佐香智久さん、TVアニメ『抱かれたい男1位に脅されています。』OP「不完全モノクローグ」を含む13thシングル制作の裏側を直撃！

TVアニメ『抱かれたい男1位に脅されています。』（通称、だかいち）のOPテーマ「不完全モノクローグ」を表題曲とした、佐香智久さんの13thシングル『不完全モノクローグ』が2018年12月5日（水）発売!!

そこで、TVアニメの世界観を彩る楽曲としてだけでなく、歌い手として人気のまふまふさんや天月さんの楽曲参加など注目を集めるシングル作品の制作について、佐香智久さんにインタビューを行いました。

キャラクターたちの思いを意識した表題曲は「苦しくなるから」聴きたくない!?

――今回のシングルを制作するにあたって、全体のコンセプトやテーマはありますか？

佐香智久さん（以降、佐香）：『不完全モノクローグ』というタイトルには、今まで生きてきたストーリーが自分だけの、自分一人の“モノローグ”で、あなたがいないと“モノクロ”で“不完全”という意味が込められています。

今までの自分にはないような曲作りをしたくて、この「不完全モノクローグ」という曲もそうですが、カップリング曲含め、自分の中からは出てこないような曲や言葉を選ぶように作りました。

――表題曲「不完全モノクローグ」は、TVアニメ『抱かれたい男1位に脅されています。』のタイアップ曲ということで、どんなところを意識して制作されましたか？

佐香：『だかいち』のアニメに書き下ろした曲になっているので、自分の曲ではあるのですが、アニメの登場キャラクターたちのキャラソンみたいな意識で作りました。TVアニメのオープニングでは、主人公の1人・東谷准太を意識した1番の歌詞の部分が使われているんですけれども、2番はもう1人の主人公・西條高人とかをイメージした歌詞になっています。原作漫画もしっかり読ませていただきましたし、ドラマCDもがっつり聴いて、イメージを深めて作りました。

――作品からインスピレーションを受けることで、先ほどおっしゃっていた「今までの自分にはないような曲作り」になったと感じる部分はありますか？

佐香：作品の中に、使いたい言葉やシーンがいっぱいあって。特に印象的で、1番の歌詞の最初でも表現している、今まで空っぽだった自分をあなたで満たしたいという准太の原動力はすごいし、尊敬するし、かっこいいなと思うので、歌詞はそういう思いを第一に考えて作りました。

――「不完全モノクローグ」はまふまふさんとの共同作曲ですが、ご自身で作詞作曲を手掛ける時との違いや、共同作曲することでどんな変化が生まれたのでしょうか？

佐香：そもそも今回のアニメのお話をいただいた時に、作品に合ったものを作るにあたり、自分の中の引き出しだけで作るよりも誰かと一緒に作ろうと考えて、自分の周りで一番尖った曲を作っているまふくんに、一緒に作ってくれないかとお願いしました。彼の家で一緒に作ったんですけど、僕も彼も、相談しながら一緒に作ると角が取れて面白味が欠けてしまいそうだと感じていたので、分かりやすく、Aメロは僕、Bメロはまふくんと僕、サビはまふくんというように、お互いがお互いを邪魔しないように作りました。

自分が作るときは、決まったところから始めるのではなく、出てきたところから作っていく感じで。今回も、お互い丸投げしてできたものを組み合わせるみたいな形なので、2人が足並みをそろえて作ったわけではなく、最終的に組み合わせてできた感じです。かなりアンバランスな感じも、すごくいい感じに仕上がって好きですね。まふくんの味も出てかっこよくて、作品に合っているので、頼んで良かったなって思います。

▲『不完全モノクローグ』初回生産限定盤ジャケット写真

――収録には、まふまふさんも参加されていましたか？　収録の様子を教えてください。

佐香：曲の録り自体は僕で、編曲はまふくんがやっているので、トラックダウンとかマスタリングの時は立ち会ってもらいました。歌う時はあまり考えずに、歌詞の通りに歌うんですけど、でき上がった自分の曲は聴いていて、歌詞の気持ちに重ねてしまって苦しいです。

この曲は特に苦しいですね。息継ぎするところもなくて大変だったし、准太の思いに共感しちゃうしのダブルコンボで（苦笑）。僕はちょっと苦しくなってしまうので、あまり聴きたくないですね、代わりにファンの方にいっぱい聞いてもらえるとうれしいです（笑）。

――「不完全モノクローグ」ミュージックビデオ制作やジャケット撮影でのコンセプト、注目ポイントやこだわりなどを教えてください。

佐香：自分は今まで、首が長くて似合わないと感じる服などもあって、コンプレックスだったんですけど、ミュージックビデオではいい感じに撮影していただいて、首筋とか意外と「いいかも」と自分で思ったので、見て欲しいところになったかな（笑）。自分も知らなかった自分を見つけられたので、いいなと思います。

あと、今までのミュージックビデオの中では間違いなく、一番動いたり、本気で歌ったりしています。周りの誰かに伝えるために歌っているというよりは、壮大な自己満足みたいな、自分の中で発散するために、自分のために自分のことを叫んで歌っているみたいイメージです。100m先へ届かせるというよりは、10mくらいの中の範囲で爆発している感じですね。

「自分の知らない自分」が見つかるシングル！

――では、2曲目の「アリエラ」制作では、どんなところを意識されましたか？

佐香：「アリエラ」は特に意味がある言葉じゃないんですけど、「アリエラ」というものに振り回されている人たちという漠然としたテーマがあって、歌詞も意味があるようでいて特に意味をもたせていない曲ですね。

一生懸命歌っているし、曲調もすごく情熱的なんですけど、歌詞に深い意味はなくて、テンションというか耳に入りやすい言葉、耳障りのいい言葉をあえて選んでいて、その分サビの最後にある「僕を殺してくれ」とか、そういうところが際立って感じられるよう意図した感じです。

――「アリエラ」で天月さんと一緒に歌うことになったきっかけ、収録をされての感想を教えてください。

佐香：曲を作った時点で、誰かと一緒に歌いたい曲だと思っていたので、一番仲の良い天月くんにお願いしました。表題曲を書き下ろした『だかいち』が、男性2人が主人公の作品ということもあって、それに合ったカップリングを入れたいなという思いもありました。

収録は、まず僕が録ったデモを聴いて彼が録って、それを聴きながら僕がもう1回録り直しました。天月くんのレコーディングに僕も立ち会ったのですが、彼の思うままに歌ってもらい、こう歌ってほしいなど、あまりお願いすることはなかったですね。立ち会ってみて、一番最後にハイトーンでロングの伸ばすところがあるんですけど、自分のデモよりも彼の方が勢いがあって、やっぱりかっこいいなと思いながら聴いていました。

――天月さんの収録を聴いて録り直したということですが、最初に録った時とどのような変化があったのでしょうか？

佐香：歌い回しとか、自分のデモより彼の歌い方がかっこ良かったらそちらに寄せたり、Bメロの掛け合いは力を入れるよりも吐き捨てるようにした方が、サビでグッとくるなと思ったりして、歌い方を変えました。

――そういったポイントを意識して聴くと、これまでとは違った佐香さんの一面が見えそうですね。ちなみに、3曲目で「輪廻転生」をカバーされた理由は？

佐香：せっかく、まふくんと一緒に曲を作ったので、まふくんの曲自体が絶対僕には作れない曲ということもあって、そういう曲にもチャレンジしたいというのと、シングル1枚通して自分のイメージにない曲を歌いたいなと思ったからです。なので、彼の曲の中で一番僕が好きな「輪廻転生」をカバーしました。

――実際に歌われての感想や、改めて感じた楽曲の魅力などを教えてください。

佐香：まふまふくんの曲は、ギターとか編曲自体すごく機械的で、無機質な感じがかっこいいですね。でも、どこか感情的に歌っているところが、かっこいいと思うところもあって。曲の構成だけじゃなく、サビで一気にキーが上がるところとかもいいなと思いますね。サビとかで、自分が今まで出したことないようなキーの音とかもあるので、そういうところは聞いてほしいです。

彼には彼の良さがあるし、すごく尖って聴こえるし、すごくかっこいいので、自分が歌う意味は何だろうと。自分が歌うとしたらどうするだろうなというところで、彼の曲のイメージは独り言という感じがするところに対して、自分が歌う時は発信する意味で歌うように気をつけつつ、深いことは考えずに、機械みたいに淡々と歌うところもあれば、エモく（エモーショナルに）歌おうというところもあったので、そういうところは意識して歌いました。

――最後に、楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。

佐香：「不完全モノクローグ」は、僕にとっても大好きな曲になりました。ぜひ手に取ってじっくり聴いていただきたいです。僕自身、この曲を通じて、今まで知らなかった自分に出会えたので、聴いてくださる方にも自分の知らない自分を見つけてもらえる1枚になったらいいなと思っています。来年2月15日には「不完全モノクローグ」を含む、ダークな僕の世界観と普段のアコースティックを中心としたスイートな部分、両方を存分に楽しめるワンマンライブを予定しておりますので、ぜひそちらにもお越しください！

佐香智久13thシングル『不完全モノクローグ』

【発売日】2018年12月5日(水)
【収録内容】
M1：不完全モノクローグ（TVアニメ 「抱かれたい男1位に脅されています。」 OPテーマ）
作詞：佐香智久　作曲：まふまふ／佐香智久　編曲：まふまふ
M2：アリエラ feat.天月-あまつき
作詞・作曲：佐香智久　編曲：二木元太郎
M3：輪廻転生　　　　　　
作詞・作曲：まふまふ　編曲：山口たこ
M4：不完全モノクローグ　–Instrumental–
※初回生産限定盤・通常盤に収録

▲通常盤

M4：不完全モノクローグ　–TV Size–
※だかいち盤（期間生産限定盤）に収録

▲だかいち盤（期間生産限定盤）

【価格】
●初回生産限定盤（CD＋DVD）　1,600円（税抜）
不完全モノクローグ-Music Video-収録DVD付き
●通常盤（CD）　1,300円（税抜）
●だかいち盤（期間生産限定盤）（CD＋DVD）　1,600円（税抜）
TVアニメ「抱かれたい男1位に脅されています。」描き下ろしイラスト・デジパック仕様、TVアニメ「抱かれたい男1位に脅されています。」ノンクレジットOPムービー収録DVD付き

ワンマンライブ情報

佐香智久 ワンマンライブ「ビター&スイート -Live is like a box of chocolates-」
公演日：2019 年 2 月 15 日(金) 開場 17:45 / 開演 18:30
会場：東京：TSUTAY O-EAST
チケット代：スタンディング4,500(税込・ドリンク代別)
※詳細は佐香智久 公式 HP をチェック

佐香智久 公式HP