舞浜に輝く五ツ星が踏み出した新たなスタートライン――「BanG Dream! Argonavis 1st LIVE」レポート
2019年5月17日(金)、舞浜アンフィシアターにて「BanG Dream! Argonavis 1st LIVE」が開催されました。
『ARGONAVIS from BanG Dream!』は、『BanG Dream!(バンドリ!)』発のボーイズバンドプロジェクト。メンバーは、七星 蓮役・伊藤昌弘さん(Vo.)、五稜結人役・日向大輔さん(Gt.)、的場航海役・前田誠二さん(Ba.)、桔梗凛生役・森嶋秀太さん(Key.)、白石万浬役・橋本祥平さん(Dr.)の5人。
昨年、2018年7月に行われた「0-1st LIVE」を皮切りに、日向さん、前田さん、森嶋さんの3人で活動を開始したArgonavis。その後、「0-2nd LIVE」「0-BEYOND LIVE」とライブを重ねる度に、伊藤さん、橋本さんが加入し、満を持してフルメンバーで迎えた今回の公演。
本稿では、そんな記念すべき1stライブの模様をお届けします。
五つの新星が魅せる唯一無二のパフォーマンス
ライブはミニキャラクターによる楽屋トークからスタート。ライブを直前に控え、緊張気味のメンバーの微笑ましいやり取りが見られると、5人の掛け声でライブが開幕。
ステージ中央のせりからキャストが登場すると、拳を突き合わせて円陣を組み、オープニングナンバーの『ゴールライン』を披露します。既にいくつものステージを乗り越えているとはいえ、ステージ・客席の熱量は、もはや1stライブとは思えないほど。
「みんなも一緒に歌ってください!」と伊藤さんが呼びかけると、続け様に『Butter-Fly』をカバー曲として熱唱。
円形のステージを大胆に立ち回るダイナミックなパフォーマンスで客席を圧倒します。
さらに、2番のサビは観客とシンガロングし、ライブ序盤であることを忘れてしまうほどの一体感が生まれました。
MCでは観客に向けての挨拶と当日の意気込みを述べていきましたが、ここではあくまでキャストではなくキャラクターとしてトーク。
改めて『ARGONAVIS from BanG Dream!』の世界観への没入感が高まったところで、伊藤さん、もとい蓮の「ここから始まる航海の歌、『Steady Goes!』」の一言を合図に再びライブパートへ突入。
『Steady Goes!』の歌詞に込められた思いを噛みしめるように歌い、その言葉ひとつひとつを観客の胸に届けていきます。また、結人こと日向さんは何度もステージの最前でギターを熱演し、直前で目の当たりにした観客を熱狂の渦に巻き込みました。
ラスサビ終わりでは、伊藤さんが優しくはにかんで見せ、心を撃ち抜かれた観客からは男女問わず黄色い歓声が上がります。
ここで一度ステージが暗転すると、再びミニキャラクターによるリハ風景のトークが展開。セットリストがなかなか決まらない面々が、カバー曲について話し合う風景が描かれると、そのままメンバーのソロボーカルによるカバー曲パートが始まります。
トップバッターを務めるのは、日向さんによる『サムライハート(Some Like It Hot!!)』。
観客のコールを全身に浴びながら、結人らしくハイテンションなパフォーマンスで会場をよりいっそう盛り上げます。
重々しくも、どこか儚げなピアノの音色と共に登場したのは前田さん。
『季節は次々死んでいく』を、ひとつひとつのフレーズに寄り添いつつ、航海ならではの温かみが込められた歌声で情感たっぷりに歌い上げました。
続く森嶋さんは『青い栞』を披露。
森嶋さんの人柄を感じられるような柔らかい雰囲気や、凛生の強かさが感じられる芯の通った歌声に、思わずペンライトを振ることすら忘れて聞き入る観客が見られたほど。
歌い終わったあと、歓声よりも拍手が多かったことがその結果と言えるでしょう。
しっとりとした空気から一転、会場の温度を一気に引き上げたのは、橋本さんが歌う『シュガーソングとビターステップ』。
元気いっぱいに登場したかと思えば、イントロ部分では軽やかにステップを踏みながら全身で表現したりと、ステージを駆け回りながらエネルギッシュなアクションで盛り上げます。
Argonavisのムードメーカーでもある万浬ならではのパフォーマンスで、アンカーの蓮へバトンを繋ぎました。
特撮好きの蓮、もとい伊藤さんが歌うのは『UNION』。
アニソンファンのツボを突いてくるカバー曲パートのラストナンバーに、観客のテンションも最高潮。
自然と客席からはハンドクラップが沸き起こり、イメージカラーである白のペンライトが伊藤さんを包み込みます。
伊藤さんのヒーローの如く堂々と真っ直ぐに歌う姿や、しなやかに伸びるハイトーンボイスに多くの観客は魅了されたことでしょう。
それぞれのキャラクターの色を出しながらも、Argonavisの名の下で繰り広げられるカバー曲の連続に、ステージと客席が一体となって前半のクライマックスを迎えました。
怒涛のアッパーソングラッシュの中に光る5人の個性
再びメンバー全員がステージに登場すると、『流星雨』にてライブ後半戦の幕が上がりました。
伊藤さんと日向さんによるツインボーカルが美しいハーモニーを会場中に響かせると、歌声に呼応するかのように客席のペンライトが優しく揺れ動きます。
青い光の中にところどころ黄色く輝く光は、夜空に広がる星々のよう。そんな星空に向けて続け様に『天体観測』を披露し、Argonavisの面々は思い思いの歌声や音色を響かせました。
ここで改めて、キャストとして観客に自己紹介。次いで、チケット完売のお礼や、Argonavisオリジナルモデルの楽器について、イメージカラーを取り入れた衣装のお披露目など、仲の良さが十二分に伝わるトークが展開します。
いい意味でライブ中とは思えない楽しげなキャストの姿には、どこかキャラクターの面影を感じられ、自然と笑みがこぼれている観客も多数見られました。
そんな会場の楽しげな雰囲気を残しつつ披露したのは『メリッサ』。
ここで驚かされたのは、伊藤さんのロングトーン。入サビの終わりにシャウトしたかと思えば、Aメロが始まる直前まで続いているという驚異の歌声に客席のボルテージは急上昇。
また、ベースが映える曲ということもあり、前田さんが奏でる低音も負けていません。
バンドのリズムを支えつつも要所では、そのテクニックを見せつけ楽曲を勢いづかせます。日向さんと並んでプレイする間奏部分も、熱くこみ上げてくるものがあるほど。
そして、ラスサビ終わりには再び伊藤さんの容赦ないロングトーンが響き渡り、余韻に浸る隙を与えません。
間髪入れずに橋本さんのパワフルなドラムのビートが轟くと、『READY STEADY GO』を披露。
リズム隊の見せ場と言わんばかりに、前田さんと橋本さんはひとつひとつのビートを大事に刻むと会場全体が縦ノリで揺れ、サビでは観客が一体となってシンガロング。
さらに、キャストによる和やかなグッズ紹介コーナーを挟んだかと思えば、クライマックスに向けて『GO!!!』を熱唱。
Aメロでは森嶋さんがボーカルとして参加する場面も見られ、会場はよりハイテンションに。怒涛のアッパーソングの連続に、観客も負けじとペンライトを手にコールを送る姿が印象的でした。
しかし、早くもここで本編ラストの楽曲に。伊藤さんが「最後にArgonavis全員の想いを、5人の声を、聴いてください」と呼びかけると、新曲の『VOICE』を歌い上げます。
初めて披露する楽曲にも関わらず、コーラスに参加する方も多数見受けられるほどで、キャストと観客が一丸となって最後まで駆け抜けました。
(C)BanG Dream! Project