芝居のほうで引っ張っていけたらいいなと思っています――TVアニメ『ALL OUT!!』リレーインタビュー第三回 八王子睦役・逢坂良太さん
月刊『モーニング・ツー』で連載中の本格高校ラグビー漫画原作。史上初のラグビーアニメ『ALLOUT!!』が10月からスタート。ラグビーには、エースストライカーも4番バッターもいない、ここでは誰だって主役になれるー。アニメイトタイムズでは、その主役たち一人一人にスポットを当て、リレー形式でインタビューを掲載します。
第三回となる今回は、神高ラグビー部の副キャプテン・八王子睦を演じる逢坂良太さんのインタビューをお届け。愛すべき優しい風貌で、キャプテンの赤山濯也と1年生の間を取り持つ、部をまとめるなくてはならない存在の八王子をどう演じたのか。作品のことや、アフレコでの様子を教えていただきました!
・一回目「祇園健次役・千葉翔也さん」のインタビューはコチラ
・二回目「石清水澄明役・安達勇人さん」のインタビューはコチラ
──キャラクターの紹介をお願いします。
逢坂:八王子睦は副キャプテンなんですけど、キャプテンである赤山と後輩との通訳係というか。赤山は気持ちは誰よりも前を向いているんですけど、口数が多くないので、部員のみんなにわかりやすく、こういうことだよって伝えなくてはならないんですよね。あとは緩衝剤のような役割もあるのかなって思っています。赤山って、見た目がちょっと怖いじゃないですか。ギン!ってしてて。そこを「大丈夫大丈夫、そんなに厳しくないから」って言ったりする。睦は癒し系の風体をしているので、そういった優しい感じを出せればと思っていました。ただ、ラグビーに対する情熱がないわけではないので、そこをどう出すのかが難しかったりはしましたね。基本的にふわふわしてるから、試合中の声とか、どういうふうにやろうかなっていうのは、毎回考えてしまいます。
──そんなに闘争心をむき出しにするような感じにはしない?
逢坂:むき出しなんですけど、それを出しすぎると、僕の地声の年相応の声になってしまうので、そこをどう出すのかっていうところですね。ただ、考えてはいるんですけど、いざやると、どうやってたっけ?って思うんですけどね(笑)。やっぱりその場の勢いとか感覚でやってたりするので。だから周りの方にどんなでした?って聞くしかないんですけど(笑)。
──1年生からも、すごく慕われている感じがありますね。
逢坂:この見た目と性格なので、基本的には好かれていると思います。たぶん誰よりも人望はあるんじゃないかなと。だから相談されることもすごく多そう。「赤山が怖いんです」とか(笑)。まぁでも、悩みを解決してあげるよりは、何とかなるよって、意外とアバウトな応え方をしてるような感じがします。それでもなぜか納得してしまうような雰囲気を出してるんだろうなって。
──アフレコの雰囲気はどうですか?
逢坂:今回初めてラグビーがTVアニメ化されるんですけど、正直最初はルールもよくわからなかったですし、今でも細かいところは把握しきれていないところはあるんですけど、すごく男臭いなとは感じました。ゴツゴツしたキャラクターってそんなに多くないんですけど、ほかのスポーツアニメとは違う、泥臭さ、汗の感じとかはものすごく感じられます。そんなアニメのアフレコなんですけど、空気づくりという意味で、今回は主役の2人(千葉翔也さん・安達勇人さん)が、引っ張らなきゃいけない!っていう雰囲気を出している感じがするんです。でも、新人だからこそ気負いすぎてほしくないし、そういった意味で、僕や細谷さんがうまいことコントロールしていく立場ではあるのかなと思っています。細谷さんはわりと口に出して言ってくださるんですけど、僕はあまり口には出さないので、芝居のほうで引っ張っていけたらいいなと思っていますね。
──言ってあげてもいいんじゃないですか?(笑)
逢坂:僕はどちらかと言うと、「こうやればいいよ」って言うより、「わからないことがあったら聞いてね」っていうタイプですね(笑)。「答えられる範囲で答えるよ」って。今のところ誰も来てないですけど(笑)。
──でも、本当に先輩と後輩のような感じなんですね。
逢坂:2人がどんどん祇園と石清水になっていく感じというのが、見てて楽しいですね。ひとつのチームになっていってるなっていうのも、毎回すごく感じています。
──千葉さんは、年齢的にもかなり若いんですよね。
逢坂:そうですね。見ててすごく一生懸命なんですよね。1話のときなんて、挨拶でもうガッチガチで、大丈夫か?って思いましたから(笑)。でも今はだいぶ表情も柔らかくなってきているんですけど、まだ緊張している感じがあるので、徐々にリラックスして、笑顔でやってもらえるような現場作りができたらいいなって思います。
──では、ラグビーについて持っていた印象を教えてください。
逢坂:『ALLOUT!!』アニメ化発表直後に、ラグビー日本代表がすごく有名になったので、本当に奇跡的だなって思いました。こんなタイミングがいいことってないじゃないですか。アニメの企画自体は相当前から進んでいるわけで。日本代表が南アフリカ代表に勝って、五郎丸さんのルーティンがあったりして、急にラグビーがピックアップされて世間から注目されたので、僕ら的にはラッキー!と思ったんですよ。最近でもオリンピックの7人制ラグビーでニュージーランドに勝ったりして、また認知度が上がったので、それを引き継ぎつつ、もっと伸ばせていけたらいいなと思っています。僕らの力が試されているというか。まぁどこに勝つのかって言われるとわからないですけど(笑)。なので、作品作りに全力を注いでいかないといけないなと思っています。
──アニメ化することで、書店にコミックスが並びますし、ラグビー熱を持続させる力になりたいですよね。
逢坂:今回すごくいいなって思ったのは、ドラマCDを録ったんですけど、『ALLOUT!!』のその時の最新8巻と1巻に特装版として同じドラマCDが付いたんですよ。もともと買ってくれている人は8巻をそのまま買えばいいし、初めて買う人は1巻を買えば、ドラマCDも聞けるっていう。この戦い方が素晴らしい!我々はひとつ試合に勝った感じがしますね!(笑)それはそうとして、どっちきっかけでもいいんです。ラグビー日本代表がきっかけでアニメを見てくれても、アニメきっかけで、日本代表の応援に行ってくれても。ただ、ラグビーを好きな人が、お互い増えてくれればいいなと思います。
──アニメ前半の見どころを教えてください。
逢坂:練習試合ですかね。あそこの石清水が、トラウマのことを敵からも味方からも言われるんですよ。特に御幸から言われたひと言が、これはひどい!って感じだったので(笑)、あれは本当にすごかったですね。御幸役のキャストの岡本信彦さんが、ものすごくいい味を出してくれてたんです。それを見たら、なぜこの人がこの役なのか、納得!って思うと思います(笑)。
──最後に、放送を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
逢坂:まず第一話を見ていただかないとっていうところではあるのですが、原作を読んだときに、ものすごく面白いなって思ったのと同時にびっくりしたのが、作者の方が女性だったんです。女性の作者さんが、ここまで泥臭いストーリーが描けるのかとビックリしました。それだけラグビーに対する取材や研究をやって描いているんだなってすごく伝わってきました。それをアニメで表現できればと思いますし、原作ファンの方にも、きっと満足してもらえる出来になっていると思います。2クール、右肩上がりになっていくストーリーなので、ぜひぜひ楽しみにしていてください!
いよいよ最後となる次回は、キャプテンの赤山濯也役・細谷佳正さんのリレーインタビューをお届け予定です! お楽しみに!
[インタビュー・塚越淳一]
TVアニメ『ALL OUT!!』作品情報
2016年10月6日より、TOKYO MX、MBS、BS11ほかにて放送開始!!
【あらずし】
ラグビーにはエースストライカーも、4番バッターもいない。ここでは誰だって主役になれる―。
神奈川高校、入学式当日。体格は小さいが負けん気は人一倍の初心者・祇園(ぎおん)がラグビー部に入部し、物語は動き出す。
過去のある出来事からラグビーに打ち込めない同級生・石清水(いわしみず)、面倒見がよく部員を気遣う副キャプテン・八王子(はちおうじ)、そして、圧倒的迫力と誰よりも熱い闘志を胸に秘めたキャプテン・赤山(せきざん)。体格も個性もバラバラなメンバーが、青春というグラウンドでぶつかり合いながら成長して行く。すべて出し切った先にある、最高の舞台を目指して――!
【CAST】
千葉翔也
安達勇人
細谷佳正
逢坂良太
小野賢章
村田太志
庄司将之
土師孝也
【スタッフ】
原作:雨瀬シオリ
監督:清水健一
シリーズ構成・脚本:横谷昌宏
脚本:入江信吾
キャラクターデザイン:筱 雅律
音楽:高梨康治(Team-MAX)
OP:Lenny code fiction (レニーコードフィクション)「Flower」(Ki/oon Music)
ED:スキマスイッチ「全力少年produced by 奥田民生」(Ariola Japan/AUGUSTA RECORDS)
【制作】
トムス・エンタテインメント×MADHOUSE/企画制作協力:テレコム・アニメーションフィルム/協力:日本ラグビーフットボール協会
>>TVアニメ『ALL OUT!!』公式サイト
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