原作者の通そうとした意志の中に、自分が乗っかれているのがすごく光栄です──『ALL OUT!!』リレーインタビュー第四回 赤山濯也役・細谷佳正さん
月刊『モーニング・ツー』で連載中の本格高校ラグビー漫画原作。史上初のラグビーアニメ『ALL OUT!!』が10月6日からスタート。ラグビーには、エースストライカーも4番バッターもいない、ここでは誰だって主役になれる──。
アニメイトタイムズでは、その主役たち一人一人にスポットを当て、リレー形式でインタビューを掲載します。
リレーインタビューのラストを飾るのは、神高ラグビー部のキャプテンにして、決して恵まれたラグビー人生を送ってきたわけではない赤山濯也を演じる細谷佳正さん。赤山とはまた違った方法で、『ALL OUT!!』チームを引っ張る細谷さんにインタビューしていきます!
・一回目「祇園健次役・千葉翔也さん」のインタビューはコチラ
・二回目「石清水澄明役・安達勇人さん」のインタビューはコチラ
・三回目「八王子睦役・逢坂良太さん」のインタビューはコチラ
──キャラクターの紹介をお願いします。
細谷:赤山濯也をやっていて思うのは、何でこんなにラグビーが好きで、こんなに勝ちたいんだろってことですね。技術という面ではわからないですけど、気持ちの面では飛び抜けてそこにこだわりがあるというか。勝ちだったり、ラグビーで花園に行くっていう目標を強く持っている人ですね。神高ラグビー部は、彼が顧問兼キャプテンみたいな感じで、練習メニューとかを副キャプテンの八王子と考えて作っているんですよ。厳しい練習を部員に課しますが、課すからには自分は最後まで立っている人で、精神的に強いのだと思います。
それは赤山の過去からもわかるんですけど、心が折れる可能性だってあったと思うんです。それでもラグビー部に居続けて、やっと自分が引っ張っていける時代になった。それまで負けてきたけど、頑張ってきたという過去からも、相当ハートは強いんだろうなって思いました。
──これまでの過去があっての今の赤山だという気持ちで演じているんですね?
細谷:そうですね。アニメでは彼が三年生になってからを描いています。
──ちなみに、赤山を演じるときの注意している点って何かありますか?
細谷:キャラクターの体格や、見た目に違和感が出ないようにと思って演っています。
──アフレコの雰囲気はどうですか?
細谷:印象的だったのはガヤを録るときで。ラグビーの練習しているときって、どのくらいしゃべっているのか、どういう指示が飛んでいるのかがわからないから、最初は戸惑いました。たまに経験者の方が来てくださったりするんですけど、レクチャーを受けながら、練習における環境音作りはしていました。
ただ、その背景で人間関係だったりとか、彼ら(祇園や石清水)が成長していく様子を描いているので、そうなると会話が多くなってくるから、そこは普通の収録と同じような感じです。
──1話で、すごくこだわって収録した話も聞きましたが。
細谷:そうですね。ラグビーが初めてTVアニメ化されるのもあったのだと思いますが、やっぱりちゃんと丁寧に、やっていくって感じはありましたね。
──細谷さんは、後輩を気にかけて、声をかけているという話を聞きましたが。
細谷:いやあの(笑)、何でしょうね。声をかけるというよりは最低限のことを言ってるだけですよ。僕も緊張するし、マイクワークが円滑に進んだほうがいいんですよ。じゃないとビックリしちゃうんで。だからビックリしないように「マイクの番号を書いておくといいよ」とか。そういう基本的なことは伝えましたけど。ただ、そういうのを伝えるのもおそるおそるなんです。口うるさい先輩だなとか、嫌われたくないので(笑)。
──では、ラグビーについて持っていた印象を教えてください。
細谷:僕が小さい頃に『スクール☆ウォーズ ~泣き虫先生の7年戦争~』というドラマを見てて、ラグビーと言えば、縞々のラガーシャツに泥だらけで走るみたいな印象でしたね。で、山下真司さん扮する滝沢先生によく殴られる! そういうイメージでした。あとは、ボールの色が革製の茶色だと思ってたんですけど、違うんだなって思ったり、スクラムは全員で組むと思ってたら、組まないポジションもあるとか。あと体格は結構均一なんだろうと思っていたら、ポジションによってぜんぜん違うとか。そのへんが『ALL OUT!!』をやってからイメージが変わったところですね。
──アニメ前半の見どころを教えてください。
細谷:試合も見どころなんですけど、神高ラグビー部にコーチになってくれる人が現れるのは大きいと思います。それまでの練習は、赤山と八王子が考えていたと思うんですけど、みんな赤山の体力についていけてない現状があった。でもコーチが来てからは、いろんな練習法が与えられているし、それをクリアしていく話も描かれています。1年の頃からずっと上に恵まれなかった赤山や八王子が、正式なコーチが出てきたことで、「俺たちはもっと強くなれる」と喜ぶシーンもいいなと思います。
──最後に、放送を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
細谷:原作を読んだときにいちばん好きだったフレーズがありまして。原作の先生の雨瀬シオリ先生のお言葉なのですが、赤山のキャラデザをずっと変えろと担当に言われていたけど、変えませんでしたと。「つらぬいた(最後は意地だった)」といった事を書かれていまして、そこが僕はすごく好きで(笑)。その通そうとした意志の中に、自分が関われているのがすごく光栄だなと思いますし、嬉しいです。そのデザインが変わることなくアニメになって、動いている。そういう意味でも、楽しんでいただければと思います。そしてアニメを見て原作が気になった方は、ぜひ原作も買っていただいて、キャラクター紹介のところの先生のお言葉も見ていただければと思います。最後は意地だった……あの一文、僕はすごく素敵だなと思いました。
以上で全4回のリレーインタビューは終了ですが、いかがだったでしょうか? いよいよアニメの放送も10月6日と迫ってきましたが、期待の初ラグビーTVアニメ『ALL OUT!!』に乞うご期待です!
[インタビュー・塚越淳一]
TVアニメ『ALL OUT!!』作品情報
2016年10月6日より、TOKYO MX、MBS、BS11ほかにて放送開始!!
【あらずし】
ラグビーにはエースストライカーも、4番バッターもいない。ここでは誰だって主役になれる―。
神奈川高校、入学式当日。体格は小さいが負けん気は人一倍の初心者・祇園(ぎおん)がラグビー部に入部し、物語は動き出す。
過去のある出来事からラグビーに打ち込めない同級生・石清水(いわしみず)、面倒見がよく部員を気遣う副キャプテン・八王子(はちおうじ)、そして、圧倒的迫力と誰よりも熱い闘志を胸に秘めたキャプテン・赤山(せきざん)。体格も個性もバラバラなメンバーが、青春というグラウンドでぶつかり合いながら成長して行く。すべて出し切った先にある、最高の舞台を目指して――!
【CAST】
千葉翔也
安達勇人
細谷佳正
逢坂良太
小野賢章
村田太志
庄司将之
土師孝也
【スタッフ】
原作:雨瀬シオリ
監督:清水健一
シリーズ構成・脚本:横谷昌宏
脚本:入江信吾
キャラクターデザイン:筱 雅律
音楽:高梨康治(Team-MAX)
OP:Lenny code fiction (レニーコードフィクション)「Flower」(Ki/oon Music)
ED:スキマスイッチ「全力少年produced by 奥田民生」(Ariola Japan/AUGUSTA RECORDS)
【制作】
トムス・エンタテインメント×MADHOUSE/企画制作協力:テレコム・アニメーションフィルム/協力:日本ラグビーフットボール協会
>>TVアニメ『ALL OUT!!』公式サイト
>>TVアニメ『ALL OUT!!』公式Twitter(@allout_anime)
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