような場面が数多く登場するということなので、香川出身の方も、そうでない方もその空気感をぜひアニメで体験してみてください。

 
ガオガオちゃんが登場でアニメと香川をPR
 収録時のエピソードでは、香川出身にも関わらず讃岐弁を上手く使えなかった中村さんが、共演者であるくじらさんに叱られてしまったという話や、収録時の地方を舞台にする作品として方言に苦戦するキャストが多かったという話などが飛び出し会場の笑いを誘います。

 また会場で盛り上がりを見せたのは予告で登場したうどん県副知事である要さんの話題。どうやら本編Cパートなどで出演の依頼をしているとのことなのですが、その辺りは大人の事情故になかなか実現が難しいとのこと。ですがもしかしたら……?

 いよいよトークショーが終盤に差し掛かると、なんとサプライズゲストとして作中に登場する人気キャラクター・ガオガオちゃんが登壇。このガオガオちゃんは今後アニメのPRも兼ねて、徳島のイベントや香川で行われる先行上映会に登場予定とのこと。かなり力の入ったきぐるみで、その出来栄えにはスタッフも大満足。機会がある方はぜひ生でガオガオちゃんと触れ合ってみてください。

 最後に「この作品は家族を描いていて、いろんな立場で見え方が変わってくる作品です。たくさんの方に楽しんでもらいたいです」と宅間さん、「スッタフのみなさんが何度も香川に行って、細かい部分まで忠実に再現されています。この作品で興味を持った方はぜひ香川に足を運んでもらって、現実の空気感や美味しい食べ物を味わってもらいたいです」と小木戸さん、「舞台は香川県ですが、それ以外の故郷をお持ちの方にも心に残る作品で、自分の地元を見つめ直す作品になればいいなと思って作っています」と中村さんがそれぞれコメントし、トークショーは幕を下ろしました。

 トークショー終了後、囲み取材でいただいた3人のコメントをお届けしたいと思います。


――まずはキャストの2人にお聞きしたいのですが、それぞれ役が決まったときの気持ち、キャラクターの魅力はどういうところですか?

中村:最初に話を伺ったのは昨年でした。舞台が出身地ということもあって"どうでしょうか?"ということだったんです。その当時はまだ本作を存じ上げてなかったので、"もし方言がいっぱいあるようなら困るかも……"という気持ちが一番大きかったですね(笑)。東京に出てきて養成所に通っていたとき"訛りは現場に悪影響だから直せ"といの一番に言われましたから、いざ使えて言われると……。困難な作業が待っていると覚悟していたんですけど、原作を拝見してみたところ主人公は東京帰りで1人標準語を通しているというなんともステキな設定で安心しました。

 キャラクターの魅力って僕が考えるものではないと思ってるんですよ。それは見ていただいた方たちがそれぞれに感じていただく部分ですから。ただ僕自身は原作を読んでみて、宗太が持つ人間的な優しさが魅力かなと感じています。

古城門:原作を読ませていただいたときから、そこから伝わってくる作品の暖かさと、ポコの持っている人の心を開かせてしまう部分に魅力を感じていました。オーディションのときからやりたいと思える役だったんですけど、私はもう2才児ではないですし、どうやったら違和感なく大人の私が子供を演じられるか考えさせられました。アフレコが始まってからも細かいディレクションをいただいていて、今まで私が演じてきた役の中でも大きい壁にぶち当たってるなと感じています。

――香川が舞台ということですが、この作品で香川に触れてどのような印象を抱きましたか?

宅野:正直、この作品に携わるまでは香川どころか四国すらちゃんと理解していなかったんです。だから香川といえばやっぱりうどん、くらいしか浮かばなくて、そのくらいの知識で最初はロケハンを行いました。いざ香川に足を踏み入れてみると、山の形が可愛いかったりして地形が独特で、溜池も多いんですよ。同じ日本のはずなんだけど、ちょっと違う世界に来たように感じられて、新鮮な気持ちになりました

古城門:この作品をきっかけに香川にいかせていただいたんですけど、行く前まではもっとのどかで、東京とは過ぎていく時間の感覚が違う場所なのかなって思ってました。みんな外でゆったりと過ごしているのかなと考えていたんです。実際はみなさん、外出するときは目的地を決めてから移動するので、東京みたいにその辺で時間を潰してる人がいないんですよ。それは少し意外でした。

中村:僕は出身なので本物をみているんですが、東京とかに比べたら香川は確かに田舎なんですけど、住みやすい場所ではあると改めて思いましたね。電車だって通ってますしバスもありますし、もちろん道路だって舗装されてますから不便に思うようなことはないんですよ。天候も穏やかですし、一度足を運んでいただけばわかると思うんですけど、今にして思うと快適に過ごせる場所だったんだなと感じましたね。

――いよいよ10月から放送が開始されますが、視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。

宅野:この作品は故郷と家族をめぐるお話です。誰にだって故郷と家族はあると思うので、それぞれの故郷や家族に思いを馳せながら見ていただければ、感情移入しやすい作品になっていると思います。宗太はわかりやすいキャラではないんですよ。夢に向かって頑張ってるわけでもなく、好きな人がいるわけではなく。アニメで描かれるキャラには珍しい、青春時代が終わってある程度時間を経て田舎に戻ったという設定ですから。そんな宗太がポコと出会って、その純粋さに触れてどう変わっていくのかを見届けてもらえたら幸いです。

古城門:スタッフのみなさんがたくさんロケに行って細かい描写を作品の中で描いてくださっているので、その拘りが見るだけど伝わるアニメになっていると思います。物語は宗太とポコを軸に積み上げられているので、2人が成長して影響し合いながら、心境を変化させていく過程に注目していただけたら嬉しいなと思っています。

中村:最近は聖地という形でいろんな場所をモデルにしたアニメが多く作られるようになって、やっと香川県の順番が回ってきたなと感じています。『うどんの国の金色毛鞠』は、香川がどういう場所でどんな物があって、どれだけステキな所なのかを知っていただくチャンスになるはずです。この機会に香川県側も猛プッシュをかけると思いますので、ぜひその盛り上がりに身を任せていただき、応援の方よろしくお願いします。


[取材・文/原直輝]

『うどんの国の金色毛鞠』作品情報
日本テレビ 2016年10月8日(土)深夜25:55スタート
西日本放送 2016年10月16日(日)あさ7:00スタート
ほか
※放送時間は変更になる場合があります

【STAFF】
原作:『うどんの国の金色毛鞠』篠丸のどか(新潮社「月刊コミック@バンチ」連載)
監督:宅野誠起
助監督:臼井文明
シリーズ構成:高橋ナツコ
キャラクターデザイン・総作画監督:伊藤依織子
美術設定:イノセユキエ
美術監督:合六 弘
色彩設計:小野寺笑子
撮影監督:後藤晴香
編集:吉武将人
音響監督:鶴岡陽太
音楽:橋本由香利
アニメーション制作:ライデンフィルム
製作:「うどんの国の金色毛鞠」製作委員会

【CAST】
俵宗太:中村悠一
ポコ:古城門志帆
中島忍:杉田智和
大石凛子:中原麻衣
藤山俊亮:福山潤
藤山紗枝:花澤香菜
浜田吾郎:黒田崇矢
永妻宏司:立花慎之介
冴木学:鳥海浩輔
冴木雪枝:嶋村侑
喜岡ふみ:くじら
田中(真鍋) 舞:皆口裕子
田中のぞみ:本渡楓
宗太の父:中博史
宗太の母:井上喜久子
中島の母:木村亜希子
カエル:小林ゆう
ガオガオちゃん:黒田崇矢
ミミ:牧野由依
モモ:古城門志帆
次回予告:要潤

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【原作情報】
原作『うどんの国の金色毛鞠』単行本第1~7巻 大好評発売中!第8巻は2016年10月8日発売予定!
http://www.comicbunch.com/comicinfo/udon/

>>公式サイト
>>公式Twitter(@udonnokuni_tv)
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(C)篠丸のどか・新潮社/「うどんの国の金色毛鞠」製作委員会
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