スクウェア・エニックスのオンラインRPG『ファンタジーアース ゼロ』が12周年! 特別記念の新規ボイスを担当の三上枝織さんにインタビュー!
スクウェア・エニックスの『ファンタジーアース ゼロ』は最大50人VS.50人のバトルや10万通り以上のキャラクターメイクなどで、累計登録人数150万人以上を誇る大人気の多人数同時参加型のオンラインRPGゲーム。
そんな『ファンタジーアース ゼロ』が2018年12月に12周年を迎えるということで、様々な記念企画・イベントが行われています。その一環として新規ボイスが実装! そのボイスを担当するのが三上枝織さんで、2キャラに加え、故郷の津軽弁ver.も収録! 三上さんに新規ボイスの内容や好きなスクエニ作品についておうかがいしたほか、プロデューサーから三上さんをはじめとする初心者の方へ、プレーのコツもレクチャーしていただきました。
50対50のリアルタイム戦闘や10万パターンをこえるキャラメイクにビックリ!
――『ファンタジーアース ゼロ』(以下、『FEZ』)にどんな印象を抱かれましたか?
三上枝織さん(以下、三上):いろいろな魅力があると思いますが、何よりもまず最大50人対50人のプレーヤーによる大規模戦闘がリアルタイムで楽しめるゲームというのはあまり聞いたことがなくて。すごく斬新だなと思ったら12周年を迎える歴史があると知って、それだけ長く続いているということはたくさんの方にずっと愛されているゲームなんだなと実感しました。
アバターが顔やコスチュームいろいろ変えられるのもおもしろいなと思いました。アクセサリーを含めると10万パターン以上の組み合わせになると聞いてさらにビックリしました。あとキャラクターボイスをお好みで変えられるのも楽しそうだなと。かなり多くの声優が参加されているそうですね。
プロデューサー:90名はいらっしゃると思います。実はPC用ゲームとしては、プレーヤーキャラにボイスを付けて販売した初めてのゲームなんです。青野武さんなど、そうそうたる声優の皆さんにご担当いただいています。
三上:すごいですね! 青野さんのプレーヤーボイスを聴いてみたいです!
12周年記念ボイスで演じたのは上品な少女とドS少女の2キャラ!?
――今回、12周年記念ボイスを担当されることになった感想は?
三上:毎年、記念ボイスを収録されているんですか?
プロデューサー:毎年、収録しているわけではなくて、今回は特別です。まず12年といえば干支が1周まわるぐらいの長さですし(笑)、また、この度新たにアニメイトグループのオーシャンフロンティアさんと協力して運営・開発することになったので、特別感のあるボイスを入れたいなと思って、三上さんにお願いしました。
三上:そんな重大な役割をいただいて光栄です。さらに今回2キャラ分やらせていただいたのもうれしかったです。上品な少女と、いたずらな少女と書かれていますがちょっとお姉さん系のドSチックな役になりました(笑)。
――2キャラをどのように演じたのでしょうか?
三上:まず上品な少女では「もうちょっと余裕を」や「微笑んでいる感じで」というディレクションをいただきました。上品な人が戦場にいると考えた時、自分の中でキリっとしてしまった部分があったので、そこを上品に戻してやりました。
――上品なのに戦場にいられるということは相当強いんでしょうね。
三上:強いと思います。きっと使う人も強いでしょうから(笑)。セリフはバトル中のものから日常シーンまで、あと喜怒哀楽があったり、幅広く演じさせていただきました。
――もう1ついたずらな少女のほうは?
三上:収録に入る前には幼めなイメージを考えていましたが、それだとかわいすぎるということで、もうちょっとドSチックだったり、ツンデレ部分を入れるならお姉さんじゃないかと、年齢感は上げめでやらせていただきました。セリフ中にも戦うことが好きで、痛めつけるのも好きという点をいかに出すか、試行錯誤しました。
2キャラを演じるときに気を付けたのは差別化とテンポ感
――演じるときに心がけたことは?
三上:戦闘中の攻撃する時の声でいかにキャラを出すか、ですね。あと戦闘なので緊張感やバトル感も意識しました。
また2キャラだと作り方によっては声が近くなってしまうので、どれだけ差別化を図るかということですね。戦闘中のセリフのテンポ感とか。
プロデューサー:『ゴッドイーターシリーズ』や『真・三國無双シリーズ』などバトル系のゲームによく出演されていますよね。だからバッチリかなと。
三上:ありがとうございます。最初は慣れていなかったんですけど、段々と戦い方がわかってきました。
――収録したセリフの中でおもしろかったものや印象的なものを挙げてください。
三上:共通している進軍中のセリフ、「道を切り開け」「仇敵を蹴散らせ」ですね。本格的なバトルなんだと気合が入りました。「仇敵」という言葉は今まで使ったことがなかったので、カッコいいなと思いました。共通したセリフをいろいろな声優さんが言っているので比較するのも楽しいと思います。「この声優さんはこんなふうに言うんだ」とか。私も他の方がどんなふうに言っているのか聴いてみたいです。
三上さんの故郷の津軽弁でも収録! 過去にはロシア語やドイツ語で収録した声優も!?
――三上さんの故郷の方言、津軽弁でも収録されたとか?
三上:自分なりにセリフを津軽弁にして、なまらせていただきました(笑)。自分でキャラメイクをした上で、その声を付けること自体珍しいし、ましてや津軽弁でやるなんて初めてで。ディレクターさんも津軽弁がわからないので基準は私で(笑)。一応、上品な少女のセリフをベースに変えたので、上品さは薄まってしまった感はありますが(笑)、こちらも楽しんでいただけたら。皆さんには田舎っぽいキャラを作っていただいて、津軽弁に合わせたら新たなキャラが生まれるんじゃないかなと思います。
プロデューサー:とても楽しかったです。方言を使うボイスは関西弁くらいなので、今度は広島弁の男性とかも入れたいなと思っていて。津軽弁も頭の片隅に浮かんでいましたが、なかなか見当たらないだろうと思っていたら……。
三上:ここにいました(笑)。
プロデューサー:快く引き受けてくださってありがとうございます。これまでですと上坂すみれさんにはロシア語、木村昴さんにドイツ語をやっていただきました。最初はこういうキャラをやっている方だなと思ってキャスティングした後で、プロフィールを調べて特徴があったら併せてお願いする形で進めております。
バリエーションを増やすために方言ver.も。青森県出身の方は要実装!
――西洋っぽい雰囲気の中に津軽弁のセリフというのはおもしろいですよね。
三上:新鮮ですよね。
プロデューサー:12年やっているといろいろなことをやっていかないと。装備品にしても最初はオーソドックスなファンタジーなものが多かったんですけど、途中から着ぐるみとか着物とかチャイナ服など入ってきて、今では学生服や水着まで存在する世界になってきています。
三上:それだけ広げてきたからこそ、長く続く作品になったのかもしれませんね。
プロデューサー:津軽弁の女の子だと異世界から来た少女とか、とても遠くから来た少女という売り方をすると思います。
三上:よろしくお願いします。
――青森県出身の方や現在住んでいる方にはうれしいのでは?
三上:「ここ、青森なの?」と不思議な気分になるかもしれませんね。私が住んでいたのがこてこての津軽弁地域だったので、市内の人には「これ、すごい田舎だ」って思われそうですけど(笑)。ぜひ青森県出身の方はこのボイスをよろしくお願いします!
三上さんがハマっていたスクウェア・エニックスのゲームとそしてPCゲームができない理由とは?
――ここでプライベートのお話をお聞きしたいと思います。普段、ゲームをプレーすることはありますか?
三上:最近はアプリゲームをプレーすることが多いです。スクエニさんのゲームだと『めしクエ』をやっていたんですけど、5月いっぱいでサービスが……。
プロデューサー:ありがとうございます。担当に伝えておきます。
三上:楽しかったですとお伝えください。かわいかったし、いつもお腹をすかせながらやってました。ひたすらお寿司を握って。サービス終了すると知った時、もっとお布施しておけばよかったなと。皆さんも大好きなゲームがあったらお布施で支えてあげましょう(笑)。
――『FEZ』はPCゲームですが、PCゲームをプレーすることは?
三上:オンラインゲームですよね。実は配線をつなげられなくて。だからビンゴ大会で当たった据え置き機も箱に入ったままで……。パソコンも今年になって2回壊していて。だからまだ『FEZ』を家でプレーできてなくて……すみません。
――それは悲しいですね(笑)。どういうジャンルのゲームが好きですか?
三上:平和に、何かを育てたり、何かを作ったりするゲームにずっとハマっていましたが、たまに『人狼ゲーム』とか鬼ごっこ系のゲームに手を伸ばしています。
――スマホのゲームだとネット上で協力プレーもできるものがありますが、三上さんは協力プレーをされたことは?
三上:ノラでやっているゲームではマッチングして一緒にやったりしてます。自分の名前でやっていたりするので、たまにファンの方に見つかってフレンド登録されることもあって。自分の名前でやるのはやめたほうがいいなと思いました(笑)。
『FEZ』初心者の三上さんへプロデューサーが楽しみ方をレクチャー
――ではせっかくなので、『FEZ』初心者の三上さんへ楽しみ方をレクチャーしてもらえますか?
三上:ぜひ知りたいです!
プロデューサー:12年続いているゲームですのである程度初心者がやると良いこと、みたいな流れがあります。まず戦場に行って、直ぐには前線で戦わずにクリスタルを掘って、ナイトという召喚獣になって、敵の召喚獣を倒しに行くと活躍できますし、戦争の流れを把握しやすいかなと。人間の姿で戦ったらまず瞬殺されます。レベルも上がって戦場の雰囲気になれてきたら、ソーサラーという氷を使える魔法使いのクラスがオススメです。サポートタイプで、周りの人のために敵を氷で固まらせてあげて。もしくはウォリアーの盾も同様の役割を担う事ができます。そうするとあまり怒られません。
三上:そこなんですよね。チームプレーって迷惑をかけたり、怒られたりしないかなと尻込みする部分もあって。
プロデューサー:わかります。対戦ゲームという性質上、味方に対してより気を使いますよね。初めて戦場に入った時は素直に「すみません。初めてなんですけど」とチャットで尋ねれば教えてくれますから。教えてくれる方はコーチングマークを付けています。
三上:わかりやすい!
プロデューサー:あと戦場に行く前に、自分の所属国の首都に行って、その国の人に「こんにちは」とあいさつしつつ、教えを乞うたり。タイミングが悪いと静かな人ばかりの時もありますけど、人が多い夜なら大丈夫です。首都にはロイというNPCが最初に話しかけてくれて、プレイヤーに「クエストでコレをしてください」とか「クリスタルをいくつ掘ってきてください」とか言ってくれますので、それを繰り返していくと慣れていくと思います。
『FEZ』の男女比は7:3。しかしゲーム内では3:7。その理由は?
――『FEZ』はバトルだけでなく、闘技場やカジノなども楽しめるんですよね。
プロデューサー:このゲームは戦争がメインですが、カジノに行ったり、装飾品で着せ替えコーデをするのも楽しいです。コーディネートは装備の種類がいっぱいあるし、モデルがかわいい系なのでお人形遊びをする感覚で楽しめて。ですのでオンラインゲームには珍しく女性のお客様も沢山いる方だと言われています。男性キャラもイケメンにもおじさんにも作れるし、声も沢山用意してあります。
三上:どっちの性別でも楽しめますね。
プロデューサー:私も男性キャラと女性キャラ、両方動かしていて。
三上:男性も女性キャラでやれますからね。。
プロデューサー:少し前の調査結果ですが、実際の男女比が7:3だとすると、ゲーム内の男女比は3:7なる事がわかりました。
三上:逆なんですね。男性もかわいいキャラを作りたいですからね。
プロデューサー:かわいいコーデもしますし。FEZのプレイヤーさんはとてもコーディネートが上手ですね。選択肢が多い分、センスも求められるし。コーデコンテストも開催しているので、そこで活躍することもできると思います。
三上:ますます興味が湧いてきました!
――いろいろな楽しみ方ができる、間口が広いゲームですね。
プロデューサー:そうですね。でもかわいい見た目なのに入ったらガチだったと驚かれる方もいますが(笑)、最初にやることさえ覚えていれば、前線に行って戦わなくても、戦場で活躍できて、ランキングも発表されます。クリスタルをたくさん掘った召喚獣を倒したランキングや建築物を置いたり壊したりして領域を獲得したランキングも出たり。
三上:自分が得意な方法で活躍できるのがいいですね。
プロデューサー:でも慣れてくると戦いたくなってくるんですよね。一戦場が最大でも45分なので、その間に召喚する人が少ないなと思ったらクリスタルを掘って召喚をしてみたり、その場その場でうまく立ち回るとランキングに入りやすくなります。
三上:ランキングに入るコツまでレクチャーしていただいてありがとうございます。
三上さんがハマったスクエニのマンガ作品は?
――ちなみにゲーム以外で好きなスクウェア・エニックス作品はありますか?
三上:マンガがすごく好きで電子書籍でよく読んでいるんですけど、読後に「これ、スクエニさんの作品だったんだ!」ということが多くて。最近読んだものだと『魔女の心臓』で、死ぬために魔女が旅するみたいな、独特な世界観でアニメ化してくれないかなと。連載中のものだと『薬屋のひとりごと』で、薬屋の娘さんが宮廷の毒見役をするお話で新刊が待ち遠しくて。主人公のかわいくて、魅力的なキャラも多くて、イラストがツボなんですよね。本でもそろえようと思っています。好きな作品は本と電子書籍、両方そろえるんです。壁に並べるのと移動中に読む用で。
プロデューサー:私も電子書籍で気に入ったら、うちのラウンジに社内の作品が置いてあるので、そこで読み直したりします。
三上:あと私、グロいのが苦手なんですけど、お仕事でやることもあるから慣れなきゃと最近読み始めたのが『たとえ灰になっても』で。めちゃめちゃグロいけど、絵がかわいいんですよね。あれはひきょうだなと思いました(笑)。
12周年記念に収録した力と熱を込めた3キャラのボイスでぜひプレーを!
――では、最後に皆さんへメッセージをお願いします。
三上:まずは『FEZ』12周年おめでとうございます! そんな記念すべき年に参加させていただき、しかも2キャラに加え、私が大切にしている津軽弁でやらせていただいてとてもうれしく思います。収録前には、長く続いた『FEZ』ファンの方に私の声が受け入れてもらえるかなと不安もありましたが、力と熱を込めて3キャラ演じましたので、この声を選んでプレーしてもらえたらと願っています。
そしてこの記事で初めて『FEZ』に興味を持ってくださったら、プロデューサーさんから私がレクチャーしていただいたコツを参考にして、この素晴らしい世界観の中に飛び込んで楽しんでください。私はまずパソコンを直してぜひプレーしたいと思います。その時は本名ではなく、ニックネームで(笑)。
これからも『FEZ』を皆さんそれぞれの楽しみ方でプレーしてくださいね!
[取材・文・写真/永井和幸]