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吉田恵里香さんが伝える作品の世界【少年探偵団 取材手帳 第3回】

これを読めばTVアニメ『トリックスター』が10倍楽しくなる!脚本家・吉田恵里香さんが伝える作品の世界【少年探偵団 取材手帳 第3回】

 好評連載中のTVアニメ『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』連続企画【少年探偵団 取材手帳】! キャストのみなさんをはじめ、様々な方に行った特別インタビューを連続で掲載していく読み応え抜群のこの企画。いろいろなお話をうかがいながら、より本作の世界を深めていけるものになっております。

 連載第3回は、TVアニメ『TIGER & BUNNY』(共同脚本)や『ルパン三世(2015年TVシリーズ)』や実写映画『ヒロイン失格』など、多岐に渡って活躍されている本作の脚本家・吉田恵里香さんにインタビュー。脚本家ならではの作品観点や裏話、そして今後の見どころをお聞きした模様をお伝えしていきます。

 花崎と小林が出会い、これまでいくつかの事件を解決してきた少年探偵団。今後はどのようにストーリーが展開していくのか? 今、取材手帳の第3ページ目が開かれます。

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設定を現代版として置き換えていく作業からスタート

──『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』に関わることになった経緯を教えてください。

吉田:最初に原作者のJordan森杉先生から、現代版の少年探偵団(江戸川乱歩原作の明智小五郎シリーズに登場する探偵団)をやりたいという企画のお話がありました。懐古的な雰囲気にしないで、新しいものをやりたいというお話を受けて、一緒に企画を進めていきました。最初の骨組みは原作者とふたりで作らせていただきましたが、今の形は監督、プロデューサーを含めてみんなで作ったんです。原作者のやりたいものをどう凝縮させて、アニメに置き換えていくかという作業でしたね。


──企画の段階から関わっていたんですね。

吉田:そうなんです。小林(小林芳雄 CV:山下大輝さん)があのキャラクターになるまでがけっこう大変でしたね。江戸川乱歩作品に登場する小林少年は、完璧ないい子というイメージで、明智(明智小五郎 CV:小野大輔さん)とポジションがかぶってしまう。当時のみんなが憧れる存在って、ああいう優等生な小林少年だったと思うんですけど、今の憧れは違うんじゃないかと思って。なので、雰囲気をガラッと変える意味でも、死ななくて、人間関係のしがらみがなくて、言いたいことをズバズバ言えるというのは幸せというか、究極な状態かもしれないと思って、小林は現在のキャラクターになりました。

──昔と今では価値観なども違いますよね。

吉田:ですから、原案の設定を今回の作品でどう置き換えていくかという作業が多かったんです。「昔こう思われていたことを今だったらどうするか?」と考えてやっていきましたね。キャラクターを作るにあたっては原作のJordan森杉先生とたくさん話しました。最初、花崎(花崎健介 CV:逢坂良太さん)は江戸川乱歩先生の明智小五郎シリーズの探偵団通りに女の子(原案では女性団員の花崎マユミ)だったのですが、そういうところはキャラクターデザインのPEACH-PIT先生やアニメのキャラクターデザインの方とお話をして、「男の子がいいんじゃないか」とか、アイディアをいただきながら作りました。

──本作をなぜ近未来の設定にしたんですか?

吉田:原作者から銃やロボットを使って、アクションをやりたいという要望もあって、現代にしようと思ったんですが、2016年に置き換えたら、視聴者が引いちゃうんじゃないかと思いました。企画を考えている時は、東京オリンピック(2020年夏季開催予定)が決まる前だったんですけど、オリンピック開催後の日本だったら、いろんなことが変わっているんじゃないかと思って、いろんなものが変わっているという前提があれば、銃やロボットを使ったアクションなんかもすんなり入れるんじゃないかと思って、設定を近未来にしました。


──オリンピック開催後だと、いろいろ変わっているかもしれないですね。

吉田:それがうまく作用しているかはわかりませんが、狙いとしては少し未来にしたというのはそういうところもあります。もう1つは、作品の舞台を203X年にしているので、その辺はあやふやな部分もありますが、(2016年の)今くらいの年代がちょうど小林たちが生まれた年なんです。あくまでサブテーマですけど、言ってしまえば、自分の子供かもしれない子たちが作品に出てくるということ。未来の子たちが「こうなっていて、良かったね」なのか、「嫌だね」なのかはわからないですけどね(笑)。

──そのお話を聞くと、作品にリアリティや説得力が出てきますね。

吉田:3話のニートについてもそうです。ニートとして、現在話題に取り上げられているのが今の30、40代です。作品の中で多くは語っていないですけど、臓器提供が可能な年齢が60歳ぐらいまで(臓器により、年齢の差異あり)なので、今後彼らが定年になっていく頃の年代がうっすらと感じていければいいなとは思っています。

その辺りは監督とも話しました。監督が「多くを語りすぎるのは、かっこ悪いね」というスタイルの方なので、あまり語ってないんですけど、作っている方としては、少なくとも文面上ではそう思っていますね。もちろん、視聴者にはどう楽しんでもらってもいいので、未来と思って観てもらわなくてもいいように、可能性の幅を広げて作っていこうという気持ちはあります。

花崎は女の子だった!? 吉田流キャラクター解説

──この作品には、裏設定やサブテーマみたいなものがいろいろなところに散りばめられているんですね。

吉田:子供たちはみんな孤独を抱えているようにはしたいなと思っていて、明智探偵事務所が部活動の一環みたいな居場所になればいいなと……。引きこもりの野呂ちゃん(野呂誠。CV:木戸衣吹さん)が実は一番健康的な生活をしているんです(笑)。それは引きこもりだからって暗い部屋で、スナック菓子を食べて、パソコンをいじっているというイメージが嫌だったからなんですよ。

──野呂のお部屋は明るいですね。

吉田:野呂ちゃんはまだ子供だから描かれてないですけど、「ちゃんと納税して、義務を果たしていれば、何も問題ないじゃん」と私は思っているんです。(外や社会へ)出ることが正義みたいなのは違うなと思ったので、引きこもっていても、ちゃんと生活してる方もいるだろうし……。

彼女は少年探偵団のキャラクターの中で、唯一ほぼ完成した状態で出ている子にしているつもりです。ちゃんとお部屋の中で運動もするし、裏設定としてはネットなどで稼いでいるし、ペットも養っている。シナリオの段階では、ヴィ―ガン料理(動物製品の使用を行わない料理)を食べているという設定でした(笑)。それが転じて、作中では野菜スティックを食べているシーンが登場するということになったりしました。


──そうだったんですね。

吉田:彼女はあれで完成しているんですよ。外へ出たら解決というのではなくて、自分が決めた世界だから、ここでどうにかしようとする子だと思っています。例えば、視聴者も探偵団のみんなも最初は引きこもりだとちょっと下に見ているけど、お話が進んでいくと、「彼女が一番成熟してるじゃん」という気持ちになればいいなと……。だから野呂ちゃんをみんなが気にかけてくれたら、私はちょっと嬉しいです。

──キャラクターはどのように作られていったのでしょうか?

吉田:原作者がやりたかったのは、明智と怪人二十面相(CV:GACKTさん)のドラマ。その部分が大きくて、けっこうオーダーがありました。そこからスーパーボーイ&ガールといった少年少女たちが活躍していく流れになって、ひと言でキャラクターを表現したいなと思ったんです。

──ひと言といいますと、どんな感じですか?

吉田:小林はクズ。花崎はバカ。井上(井上了。CV:梅原裕一郎さん)は凡人。井上は頭の切れる人なんですけど、価値観は一般的なので、彼が平均値をとる感じです。野呂ちゃんは成熟している紅一点。小林のキャラクターが決まってから、他のメンバーはわりとすぐに決まりましたね。花崎は女の子という設定だったので、ももクロ(ももいろクローバーZ)の夏菜子ちゃん(百田夏菜子)みたいなイメージ。運動神経良くて、笑顔がかわいい女の子です。


──花崎が元気な女の子ですか?

吉田:はい。ですから花崎は、構造的にはヒロインチックにしているんです。でもキャラクターの心情は、女の子と男の子で変わらないなと……。花崎は「俺バカだよ。何も考えてないよ。だから、これ以上入ってこないで」っていう人工バカなタイプ。気持ち的な距離の「もや」や「かせ」みたいなものは、内容が進むにつれてどんどん見えてくる子です。6話以降は花崎の過去が出てくるので、それが視聴者にどう見えてくるのかは気になりますね。

──花崎は1、2話で感じたものと、6話以降ではどんどん印象が変わっていきますよね。

吉田:この作品に関しては「このキャラは、こうだ!」といった感じでいかないんですよ。人間はみんなそうじゃないですか。どこで会うかによって、人との接し方も違いますよね。今まではキャラクターをしっかりと決めて、結末からの逆算で人物を作るというように話を作ってきたんですが、今回の作品は自分の中では攻めた作り方、新境地ではありますね。なので、ドキドキしています。


──ストーリーの結末は決まっているけど、そこへ行き着く過程に流動性があるということですか?

吉田:大きいラストは決まっているんですけど、そこにたどり着くまでのねじれとかは決まっていません。人間の多面性というか、人って好きな人には優しくするけど、知らない人が隣で吐いたら、嫌な顔するじゃないですか。それが人間だと思うので、花崎は特にそういった部分が出せたらいいなと思っています。


──花崎は人間くさいキャラクターなんですね。

吉田:人間の印象の変化が最もよく表れているキャラクターですね。花崎はバカなりに、小林を殺す方法をちゃんと考えていると思うんですよ。小林はそのバカさを感じて付いてきていると思うんですけど、そのうち花崎に余裕がなくなってきて、そうじゃないんだと思った時に、小林は変わらないのが普通だと思っているんですよね。そこのパワーバランスが乱れていく感じ。そこを見てもらえればいいなと思っています。

──井上は足が動かなくなり、車イスで移動していますよね。あれはどういった発想で作られたのですか?

吉田:最初に原作のJordan森杉先生が健常者との差別をなくしたいという思いから設定しました。考え方としては『サイボーグ009』(石ノ森章太郎さんによる日本のSF漫画)に近いのではないかと……。赤ちゃんもいれば、おじいさんもいるという感じですね。


──そんな意味があったんですね。

吉田:車イスだからとか、走れるからかっこいいとかではなく、いろんな見え方ができていければいいなと……。少なくとも男女だからとか、足が動く、動かないからとかで変わるとかは、しないようにしようと思っています。

──吉田さんご自身がお気に入りのキャラクターはいますか?

吉田:全部って言うべきなんですけど……(笑)。井上が一番均等に全てのメンバーと絡むんですよ。勝田(勝田雅治。CV:増元拓也さん)、大友(大友久。CV:古川慎さん)、山根(山根たすく。CV:山谷祥生さん)、明智ともまんべんなく絡むので、そういう意味では先輩ぶったり、リーダーぶったり、末っ子感を出したりと、井上が人間っぽさは一番あるかなと思っています。勝田、大友、山根とかも思い入れはありますね。どうしても花崎と小林の物語なので、なかなか描けないんですけど、この3人だけが出てくる物語があってもよかったなと思います。


──作品にはキャラクターたちがよく食べているシーンが出てきますよね。彼らが食べている物が具体的で、キャラクターをよりイメージしやすくなっていると感じました。

吉田:私は食べることがこの世の中で一番好きなので、食で見えてくるものってあると思っているんです。井上は偉そうにしているけど、食べているものはグラタンでグリンピースをよけていたり、オムライスを食べたりと、口はお子ちゃま。これで井上が蕎麦とかお重に入ったものを食べていたら、成熟した人に見えると思うんですよ。

例えば、井上に「ご飯、何食べる?」って聞いたら、デミグラスソースが乗ったオムライスとか、ハンバーグとか、ファミレスのメニューを言いそう(笑)。花崎はお金持ちで舌が肥えていそうだから、「寿司食いてーよ」とか言うかな(笑)。小林はそれまでゴミみたいなものしか食べてなかったけど、2話で初めてまっとうなご飯を食べたというシーンなので、そこの感動が表現できていればいいなと思って作りました。

──2話の小林が食べているシーンは印象に残りました。

吉田:小林にとっては食が一番簡単な快楽。動いているから太らないけど、小林は4畳くらいの部屋に食べ物があればハッピー。キャラクターの中で、野呂ちゃんが一番食はちゃんとしています。たぶん120歳ぐらいまで生きるつもりだと思いますね(笑)。


作品のタイトル「TRICKSTER」に込められたメッセージ

──お話を聞いて、キャラクターへの愛と理解が深まりました。あと、気になっていたことがあります。小林のもやについては謎が多いですよね。

吉田:小林にプラスにもマイナスにもなる、すごい力を持たせたかったんですよね。もやは小林の感情にすごくリンクしているんです。2クールまで観ていただければ、わかってもらえると思います。能力はギフトでもあって、コンプレックスでもあるもの。そういったものを誰もが持っているけど、この作品ではそういったことに関係なく、ポジティブに彼を人として好きになったり、彼を受け入れたり、「そういえば、お前死ねないんだっけ?」って言うぐらいになる方が本当はいいんだろうなという気持ちはあります。ですから、能力自体を「謎解きにしないでいきたいね」と原作者とは話しています。

──2クールまで観ればわかってくるんですね。今後の展開が楽しみです。

吉田: 1話は小林と花崎の馴れ初めから入るのがスタンダードだなと思いつつ、そうじゃないところから始めたいと原作者から言われましたし、今までと違う作り方をしているので、今回の作品は実験的に作っていることが大きいですね。常にドキドキしています。


──実験的に作っているということですが、最も実験的に作ったなという部分はどの辺りですか? 具体的に教えてください。

吉田:もやのことを説明しないとか、1話は人物の状況だけを見せるとかですね。1話で犬が死ぬんですが、私は犬がすごく好きなので、殺したくないと思って……。自分の中で動物を殺すことは、たぶんもう一生やらないと思います。でも、そうしないと伝わらないものもあるし、小林は彼なりに犬の死を悲しんでいます。一方、大人たちはそれを子供たちに隠したり、花崎は悲しくなるけど、一瞬小林に気を取られてしまったりもします。


──1話の犬の死は衝撃的でした。

吉田:死の扱い方や生と死の問題について、考えるんですけど、よくドラマを観ていると、「そんなに辛いなら、死ねよ」というシーンとかありますよね。でも「それができないのが人間じゃん」って思います。「そんなに嫌なら、その子と縁切りなよ」って言われるけど、「それができないのが人間じゃん」って……。この作品のテーマのひとつとして、「それができないのが人間じゃん」ということ。それを自分で言いながら、今改めて思いましたね。

──そんなに簡単じゃないですよね。

吉田:この作品のタイトル「TRICKSTER」は、乱すものという言葉のメッセージもあるので、その感じが作品に出ていればいいなと思います。いろいろなものが乱れて、それこそ小林のイメージとかも含めて、乱れればいいなとは思っているんです。最後、作品を観終わった時に、印象が結局1話に戻ってもいいんですけど、「どっちだ、どっちだ?」とか、「好きだったのに」とか、「嫌いだったけど、いいやつじゃん」と思ってくれたらいいなと思いますね。


──それは面白いですね。

吉田:個人的には、本当はのほほんとしたハッピーなお話の方が好きというか、もともと自分がそっちの方向ではあると思うので、この作品で自分の負の部分みたいなもの、人間の汚いところとかが見えたらいいなと……。でも1周回って、「クズ、あっぱれ!」となれば、それはポジティブになると思うんです。例えば、ある人が「親友だよ」って言っていて、次の日にその人が「嫌い」とか言ったり、「お金じゃないよ」って言いながら、新機種のスマートフォンほしいなとか……(笑)。そういったものを食べ物などでやれればいいなと思いつつ、いろいろ悩みながら書いています。

ここに注目! 脚本家の視点から、これまで放送されたお話を振り返る

──現在放送された1~6話までで、印象的なシーンや「ここは力を入れて書きました!」というシーンはありますか?

吉田:2話のラストシーン。花崎が「あいつを殺す方法を見つけるのが先か、あいつに生きたいと思わせるのが先か……俺は俺自身と競争すんだよ」と明智に言うセリフがあるんですけど、それは今後の作品テーマでもあると思います。その競争がどうなっていくかも観てほしいと思います。


──あの花崎のセリフは印象的でした。

吉田:それから2話の終盤、花崎が「とにかくいやなんだよ。なんか変だなって思ってたこと見過ごして後悔したくねぇんだよ!」と小林に言うシーンがあるんですけど、それは6、7話に繋がっています。意外と2話は、物語を通じてのセリフがけっこうありますね。

4話で小林と井上が地下水路に閉じ込められたシーンは、「クズだな~」って思いながら観てほしい(笑)。でも、井上は偉そうにしているけど、自分がリハビリを放棄したことにより、役立たずにはなっているわけで、それを小林が「役立たず」と明快に言えるのは、井上にとっては救いだったりもするのかなとか……。

5話で水路に閉じ込められた井上が小林を先に逃がして、自分はワイヤーを使って天井から脱出しようとするシーンがあります。普通の人だったら、井上に「その足では登れないよ」と言ってしまうのに、小林は言わないとか……。そういうことが積み重なって、小林と井上の心が近づいていけばいいなと思っていて、脚本に明確には載せていないんですけど、それは花崎が小林に死ねないということをどうこう言わないということの影響であり、小林は小林なりに学んでいっているのかなと思っていますね。

──小林も少しずつ変化しているんですね。

吉田:5話のラストシーンで、小林がハンバーガーを全部自分のだと言って食べるのも、それに見合う行動をしたから、誇らしく食べられるんです。小林はそういった過程を少しずつ踏んでいます。そしてある時、小林が自分への自信や団員としての自負を自覚する時が来るんです。そういう意味でも、5話はいろいろな人のターニングポイントになってくるのかと思います。


──6話は観ていて、ホッとする心温まるお話でしたね。

吉田:でもその後、悲しいことが待っているので、(こういうお話を)1回はやっておきたかったんです(笑)。


──明智や二十面相たちといった大人が出てこない物語もいいなと思いました。

吉田:明智は無敵です。「その無敵さがどう変わっていくか」というのがこの物語のサブラインのひとつでもありますけど、今はその無敵さを観てもらえればいいかなと思っています。

脚本家だから話せる! 今後の展開

──次回放送の第7話の見どころや個人的に注目してほしいポイントを教えてください。

吉田:7話は明智と二十面相の過去が明らかになる話です。1話から彼らが知り合いのようにしゃべってきたことの一部分が明らかになるので、7話を観た後に、1話を観ると、明智の見方が変わるのかなと思っています。いろいろな過去があったからこそ、飄々とできるところもあると思うので、それを感じてもらいたいですね。明智に関しては新事実がわかる度に、戻って観てほしいです。7話を観てから前の方の話に戻ると「かわいそう」って思うし、今後、もう少し先のお話を観てから戻ると、「自分のこと、棚に上げて何だ?」という気持ちになるかなと思います(笑)。

──それは面白いですね。

吉田:あとは、小林と花崎の距離感や小林の変化が見えてくるかと思います。花崎は超お金持ちだけど、本来はそういったところを小林に見せたくないと思うんですよね。一応、裏設定として、花崎は品の良さがあるというふうにはしているんですけど、バカでいいです(笑)。きっとジャージとかもスーパーで売っているものではなく、ブランドのものを着ていると思います。


──「今後、ここに注目してほしい」という人物の行動やシーンがあれば、教えてください。

吉田:小林の表情を観ていてほしいですね。今のところ、1話で表情が崩れて以降、そんなに崩れていなくて、それが良い方か悪い方かのどちらの方向に崩れるのかとかを今後、観ていてほしいです。

──小林の表情ですね。

吉田:あとは、井上を観てほしいですね。彼が全てのキャラクターの基本軸として、パワーバランスの真ん中にいる子なので、井上が誰と近いのかでいろいろとわかると思います。

一同:あ~! なるほど!

それから、サブ的なことで言うと、中村さん(中村奈緒。CV:田所あずささん)がタブレット菓子を食べるシーンです。あれも感情のひとつの表現なので、今後どうなっていくのかというところにも注目してほしいですね。

──では最後に、アニメ放送を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。

吉田:まず、作品を観てくださって本当にありがとうございます。ようやく6話までで全てのキャラクターの持っているものや関係性が出そろいました。ここでひと段落と思いきや、7話からまた始まります。今は第一章が終わったところなので、二章目から小林や花崎がどうなってしまうのかを観てもらえれば嬉しいなと思います。今後は他のキャラクターの今までにない部分がたくさん出てくると思うので、そこを好きになってもらえたらいいな。嫌いになっちゃうかもしれないけど、それも人間味です。新しい章の7話もよろしくお願いします!


──ありがとうございました。


[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]


<放送情報>
2016年10月3日(月)よりTOKYO MXほかにて放送開始!
TOKYO MX:10月3日より毎週月曜25:05~
読売テレビ:10月3日より毎週月曜25:59~
BS11:10月4日より毎週火曜25:30~
※放送時間は予定です。変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

<あらすじ>
彼は死ぬために、探偵の道を選ぶ……
時は2030年代。謎の探偵、明智小五郎の下に集う『少年探偵団』。
彼らは大小様々な事件を持ち前の行動力で解決に導いてきた。
ある日、メンバーの花崎健介は謎の少年、小林芳雄と出会う。
『正体不明の靄(もや)』により「死ねない」身体となってしまった小林は、自身の死を望み、他人との接触を拒んでいた。
そんな彼の存在に興味を抱いた花崎は「『少年探偵団』へ入らないか」と持ちかける・・・
小林と花崎。彼らの出会いはやがて、世紀の犯罪者である怪人二十面相と明智小五郎の因縁と絡み合い、
二人の運命を動かしていく・・・

<STAFF>
監督:向井雅浩
脚本・シリーズ構成:吉田恵里香
キャラクターデザイン:PEACH-PIT
アニメーションキャラクターデザイン:ヤマダシンヤ
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント、シンエイ動画
OP主題歌:GACKT「キミだけのボクでいるから」
ED主題歌:田所あずさ「1HOPE SNIPER」

<CAST>
小林 芳雄:山下大輝
花崎 健介:逢坂良太
井上 了:梅原裕一郎
野呂 誠:木戸衣吹
勝田雅治:増元拓也
大友 久:古川慎
山根たすく:山谷祥生
中村奈緒:田所あずさ
明智小五郎:小野大輔
怪人二十面相:GACKT ほか

>>『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』公式サイト
>>『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』公式ツイッター(@trickster_anime)

(C)Jordan森杉 / TRICKSTER製作委員会
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