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『マクロスΔ』横浜に響いた女神の歌!ワルキューレ2ndライブレポ

横浜に響いた女神の歌!ランカ役・中島愛さんのサプライズ出演など、神演出の数々で魅了した、超時空ヴィーナス・ワルキューレ2ndライブレポ

 2016年4月~9月に放送されたTVアニメ『マクロスΔ』に登場する戦術音楽ユニット・ワルキューレ(美雲ΔJUNNA /フレイアΔ鈴木みのり/カナメΔ安野希世乃/レイナΔ東山奈央/マキナΔ西田望見)。

 アニメ、現実(リアル)共にファンを熱狂の渦に巻き込んだ彼女たちですが、2017年1月28日(土)、29日(日)には横浜アリーナにて、『マクロスΔ』戦術音楽ユニット ワルキューレ 2nd LIVE in 横浜アリーナ 「ワルキューレがとまらない」が開催されました。

 連日超満員の会場で、ワルキューレが魅せた圧巻のパフォーマンス。アニメと現実(リアル)が交錯した最高のステージの1日目の模様をレポートします。

 

アニメとリンクした演出の数々! これこそがマクロスライブの面白さ!
 「ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ」の壮大なイントロが流れると、スクリーンいっぱいに巨大なマクロスエリシオンが映し出される。そして、そのカメラが導かれるようにブリッジの中に入っていくと、そこには5人のシルエットが。そう、ワルキューレの5人だ。シルエットが光に照らされ、実際にその姿がくっきりと確認できると、さらに歓声は大きくなる。

 そして、そのまま自己紹介ソングでもある「ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ」を歌い、まずは会場にご挨拶。生バンドの迫力あるサウンド、そして乱れ飛ぶおびただしい数のレーザービーム。一瞬で横浜アリーナは『マクロスΔ』の世界、ワルキューレのワクチンライブの会場にワープしてしまったかのようだ。

 フレイアΔ鈴木みのりが右手を高く突き上げて始まったのは「Hear The Univ erse」。5人の全開の熱唱が初っ端から響き渡る。

 その後のMCも、キャラクターそのもの。「横浜エリアのヴァール発生危険率が60%を超えたので、銀河を超えて、きゃわわ!を届けにやってきました」とマキナΔ西田望見が言うと、「横浜エリアの皆さんがヴァールにならんよう、ゴリゴリ全開で歌うかんね! 覚悟するんよ!」とフレイアΔ鈴木みのりが盛り上げ、「不確定性☆COSMIC MOVEMENT」から、再びワルキューレの魅力溢れるステージが繰り広げられる。

 美雲ΔJUNNAのカッコ良いクールなボーカルと、フレイアΔ鈴木みのりの元気をくれるかわいい歌声、対照的なツインボーカルの掛け合いやハモリ、それに加え5人によるコーラスワークも見事だった。しかもそれぞれがメインを取れる、印象的な歌声の持ち主であるということもワルキューレの凄さだ。それらを最大限活かしたクオリティの高い楽曲たちが、次々と歌われていく。

「Absolute5」には〈5つで無限に変わる〉〈ひとりでも欠けたら 意味を失ってしまうから〉といった歌詞があるが、まさにそうだ、と思いながら聴き入ってしまった。また、W型の階段が設置されたステージを駆使してのフォーメーションも多彩だった。

 会場が紫一色になってスタートしたのは「LOVE! THUNDER GLOW」。ステージ中央でフレイアΔ鈴木みのりがフラッグを持ってコーラスに参加、美雲ΔJUNNAがそのフラッグを受け取り、センターステージまでフラッグを振りながら歌う演出が最高にカッコ良かった。

 そして、そのまま「いけないボーダーライン」へ。観客の熱気に押されるように、彼女も限界点を塗り替えながら声を振り絞っていたのが、非常にエモーショナル。しかもメインボーカルは美雲ΔJUNNAだが、ステージ上で4人がしっかり歌を支えているのも良かった。

 そんなド迫力のステージのあとは、レイナΔ東山奈央とマキナΔ西田望見のターン。移動用マルチドローンという名のトロッコに乗って、二手に分かれ横浜アリーナを縦断する。緑とピンクに分かれた光の海の中で気持ち良さそうに歌っていた。

 ステージの後方でドッキングすると、マキナだけ残し「おにゃの子☆girl」に。「からの!」の掛け声で会場をひとつにする楽曲だが、きゃわわ!な歌声でファンをときめかせていた。このときもメインステージではマキナ以外のメンバーがダンスをするなど、どこを見ても楽しめる演出。続くレイナのソロ「Silent Hacker」は、緑のレーザーが放たれ、電子の中に入っているような感覚に陥る。目まぐるしく展開が変わる曲調だが、さらっと歌えてしまうのが彼女らしい。

 
バラードからアッパーチューンまで、女神の歌で横浜アリーナを魅了する
 幕間映像では、フレイアの15歳のバースデイシーンが流れる。そこで「ワルキューレのバースデイソング」を会場で大合唱。「これから何度も何度も誕生日を祝って、また一緒に雪を見られたらいいな」という切ないフレイアの言葉から、「God Bless You」が始まった。ハヤテへの想いを歌ったような感動的なバラードを、そっと背中を押してくれる4人の美しいコーラスをバックに、フレイアΔ鈴木みのりがしっとりと歌い上げると、大きな拍手に包まれる。

 さらに、そのままセンターステージで風を受けながら歌ったのは「風は予告なく吹く」。〈30年に一度の星座が近づいてる〉という歌詞が、フレイアたちウィンダミア人の平均寿命にも重なって、余計切ないのだが、運命に抗うように力強く歌っていたのが印象的な上、その声に美雲ΔJUNNAが一番共鳴していたように見えて一層感動的だった。

 そしてワルキューレの“初期メンバー”、カナメΔ安野希世乃、マキナΔ西田望見、レイナΔ東山奈央が残って、ワルキューレの歴史を振り返りながらセンターステージで歌ったのが「涙目爆発音」。21話の映像に合わせて歌う“あの頃の懐かしい歌”だが、“YES NO”や“ごめんね!”などのコールが会場から湧き上がり、観客を巻き込んで盛り上がった。ちなみに、ワルキューレの元メンバー・クレアΔ日笠陽子は、29日のゲストとしてこの曲を共に歌っていた。

 カナメをセンターステージに残し「AXIA~ダイスキでダイキライ~」が流れると、会場は自然と静まる。劇中で、メッサーが白騎士キースに敗れ戦死するシーンに流れる曲だからだ。2番からそのシーンがスクリーンに映し出され、カナメΔ安野希世乃の歌声からも、いろいろな感情が溢れてくるのを感じる。曲が終わると、「メッサー!!」という叫び声があちらこちらで聞こえた。

 そんなカナメの気持ちを受けて、青い光の中で流れたのが、追悼の「GIRAFFE BLUES」。歌ったのは、美雲ΔJUNNAとフレイアΔ鈴木みのり。そして最後にはカナメΔ安野希世乃も登場し、メッサーへの想いを歌い上げていた。

「オーラ・サーラ~光る風~」「ザルド・ヴァーサ!~決意の風~」は、ウィンダミアの王子ハインツが歌う曲。最初は映像のみだったが、途中でそれを歌うメロディー・チューバックが登場すると、観客がどよめく。本当にCDと変わらない歌声で、美しすぎる風の歌の威力は絶大。ヴァールを発症してしまった人がいてもおかしくないだろう。

 そんな歌に対抗すべく、衣装も新たに登場したワルキューレ。ステージも可動して、W型の照明が5人を後押し。「僕らの戦場」から「絶対零度θノヴァティック」まで、全力で駆け抜ける。途中、トロッコで会場の後方まで行き、ワルキューレの歌声を横浜アリーナ中に響かせていた。

 そして「銀河に女神の祝福を!」と全員で叫んで始まった本編ラストの曲は「一度だけの恋なら」。1クール目のOPテーマであり、『マクロスΔ』という作品の音楽を印象づけた代表曲で、目一杯盛り上がって本編を終えた。

 
応援に駆けつけた内田雄馬、瀬戸麻沙美。そして、鈴木みのりと中島 愛による夢の共演が実現!
 鳴り止まないアンコールに応えて飛び出したのは、ワルキューレではなく、ハヤテ役の内田雄馬とミラージュ役の瀬戸麻沙美。「さっきから鳥肌演出のオンパレードだった」と瀬戸が会場のみんなが思っていたであろうライブの感動を口にすると、テンションが上がってはしゃぎまくる内田。「リハーサルでやってないことをするな!」と瀬戸に怒られるところなど、劇中の関係そのままだった。

 そんな2人のやり取りで温まったあとは、アルバム『ワルキューレがとまらない』に収録されている「星間飛行~Freyja Ver.~」。……だったのだが、歌の途中、『マクロスF』で「星間飛行」を歌ったランカ・リー役・中島 愛が登場! 突然の超時空シンデレラの登場に、観客は大興奮。時空を超えた共演を胸に刻んでいた。

 フレイアΔ鈴木みのりも、憧れである中島 愛との共演に感動していたようで、嬉しさのあまり今にも泣きそうな表情だった。まさか横浜アリーナで再びランカ・リーと「キラッ☆」ができるとは、夢にも思わなかったことだろう。

 MCでは、「ワルキューレがとまらない」のMV話で盛り上がる。フレイアΔ鈴木みのりが「長距離走をやっていたので、走り方が良いと思っているんです。だから走っているシーンのどこを止めても、私の姿勢は一切変わりません!」とおすすめシーンを熱く語る。そしてそのまま「ワルキューレはとまらない」が披露され、会場全体で声を出して盛り上がる。また強力なライブナンバーが生まれたようだ。

 最後のMCで、作品に出会えた喜び、マクロスの歌姫としてこのステージに立てる喜びを語ったメンバーたち。

 美雲ΔJUNNAは「『LOVE! THUNDER GLOW』で感情がマックスになった瞬間に泣きそうになって。でもこの曲は泣いちゃいかん!と思って堪えたんですけど。こんな景色が見られるなんて思ってなかった。すごく緊張していたんですけど、やっぱり出てきた時にこの景色を見た時に、不安も全部吹っ飛びました。本当に皆さんに支えられてるんだなと、あらためて感じることができました」と心中を明らかにした。

「最初で最後の大舞台なのかなって気持ちでいました。17歳でオーディションを受けてから、フレイアと一緒に歩いてきて、楽しいことが一番だったけど、ツラいことや人前に出ることが怖くなった時もありました。でもどんなときでも『マクロスΔ』で出会えた素敵なファンの皆さん、ワルキューレのみんな、先輩、いろんな方がいてくれて。そんな方々に出会えたことが一生の宝物だと思ってます。そんな宝物をくれたフレイアを、銀河の誰よりも愛していこうと思っています。これからもフレイアと一緒に一生懸命頑張っていきます!」とフレイアΔ鈴木みのり。

 すると、カナメΔ安野希世乃が「『マクロス』で大切に歌い継がれてきたこの曲を聴いてください」と想いを告げ「愛・おぼえていますか」を5人で歌う。曲の最後に〈ひとりぼっちじゃない あなたがいるから〉と5人がそれぞれソロで歌うところは、ワルキューレ版の特徴。歌い切ったあと、一人ずつセンターステージからメインステージに歩いて行く演出も感動的だった。

 そして、メインステージで最後に歌ったのは「恋! ハレイション THE WAR」。第1話の戦闘シーンでワルキューレが歌ったことから、戦術音楽ユニットというイメージを強烈に与えた曲。この曲でたっぷり盛り上がり、一度ステージを去ったのだが、「まだあの曲を歌っていない!」と、すぐにアンコールが起こる。

 Wアンコールでは、横浜DeNAベイスターズのユニフォーム衣装で登場。始球式で着る予定が雨天中止、という苦い過去があるのだが、晴れてこの大舞台でお披露目することができた。そして、やっぱり最後はこの曲「ルンがピカッと光ったら」。ゲストも全員登場し、会場もその日一番の声で「Wow woh wow woh」を大合唱。最高の笑顔で、この日のライブを終えた。

 29日の終演後には、マクロス35周年企画始動&2018年マクロスTVシリーズ最新作というビッグニュースも発表! 次はどんな驚きを見せてくれるのか、今から楽しみだ。


[文・塚越淳一]

>>マクロス・シリーズ公式ポータルサイト

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