映画
『アベンジャーズ』最新作、アイアンマン役・藤原啓治が見どころを語る

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』日本語吹替版アイアンマン/トニー・スターク役 藤原啓治さんインタビュー――最新作でのトニーの印象は?

マーベル・スタジオ最新作映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が4月27日(金)よりついに公開となりました。6つ全てを手に入れると、世界を滅ぼす力を得るインフィニティ・ストーン。その究極の石を狙う宇宙最凶の敵サノスに、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローたちが集結した究極のチーム"アベンジャーズ"が立ち向かう。果たして"アベンジャーズ"はサノスを倒すことができるのか?

おなじみのアイマンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといった「アベンジャーズ」のオリジナルメンバーであるヒーローたちに加え、今回の作品では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ドクター・ストレンジ』、『スパイダーマン ホームカミング』、『ブラックパンサー』といった作品からも主要ヒーローが参戦します。

今回は映画公開を記念して、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の日本語吹替版で、アイアンマン/トニー・スターク役を演じている藤原啓治さんにインタビューを実施。映画の見どころやキャラクターなどについて、お話をうかがいました。

新作映画はシリアスな展開!

――映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』という作品に対する印象をお聞かせください。

アイアンマン/トニー・スターク役 藤原啓治さん(以下、藤原):ひと言でいうと、重い感じがしますね。かなり必死です。今作は敵の強さもあって、トニー・スターク(演:ロバート・ダウニーJr)じたいもかなりシリアスです。

過去の作品ではホッとするところが比較的ありました。ポッツ(トニーの恋人ペッパー・ポッツ/演:グウィネス・パルトロー)との絡みも多かったので、少し日常感もあったんですけど。

今作は前作(『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』)に比べると、だいぶ冗談(を言っているシーン)が少ないなって……(笑)。どこか沈痛な顔をしていることが多かったなという印象もあるので、今回の映画のお芝居に関していうと、トニーのいろんな面がある中で、シリアスな部分が強調された感じがします。

――藤原さんが演じているトニー・スタークはどんなキャラクターだと思いますか?

藤原:彼(ロバート・ダウニーJr)の場合は、そういうふうに演じているからだとは思うんですけど、何となくどこかいつも「軽み」みたいなものを漂わせているというんですかね。つかみどころのないところが大好きなところです。

――つかみどころがないところが魅力的ですよね。

藤原:ついでにいうと、僕も子供の頃から先生に「つかみどころがない」とよく言われたりしたんですよ(笑)。「どこまで本当で、どこまで嘘か、よくわからない。冗談がよくわからん」と。

――そうなんですか?

藤原:(独り言のような声のトーンで)あぁ、それは今でも言われているな。

――(笑)。

藤原:なので、何となく彼(ロバート・ダウニーJr)のお芝居は、「あぁ、その感じ、その感じ」という共感みたいなものとか、演じていて楽しいというのもあったりして……。「アイアンマンというキャラクターがもっと重たい人であったら、だいぶ映画の印象が変わっているんじゃないのかなぁ」と思います。

それに、アイアンマンがひと息つくようなものを映画全体に与えている気がするんですよね。どこか不真面目そうにも見えるし、真剣みがないというか。

セリフの数もそうですけど、どういう局面においてもやっぱり彼は、作品の中心を担っているイメージが強い。だから今作もキャラクターがたくさん出てきますけど、彼らの中心にいることや関係性というのが非常に面白いなと思いました。映画に出てくるキャラクター全員とそんなに深く関わるわけではないんですけどね。

"アベンジャーズ"の必死な姿が見どころ

――今回の作品には、これまでに登場しなかったマーベル・シリーズのキャラクターが多数登場しています。『アベンジャーズ』チームのリーダーとして、彼らを率いることについて、藤原さんご自身の中で気持ちの変化みたいなものはあったんでしょうか?

藤原:それはあんまりないですね。たぶんリーダーであろうという意識はないのではないのかな。ただ、彼の能力だったり、我の強さみたいなものが自然とリーダーたらしめているというのか。かといって、みんなをまとめるだけの人望があるわけでもなさそうなところが面白いところなんですよね。

――実際、人望があるかどうかは別として、トニー・スタークはつかみどころがないキャラクターなので、どうなんでしょうね。

藤原:ただ前作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でもそうなんですけど、やっぱり最後にはビシッと決めちまうところがあって、どうしてもこの人を柱にせざるをえないような、彼を認めさせてしまうところがあるんだなと。

まぁ、彼には「軽み」みたいなものがあるから、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を観ていてもやっぱりかっこいいんだよね。「この軽みみたいなものがあるからこそのかっこよさなんだよな」と思って、見習いたいところですよね。

――(小声で)藤原さんは素敵だと思いますけど……。

藤原:何ですって(笑)?

――素敵だと思います!

藤原:いや~、ありがとうございます(笑)。

――でも、藤原さんのおっしゃる通りで、最終的に地球を救っているのはアイアンマンですよね。

藤原:まぁまぁ、そういうわけでもないんですけど。わりと活躍しているところが多いのでね。

――今作のアフレコ収録ではどんなところにポイントをおいて、演じられましたか? 

藤原:実写(字幕版)に関していうと、トニー・スターク/アイアンマンを演じているロバート・ダウニーJrという人のお芝居っていうのは、非常に細かいというのかな。いろんなニュアンスを出してくる人なので、「なるべくそういうものをきちんと再現できるように」と、そのことに気を付けました。

同じ人物であったとしても、映画によって少しずつ変化、状況が変わるわけですから、あまり思い込みでやらない。「このキャラクターは僕やりなれているからさ」みたいな感覚は、いつも持たないですけど、今回は特に気を付けました。「この映画におけるトニー・スタークはこうだ」ということをきちんと思いながらやりました。

藤原さんが気になり続けているキャラクター・ハルク

――作品の見どころを教えてください。

藤原:とにかく「アクションシーンが一番かな」って思うし、敵が強すぎる(笑)。ヒーローがいっぱいいますけど、彼らの必死な姿というのは非常に見どころになっているのかなと思います。あと、落ちこぼれチーム(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のメンバー)もなかなか面白い人たちなんですよね。

――アベンジャーズは地球を救っているんですが、彼らは宇宙を救っているチームで、他のヒーローたちとはちょっと違うコミカルなところがあって面白いですよね。

藤原:そうですよね。「でも、アライグマ(武器や戦闘術に精通し、賞金稼ぎ兼傭兵として遺伝子改造されたアライグマのロケット。原語:ブラッドリー・クーパー/CV:加藤浩次)はいったい何なんだ?」って、「最初、えっ?」って思いましたから。

――そうですよね。グルート(ロケットの相棒である木のヒューマノイド。演:ヴィン・ディーゼル/CV:遠藤憲一)というキャラクターも出てきますしね。

藤原:そうなんですよね。それぞれのシリーズでキャラクターもいろいろ違うので。

――今作はいろいろなキャラクターが登場しますよね。これほど個性的なキャラクターが登場して、お話がまとまるのかなと思ったんですけど、先日ピーター・クイル/スター・ロード役の山寺宏一さん(日本語吹替版)にお話をうかがった際に、「まとまるんですよ」とお話しされていました。

藤原:気になる人たちがいっぱい出てきますよね。

――藤原さんは他に気になるキャラクターはいますか?

藤原:僕はいつもハルクを気になり続けているんですよ。

――ハルクは人間的な部分も含めて気になりますよね。

藤原:あとはスパイダーマン(演:トム・ホランド/CV:榎木淳弥)もですし……。あと「あれ? これ誰?」みたいな(笑)。「あれ? こんな人たちもいるんだ?」って(笑)。

――(笑)。

藤原:実は『アイアンマン』をやる前はあまりマーベル作品に詳しくなかったんですよ。子供の頃に知っていたのはハルク。ハルクはやっぱり有名だったんですよ。

――そうですよね。

藤原:スパイダーマンはもちろん有名ですから、知っていました。あとはキャプテン・アメリカとか。たぶんそのぐらいしか知らなかったんじゃないかな。だから、どんどんいろんなヒーローたちが付け足されていくので、それが楽しいと言ってもいいのかなという気がしています。

――山寺さんはたくさんヒーローが増え続けているので、そのうち淘汰されていくんじゃないかとおっしゃっていました。

藤原:そのうち淘汰されるって、ハハハハハ(笑)。そうですね。「この人はどんな人?」って言われても、わかんなくなってきちゃう可能性もあるので、そろそろいいかなって(笑)。

――最後に、映画を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

藤原:今回は劇場にハンカチでも持っていってもらえますかね。

――えっ?

藤原:いらないか、それは。ハンカチを持っていくのはおかしいか(笑)。

――(笑)。

藤原:みなさんそれぞれ好きなキャラクターや思い入れのあるキャラクターがいると思うんですけど、場合によってはけっこう酷い目にあっている人もいます。「自分のお気に入りのキャラクターがどうなってしまうのか?」ってところに注目して、ハラハラしながら観ていただければいいんじゃないかと思います。

――ありがとうございました。

[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]

作品情報

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
2018年4月27日(金)全国公開

【STORY】手に入れると全宇宙を滅ぼす無限大の力を得るインフィニティ・ストーン・その究極の力を秘めた石を狙う“最凶”にして最悪の敵<ラスボス>サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。人類の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける。果たして、彼らは人類を救えるのか?今、アベンジャーズ全滅へのカウントダウンが始まる!

原題:Avengers: Infinity War
全米公開:4月27
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
製作:ケヴィン・ファイギ 
出演:ロバート・ダウニーJr./クリス・エヴァンス/ベネディクト・カンバーバッチ/トム・ホランド
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー/マーベル公式サイト

(C)Marvel Studios2018

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