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『君の名は。』のCWF最新作『詩季織々』初日舞台挨拶レポ

『君の名は。』のコミックス・ウェーブ・フィルム最新作『詩季織々』初日舞台挨拶レポ|新海誠監督作品が繋いだ縁が生み出した新たな作品……その魅力とは!?

大ヒットを記録した新海誠監督による映画『君の名は。』。その制作スタジオであるコミックス・ウェーブ・フィルム(以下、CWF)最新作『詩季織々』の劇場上映が、2018年8月4日(土)より遂にスタート!

その公開初日には舞台挨拶が行われ、本作を彩る3つの短編より「小さなファッションショー」の竹内良貴監督と「上海恋」のリ・ハオリン監督が登壇。加えて声優陣から坂泰斗さん(シャオミン役)、大塚剛央さん(役)、主題歌「WALK」を歌うビッケブランカさんも参加しました。

本稿では監督陣&声優陣によるトークに加え、ビッケブランカによる主題歌「WALK」のライブでも盛り上がったこの初日舞台挨拶の模様をお届け!


 

『秒速5センチメートル』から10年を経て叶えられた想い

登壇者の4名が会場に現れると、作品を見終わったファンのみなさんから温かい拍手で迎え入れられました。舞台に上がったところでコメントを求められたリ監督は、集まったみなさんに感謝を述べると、この日を迎えられたことへの喜びを露わにしていました。


竹内監督も同じようにこの日を迎えられた喜びを話すと、続く坂さんが中国語で挨拶を述べました。本作は、新海監督の作品『秒速5センチメートル』に多大な影響を受けたリ監督の熱意が実現させた作品であり、中国でも同時公開されることになっています。

そうして中国のファンのみなさんへも感謝を届けると、大塚さん、ビッケブランカさんも中国語で挨拶していきます。板さんと大塚さんはふたりで中国語を練習して臨んでいたそうで、これを聞いたリ監督は大喜び! 中国と日本の二カ国同時公開について触れたところで、本作が生まれるきっかけを話していくことに。


そのきっかけは、新海監督がおよそ10年前に手掛けた連作短編アニメーション『秒速5センチメートル』……!! この作品に衝撃を受けたリ監督は、「いつか自分もこういう作品を作りたい!」と考えたそう。その想いを抱き続け、今日この日に本作によってその夢が叶った形になります。

さらに、今回の作品で監督した「上海恋」に『秒速5センチメートル』へのオマージュがあるのか問われると、確かにあると回答するリ監督。また、『詩季織々』で伝えたかったことは「周りの人を大切にする気持ち」なのだそうで、この作品を通してそれを思い出してくれたら嬉しいとも話しました。

竹内監督も公開に際する想いを問われると、これまで新海監督の作品にCGスタッフとして関わってきたこと、それから10年を経て『秒速5センチメートル』が結んだ作品に関われたことについて、作品を通して新たな縁が生まれたことを喜んでいる様子でした。


 
トークが声優陣に及ぶとまずは坂さんが、「陽だまりの朝食」で演じたシャオミンが映像作品で初めての主役だったことを明かします。オーディション原稿を貰った時から、まだ映像がないにも関わらず綺麗な物語だと感じていたのだとか。

そんな作品に出演できたことはもちろん嬉しかったそうですが、自分自身とシャオミンには「おばあちゃんっ子」という共通点があるそう。自然にキャラクターと重なったそうで、まるで自分の思い出を眺めているような感覚だったとも語ります。

大塚さんも、坂さんと同じく「上海恋」のリモがアニメの初主演キャラクターだったそう。オーディションの時から出演したいと思っていた作品に主役として関われたことが光栄だったとコメント。

演じる上で苦労したところについては、リモのまっすぐさや揺れ動く気持ちを大切にしていたと話し、自分の経験と重ねつつ演じられたのだとか。
 

湖南省の料理は辛い!?

なんと、坂さんと大塚さんはふたりで“汁ビーフン”を食べに行ったのだとか。その感想トークでは、実は湖南省の料理は四川料理より“辛い”そうで、「辛かったねぇ」としみじみ振り返りつつ美味しかったと述べていました。

なお、現在東京・錦糸町の中国湖南料理店「李湘潭 湘菜館」にて、「陽だまりの朝食」に登場する“汁ビーフン”を再現したメニューが販売されているとのこと。作品を見て食べたくなったという方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

ビッケブランカさんが主題歌「WALK」について語る一幕では、楽曲が生まれるまでの過程が語られていきます。作品を見終わった後にどういった曲を作るか迷うことは無かったそうで、「映像にペンを取って書かされた」ような感覚を覚えたそうです。


 

新海監督作品が繋いだ縁が新たな作品に

主題歌「WALK」についてのトークで一通り盛り上がったところで、『秒速5センチメートル』がきっかけとなってこの作品を作ることとなったリ監督のように、自分の人生が動いた瞬間やこの仕事を始めるきっかけになった出来事を話すことになりました。

中でも衝撃だったのは竹内監督で、新海監督の短編作品『彼女と彼女の猫』を見て「こんなやり方があるんだ」と感じたことがあったそう。なんと竹内監督も新海監督の影響を受けたクリエイターだったということで、その縁が本作に繋がったことになります。

アニメやゲームが好きだったことから声優を志した坂さん、大学時代に声優さんの仕事に触れたことで目指した大塚さんが語り終えたところで、会場の笑いを攫って行ったのはビッケブランカさん!

なんと幼少期に一度「死にかけた」ことがあるそうで、そこから奇跡的に復活したのだとか。元々は快活な子供だったそうなのですが、その後は感性や感覚が研ぎ澄まされていったようです。


ここでイベント終了の時間が近づいき、ひとりずつコメントしていくことになりました。竹内監督は日中合作ということで色々な方と作品を通して関わったことを話すと、誠実に制作に望んでいたことを明かします。そうして本作を身近な人にも伝えて欲しいとコメントしました。

続いてリ監督は、スタッフやキャスト、そして見に来てくれた観客のみなさんと、作品に関わったすべての人たちに改めて感謝を述べます。そうして、作品の魅力を「違う監督と違う角度から同じ温かい物語を作り上げている」とすると、いつかまた作品を通してみなさんにお会いしたいと今後の展望を語りました!

その後、ビッケブランカさんによる主題歌「WALK」のライブコーナーを行うことに。本作のテーマは“衣食住行”ですが、この“行”の部分は交通や進んでいく、動いていくと言った部分を司っています。

この楽曲がある意味その“行”を担っている部分があるのですが、それは意図したことではなかったそう。そんな主題歌「WALK」を、ビッケブランカさんが弾き語りで高らかに歌い上げたところで、本イベントは終了の時間となりました。


遂に公開となったCFW最新作『詩季織々』。新海監督の作品が繋いだ縁から始まり結実した三篇の物語を、この夏はぜひ劇場でご覧になってください!

[取材・文・撮影/胃の上心臓]
 

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作品概要


監督:リ・ハオリン、イシャオシン、竹内良貴
キャスト:
『陽だまりの朝食』坂泰斗、伊瀬茉莉也、定岡小百
『小さなファッションショー』寿美菜子、白石晴香、安元洋貴
『上海恋』大塚剛央、長谷川育美、中務貴幸

2018年/日本/カラー
配給:東京テアトル

公式サイト
公式Twitter(@shikioriori2018)

(C)「詩季織々」フィルムパートナーズ
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