この記事をかいた人
- 胃の上心臓
- 拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ロボットアニメ作品やTYPE-MOONの作品を主に追いかけている。
2007年の創刊から、今年で10周年を迎える小学館のライトノベルレーベル「ガガガ文庫」。
宝島社より発行されている「このライトノベルがすごい」で殿堂入りを果たした『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(以下、俺ガイル)をはじめ、様々な人気作品を世に送り出してきました。
そんな10周年を記念する「ガガガ文庫」創刊10周年記念イベントが、2017年9月23日(土)に開催されました。
イベントでは生放送番組「ガガガチャンネル」でMCを担当する田中あいみさんと、『俺ガイル』のひねくれぼっち主人公・比企谷八幡役でお馴染みの江口拓也さんを進行役に、同レーベルの人気作品やアニメ化作品のステージイベントを開催。
本稿ではその模様をお届けします。
【出演者】
■MC
田中あいみさん
江口拓也さん(比企谷八幡 役)
■『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
早見沙織さん(雪ノ下雪乃 役)
東山奈央さん(由比ヶ浜結衣 役)
■『二度めの夏、二度と会えない君』
吉田円佳さん(森山燐 役)
■『されど罪人は竜と踊る』
島﨑信長さん(ガユス 役)
細谷佳正さん(ギギナ 役)
ネタ的な場面では、海浜総合高校の生徒会長・玉縄(CV:日野聡)の意識の高いろくろ回しなども差し込まれ、短い時間の中で原作最新12巻に繋がる物語を振り返る内容になっていました。
最終話の収録時のエピソードが飛び出すと、原作の渡 航先生が持つキャラクターたちや物語へのビジョンが明確だからこそ、収録ではキャラクターを演じる声優陣も熱が入ったという話題も。
そのまま思い出話に花が咲くと、ゲーム版やドラマCDの収録のエピソードも出てきます。
なかでも盛り上がりを見せたのは、江口さんから飛び出した「八幡を演じていると、どんどん暗くなっていく」という話。八幡の暗さに引きずられて収録に関わるスタッフさんたちへの返事が暗くなってしまったそうで、慌てて気分を切り替えたのだとか。
そんな江口さんとは裏腹に東山さんはいつも元気らしく、ゲーム収録の話題を振られると、自身の演じるキャラクターの“負けヒロイン率”の高さに言及。
なんと東山さんは、デビューから8年ほどお仕事をしてきて、アニメでは一度たりとも主人公と結ばれるヒロインを演じたことがないそうです。
また、一部で“負けヒロインボイス”と呼ばれていることを把握しているようで、それを覆せるようステージ上から原作の渡先生へ、切実な叫びをあげる一幕もありました……!!
アニメイトタイムズで配信された「総武高校奉仕部ラジオ」&「江口拓也のぼっちラジオ」についての話題では、奉仕部認定ステッカーの配布を行っていたことや、リスナーからぼっちエピソードを募集して、江口さんに認定されると入ることができた“ぼっち党”について言及。
ふたつの番組の収録を衝立で分けられた同じ部屋で収録していたことなどが触れられます。
10月末に発売される第二期Blu-rayボックスには、そんなぼっちラジオのバリエーションのひとつとして、八幡たちの後輩・一色いろはを演じる佐倉綾音さんをパーソナリティに据えた「佐倉綾音のぼっちラジオ」が収録される模様。
佐倉さんはリスナーからのぼっちエピソードにどう対応するのか!? 気になる方はぜひ購入を!!
Blu-rayの特典映像の紹介を挟んだところで、ここからはMCを田中さんにバトンタッチ!
「やはり俺たちの答えは食い違っていない。クイズ」のコーナーを実施しました。このコーナーでは、江口さん、早見さん、東山さんの3人でそれぞれが演じるキャラクターである、八幡、雪乃、結衣にちなんだ設定を考えるというもの。
1門目は「八幡が専業主夫の夢が破れたらどんな職に就いている?」で、それぞれ答えは違ったものの、江口さんの「サイゼリアの店長になっている」の回答をキッカケに、サイゼリアに関するトークに発展。
特にデザートの話題で盛り上がり、答えは別々になったものの、息の合ったトークを見せてくれました。
なぜここでファミリーレストランのサイゼリアが出てくるのかというと、『俺ガイル』では原作者の渡先生の地元・千葉のローカルネタが度々取り上げられ、そのなかで千葉県が発祥の地として知られるサイゼリアもでてくるから。
アニメでも度々登場しているので、注目です!
2問目は「結衣の愛犬サブレに結衣自身があだ名をつけるなら?」で、“サブレ”から連想するハトのお菓子から、江口さんが“ハト”、東山さんが“ぽっぽ”と答え、ふたりが一致。
ラストとなった3問目「雪乃が好きなパンダのパンさんのライバルキャラを考える」では、アニメ第二期のラストで八幡たちが見たペンギンにちなんで“ペンさん”と答えた東山さんに、某アンパンのヒーローを思わせる“アンパンさん”と答えた早見さん。パンさんの元ネタと思われる、はちみつ大好きな黄色い熊を描いた江口さんと、それぞれ個性的な回答で会場を沸かせました。
声優陣が一言挨拶を済ませると、『俺ガイル』関連のイベントでは外すことのできないあの人がステージに登場……!! もちろん現れたのは渡先生で、『俺ガイル』の最終章として発売されたばかりの第12巻に続き、今度は間を開けず13巻、14巻が同時発売となる旨の重大発表がありました!
この12、13、14巻で完結となるそうで、それぞれ最終章の上中下巻的な位置づけになっているそうです。先生からは「今度は延期しません!」との言葉もありましたので、八幡たちの物語の終幕がみられるまであと少し、『俺ガイル』を応援していきましょう!
『下セカ』原作者の青春ストーリーは、バンドメンバーの個性と演奏シーンに注目?
『俺ガイル』の声優陣が退場したところで江口さんから、渡先生はステージ上で大きなことを言った後は、大抵裏で戦々恐々として死にたくなっているという裏話がありました。
そんな渡先生を慰めに行くとして江口さんも退場すると、田中さんに進行役をバトンタッチ! 続いては『二度めの夏、二度と会えない君』(『ニドナツ』)のコーナーへと移ることに!
この作品はアニメ化も果たした人気ライトノベル『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』(以下、下セカ)を手掛けた、赤城大空先生のライトノベルを原作とした実写映画です。
ヒロインの森山燐を演じるガールズバンド“たんこぶちん”のボーカル・吉田円佳さんをゲストに、作品についてのトークを展開していきました。
吉田さん演じるヒロインの燐が、高校3年生まで入院生活を送っていたことなどのキャラクター性に触れられると、まずは作品の世界観を知ってもらうため予告映像を上映。
バンドに憧れているところからメンバーを揃え、文化祭での演奏を実現されるまでの物語の流れが分かりました。
この後は主題歌「夏のおわりに」をはじめとした劇中歌についてや、作品の見どころを語っていくことに。
吉田さんは小学生のころからガールズバンドとして活動してきたそうですが、この作品で登場するバンドPrimemberは男子もメンバーになっており、『ニドナツ』では青春を感じる新しいバンドを組めたと話していました。
また、本作の見どころは演奏シーン! Primemberが演奏する場面は、クオリティを高めるため、撮影に臨む前に出演者みんなで練習する時間を設けたそうです。
彼らが演じるキャラクターひとりひとりの個性も強くなっているそうなので、ぜひ劇場に足を運んでください!
ダブル主人公は仲が悪い!? でもそれを演じるおふたりは……!?
再び江口さんがステージに登壇したところで、ラストは、2018年4月よりTBS・BS-TBSにて放送予定のTVアニメ『されど罪人は竜と踊る』(『され竜』)のターン!
アニメ映像の一部が公開されているPV第一弾が流れた後に、出演者の島﨑信長さん(ガユス役)と細谷佳正さん(ギギナ役)が登場!
ダブル主人公を演じるおふたりが『され竜』の魅力をお伝えするステージが始まりました!
冒頭では、島﨑さんと細谷さんから、『され竜』の放送は、制作の都合上、2018年4月に延期になったものの制作は順調に進んでおり、よりクオリティアップした作品をお届けできるように鋭意制作中であることが伝えられました。
アフレコの進行具合については、島﨑さんから、最初の山場のエピソードまではアフレコが済んでいて、収録中は土師孝也さん(モルディーン役)と一緒に、難しい専門用語に四苦八苦しているとのお話がありました。
その後、島﨑さんと細谷さんが演じるふたりの主人公に関する掘り下げを行うため、スクリーン上にガユスとギギナを表すキーワードが映し出されました。
キーワードには、“不幸”“ヘタレ”“口が悪い”など、性格難あり&仲が悪いふたりのネガティブな用語が並んでおり、出演者の皆さんからの「悪口ばっかりじゃないですか!」とのツッコミに会場からは笑いが起きていました。
それぞれのキーワードについては、島﨑さんと細谷さんの解説で、“バイト”=実は相棒の浪費癖を補うためにガユスが塾講師の副業を行っていること、“女性”=ギギナの女癖が悪いことなど、ふたりの主人公の個性的な一面が明らかになっていきました。
続いて、先日公開された登場キャラクターと演じるキャストの皆さんの情報と共に、日笠陽子さん(ジヴーニャ役)、甲斐田裕子さん(ニドヴォルク役)、南條愛乃さん(キュラソー役)などの意気込みコメントも紹介されました。
『され竜』はキャラクターがとても多い作品のため、まだまだ未公開の登場キャラクター/出演キャストがいるとのことで、今後の発表にも注目が集まります。
さらに、『され竜』の見どころについては、細谷さんからは「映像と音楽のクオリティ」、島﨑さんからは「このふたりの最初から仲の悪い掛け合い」をお勧めいただきました。
お次は「相棒(バディ)相性診断」のコーナー!
このコーナーではガユスとギギナの関係性にちなんで、島﨑さんと細谷さんの相棒としての相性を診断しました。
島﨑さんには「細谷さんにまつわる10の質問」を、細谷さんには「島﨑さんにまつわる10の質問」をそれぞれ行い、即答で答えてもらった答えが合っていたかどうかを相棒に判断してもらうという内容です。
まずは「島﨑さんにまつわる質問」を細谷さんに行いました。その回答は以下の通り。
Q1.ガユスとの共通点は?……A.雰囲気や髪形
Q2.アフレコ時の島﨑さんの印象は?……A.黙々と台本を読んでセリフの練習している
Q3.島﨑さんを家具に例えると?……A.ハンガー
Q4.幼い頃の夢は?……A.大工
Q5.もし声優以外のお仕事をしているとしたら?……A.着物職人
Q6.RPGではどんな職業についている?……A.賢者
Q7.島﨑さんの癖は?……A.時々愛想笑いをする
Q8.もしも魔法を使えるなら?……A.人と長く話す檻に入れる
Q9.島﨑さんの魅力は?……A.感動したことを素直に良かったと言ってくれる
Q10.島﨑さんに聞いてみたいことは?……A.自分で変わったと思うところは?
答え合わせに移ると、島﨑さんはハンガーに例えられたことが気になり、細谷さんにその理由を聞いていきました。細谷さんはハンガーを「理想的な形」をしていると感じているそうで、島﨑さんをスタイリッシュだと評価していました。
また、島﨑さんの幼い頃の将来の夢は、仮〇ライダーやウル〇ラマンなどのヒーローだそうで、男の子らしい夢を持っていたことも判明。
癖の時々愛想笑いをすることに関しては、自分自身も自覚があるようで、ほかの声優陣がミスしてしまった時などに、現場の雰囲気をよくするためあえて笑っているところはあるとのことです。
人と長く話す檻に入れる魔法については、岡本信彦さんをグアムで寝かせなかったエピソードを持ち出し一部を肯定。
最後の最近自分で変わったと思うところについては、壁にぶつかってもぶち破る以外の方法を見つけられるようになった、少し視野が広がったと述べていました。
続く「細谷さんにまつわる質問」の島﨑さんの回答は以下の通り。
Q1.ギギナとの共通点は?……A.背水の陣なところ
Q2.アフレコ時の細谷さんの印象は?……A.とてもリラックスしている
Q3.細谷さんを動物に例えると?……A.細谷さん
Q4.細谷さんを武器に例えると?……A.バトルアックス
Q5. 細谷さんを料理に例えると?……A.チャーハン
Q6.細谷さんの前世は?……A.細谷さん
Q7.幼い頃のあだ名は?……A.ヨッシー
Q8.口癖は?……A.あのね、僕はね
Q9.細谷さんを思いっきり褒めてください……A.自分に素直な生き方が素敵だけど真似できない。でも独りよがりにはなっていない
Q10.細谷さんに聞いてみたいことは?……A.最近読んだ本のなかで、この言葉が刺さったというものはありますか?
ギギナとの共通点の背水の陣については余裕がないというわけでは無く、武士のようにリラックスしたカッコよさがあることからだそうで、この点はアフレコでの印象にも通じるところがあるようです。
島﨑さんが細谷さんを動物に例えた答えが“細谷さん”になった理由は、「細谷さんは細谷さんという個であり、生き物だから」。
この点は前世の項目でも「例えプランクトンだろうとも、スピリッツ(魂)は細谷さん」と答えており、島﨑さんはどんな姿になろうとも、細谷さんの個性は失われることはないと信じているとのことでした。
刺さった言葉については、「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」(著:イルセ・サン)という本を読んだことを明かすと、自分の主観で相手にレッテルを貼ると、その相手の意見を押し込めてしまうのではないか? と疑問を覚え、人はひとりひとり違うことを実感したと答えていました。
こうしてお互いを理解しあえたところで、最終の「相棒(バディ)相性診断」にチャレンジ!
ふたりで息を合わせてテーブルクロス引きを行い、テーブル上のガユスとギギナを倒さなければ成功ですが……、結果は残念ながら失敗に!
本編ではナイスバディを発揮することを約束して、「相棒(バディ)相性診断」は終了となりました。
そして、最後におふたりからのメッセージを経たところで、本イベントは終了の時間となりました。
ガガガ文庫からは、先日発表された田尾典丈先生のライトノベル『七星のスバル』のアニメ化以外にも、今後も2、3大きな発表があるようです。
イベントで扱われた作品以外にもガガガ文庫には個性的で魅力的作品が多数存在しますので、ぜひ今後の動向に注目を!!
[取材・文/胃の上心臓]
>>『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』公式サイト
>>『二度めの夏、二度と会えない君』公式サイト
>>TVアニメ「されど罪人は竜と踊る」公式サイト
拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。