『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』小岩井ことり×村川梨衣×佐倉綾音×阿澄佳奈インタビュー
8月25日(土)より大ヒット上映中の『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』。アニメイトタイムズでは本作の公開を記念し、宮内れんげ役の小岩井ことりさん、一条蛍役の村川梨衣さん、越谷夏海役の佐倉綾音さん、越谷小鞠役の阿澄佳奈さんにインタビューを実施。
TVシリーズの思い出のエピソードや劇場版の見どころなどについてお伺いしました。
昔と同じく懐かしい気持ちになるような現場
ーー『のんのんびより』はTVシリーズ第1期が2013年、第2期が2015年に放送されていましたが、今回の劇場版で久しぶりに各キャラクターを演じられていかがでしたか?
小岩井ことり:最初はれんげの声が出るかなとドキドキしていたんですけど、見てみたらちゃんと出ていたので安心しました(笑)。
昔と同じく懐かしい気持ちになるような現場で、全員揃っての収録がすごく楽しくて。久しぶりにれんげを演じられて嬉しかったです。
村川梨衣:年月だけを見ると確かに久しぶりだったんですが、でもなんだかそんな気がしないような不思議な感覚でした。
今回は沖縄が舞台ということで、最初に「みんないつもよりも一段テンションが上がっている状態で」とお話を伺っていました。
沖縄に行ってからはいつもよりはしゃいでいるような蛍の姿が見られるので、TVシリーズとはまたちょっと違ったみんなに会えるのではないかと思います。
佐倉綾音:夏海を演じるのは2年ぶりだったので、キャラクターのみんなは歳をとっていないけど、私たちは順調に2年分の歳をとっていて(笑)。そのあたりの不安から、夏海の声をDVDを見て聴き返したりしました。
でも実際は、昔の自分を参考にするというより、スタジオで他のキャストがマイクの前で演じている音を聴いているうちに自然と夏海に戻っていくような感じがして。
台本も第1期の頃から口馴染みが良いというか。その感覚がマイクの前に立って演じていたときに戻ってきて、「そういえばこんな風にマイクの前に立って文字を追うと、口から自然と出てくる作品だったな」と思い出しました。
阿澄佳奈:愛着のあるキャラクターをまた演じることができるのは、声優をしていて本当に嬉しいことだと思うんですけど、期間が空いていたので「あの時のようにできるのかな」という多少の不安もありました。
でもみんなが言っている通り、アフレコ現場に入って、キャストの皆さんの声を聴きながら演じていく流れの中で、自然とみんながキャラクターに戻っていくという感覚がありました。私も当時の感覚で小鞠を演じることができたなと思います。
本当に現場でみんなで作っていけるというのは素敵だなと改めて感じたアフレコでした。
“ひらたいらさん”の回の雰囲気が劇場版にも引き継がれている
ーー8月24日にはTVシリーズ第1期と第2期を収録したBlu-ray BOX「のんのんびより にゃんぱすぼっくす」も発売されましたが、皆さんが演じられているキャラクターの印象深いエピソードを教えてください。
小岩井:私は第1期4話のほのかちゃんとのお別れのシーンがすごく印象深くて好きです。れんげは喚いて泣いたり、わがままを言う子じゃないけど、ちょっとだけ見せるそういうところが、れんげらしさをすごく彩っているなと思った回でした。
村川:私はいくつかあるんですけど、OADに収録されている蛍が楽しそうに雪で遊んでいるお話や、小鞠ちゃんと一緒にピクニックに行ってお弁当を食べる回(第1期12話)。
お弁当の回は蛍の小鞠ちゃんへの愛が炸裂していたと思うんですけど、『のんのんびより』のシュールな会話劇のテンポがより出ていて面白かったなと印象に残っています(笑)。
佐倉:私は第2期4話の“ひらたいらさん”(れんげが教室の水槽で飼っていたカブトエビ)の回がすごく印象に残っています。その回の雰囲気が劇場版にも引き継がれているというのも含めて、改めてすごく好きになったんです。
夏海は一番場を引っ掻き回す幼さや無邪気さがあって、いたずらっ子な面が大きく見えるキャラクターなのですが、実は誰よりも周りの一人一人を見ていて、とても大人な面を持っているんですよ。
だからこそ、ひらたいらさんの回で夏海の大人な部分や、実はみんなを支えているところが見えて。
プラス今回の劇場版では夏海の弱さが見えるんです。それでみんなに支えてもらうことを教わったんだろうなと思うと、やはりひらたいらさんの回は他のお話では見えてこなかった部分がフィーチャーされていてすごくいいなと思います。
阿澄:私は小鞠がお姉さんらしくしているシーンが好きで。小鞠はどちらかというと“がきんちょ感”のある印象が強いと思うんですけど、結構自然にお姉さんをしているシーンも随所にあったりするんです。
TVシリーズだと、第1期3話の夏海と家出をする回や、第2期2話の蛍と星を見に行って道に迷う回とか。あとは日常のさらっとしたところでお姉さん振るところも好きですね。
劇場版で描かれるリアルな沖縄!
ーー劇場版では舞台となっている沖縄の大自然がとてもリアルに描かれていましたね。皆さんのお気に入りのシーンはどこですか?
佐倉:海と空!
阿澄:海は見てるだけで気持ちよかったね。
小岩井:シュノーケリングのシーンは本当に海に入っているような気分になれて好きですね。なっつんが海面に浮かんでいるシーンとか爽やかで。私たちも収録で実際にシュノーケルを使って演技をしていたので、音もリアルな感じで入っていると思います。
阿澄:私はマングローブの森で実際にカヤックを体験したことがあるんですけど、本当にあんな感じだったので、演じていて思い出しました。
佐倉:民宿とかもあんな感じですよね。昔沖縄の民宿に行ったことがあるんですけど、石垣が綺麗ですごく印象的で。風情があって古き良き建物みたいな。
小岩井:実在している民宿をモデルにしているんですよね。
阿澄:聖地巡礼できますね。
村川:私はお兄ちゃんが福引で沖縄旅行を当てて帰ってくるシーンです(笑)。
小岩井:あそこめっちゃ面白い!
村川:しかも『のんのんびより』で聞いたことのない音楽がかかっていて。“星を救って帰ってきたヒーロー”みたいなスケールでお兄ちゃんが歩いてくるという。
佐倉:あのシーンすごく尺使ってるよね。アフレコ現場でもざわっとしていて、どんな音が付くのかなと(笑)。
村川:まさかあんな壮大なシーンになるとは…ぜひ見て欲しいです(笑)。
ーー(笑)。あとは下地紫野さん演じる映画オリジナルキャラクターの新里あおいちゃんの沖縄訛りも可愛くて注目ポイントの一つですよね。
佐倉:私、沖縄訛りを今回初めて聞いたんですよ。沖縄独特の言葉とかは聞いたことがあったんですけど、訛りになると語尾がとても不思議なイントネーションになっていて。
村川:芸人さんだとガレッジセールさんが沖縄訛りのイメージがあるけど、そのイントネーションとも少し違った感じにも聞こえましたね。
ーー皆さんは話してみたい方言や好きな方言はありますか?
阿澄:京訛りとかもいいよね。
小岩井:私かな!(笑)
ーー小岩井さんは京都ご出身ですからね(笑)。
村川:喋って!(笑)
小岩井:京都弁、可愛いやろ〜(笑)。
佐倉:うちも話してみたいわあ〜(笑)。
阿澄:京都弁の女の子って可愛いよね。ちょっと毒のあるところとかも含めて。
小岩井:方言全部可愛い。
村川:わかる!
阿澄:でも不思議と自分の出身地の方言って魅力感じなくない?
佐倉:阿澄さんご出身どちらですか?
阿澄:福岡です。
村川:ど真ん中じゃないですか!(笑)
佐倉:博多弁!ここに方言界の二強がそろってますよ。
村川:阿澄さんの博多弁をください!
阿澄:嫌です!(笑)地元の方言って当たり前になっているから逆にわからないんだよね。
佐倉:羨ましいですよ!私と村川さんは東京出身で方言を持たざる者なので。
阿澄:そっか!都会っ子だ!
佐倉:方言を喋れるって、ある意味バイリンガルってことですからね。役の幅も広がるし。
阿澄:確かに。それでお仕事もらうこともあるからなあ…(笑)。
エンディング主題歌「おもいで」に込められた想い
ーー最後に、皆さんが歌われている劇場版のエンディング主題歌「おもいで」のレコーディングの感想を教えてください。
小岩井:TVシリーズのエンディング主題歌も書いてくださっていたZAQさんが、これまでの要素も取り込んでくれていて。歌っていても走馬灯のように今まで記憶が蘇ってきました。まさに「おもいで」ですね。
阿澄:「おもいで」はこの4人のキャラソンになっていて、みんなキャラ感を出しながら歌うのが上手なので、それがとてもいいなと思いました。
歌に関しても、アフレコと同じように「帰ってきた」という感じがすごくありましたし、一生懸命キャラとして歌っているけど、完成した曲を聴いていると泣けてきて。また素敵な曲を頂いたなと思いました。
佐倉:実は仮歌をZAQさんご本人が吹き込まれていて、お一人でれんげと蛍と夏海と小鞠を演じてくださっていたんです。
夏海のパートはちょっと破天荒なところが出ていたりして(笑)。そんな仮歌からもZAQさんのキャラクターへの愛を感じました。
一人一人の特徴を拾って歌詞を書いたり、音を付けてくださったりしていることがすごく嬉しくなって。
劇場版ではフルでエンディング主題歌が流れるのですが、やはり2番まで聴かないとわからない曲の良さやギミックがあって。とてもいいなと思いました。
村川:やっぱり曲がいいですよね。TVシリーズのエンディング曲も明るく楽しいポジティブな曲調なのに、涙腺を揺るがす曲になっていたんですけど、「おもいで」もこの旭丘分校のみんなで歌っているからこその良さがあるなと思いました。
無邪気に歌っているからこそ、ZAQさんの歌の良さが引き立ったのかなと。それこそフルで聴いていただければ分かるんですけど、要所要所に粋な演出やフレーズもあり、聴きごたえのある一曲になっているので、たくさん聴いていただければと思います!
ーー素敵なお話をありがとうございました!
インタビュー・文:吉野庫之介 撮影:鳥谷部宏平
作品情報
【イントロダクション】
TVアニメシリーズ第1期・第2期ともに「にゃんぱすー!」の掛け声で一大旋風を巻き起こした脱力系田舎ライフコメディ「のんのんびより」が待望の劇場アニメ化!
「旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、いつも一緒に春夏秋冬の変わりゆく田舎生活を楽しんでいます。ある日、デパートの福引で特賞の沖縄への旅行券を当てた「旭丘分校」の面々。夏休みを利用して、皆で沖縄に行く事になるのですが……。
穏やかで何気ないけれど、笑えて、ほろっとして、心があたたかくなる。まったりゆるゆるなメンバーが送る日常の中の非日常に会いにきてください。
【上映館情報】
全国27館で上映決定!
<北海道>
●札幌シネマフロンティア
<宮城県>
●TOHOシネマズ仙台
<東京都>
●角川シネマ新宿
●シネマサンシャイン池袋
●TOHOシネマズ上野
<神奈川県>
●TOHOシネマズららぽーと横浜
●横浜ブルク13
●TOHOシネマズ川崎
<千葉県>
●京成ローザ10
<埼玉県>
●MOVIXさいたま
<茨城県>
●シネマサンシャイン土浦
<栃木県>
●MOVIX宇都宮
<群馬県>
●MOVIX伊勢崎
<新潟県>
●T・ジョイ新潟万代
<石川県>
●ユナイテッド・シネマ金沢
<愛知県>
●伏見ミリオン座
●ミッドランドスクエア シネマ
<静岡県>
●MOVIX清水
<大阪府>
●TOHOシネマズ梅田
●TOHOシネマズなんば
<兵庫県>
●神戸国際松竹
●アースシネマズ姫路
<京都府>
●T・ジョイ京都
<岡山県>
●イオンシネマ岡山
<広島県>
●広島バルト11
<愛媛県>
●シネマサンシャインエミフルMASAKI
<福岡県>
●T・ジョイ博多
※上映劇場は、3/23(金) 現在の情報となります。
※上映劇場につきましては、順次更新される場合がございます。
最新の情報は、<劇場一覧>をご確認ください。
【スタッフ】
原作:あっと(月刊コミックアライブ連載『のん
のんびより』/KADOKAWA刊)
監督:川面真也
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:大塚 舞
色彩設計:重冨 英里
美術監督:赤坂 杏奈
美術:草薙
3D監督:濱村 敏郎(ワイヤード)
撮影監督:佐藤 敦(スタジオシャムロック)
編集:坪根 健太郎(REAL-T)
音響監督:亀山俊樹(grooove)
音楽:水谷広実(Team-MAX)
音楽制作:ランティス
オープニング主題歌アーティスト:nano.RIPE
エンディング主題歌アーティスト:
宮内れんげ(CV.小岩井ことり)
一条 蛍(CV.村川梨衣)
越谷夏海(CV.佐倉綾音)
越谷小鞠(CV.阿澄佳奈)
エンディング主題歌作詞・作曲:ZAQ
アニメーション制作:SILVER LINK.
製作:旭丘分校管理組合劇場
【キャスト】
宮内れんげ:小岩井ことり
一条 蛍:村川梨衣
越谷夏海:佐倉綾音
越谷小鞠:阿澄佳奈
越谷 卓:????
宮内一穂:名塚佳織
加賀山楓:佐藤利奈
宮内ひかげ:福圓美里
富士宮このみ:新谷良子
【原作情報】
著者:あっと
『のんのんびより』1~12巻
(各524円+税)
(月刊コミックアライブ連載/KADOKAWA刊)
月刊コミックアライブにて好評連載中!!
公式ガイドブック&公式アンソロジーも絶賛発売中!
(C)2018 あっと・KADOKAWA刊/旭丘分校管理組合劇場