『キルミー』は終わらない! やすなとソーニャばりの赤﨑千夏さんと田村睦心さんのコンビネーションが発揮された『キルミーベイベー』トークショーをレポート
2017年12月1日、ボークス秋葉原 ホビー天国 7Fイベントホールにて、『キルミーベイベー』のトークショーが行われました。
『キルミーベイベー』は「殺し屋」の少女・ソーニャとその友人・折部やすなが繰り広げる、コミカルな日常を描いた、まんがタイムきららキャラットで連載中のカヅホ先生による人気コミック。2012年にはTVアニメ化も行われ、先日配信がスタートし話題を集めているスマートフォンアプリ『きららファンタジア』にも参戦するなど、現在もなお根強いファンからの支持を集めている作品です。
今回、その5周年を記念する形で行われたトークショーでは、赤﨑千夏さん(折部やすな 役)、 田村睦心さん(ソーニャ 役)のお二人が出演。5年前と変わらぬ仲の良さを感じさせる、コンビネーション抜群のトークを繰り広げていたイベントの模様をお届けしていきます。
『きららファンタジア』でのソーニャの衣装の真実を、田村さんが大胆推理!?
ステージが始まると、「キルミー!」という元気いっぱいの挨拶と共に、赤﨑さんと田村さんのお二人が登壇。
久しぶりの『キルミーベイベー』のイベントということもあり、お二人ともかなりのハイテンションの様子で、後ろの人が見えにくくなってしまうという気遣いから、なんと用意されていた座席を使わず、立ったままトークが行われることに。しかし、この「なんでもあり」の自由な空気感こそ、まさに『キルミー』だと言えるでしょう。
なお今回のイベントは、5周年にあわせたグッズが製作された(AKIHABARAゲーマーズ本店「アニまるっ!FES!!」内にて実施された物販コーナー、「キルミー屋」にて販売)ことを記念するという、アニメイベントとしてはなかなか例のない形で開催されていたのですが、「昔から変わったことをやる作品なので、驚きはしたんですけど、そこまで意外ではなかったです」と明かす田村さん。
また田村さんは、放送から5年という月日が経過している点に関しても、Twitterなどでは現在でもキルミーに関連したツイートを見る機会が多かったことから、「キルミスト(キルミーベイベーのファンの総称)なら必ず集まってくれる」と、ファンに対して絶大な信頼を寄せており、不安は一切なかったのだとか。
反面、赤﨑さんの方はそれとは対象的に、本当に集まってくれるのか不安だったそう。来れなくなったファンに申し訳ないと思いつつも、チケットが配布終了されたというツイートをエゴサーチで見つけた際には思わず安堵したエピソードを明かし、会場の笑いを誘っていました。
そんな凸凹コンビの赤﨑さんと田村さんの付き合いは、プライベートにも及んでいるようで、最近も二人で一緒に旅行に行った際、田村さんが赤﨑さんにキルミーダンスを踊らされたこともあったのだとか。
そんな田村さんは、実はかわいいものに目がないという一面もあるそうで、二人でアルパカ牧場を見に行った際、アルパカの毛で作られた大きなテディベアを購入していたことを暴露されるという一幕も。
『キルミーベイベー』は、「まんがタイムきらら」の人気キャラクターたちが、RPGの世界に大集合するという異色のアプリ『きららファンタジア』へも参戦しており、PVでは赤﨑さんと田村さんの撮り下ろしのボイスも流れていました。
収録時の思い出として、すぐに役に戻れたという田村さんに対し、赤﨑さんはなかなか自身の演技に納得がいかなかったようで、「イヤッフェーイ」「くそぅくそぅ」とつぶやきながら、何度も試行錯誤していたのだそうです。
また公開されたビジュアルでは、ソーニャがへそ出しというセクシーなルックスとなっていることについて「戦うのになぜへそが出ているのか」と鋭いツッコミを入れる赤﨑さん。
これに対して田村さんは、きらら系のキャラクター達の中でも、ソーニャは戦闘力がかなり高そうな部類ということもあり、「あえて弱点であるお腹をさらすことでパワーバランスをとっている」という、なんとなく納得できる予想を披露し、客席の爆笑を誘っていました。
本当のグッズ化をかけて、赤﨑さんと田村さんらが真剣トーク!
イベントの後半からは、赤﨑さんと田村さんがパーソナリティを勤めていたWEBラジオ『キルミーベイベー 殺し屋ラジオ CDスペシャル』の1コーナーでもあった「やすながしそうな勘違い選手権!」のコーナーも実施。
募集したアンケートの中から、「タコライスをタコを使った料理だと思っている」「夏バテがあるなら冬たぎりもある」など、思わず「ありそう」と納得してしまう回答が多数披露される中、多かったのが漢字の読み間違いネタ。駐車場などに書かれている「月極」(つきぎめ)を「げっきょく」と間違って読んでしまうというものでは、赤﨑さんも高校生の頃読み方が分からず、母親に教えてもらった思い出のエピソードも明かされます。
なお優勝には、ボツになりそうだったネタの中から田村さんと赤﨑さんがチョイスしたという「ファックスに入れたものは、ファックスの中身がそのまま送られると思っていた」が選ばれ、発案者には会場からの温かい拍手という豪華(?)賞品が贈られることに。
そしてその後に行われたのが、同じく応募で集まった様々なグッズ案の中から、赤﨑さん・田村さんらがもしあったらほしいと思えるものを選ぶ「新商品企画会議」。こちらで選ばれたグッズ案は、本当にグッズとして発売ができないか提案されるということで、俄然お二人の選考にも熱が籠もります。
「音声入りの目覚まし時計」「やすなが画面いっぱいに印刷された画面保護フィルム」「背中に『キ』の文字が入ったスカジャン」など、現実的なアイディアから明らかなネタグッズまで、様々な提案がされていく中、特に好評だったのが「LINEスタンプ」。
実は声入りのLINEスタンプが出始めた時、赤﨑さんはキルミーのLINEスタンプが出せないのかプロデューサーに直談判したこともあったそうで、既に「くそぅくそぅ!」「バーカバーカ!」など、早くもスタンプに入れる台詞についての吟味が始まっていたほどでした。
田村さんとしては最後までバナナケースが一押しだったようでしたが、声優としての仕事が発生する美味しさの誘惑(?)と、赤﨑さんの「バナナケースなら私が買ってあげるから!」という説得の甲斐あって、「キルミーベイベーの音声入りLINEスタンプ」が選ばれることに決定。会場でも、同じ提案をしていた人が何人もいたほど需要が高いアイディアということで、正式な販売にも期待が持てそうです。
最後には、お二人のサイン入りキャップを賭けたじゃんけん大会も行われ、偶然勝ち上がった二人がお揃いのキルミーTシャツを着ていたことが判明するなど、思わぬポイントでも大盛り上がり。
なお赤﨑さんと田村さんは、「いつか続編をやりたい!」とスタッフの方々と今でも『キルミー』についての話しをすることがあるそうで、放送終了後から決して短くない時間が経過した現在でも、作品への想いは衰えていない様子。今回のイベントで提案されたラインスタンプが本当に発売されるのかなど、今後の『キルミーベイベー』の動きにも要注目となりそうです。
またアニメイトタイムズでは、イベント終了直後のお二人を直撃。今回の感想などを伺っておりますので、ご一読ください。
イベント終了後の赤﨑さん・田村さんを直撃!
──まずは、本日のイベントの感想をお聞かせください。
赤﨑さん:楽しかったよね!一時間立ちっぱなしで話しましたけど(笑)。
田村さん:本当に楽しかった。立ちっぱなしだったのは、思いの他座った時に後ろの人の顔が見えにくかったんですよね。せっかく(キルミストの中の)精鋭として来てくれたわけですから……。
赤﨑さん:でもむっちゃん(田村さん)と喋る時って、立ってる時の方が喋りやすいんだよね。ボディランゲージをたくさん使って話すからフットワーク軽い方がいいのかも(笑)。あとは立ってると、見に来てくれた皆の顔がちゃんと見えるのも良くて。
田村さん:それで思ったのが、見に来てくれた方が、皆優しい顔をしているんですよ。「こんな喋りやすいイベントって他にあるのか?」って思うくらい、皆ノリノリで参加してくれて。いろいろ質問しても、あんなしっかりと大きな声で返事をくれるイベントってなかなかないと思います。
赤﨑さん:会場では聞きそびれちゃったけど、もしかしたら5年の間にファンになってくれて、今日が初めてのイベントだったっていう人もいたのかも。
──実は自分も『キルミー』のイベントに来るのは初めてだったので、その夢が叶った1人です(笑)。
赤﨑さん:ほんとですか!? ありがとうございます(笑)。本当に不思議な作品で、放送が終わってからの盛り上がり方とか、いろいろと特殊なんですよね。昔からの方はもちろん、最近『キルミー』を知ったという方からも愛されていて、ほんとうにありがたいなと。
田村さん:会場では最後に「まだ帰りたくない」と言ってましたが、あれはリップサービスでもなんでもなく、まだまだ喋り足りなかったですね。
赤﨑さん:『キルミー』といえば、対決コーナーみたいなのも定番だったよね。またむっちゃんの不正を見たかったな(笑)。
田村さん:いちゃもんはつけるけど、不正はしてないよ!(笑)。けど、対決はまたやりたいと思いますね。六本木のイベントでやったポットのお茶を配るチキンレースとか、本当に楽しかった!
赤﨑さん:あとは、シャーペンの芯早出しとか、紙相撲とかね。二人が揃うといろいろやりたくなって、本当にいつ集まっても楽しい作品です。
──まだまだ話題も尽きない様子ですが、そろそろファンの皆さんへのメッセージをいただければ(笑)。
赤﨑さん:また『キルミーベイベー』のイベントに参加することができたのが本当に嬉しかったですし、皆さんから熱いパワーも受け取ることができました。またこんな感じで集まって、思う存分『キルミー』の話ができたらいいなと。あとは、LINEスタンプが本当に発売されるのを待ってます(笑)。
田村さん:やっぱり、「『キルミーベイベー』は終わらない」という一言に尽きるかなと。ファンの皆さんと同じように、私たちの中にもずっと『キルミー』がいます! 今回は『キルミー』ならいつ来ても喋れるなということを改めて感じましたし、またキルミストの皆と集まってイベントがしたいですね。繰り返しになりますが、「『キルミーベイベー』は終わらない!」ということを、もう一度皆さんの心に刻んでもらえればと思います。
──ありがとうございました。
[取材/石橋悠・米澤崇史 文/米澤崇史]