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『ALL OUT!!』リレーインタビュー第一回 千葉翔也さん

この作品の熱さがすごく好き――TVアニメ『ALL OUT!!』リレーインタビュー第一回 祇園健次役・千葉翔也さん

 月刊『モーニング・ツー』で連載中の本格高校ラグビー漫画原作。史上初のラグビーアニメ『ALL OUT!!』が10月6日からスタート。ラグビーには、エースストライカーも4番バッターもいない、ここでは誰だって主役になれるー。

 アニメイトタイムズでは、その主役たち一人一人にスポットを当て、リレー形式でインタビューを掲載。第一回目となる今回は、祇園健次役・千葉翔也さんのインタビューをお届けします!!

細谷さんの背中を見ると「もっと頑張れよ」って言われている気がしますね

──キャラクターの紹介をお願いします。

千葉:祇園はラグビー初心者で、ラグビーの存在すらも知らなかったんです。でも、ラグビーを見ているときに、石清水(澄明)の「どんな人間だって、ここでは主役になれる」という言葉を聞いて、飛び込んでいったんです。今まで身長が低いというコンプレックスもあって、スポーツをやってこなかったんですけど、ラグビーを始めたら、そのがむしゃらな姿がむしろ他のメンバーに影響をもたらしている、みたいな。

──役を作るとき、どんな子だなと思いましたか?

千葉:オーディションのときに原作を読んでいたんですけど、単純明快で前向きなキャラクターだな、あまり考えてないからぶつかっていけるんだなと思ってオーディションに臨んだんです。でも、選んでいただいたあと、原作を読み返していくうちに、祇園って思っていたよりも落ち込むし、考えるときはちゃんと人のことを考えている子なんだなってわかったとき、すごく演じやすくなりました。ただタックルがしたい!とかいうんじゃなくて、興味を持って頑張ろう!って考えられる子なんだと思って、すごく祇園との距離が近くなったと思います。

──原作を読み返すって大切なんですね。

千葉:でも読みすぎちゃって、先の展開を予測して演じてしまうときがあって、音響監督から「それだとこの先がわかっちゃってるから」と言われて。演じるときは全部リセットして、祇園がどういう発言に反応したのか、ちゃんと新鮮な気持ちでやらないといけないんだと勉強になりました。

──演じているときに気をつけているところは、どこですか?

千葉:祇園って、いいことを言うシーンが多いと思うんですけど、それは別に狙って言っているわけではなく、ラグビーや部活について知らないからこそ真っ直ぐなことが言えるんですよね。だから、いいことを言おうとして言うんじゃなくて、祇園だから、というのを考えています。あと、石清水に対して無意識に尊敬しているところと、試合を見て、実際にすごいじゃん!って尊敬しているところがあるんです。だから演じるとき、無意識の部分と意識している部分をどう混ぜようかなって思いながらやっています。

あとは先輩やコーチに生意気な口調でぶつかっていくんですけど、演じるときに生意気に振る舞おうと思いながら言うのではなくて、本当に何も考えないでぶつかっていくようにとディレクションをいただいたことがあって、それはすごく納得しました。自分だったら、自分より強い相手に挑むって考えるけど、祇園はそもそもそこを考えないんですよね。この間、ロケで実際に高校生のラグビー選手と向かい合ったんですけど、僕はもう怖くて(笑)。だから、自分とはまったく別として考えないといけないって思いました(笑)。

──アフレコの雰囲気を教えてください。座長になりますが。

千葉:(笑)。正直、僕は演じることに必死で。でも、だんだん打ち解けてきてしゃべれるようになったんですけど、細谷(佳正)さんとか逢坂(良太)さんのほうからしゃべってくれて、だんだん和やかになっていったなと、回を重ねるごとに思っています。席的に(セリフを言っている人の)背後にいることが多いので、細谷さんが演じているときの背中を見ると、「もっと頑張れよ」って言われている気がしますね。

──1話のアフレコは大変だったそうですね?

千葉:自分の中で引っかかっていたセリフは必ずダメ出しをいただいて、どこがダメだったのかというのをちゃんと説明してくださるんです。しかも、ダメじゃなくなるまでちゃんと突き詰めてくださったというのが、1話、2話のときで。そのときに、すごく失礼なんですけど、信頼して身を委ねられる現場なんだなって思ったんです。何も考えずに全力で演じれば、ちゃんと軌道修正してくれる。合っているときもちゃんと言ってくれるから、期待に応えるためにももっと頑張らなきゃって、相乗効果があったと思いました。みんな、この作品の熱さがすごく好きなんだなっていうのが、監督やスタッフさんからもすごく伝わってきて、同じ方向を向いているなぁって思いました。

──TVシリーズのラグビーアニメとしては史上初ということになるのですが、ラグビーについて持っていた印象を教えてください。

千葉:まったく知らなかったんですよね。ぶつかり合うから怖いスポーツだなって。僕みたいなひょろひょろじゃなく、ガタイが良くて強い人がやる、血の気の多いスポーツだと思っていたんです。でも、この作品のオーディションを受けたり、日本がラグビーブームで盛り上がっていたので試合を見ると、結構相手のチームにも思いやりがある中で、ぶつかっているスポーツなんだとわかってきて。危ない怖いって言うより、ちゃんと秩序がある中でぶつかっているから、それはカッコいいですよね。ラグビーって格闘球技とも言われるんですけど、球技のような味方との連帯感と格闘技のような相手を倒す熱さがある、いいとこ取りなスポーツに思えてきて、純粋にポジティブなスポーツなんだなと思いました。

──ルールも難しそうですよね。

千葉:確かに展開が早いというのはあるんですけど、アニメではそれが結構上手く表現されていて。ここを見てほしいというところをピックアップしてくれて、わかりやすいというのもあるので、収録してても超楽しいです。それと、この役に決まってからラグビーの試合を見るようになったんですけど、知っていくと、ポジションごとの役割がはっきりと違うんですよ。それに日本代表対南アフリカの最後のスクラムとかでは、全員がひとつに固まってて、二面性のあるスポーツだと思いました。アニメでも気さくな先輩や不良っぽいキャラクターがいるけど、試合になるとひとつになる。すごく魅力的なスポーツですね。

──まさに、One for all, All for oneですね。ただ、見ていると、千葉さんはラグビーとかはやらなそうだなと思いました。細いですし。何でしょう、見た目は祇園と正反対というか。

千葉:格闘技とかもカッコいいと思うんですけど、確かに自分でやるってなるとないですね(笑)。ただ、声のトーンは意外と作ってないんですよ。でも、ファンの方からもちらほら「今までにない役だね」って言われて、確かにそうだなって思います。祇園は筋肉もすごいし、眼力も強いですからね。だから、少しでも近づこうと思って、腕立てはやるようになりました(笑)。ちょっとでもスポーツをやるような体に近づけようかなって思ってます。

──では、アニメの見どころをお願いします。

千葉:ラグビーが全員で向かっていくスポーツなんだというのを学ばせてくれるのが、序盤の展開だと思います。祇園はまったくの初心者だし、ラグビーに向き合わない石清水だったり、太い芯を持っているキャプテンがいたりするんですけど、あるキャラが言う「全員で勝ちたいと思わないとラグビーじゃないんだ」って言葉が印象的で。本気で勝ちに行こう、本気で神高ラグビー部を作っていこうという流れが描かれるので、それは見てほしいですね。特にコーチが出てきてからですね。それまでの神高ラグビー部のやり方をある意味壊してくるので。それぞれが努力しなきゃいけないんだけど、自分の役とは関係ないところでも、役割を取っ払ったところで協力し合わないといけないみたいな。それは自分の人生的にも思うところがありました。

──最後に、放送を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

千葉:僕個人の話だと、レギュラーとしてこのような役をやらせていただくのがほぼ初めてなので、わからないことだらけだったんですけど、だからこそ何も考えず、がむしゃらに演じました。キャストのみなさんそれぞれのがむしゃらさで演じていて、とても熱くなれる作品なので、誰かしらに共感してもらって、見ている人の悩みとかを取っ払うきっかけになったらと思います。つらい練習を乗り越えていく姿を見てほしいし、ラグビー体験をして思ったのが、スカッとする楽しいスポーツだってことなんですけど、それが少しでも伝わればと思います。

──体験したんですね!

千葉:ぶつかりあうスポーツってあまりないですけど、ラグビーってぶつかってなんぼで、味方を助けるときもしっかり体をあてるとか、本当に全身を使ったスポーツだということがわかったので、それを体験したことで、全身全霊で演じるのがすごくやりやすくなったんです。声の演技なんですけど、全身で頑張っているのが伝わればいいなって思います。

次回は、祇園とともに成長していく、石清水澄明役・安達勇人さんのリレーインタビューをお届け予定です! お楽しみに!

[インタビュー・塚越淳一]

TVアニメ『ALL OUT!!』作品情報
2016年10月6日より、TOKYO MX、MBS、BS11ほかにて放送開始!!

【あらずし】
 ラグビーにはエースストライカーも、4番バッターもいない。ここでは誰だって主役になれる―。
 神奈川高校、入学式当日。体格は小さいが負けん気は人一倍の初心者・祇園(ぎおん)がラグビー部に入部し、物語は動き出す。

 過去のある出来事からラグビーに打ち込めない同級生・石清水(いわしみず)、面倒見がよく部員を気遣う副キャプテン・八王子(はちおうじ)、そして、圧倒的迫力と誰よりも熱い闘志を胸に秘めたキャプテン・赤山(せきざん)。体格も個性もバラバラなメンバーが、青春というグラウンドでぶつかり合いながら成長して行く。すべて出し切った先にある、最高の舞台を目指して――!

【CAST】
千葉翔也
安達勇人
細谷佳正
逢坂良太
小野賢章
村田太志
庄司将之
土師孝也

【スタッフ】
原作:雨瀬シオリ
監督:清水健一
シリーズ構成・脚本:横谷昌宏
脚本:入江信吾
キャラクターデザイン:筱 雅律
音楽:高梨康治(Team-MAX)
OP:Lenny code fiction (レニーコードフィクション)「Flower」(Ki/oon Music)
ED:スキマスイッチ「全力少年produced by 奥田民生」(Ariola Japan/AUGUSTA RECORDS)

【制作】
トムス・エンタテインメント×MADHOUSE/企画制作協力:テレコム・アニメーションフィルム/協力:日本ラグビーフットボール協会

>>TVアニメ『ALL OUT!!』公式サイト
>>TVアニメ『ALL OUT!!』公式Twitter(@allout_anime)
>>TVアニメ『ALL OUT!!』公式Facebook

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