坂本真綾さんの広島・嚴島神社「高舞台」で開催された“神セトリ”ライブのオフィシャルレポートが到着! WOWOWでの放送も決定!
2017年6月3日、4日に、国宝である広島・嚴島神社の高舞台にて「第34回世界遺産劇場-嚴島神社- 平清盛公生誕九百年 前夜祭 坂本真綾 Open Air Museum 2017」が開催されました。高舞台でのライブは2年ぶりとなる坂本真綾さん。そのオフィシャルレポートが到着しました! 坂本さんの魅力が詰まったのライブの様子をお伝えします。
6月3日、4日の2日間、坂本真綾が2年ぶり2度目となる広島・嚴島神社の高舞台でライブを開催した。『第34回世界遺産劇場―嚴島神社―平清盛公生誕九百年 前年祭 坂本真綾 Open Air Museum 2017』と題された今回のステージ。開演は日の入り予定時刻に合わせて19時15分。赤い鳥居を背に大きな夕陽が沈みかけた頃、神秘的な一夜が幕を開けた。会場には波の音と潮の香りが満ち、特別な緊張感と拍手に包まれて登場した坂本真綾。白いノースリーブの衣装が神聖なる場所にふさわしい凛とした清らかな印象だ。
河野伸(Key)、石成正人(G&Cho)、坂井“Lumbsy”秀彰(Per)によるアコースティック編成で奏でられた1曲目は「おかえりなさい」。この会場にそっと灯りをともすような温かな声がオープニングを彩る。約2年ぶりに再びこの場所で歌うことも特別なものだが坂本にとってワンマンライブ自体、約1年4ヶ月ぶり。高舞台へと向かいながら「またステージに帰ってきた」――そんな気持ちがしたという。自分自身にも集まってくれたお客さんにも心を込めて歌われた「おかえりなさい」だった。
「ようこそ嚴島神社にお越しくださいました。良いお天気に恵まれて良かったですね」と、しみじみ嬉しそうに挨拶。「初めてここで歌わせていただいた2年前の話をしますと、前回は雨でした。その時のバンドのメンバーは3回屋外でライヴをして、3回雨に降られたんですけど。私が雨女の疑惑をかけられたので、今回はメンバーを変えて挑みました(笑)」と。前回のリベンジの意味もあり、今回は晴天に恵まれ、本人のみならずお客さんもきっとホッとしたことだろう。「でもあの時、雨が降ってくれたから今回またこうして機会をいただけて。人生に二度も、しかも今回は2日間もこの場所で歌えて幸せです」と感謝。
河野が奏でる繊細な鍵盤の音色と、石成の華麗なギタープレイ、ワイルドなビートを添えるラムジーのパーカッションが織り成すサウンドに耳を澄ませ、坂本の歌声を堪能する。そこに国宝である嚴島神社というロケーションも加わって、1曲1曲が格別なものとして届けられていく。椅子に腰掛けて、よりじっくりと丁寧に響かせた「うちゅうひこうしのうた」「僕たちが恋をする理由」、そして朱塗りの美しい社殿とオリエンタルなムードが尊い瞬間を生み出した「奇跡の海」と続く。自然の雄大さに問いかけるように、祈るように声を放つ坂本の姿が美しく夜の海に映えた。
懐かしい曲も盛り沢山。久しぶりに「ヘミソフィア」を歌いたくなった理由は、広島出身であるPerfumeがラジオで紹介してくれた曲だからと語っていた。そんな風に、広島や海に縁のある曲や、後半で国宝級の輝きを放った「プラチナ」や「光あれ」なども含め、今回のセットリストはまるで嚴島神社で歌う為に作られたコンセプト・アルバムのように確固たる世界観と物語を伝えてくれるものだった。まさに考え抜かれた神セトリ、なのだ。こうした観せ方ができるのも200曲余りのオリジナル曲を持つ坂本真綾ならでは。昨年の夏にリリースされた「Million Clouds」のライヴ初披露も聴きどころで、海の景色をイメージして描かれたこの曲が、ピアノの音と声が一緒に駆け上がっていくような爽やかさで演奏されると極上の気持ち良さだった。
ハンズクラップと共に始まった「まきばアリス」で解放的でリラックスなムードを生み出して終盤に突入すると、「神様に“ありがとう”という気持ちが届くように。知ってる人は一緒に歌ってくれると嬉しいです」と「シンガーソングライター」を披露。会場にいる全ての人に歌いかけるように、ステージを少しずつ移動しながら歌っていく。これまでも何度もライヴのハイライトを担ってきたこの曲だが《ことばも国も神様も越えてひとつになれる音楽》という歌詞はまさにこの日の為にあったようにも聴こえたし、《雨にも風にもときどき負けて》の部分で「今日は勝ったわよ!」と言わんばかりに満面の笑顔だったことも忘れられない。みんなの歌声をひとつにまとめ、目の前に広がる自然にも大きく指揮を取るような動きで楽しいフィナーレ。
「素敵な時間をありがとうございました」と挨拶をすると、「この曲を聴いてもらって皆さんをお見送りしたいなと思います」とラストの「ユニバース」へ。MCでは「真綾」という名前の由来の話をしてくれた。マレーシアのクアラルンプールに出張中だった彼女の父が考えたというその名前だが、後に「マーヤー」という言葉がインド哲学で「ユニバース」と同義の意味があると知ったこと。地球を含めた万物、というあまりにもスケール感の大きなタイトルにふさわしいこの曲を歌う前に「私も毎日ではないけれど、目に見えない何かを信じたくなる時があります」と。歴史的価値と重みのある嚴島神社の高舞台で、深い夜と大自然に包まれながら、たゆたうように伸びやかなメロディが清らかな歌声で届けられた。深くおじぎをして手を振りながら彼女がステージを去る。潮の満ち引きひとつとっても毎日違う景色を見せるライブ感と、国宝・重要文化財である非日常感溢れるこの嚴島神社という空間で奏でられた全14曲。その神秘性と崇高さに心を寄せながら歌を届けることができる坂本真綾というアーティストの真の魅力に触れるような、まるで宝物みたいな夜だった。
Text:上野三樹
【セットリスト】
01.おかえりなさい
02.ループ
03.ロマーシカ
04.ダニエル
05.うちゅうひこうしのうた
06.僕たちが恋をする理由
07.奇跡の海
08.ヘミソフィア
09.Million Clouds
10.まきばアリス
11.光あれ
12.プラチナ
13.シンガーソングライター
14.ユニバース
■第34回世界遺産劇場-嚴島神社- 平清盛公生誕九百年 前年祭 坂本真綾 Open Air Museum 2017
日時:2017年6月3日(土)・4日(日)
会場:広島県 嚴島神社高舞台(国宝)
主催:世界遺産劇場実行委員会
協賛:JTB/JAL
特別協力:嚴島神社
後援:平清盛記念事業実行委員会
制作協力:Fortunerest/little oasis
企画制作:SAP
協力:一般社団法人宮島観光協会/夢番地
■「坂本真綾 Open Air Museum 2017」
7月22日(土)午後5:30
WOWOWライブ
世界遺産という特別な空間で繰り広げられる、2日間だけの幻想的な公演。プレミアム感満載の映像をお届け。国宝に指定されている広島・嚴島神社の「高舞台」で6月3、4日に行なった、「第34回世界遺産劇場-嚴島神社- 平清盛公生誕九百年 前年祭 坂本真綾 Open Air Museum 2017」の中から6月4日の模様を放送します。
※関連特集
坂本真綾 最新ライブ放送記念!
「攻殻機動隊ARISE・新劇場版」(主題歌:坂本真綾 コーネリアス)
一挙放送 7/22(土)午前11:00~
◆最新リリース
シングル
「Million Clouds」 2016.7.27 in stores
VTCL-35235 1,400+tax
1.Million Clouds TVアニメ「あまんちゅ。」OPテーマ
作詞:坂本真綾 作曲:Frida Sundemo 編曲:河野伸
2. ロマーシカ
作詞・作曲:坂本真綾 編曲:河野伸
3. DIVE feat.GONTITI
作詞:岩里祐穂 作曲:菅野よう子 編曲:GONTITI
4. Million Clouds ~Piano Ver.~ ピアノ演奏 : 河野 伸
-Bonus Track-
5.はじまりの海 ~Live Ver.~ ※2016年2月6日中野サンプラザホールにて収録
作詞・作曲:大貫妙子 編曲:河野伸
ライブアルバム 2016.7.27 in stores
「LIVE TOUR 2015-2016 “FOLLOW ME UP”FINAL at 中野サンプラザ」
・初回限定盤(2CD+DVD):VTZL-121 4,000+tax
・通常盤(2CD):VTCL-60431~60432 3,300+tax
活動20周年の集大成、「坂本真綾 LIVE TOUR 2015-2016 “FOLLOW ME UP”」の最終日、
中野サンプラザ公演(2016年2月7日)の音源を収録したもので、自身初となる2枚組ライブアルバム。
収録曲
1.FOLLOW ME
2.Gift
3.SONIC BOOM
4.Be mine!
5.さなぎ
6.アルコ
7.Waiting for the rain
8.ちびっこフォーク
9.君の好きな人
10.That is To Say 11.DIVE
12.セクレアール
13.Tシャツ
14.まだうごく
15.レプリカ
1.Hello
2.幸せについて私が知っている5つの方法
3.色彩
4.Life is good
5.プラチナ
6.かすかなメロディ
7.アイリス
8.シンガーソングライター
9.卒業写真
10.マジックナンバー
11.これから
12.ポケットを空にして
<PROFILE> 坂本 真綾(さかもとまあや)
東京都出身。8歳より子役として活躍。シングル「約束はいらない」でCDデビュー以降、精力的に作品を発表。瑞々しい歌声が高く評価されている。2015年4月にはCDデビュー20周年を記念してLIVE“FOLLOW ME”@さいたまスーパーアリーナ、11月から2016年2月まではアルバム「FOLLOW ME UP」を携えて全国12都市15公演のLIVEツアーを開催。2017年11月からは、ミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~」にジルーシャ役で出演決定。声優、エッセイ執筆、ラジオパーソナリティーなど、多方面で活動。日本国内のみならず世界各国のファンから支持を受ける。
>>オフィシャルサイト「I.D.」