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『アニゴジ』最終章 宮野真守、櫻井孝宏、監督インタビュー

『GODZILLA 星を喰う者』宮野真守さん、櫻井孝宏さん、瀬下寛之監督インタビュー|メトフィエスの「あぁ ハルオ」という呼び掛けに注目!

2017年11月に『GODZILLA 怪獣惑星』、2018年5月に『GODZILLA 決戦機動増殖都市』が公開。そして、アニメーション映画『GODZILLA』最終章となる『GODZILLA 星を喰う者』が2018年11月9日(金)より公開される。

ハルオたち人類とゴジラの決着や新怪獣・ギドラの出現。アニメーションならではの壮大なスケールで描かれる世界観はいよいよ最終局面にたどり着いた。

いよいよ封切り直前となる『GODZILLA 星を喰う者』。本作では主人公であるハルオ・サカキ(CV・宮野真守さん)とメトフィエス(CV・櫻井孝宏さん)の関係性が鍵を握っているという。

今回、アニメイトタイムズでは宮野真守さん、櫻井孝宏さん、そして瀬下寛之監督にインタビューを実施した。

『GODZILLA』最終章を迎えた今の気持ちや印象深いシーン。また、新怪獣ギドラについてなど熱いトークが繰り広げられた。

ギドラは全長○○kmなんですよ

――いよいよアニメーションゴジラ最終章『GODZILLA 星を喰う者』が公開となります。2018年9月には新怪獣・ギドラのキービジュアルが発表されました。「その<黄金>は<絶望>すら焼き尽くす」というキャッチコピーや高次元怪獣のため、実体がないという設定には驚きました。

櫻井孝宏さん(以下、櫻井):僕も驚きました。ただ、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』でメカゴジラも従来とは異なる表現になっていたので予感はあったというか。この作品ならではのアプローチだなと思いました。

宮野真守さん(以下、宮野):そうですよね。僕もびっくりした。

櫻井:僕、子供の頃からキングギドラが好きだったんですよ。

宮野:分かる。三首で羽が生えててとかカッコいいもん!

瀬下寛之監督(以下、瀬下):ゴージャスですよね。

櫻井:ゴジラもすごくカッコいいんですけど、比較対象としてキングギドラが登場すると、子ども心に金ピカの方がカッコいいなって思っていましたね。

宮野:シュッとしてるしね(ニヤリ)。

櫻井:(笑)。今回も普通の怪獣としては描かないだろうなとは思っていたのですが、想像以上にね?

宮野:すごく長い。

櫻井:そうそう。すごく長いんです(笑)。劇場で見る皆さんびっくりされるんじゃないかな?

宮野・櫻井:<ギドラ>長!!!!って(笑)。

――ゴジラの身長は推定300メートル。キービジュアルだけでも明らかにギドラは長いですよね(笑)。

瀬下:一番伸びた状態でどれくらいあると思います? 約20kmです(笑)

宮野:2km!!!!!

瀬下:いや、もっと長いかも(笑)。

櫻井:歴代の怪獣史上で一番長いんじゃないですか?

瀬下:さらにそれが3本あるから。

宮野:もう学校の強歩大会くらいの距離になっちゃう(笑)。

「ハルオ」と何度も呼びかけるメトフィエス

――そんな新怪獣・ギドラも登場する『GODZILLA 星を喰う者』ですが、プロジェクトを振り返ってみて瀬下監督はいかがですか?

瀬下:そうですね。もう発足から4年が経ちます。他の作品と並行しながら、ずっと『GODZILLA』を作り続けてきたので、少し寂しい気持ちもあります。

静野さん(静野孔文さん)、虚淵さん(虚淵玄さん)と作り上げてきた作品。宮野さん演じるハルオとこれでお別れだと思うと考え深いです。もちろん、メトフィエスともね(櫻井さんを見ながら)。

櫻井:愛されてるというかイジられキャラと言うか。

宮野:最終章ではメトフィエスがいよいよ"ワルフィエス"になっちゃうからね(笑)。

瀬下:キービジュアルを公開したタイミングからハルオとメトフィエスの構図がピエタ(キリストを抱く聖母マリアの彫刻や絵)である事も重要です。<ゴジラ・アース>と<ギドラ>だけでもインパクトが強いのに。


――確かに。『SNS』で盛り上がっていました。

瀬下:今回のアニメーション『GODZILLA』は登場人物全員のキャラクターがすごく濃いです。その分、僕たちも登場人物達への愛情が深くなると言うか。

宮野:その愛情の深さを僕たちキャストも感じていました。最初にプレスコ収録をした時から瀬下さん、静野さん、虚淵さんのチームワークがとても素晴らしくて。

さらに、この3人の関係性が築き上がっていく様子も見て続けてきたので。お会いする度にお三方が仲良くなっているなって。

櫻井:まさにギドラだね(笑)。

宮野:そうそう、どんどん<ギドラ>が完成されてきてるみたいな(笑)。瀬下さん、静野さん、虚淵さんとお仕事をするのがすごく楽しかったです。

瀬下:嬉しい! ありがとうございます。

宮野:お仕事の度にすごく細かい設定や心情までご説明してくださるんですよ。それが本当に楽しくて。

――『GODZILLA 星を喰う者』で印象深いシーンはありますか?

瀬下:ハルオとメトフィエスがまさに劇的なやりとりを繰り広げます。収録後に固唾を飲んでOK出すのを忘れるくらい。

宮野:僕は役を演じさせていただく上で制作意図も大切ですが、僕自身がどう感じたのかを表現することも重要だと思っていて。

瀬下:二人の演技は本当に衝撃的でした。宮野さんは役に対して、ものすごく入り込むタイプで、その演技に共鳴して櫻井さんの演技も変わっていく。収録中にその変貌の様子が刻一刻と伝わってきました。

また、宮野さんは収録後も心配になるくらいハルオに入り込んでいる一方で、櫻井さんは収録が終わると切り替えが早い。収録が終わったら「お疲れ様でしたー」ってすっとスタジオから出てきちゃうくらい(笑)。どちらもプロでカッコいいなって思ってました。

――櫻井さんはメトフィエスを演じてみていかがでしたか?

櫻井:メトフィエスは「GODZILLA 怪獣惑星」の時から怪しさに溢れているキャラクターで。

宮野:絶対怪しいよね(笑)。

櫻井:"茂みからメトフィエス"ね? 先程、ピエタをモチーフにしたというお話があったと思うんですけど、それが作品に意味を持たせていると思っていて。僕は本当にこのキービジュアルが印象的だったんですよ。人によって作品に対する印象が大きく違うんだろうなって。

瀬下:これは一つの答えかもしれませんが、メトフィエスには誠実な愛情しかありません。

宮野:そうですよね。さきほどは"ワルフィエス" と言いましたけど、悪じゃないんです。彼のポリシーや生きてきた人生観がそうさせるわけで。

アニメーション『GODZILLA』では種族間としての、価値観の違いが描かれてきたじゃないですか。キャラクターはそれぞれ登場しますが、価値観が違うだけで、想い自体は悪ではないんですよ。

櫻井:この映画って、僕たち地球人が観るじゃないですか。だから、ハルオたち地球人の目線になるわけで。じゃあ、エクシフやビルサルドなどの異星人がこの映画を見たりしたら? 絶対に捉え方が変わるわけで。

宮野:ハルオ! おいおい! ってなるだろうね。ハルオイって(笑)。

瀬下:その展開すごくいい(笑)。

――『GODZILLA 星を喰う者』を見てみて、宮野さんと櫻井さんはどう感じましたか?

宮野:改めてこれはハルオの物語なんだと感じました。ハルオがどうあるのか。彼の決断や生き様を見せる映画なんだなって。

種族間での価値観の違いやゴジラとの戦い、原住民族との対話や共存など色々なことがテーマとして盛り込まれているの中がとても素晴らしいし、作品を通じて、とても考えさせられるポイントですよね。でも、一番伝えたいのはハルオの生きる道だと思ったんです。僕はその渦中にいられたことがすごく幸せです。

櫻井:僕もハルオのストーリーだと思いました。メトフィエスは作中で何度もハルオの名を呼ぶんです。「ハルオ」って。たった3文字なんですけど、すごく意識して演技しました。

瀬下:そう。本当に色々なパターンの「ハルオ」があった。

櫻井:名前を呼ぶって大事だしすごく意味があるんですよね。だから、一つとして同じものはありません。これは呼びかけでもあるし、多分メトフィエス自身の愛だと思うんですよね。

――特に印象に残っている「ハルオ」はありますか?

宮野:(台本を見ながら)僕はここ。すごく愛情があった。

瀬下:演出陣のベスト「ハルオ」はここですね(台本を指しながら)。

櫻井:なるほど。「あぁ ハルオ」ですね。「あぁ」という感嘆符がつくことで、少し官能的な側面もあるというか。

宮野:映画のネタバレになるのでどこかは言いませんが、どこかで出てくる「あぁ ハルオ」をお聴き逃しなく。

役と役者はリンクする

――宮野さんと櫻井さんはこれまでにもご共演されている機会が多いですよね。今回のアニメーション『GODZILLA』についてお二人でお話されてことはありましたか?

宮野:そうですね。有り難いことに映画が封切られる度に舞台挨拶や取材でお会いする機会がありますので色々とお話しています。僕は櫻井さんとのマッチングがすごく心地いいんですよ。

櫻井:それは嬉しいですね。

――宮野さんと櫻井さんと言えば、宮野真守さんのライブツアー「MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ?EXCITING!?」の「雅マモル物語」で登場した「落雷孝宏」さんもとてもマッチしていたというか。

宮野:やめなさい(笑)。ちゅるりら健一さん(鈴村健一さん)も出てるんだから!

櫻井:確かに! 雅マモルと落雷孝宏、ちゅるりら健一。全員いる(笑)

宮野:コント『GODZILLA』ができちゃうよね。

瀬下:それ見たいです! ジーンズ持ってきて!(笑)。

宮野:いやいや(笑)。

――(笑)。櫻井さんは宮野さんと舞台挨拶などでご一緒になった際、いかがでしたか?

櫻井:上映前、上映後の舞台挨拶に登壇する時にいつも何を話そうかなって考えるのですが、宮野くんのメッセージがいつもカッコいいので感銘を受けています。

作品をこれから観る方や鑑賞後の方に対して、想像力を膨らませる言葉の力があるというか。それこそ少しメトフィエスのような感じ。キャストの真ん中で作品を背負っている。理想の姿だと思いますね。

宮野:嬉しいです。

櫻井:僕は本当に茂みからメトフィエスみたいな感じなのですが(笑)。

宮野:それはその時々の役割があるから。櫻井さんはいつも安心感を作ってくれていると思いますね。

櫻井:瀬下さんとの作品で共演機会も多いしね。

――『GODZILLA』の収録はいかがでしたか?

櫻井:『GODZILLA』の収録はプレスコだったのですが、プレスコならではの難しさがあったりするんですよ。はじめてプレスコを体験する方って掴まるところがないような感じになっちゃったりして、戸惑う方もいて。コツ掴めば慣れるのも早いんですけどね。

宮野くんはその指針になっているんです。こんな風に演技すればいいんだというところを体現していると言うか。道を作っている印象があります。

宮野:なんだかハルオっぽいね。

櫻井:作品とリンクしている感じがありますね。自分もそう見えているのかなって。

宮野:作品と自分の立ち位置ってつながってきますよね。役者さんって本当にすごいなと思うんですけど、自然と現場での立ち居振る舞いがキャラクターに寄るんですよ。

櫻井:意識していない部分ではあるけど"纏う"よね。

宮野:そうですね。

櫻井:それが今回の『GODZILLA 星を喰う者』にも詰まっている気がしますね。

――ありがとうございます。では、最後に瀬下監督から『GODZILLA 星を喰う者』を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。

瀬下:『GODZILLA 星を喰う者』でハルオの物語が完結します。ゴジラという神に等しい存在に立ち向かう一人の青年の生き様。ハルオの生き様を見届けて下さい。そこから何かを感じていただければ嬉しいです。

――ありがとうございました!

[取材・文/川野優希]

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『GODZILLA 星を喰う者』作品情報

ストーリー

 

扉が開かれ、黄金の刻印が星を切り裂く。


21世紀初頭、ゴジラに地球を奪われた人類は、一部の人類を他恒星系への移住に送り出すも、計画は失敗に終わる。失意のまま地球へと帰還した人類を待ち受けたのは、二万年後の変わり果てた姿になった地球だった。

あらゆる動植物がゴジラ細胞を持つ<怪獣惑星>と化した地球。そこに君臨するのは体高300mを超える史上最大のゴジラ<ゴジラ・アース>だった。

ゴジラ討伐に執念を燃やす主人公ハルオは、人類の遠い子孫である種族フツアと出会う。ハルオたちは、フツアの双子の姉妹マイナとミアナの導きにより対G決戦兵器・メカゴジラの残骸が、増殖を続けていることを発見。残骸を構成するナノメタルを使って武装要塞都市<メカゴジラシティ>を起動させ、<ゴジラ・アース>に挑む。

この作戦の中、かねてより共存してきた異星人種族の一つビルサルドと人間たちとの亀裂が表面化する。ビルサルドのリーダー・ガルグの「ゴジラを倒すならば“ヒト”を超えた存在へ」という信念に対し、ハルオは「怪獣を倒すために自らも怪獣になってはいけない、“人”として打ち勝つべき」という信念を捨てられなかった。ついには、<ゴジラ・アース>を倒す唯一のチャンスを捨て、ハルオはガルグを葬ってしまう。

一方、ハルオの幼馴染であるユウコはビルサルドによる人体の強制ナノメタル化により、脳死状態に陥ってしまった。人間たちに広がる敗北感と虚無感。もう一方の異星人、宗教種族エクシフの大司教・メトフィエスは、ハルオが戦いに生き延びたことは“奇跡”だと唱え、信者を増やしていく。

それはエクシフが秘め隠してきた“究極の目的”のためだった。そんなメトフィエスを警戒するミアナとマイナ。そして、ハルオは、自らが“人”として何を為すべきかを自問する。

やがて、<ゴジラ・アース>を打ち倒す者がいなくなった地球に、金色の閃光を纏った<ギドラ>が降臨し、天地を揺るがす超次元の戦いが始まる。

“ゴジラ”とは何か。“人”が為すべきことは何か。ハルオが目にする未来とは――――。最終章で、そのすべてが明らかになる。

【公開表記】2018年11月9日(金)全国公開
【スタッフ】
監督/静野孔文・瀬下寛之
ストーリー原案・脚本/虚淵玄(ニトロプラス)
キャラクターデザイン原案/コザキユースケ
音楽/服部隆之
副監督/吉平”Tady”直弘・安藤裕章
プロダクションデザイン/田中直哉・Ferdinando Patulli CG キャラクターデザイン/森山佑樹
造形監督/片塰満則
美術監督/渋谷幸弘
色彩設計/野地弘納
音響監督/本山哲

【キャスト】
宮野真守
櫻井孝宏
花澤香菜
杉田智和
梶裕貴
小野大輔
堀内賢雄
中井和哉
山路和弘
上田麗奈
小澤亜李
早見沙織
鈴村健一

【主題歌】XAI「live and die」(TOHO animation RECORDS)
【製作】東宝
【アニメーション制作】ポリゴン・ピクチュアズ
【配給】東宝映像事業部

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