豊永利行さん「また勇利くんに会いたい」――TVアニメ『ユーリ!!! on ICE』への想いを再燃させたトークショー&オールナイト上映会レポ
2017年2月11日(土)、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて「まだまだ滑走しちゃうよ!『ユーリ!!! on ICE』トークショー&オールナイト上映会」が開催されました。
上映会前にはトークショーも行われ、原案を担当した漫画家の久保ミツロウさんのほか、声優陣から、豊永利行さん(勝生勇利役)、諏訪部順一さん(ヴィクトル・ニキフォロフ役)、内山昂輝さん(ユーリ・プリセツキー役)が登壇しました。
本イベントは、TVアニメ終了後、初のキャスト陣が登壇してのトークショー。チケットは即完売となり、ライブビューイングは全国50館もの規模で行われました。ちなみに、アニメーション作品で、これほどの規模でライブビューイングが行われるのは『ユーリ』が初とのこと。TVアニメ放送終了後も変わらない『ユーリ!!!』の注目度の高さが伺えます。
トークショーの司会は、テレビ朝日でフィギュアスケートの実況も務めるアナウンサーの三上大樹さんが担当。三上さんの呼び込みを受けて、久保ミツロウさん、豊永さん、諏訪部さん、内山さんがステージに登場しました。豊永さんは、来場特典のうちわを持って、諏訪部さんは、マッカチンのぬいぐるみとともにステージ上へ。
イベントは、スケートのプログラムと同じく、「ショートプログラム」「フリースケーティング」「インタビュー」の順に進行。先手となるショートプログラムでは、『ユーリ!!!』という作品を改めて振り返ることに。
各キャラクターを演じての感想を尋ねられると、豊永さんは、「(勇利の)感情の変化を意図的に演じようとすると上っ面になってしまうので、なるべく心で演じたいという思いが強くて。6、7話くらいからは、芝居をしていた記憶が曖昧になっていました」と、勇利というキャラクターに入り込んで演じたことを語ります。
続けて、諏訪部さんは、「豊永くんと同じ感覚があった」と前置くと、「ヴィクトルは演じるのが難しいキャラクター。感情の動きが自分のメンタルとはかけ離れたキャラクターなので、彼を演じる上ですごく苦労した。序盤は考えて演じていたけれど、途中からはそういったものを全てぶち壊して、感じるままに演じたので、全話を演じ終えて”演じた”という記憶が残っていない」と、自身の中でも珍しい役柄になったことを明かします。
さらに、「ヴィクトルだったな」と演じ終えてヴィクトル・ニキフォロフを演じた実感を得たと諏訪部さん。それに対して豊永さんが「ヴィクトルでした!」と力強いまなざしで返答すると、諏訪部さんは「よせよ~!」と嬉しそうな表情を浮かべる、2人の師弟愛を感じる掛け合いも見られました。
ユーリ・プリセツキーを演じ終えての感想を尋ねられた内山さんは、「ユリオは後半にかけて髪型が変わりましたよね。外見が変わりつつ、心境も変わりつつ。第1話と最終話では別人のよう。演じているうえで意識を変えることはなかったのですが、(ユーリが)変わっていくのにつれて気持ちがついていったのかなと思います」と、シリーズを振り返りました。
原案を担当した久保ミツロウさんは、作話に熱意を込めたことで「どうやってお話を書いたのか、今は大分薄れてきてしまった」と語ると、アニメーションになり声がついたことで「(ユーリは)新しいお話として何回も生まれ変わっている。色々な方と作り上げたからこそのもので、漫画ではできなかった経験です」と語ると、声優陣への感謝を述べました。
勇利&ユリオ、ふたりの印象的なシーン
『ユーリ!!!』は、名シーンや名セリフが数多く生まれた作品。そのなかで、印象的なシーンを尋ねられた豊永さんは、「一話で最初に勇利が喋るシーンがある」と切り出すと、「あの勇利はいつの勇利なんだろうと思って見てほしい」と、含みを持たせます。豊永さんは、収録の際に音響監督の清水洋史氏に「いつの勇利か」を教えてもらっているそう。しかし、実際に自分で見て確かめてほしいとここでは答えを秘密に。
また、内山さんは、印象的なセリフとして、勇利に向けてはなった「豚関係」のセリフをピックアップ。冗談みたいに言っていた予告のセリフ「お前に食わせるピロシキはねぇ」が、終盤のグランプリファイナルにて「豚に食わせる金メダルはねぇ」と、胸を打つセリフへと変化したことへの驚きと感動を語りました。
『ユーリ!!!』は、元フィギュアスケート選手の本田武史さんや織田信成さんなど、豪華なゲスト声優が登場したことでも話題に。最終話には、現役のプロフィギュアスケート選手のステファン・ランビエール氏が本人役で出演したことでも大きな注目を集めました。
ステファン・ランビエール氏の出演が決定したことで、急ピッチで作話の変更があり、共演シーンのある諏訪部さんは急きょ該当シーンを録りなおしたそう。テレビ朝日への納品が水曜日のところ、月曜日に収録を行ったと驚きのスケジュールを明かします。また、ステファン・ランビエール氏のスケート靴のエッジのゴールドブレードは、ヴィクトルのモデルになっていることが久保ミツロウさんから語られました。
放送後だからこそ話せるエピソード
「フリースケーティング」のコーナーでは、TVアニメが終了した今だから言える話を公開。久保ミツロウ先生は、アニメ放送終了後に、監督の山本沙代氏とスイスのArt on Ice(アート・オン・アイス)とチェコのISUヨーロッパフィギュアスケート選手権を現地まで見に行ったそう。
そこで、『ユーリ!!!』のファンと遭遇した際のエピソードを語ると、諏訪部さんも、世界中の方から手紙で『ユーリ!!!』の感想をもらうと切り出し、「『ユーリ!!!』は、世界の言葉になりましたね」と、国境を越えて人気を集める『ユーリ!!!』の魅力を物語りました。さらに、「リアルな部分もあるし物語としてファンタジーの部分もあるし。完璧にリアルの世界を描くというより、夢の部分がエッセンスとして入っていることで、世界感を広げることができる作品」と総括しました。
「インタビュー」のコーナーでは、Twitterでファンから募集した質問をキャスト陣が回答していくことに。ネームについての話になると、内山さんが「最近、ネームを読めていなくて寂しいです」と新作を希望する気持ちを伝えると、久保ミツロウさんは、「描き下ろし特典で書くものをヨーロッパで決めてきた。
オールキャラものではないのですが、きっと内山さんは喜んでもらえるものになるかも」と語ると、「ユリオがバルサで……」と気になるキーワードをサプライズで発表。この描き下ろしが発表された際には、「イベントで言っていたやつだ!」とにやにやするファンが続出しそうだ。
『ユーリ!!!』は、選手はもちろん、選手を支えるコーチ陣のキャラクターも印象的。「コーチにするなら誰がいい?」との質問に、豊永さんは「僕はやっぱりヴィクトルですね」と回答しつつも、「JJのお父さんお母さんもいいなぁ。すごく優しそう」とコメント。これに対して久保ミツロウさんは、「でも、すごく干渉してきますよ。JJの家は家族儀式が多い」と、豊永さんを惑わせます。
諏訪部さんは、ヴィクトル・ユーリ・ポポーヴィッチを育てた実績のあるヤコフを選択。内山さんは、ヤコフとリリアのコンビが好きだと切り出すと、「ユリオと並んでアップになったときの家族感や絵面の強さが好き」との理由を明かしました。
イベントの終盤には、「今日はあまりJJの話をしていないね!」と内山さん。今回の上映会では、来場者が事前にJJのテーマソング『Theme of King J.J.』を覚えてきていることが伝えられると、「すげー!」「すごいイベントだな」と興奮気味にファンを絶賛したキャスト陣でした。
最後に、出演者からメッセージが送られました。
■内山さん
今日も尺が足りなかなったなと。あのキャラもこのキャラも話してない、この展開があのシーンがと話したいことがたくさんあって。まだまだ可能性を秘めた作品だなと今日改めて思いました。これからも応援よろしくお願いします。今日はありがとうございました。
■諏訪部さん
ユーリは僕にとっても大切な作品となって、ヴィクトル・ニキフォロフとマッカチンは大好きなキャラクターです。ユーリとユリオもね。素敵な思い出をいただけた作品だったので、皆さんに応援していただけることが嬉しいです。朝までの上演となりますが、彼らの駆け抜けた時間を改めて体感していただければと思います。そして、皆さんの応援で我々がまたヴィクトル・勇利・ユリオを演じられる機会があればいいなと思います。引き続き応援のほどよろしくお願いします。
■豊永さん
大スクリーンで再び勇利の人生、そしてヴィクトルやユーリの人生が始まります。個人的に、一番応援してほしいのは「私は一番悪い魔女」と言い張るポポビッチですが、魅力的な選手ばかりなので(上映の際に)声をかけていただければ嬉しいです。そして、諏訪部さんも言っていましたが、また勇利くんを演じたい。というよりは、僕も勇利くんに会いたいです。ぜひこのオールナイト上映会で再び『ユーリ』への熱を再燃していただいて、スケートリンクを熱でびちょびちょに濡らしてほしいなと思います。最後まで楽しんでいってください。本日はありがとうございました。
■久保ミツロウさん
取材などで「あそののストーリーどうだったの?」という質問に答えることも多いのですが、監督やスタッフさんが何かしっかり伝わるようにという(思いを込めて)作ったものなので、受け取った方の心のなかでどう完成するのかが一番大事だと思います。私のいうことにあまり振り回されずに、皆さんのなかにある『ユーリ』を今一度強烈に形作ってくれれば、私はそれに負けないなにかを作ろうかと思います。あとはひたすら、「JJ負けないで!」と言ってるシーンが見たい! 頑張ってJJの歌を歌ってください! 今日はありがとうございました。
最後は、「今日の朝はかつ丼だな」と諏訪部さん。「みんなで”フクースナー”と言ってください」と締めくくりました。
トークショー終了後は、TVアニメ全12話がオールナイトで上映。来場者特典で配布された「ユーリ!!! on ICE スケーター応援うちわ!!!」や惜しみない喝采がリンク上の選手に贈られました。なお、本イベントにて新ビジュアルが解禁。勇利たちがリンクの上から、それぞれピースサインを浮かべるなんとも華やかな一枚となっています。
そして、3月3日には「ユーリ!!! on ICE~フィギュアスケートを100倍楽しむ集中講義~」、4月29日には「ユーリ!!! on ICE スペシャルイベント」が開催予定。豊永さんの言葉の通り、『ユーリ!!! on ICE』への熱はまだまだ燃え上がりそうです!
[文・河内香奈子]
>>dTV公式ホームページ
>>『ユーリ!!! on ICE』公式サイト
>>『ユーリ!!! on ICE』公式Twitter(@yurionice_PR)
作品情報
【スタッフ】
原案:久保ミツロウ ×山本沙代
監督・シリーズ構成:山本沙代
ネーム(脚本原案)・キャラクター原案:久保ミツロウ
キャラクターデザイン:平松禎史
音楽:梅林太郎 松司馬拓
音楽プロデューサー:冨永恵介(PIANO)
フィギュアスケート振付:宮本賢二
アニメーション制作:MAPPA
オープニングテーマ:「History Maker」 歌:DEAN FUJIOKA
エンディングテーマ:「You Only Live Once」歌:YURI!!! on ICE feat. w.hatano
【キャスト】
勝生勇利:豊永利行
ヴィクトル・ニキフォロフ:諏訪部順一
ユーリ・プリセツキー:内山昂輝
イ・スンギル:野島健児
エミル・ネコラ:日野 聡
オタベック・アルティン:細谷佳正
ギオルギー・ポポーヴィッチ:羽多野 渉
クリストフ・ジャコメッティ:安元洋貴
ジ・グァンホン:本城雄太郎
ジャン・ジャック・ルロワ:宮野真守
ピチット・チュラノン:小野賢章
ミケーレ・クリスピーノ:前野智昭
南 健次郎:村瀬 歩
レオ・デ・ラ・イグレシア:土岐隼一
西郡 豪:福山 潤
【イントロダクション】
日本中の期待を背負って挑んだグランプリファイナルで惨敗…
故郷九州に帰ることになったフィギュアスケーター勝生勇利。
「現役続行と引退はハーフ ハーフ…」
そんな気持ちで実家に引きこもっていた勇利のところに
突然やってきたのは世界選手権5連覇の
ヴィクトル・ニキフォロフで…
日本の崖っぷちスケーター勝生勇利と、
ロシアの下克上スケーターユーリ・プリセツキー。
2人のユーリと、王者ヴィクトル・ニキフォロフで挑む前代未聞のグランプリシリーズが今、幕をあける!
イベント情報
■4月29日(土)スペシャルイベント開催決定!!!
日程:2017年4月29日(土)※昼の部・夜の部 2回公演
会場:舞浜アンフィシアター
出演:豊永利行、諏訪部順一、内山昂輝、日野 聡、羽多野 渉、本城雄太郎、小野賢章、村瀬 歩、土岐隼一、福山 潤、久保ミツロウ ほか
※開催概要・出演者は予告なく変更となる可能性がございます。
※Blu-ray&DVD第1巻、第2巻に優先販売申込券が封入されます(抽選での受付となります。第1巻に昼の部、第2巻に夜の部を封入。)
パッケージ情報
■豪華特典満載のBlu-ray&DVD発売決定!第1巻は12月30日(金)発売!!!
「久保ミツロウ描き下ろしオリジナルグッズ(第1巻~第5巻)」「オーディオコメンタリー(全巻)」「コレオグラファー・宮本賢二によるアニメ用フィギュアスケート振付映像(全巻)」など、ここだけの特典満載!!!
豪華キャスト大集結の4月29日(土)開催スペシャルイベント優先販売申込券も封入(第1巻:昼の部、第2巻:夜の部)。メーカー全巻購入特典にはなんと「久保ミツロウ描き下ろしマンガ」が!(メーカー全巻購入特典は、Blu-ray&DVD1巻~6巻を同店舗にてご購入下さい)
その他 情報
■「ユーリ!!! on ICE」の世界を彩るフィギュアスケートソングコレクションが発売決定!
タイトル :Oh! スケトラ!!! ユーリ!!! on ICE/オリジナル・スケートソングCOLLECTION
発売日 :2016年12月21日(水)
価格 :3,240円(税込)3,000円(税抜)
商品ページ http://yurionice.com/discography/detail.php?id=1014422