この記事をかいた人
- 小澤めぐみ
- 営業職を経験後、記者業務に携わりフリーへ。主に男性声優、漫画、アニメなど浅く広く…今はもっぱら藤沢朗読劇中毒
新人発掘リアルオーディション『ツキプロ Music Grand Prix 2016』で合格を勝ち取った新人声優グループ「ツキクラ」と、ツキクラが演じる架空のバラエティユニット「劇団アルタイル」。彼らの最新シングル『僕らはSummer』が、2017年8月30日水に発売されます。
そこで、市川太一さん(東雲ユウリ役)、井上雄貴さん(市ヶ谷リンタロウ役)、古畑恵介さん(大崎イズモ役)、荒一陽さん(霞サクヤ役)、西野太盛さん(護国寺ミカド役)、松岡一平さん(永田イツキ役)にインタビューを敢行。
新曲の印象やレコーディングについて、また「ツキクラ」として活動を始めてからの変化などの質問を重ねるうち、互いのコメントをきっかけにグループの絆を感じさせるさまざまなエピソードが飛び出してきました。
キャラクターとして歌う楽曲
──「キャラクターとして歌う」ということですが、収録はいかがでしたか? 意識したことなどがあれば教えてください。
古畑:先ほども言いましたが、『未来のPiece』のレコーディングの時にはまだキャラクターができていなかったので、今回は“キャラクターとして歌う”ということが大きな違いでした。
市川:「劇団アルタイル」のキャラクターとして歌わせていただくのは、今回が初めて。『未来のPiece』から1年を経て、僕らの成長を感じていただけると思います。
荒:『未来のPiece』は、歌詞的に「仲間が集まってきて、俺たちが飛び出すぞ」って感じだったから、より新鮮で元気なイメージがあったよね。
井上:1年経って、少し楽しんで取り組める余裕も出てきたと感じるので、常に思っている「一生懸命やろう、頑張ろう」という気持ちのほかに、「純粋に楽しんで皆さんに良いものを届けたい」という前向きな気持ちで臨んでいます。
市川:僕は初めの方にレコーディングをしたので、みんなの声がどんな形で混ざり合うのか想像がつかなかったのですが、完成した曲を聴いたら、それぞれのキャラクターの個性がちゃんと光りつつもキレイにまとまってる!と感じました。僕自身、キャラクター「東雲ユウリ」としてどう歌ったらいいのか、気合いを入れて自分のイメージしたものをがむしゃらに歌わせていただきました。
西野:僕は、楽しみながら笑顔で歌うことを意識しました。うまく歌おうとすると表情が硬くなっちゃうんですよね。それが歌にも表れそうだと思って。夏をイメージしながら楽しんで笑顔で臨みました。
古畑:よく分かる! 表情って大事だよね。俺は、真ん中くらいでのレコーディングだったので、いっちー(市川)といのいの(井上)の声がすでに入った状態を聴かせてもらいました。イズモは語尾にニュアンスを付けたり、クセが強い歌い方をしていたり声が鋭いとよく言われるので、自分の担当パートの前までを歌っているのが、柔らかく優しく歌うキャラが多いなーと思っていて、いつも通りに歌うと「これまで皆が繋いできたものが壊れるんじゃないか」「みんなに合わせて歌った方が良いんじゃないか」と悩みました。
でも、「そういうキャラだから、キャラらしく歌って良い」と言ってもらえて。いつも通り歌って、うまく編集していただいたので……すごくキャラが立ってます。あと、プチ自慢なんですが。俺が入ったことで「一気に夏らしさが上がった」って誉めてもらいました。って、書いておいてください(笑)。
松岡:「書いておいてください」まで、書いてもらうんでしょ(笑)。僕も笑顔を大事にしましたね。イツキは穏和でにこやかなキャラなので、僕自身も明るい性格だと思っていますが、普段よりも「にこやかに」と心掛けました。ノリノリな曲なので、音も大きめに流して、雰囲気を壊さないように僕もノリノリで収録してました笑。
荒:表情があるのとないのでは、ニュアンスが変わってくるよね。俺は、歌っている時の顔がうるさいと思う。こうやって、こうね(表情を再現)。
松岡:文章じゃ伝わらないってば(笑)
一同:(笑)。
荒:「満面の笑顔で」って書いておいてください(笑)。
井上:確かにみんなの言う通り、棒立ちで歌うのと、仕草や表情があるのでは全然違うよね。僕が歌うソロパートや歌い分けのパートは前向きな歌詞なので、リンちゃんらしく素直に歌いました。リンちゃんなりに悩みはあると思いますが、基本的にマイペースで真っすぐで前向きなキャラクターなので、飾らずに歌いました。あと、いい意味でみんなと打ち解けて信頼関係ができてきてる分、歌もダンスもミュージックビデオも全部、『未来のPiece』とは違った雰囲気で取り組めました。
古畑:『未来のPiece』の時だと、今回みたいな仲の良い雰囲気は撮れてないよね。さらに絆が深まったからこその映像になっていると思う。
荒:僕自身のキャラは、普段はあまり笑わないし、はっちゃけるようなキャラではないんですけど、一番年下のキャラで、時々年相応の表情を見せることもあるので、この曲は「普段笑わないサクヤも、夏は楽しむぞ」という気持ちで、笑顔で歌いました。全体的にキラキラした曲なんですが、Cメロとか切ない部分もあって、それぞれのキャラクターの個性が出た曲に仕上がっています。
本人とキャラクターが近づいていく
──「ツキクラ」として活動を始めて、周囲の反応や日常生活、心境の変化などはありましたか?
古畑:キャラの好きそうな物などに反応するようになりました。「イズモくんが写真撮りそうだな」とか、「イツキのペット・修造に似ている犬見つけた」とか。自分たちの要素も入れてもらったキャラなので、ふとした日常の中でリンクするのを感じるのかもしれないですね。
荒:声優という活動は憧れだったので、自分が演じるキャラがいるのは嬉しいですし、充実しています。キャラが甘党で、僕も甘党なので、これまでもアイスとかよく食べてたんですけど、シュークリームとかほぼ毎日食べるようになりました。なので、キャラクターに近寄ってるのかなと、思いますね。さすがにミュージックビデオなど、撮影の前日や一週間前くらいからは炭水化物を我慢して調整してますよ(苦笑)。
井上:僕はメガネを拭く回数が増えました(笑)。「ツキクラ」としての活動が始まった当初は、ふー君(古畑:)に「汚いっ」とネタでイジられていたんですけど、メガネをアピールポイントにしたら、メガネをしたキャラクターにしていただいたので「これは、ぞんざいに扱えないな」と。それをきっかけにメガネを新調しました(笑)。
松岡:“メガネが本体”みたいな(笑)。それぞれ何かしら、僕たち自身との共通点を作っていただいていることもあって、キャラの見た目や性格に似ている部分があって、自分の分身みたいに共感しやすいですね。イツキ君の「笑顔が素敵」「仲間に愛されてる」という設定が、自分を見て書いてもらえたと思ったら、うれしくなりました。キャラを通して、自分自身を客観的に捉えたり良いところに気付けたりしたので、キャラに負けずに、伸ばしていこうと思いました。
西野:「ツキクラ」に入ってメンバーという仲間ができたことで、同じような悩みや葛藤を相談でき、共有できるようになりました。なかなか普通の友達には話せないこともあるので、そういう話をしたり相談されたりできるのは大きいかなと思います。それぞれ個人ごとに別の仕事も持っているので、そういう話も信頼してできるのが良いですね。
市川:ひとつのモチベーションになっています。僕は普段あまり笑わないんですけど、メンバーといると笑顔が絶えないし、みんなの頑張る姿に「自分も頑張ろう」って背中を押してもらっています。仲間であり、ライバルであり…「ツキクラ」で、心許せる仲間ができました。あと、ダンスして痩せたり(笑)いろんなきっかけをもらいました。
──では、最後に『僕らはSummer』発売にあたって、アピールポイントを教えてください。
松岡:なんと言っても、笑顔です! ミュージックビデオで誰よりも笑顔なはず……真顔になった瞬間が使われていなければ(笑)。なので、ぜひチェックしてください。
西野:メイキングもあるから分からないよ〜(笑)。ミュージックビデオは「久々に遊んだ」っていうくらい満喫しましたね。そんな中で、カレーをおいしそうに食べてます。本当においしくて、僕は福神漬けが好きでめっちゃ大盛りにしてもらったので、そこも注目してください(笑)。
古畑:休憩も騒がしかったよねー。
荒:俺は行きも帰りのバスの中でもうるさかった……けど、みんな寝ちゃうから寂しかったよ。森とか湖みたいなところで、飯ごう、すい……?
一同:飯ごう炊飯ね(笑)。
荒:そうそれ(笑)! 飯ごう炊飯も楽しかった。カレーつながりだと、俺は大のマヨラーだから、マヨネーズかけてるんだよね。 普段の撮影の時はついカッコつけてしまうんですけど、今回のミュージックビデオは笑顔満開で、素が出ていると思います。サクヤ的にも僕自身としても悔しい思いをすることもあって、『僕らはSummer』の2番の歌詞にリンクしていて、思い入れがあったり前向きになれたりしたので、そこにも注目してほしいです。カップリング曲『FLY HIGH』は、2期生も加わった「ツキクラ」と「劇団アルタイル」らしい曲や歌詞だと思います。
西野:あらしゃんは、ミュージックビデオのハンモックのシーンとかかわいかったよね(笑)。
井上:僕は……水鉄砲ですね。MVの中で出てくるんですけど!録って頂いている時はこれ綺麗に映ってるかなぁ、大丈夫かなぁと思っていたのですが、出来上がった映像を見たらめっちゃ綺麗だったんですよ! 良い感じに水しぶきも上がって、勢いよく水が飛んでいて、本当にいいんです!!(笑) ここは是非、注目して見て夏を感じて頂きたいです!
古畑:ペンライト持ちながら真似できそうだよね。『未来のPiece』でもペンライトの振りがあったし。俺は、『未来のPiece』のミュージックビデオでウインクしたのが使われていて、「かわいい」って反響があったんですよ。今回もミュージックビデオでウインクしたシーンが使われているみたいなので、“ウインクポイント”があります(笑)。
あと、ミディアムバラードっぽいカップリング曲を、いのいのと大海将一郎と歌っているんですけど、その歌詞がデモの仮歌詞から一度変わったらしくて。それも、いつもディレクションしてくださってる方が俺の総選挙のスピーチを聞いて、インスピレーションを受けたらしくて。何を話したかちゃんと覚えてないんですけど(苦笑)。でも、ありがたいですよね。そんなこともあったので、思い入れが強いです。こっちもぜひ聴いてください。
市川:僕がカップリングで歌わせていただいたソロ曲は、メンバーやファンのみなさんの想いをすべて受けとめたうえで「みんなで歩いていこう」という…そんなユウリの心境が、歌詞やメロディーに詰まったとても優しい曲です。みなさんが感じるままに、聴いていただけたら嬉しいです。
[取材・文/小澤めぐみ]
営業職を経験後、記者・編集業務に携わりフリーへ。男性声優を中心に、漫画、アニメ、外ドラ、BLなど浅く広く好奇心は一人前。飲食、旅行、音楽、(ヘタだが)写真撮影、話を聞くことも好きで、近年の自粛生活は苦痛。最近のお気に入りは『薬屋のひとりごと』『異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。』。王道モノから西東問わず歴史モノなど“ファンタジー”や“ミステリー”が好物。今はもっぱら藤沢朗読劇中毒