衝撃の展開から最終回まであと1皿! 今からでもまだ間に合うTVアニメ『さらざんまい』の見どころを総まとめ!
『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』など、数々の名作で知られる幾原邦彦監督の最新作、TVアニメ『さらざんまい』が、毎週木曜24:55からからフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて絶賛放送中!
突然尻子玉を搾取され、カッパになってしまうという衝撃の第1話から始まった『さらざんまい』。様々な謎を残す中、最終回まで残すところあと1話となりました。
今回はその最終回にむけて、『さらざんまい』の全体を振り返りつつ、見どころとなるポイントを紹介します。
目次
- カッパに変身!? 尻子玉搾取!? 次々と起こる衝撃の展開!!
- 随所にちらばる「イクニワールド」の世界
- 「さらざんまいのうた」「カワウソイヤァ」挿入歌にも注目!
- 最終回はどうなる!? 気になる伏線は回収されるのか?
- TVアニメ『さらざんまい』作品情報
カッパに変身!? 尻子玉搾取!? 次々と起こる衝撃の展開!!
【イントロダクション】
つながっても、見失っても。手放すな、欲望は君の命だ。
舞台は浅草。
中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。
『元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』
ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!
同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。
公式サイトのイントロダクションだけでも常軌を逸していますが、まずはこの破茶滅茶な世界観の用語とストーリーを簡単に解説していきます。
尻子玉とは『デジタル大辞泉』によると、肛門にあると考えられた玉で、河童(かっぱ)が好んで抜くといわれたものです。
しかし、『さらざんまい』での尻子玉は「人間の欲望エネルギーを蓄積する臓器」であり、人間がその尻子玉を抜かれるとカッパになってしまうとのこと。
諏訪部順一さんが演じるケッピは、カッパ王国第1王位継承者を自称する謎のカッパ型生命体で、人間の尻子玉を抜いてカッパにしてしまいます。
王子であるがゆえに「カエル」という侮辱を受けるとついカッとなって尻子玉を抜いてしまうので、一稀、悠、燕太の3人もあっという間にカッパにされてしまいました。
衝撃の尻子玉搾取シーンは第1話の最大の見どころのひとつです。
また、戦う敵であるゾンビは、生前執着していた欲望を満たそうとしており、尻子玉を抜けば消滅します。
一稀たち3人は「さらざんまい」を発動し、ゾンビの尻子玉を抜いて、尻子玉をケッピに転送。するとケッピからどんな望みでも叶えることができる「希望の皿」が与えられることに。
「希望の皿」は某お菓子商品のように「金の皿」だと1枚、「銀の皿」だと5枚集めれば願いが叶うと言うケッピ。
そこで3人はそれぞれの願いを叶える為にカッパとなってゾンビと戦い、「希望の皿」を集めるようになるのです。
しかし、「さらざんまい」とはケッピ曰く「身も心もつながるということ」で、知られたくない秘密も共有(漏えい)されてしまいます。
その秘密がなんと全部衝撃的! 一稀と弟・春河の関係、燕太の一稀に対する本当の気持ち、悠の罪を犯した過去など……想像を超える「欲望」の真実が10話をかけて次々と描かれました。
このように、こちらでまとめただけでも圧倒的な情報量です。しかし、それゆえに奥深く、いわゆる“沼”な作品になっています。『さらざんまい』の世界に入り込めば入り込むほど、様々な発見があることでしょう。
そして、『さらざんまい』の作品のテーマは「つながり」。そしてキーワードとなるのは「欲望」。
幾原監督の過去作品でも同じようなテーマが描かれていましたが、本作は人間のよりドロっとした「欲望」が描かれています。
その「欲望」が、きらびやかなビジュアル、キャッチーな用語やセリフ(このあたりももちろん見どころなのですが……)の中に巧みに隠されており、時折見え隠れし、見ている者の心をザラつかせるのです。
幾原監督が描きたかったテーマを探るのも魅力の1つではないでしょうか?
随所にちらばる「イクニワールド」の世界
「生存戦略」というワードで話題を集めた『輪るピングドラム』のように、本作も「尻子玉搾取」や「カワウソイヤァ」など奇抜な演出がところどころに登場します。
その独特すぎる世界観をもつ幾原監督の作風は通称「イクニワールド」と呼ばれており、『さらざんまい』ももちろん「イクニワールド」全開です!
「輪るピングドラム」ではペンギン、「ユリ熊嵐」では熊をフィーチャーしてきましたが、今回はなんと“カッパ”と“カワウソ”です。
室町時代の国語辞典『下学集』には「獺(カワウソ)老いて河童(カワロウ)に成る」とあるほど、カッパとカワウソは昔から関係が深いそうです。
『輪るピングドラム』のペンギンも「きゅきゅきゅ」という鳴き声と動きがとてもかわいかったのですが、今回のカッパになった主人公たちはさらに必見。カッパとカワウソが何を意味しているのかにも注目したいところです。
そして、幾原監督と言えば『少女革命ウテナ』のような耽美な世界観も魅力のひとつ。
今作でその部分を担当しているのは警官の新星玲央と阿久津真武の2人のシーンではないでしょうか。
玲央が真武の胸から心臓を取り出そうとするシーンはまるで『少女革命ウテナ』のワンシーンのよう。『少女革命ウテナ』や『ユリ熊嵐』ではどちらかというと女性同士の関係が濃厚に描かれてきましたが、今回は登場人物がほぼ男性。
幾原監督が男同士の「つながり」をどう描くかも見どころのひとつです。
また、越阪部ワタル氏によるピクトグラムやアイコンマークにも注目です。
『輪るピングドラム』や『ユリ熊嵐』でも随所にのちの伏線となるアイコンが出てきましたが、今回も多数出てきます。
特に気になるのは標識等いろんな場所に表示される「ア」。
「ア」から電波のようなものが出ていたり、「ア」の標識が裏返るとカワウソのマークになる等、伏線と思われるようなシーンが第1話から盛り沢山。背景など細かい部分も何度も見返して注目したいところです。
「さらざんまいのうた」「カワウソイヤァ」挿入歌にも注目!
『少女革命ウテナ』では「絶対運命黙示録」、『輪るピングドラム』では「ROCK OVER JAPAN」と、幾原監督作品では印象的な挿入歌が使われ、注目を集めました。
今回も注目すべき挿入歌が2曲あります。
それはバトルシーンで流れる矢逆一稀(CV.村瀬歩)、久慈悠(CV.内山昂輝)、陣内燕太(CV.堀江瞬)、ケッピ(CV.諏訪部順一)が歌う「さらざんまいのうた」と、警官の新星玲央(CV.宮野真守)、阿久津真武(CV.細谷佳正)が踊りながら歌う「カワウソイヤァ」の2曲。
MAPPAとラパントラックによる美麗なバンクシーンと、作曲家・橋本由香利による癖になる楽曲で毎週見ても飽きがこないどころか、むしろそのシーンがないと物足りなくなってくるところがイクニワールドの不思議のひとつです。
作詞はシリーズ構成を務める幾原邦彦・内海照子のお二人なので、作品を深く知るためにはフルサイズも聴く必要がありそうです。2019年6月5日(水)にリリースされたばかりの新曲を要チェック!
「さらざんまいのうた」の中で決めている「さらっと」ポーズは、3人が幼い頃憧れていたサッカー選手のポスターのポーズと似ていますが、このポーズが何を意味しているかも気にかかります。
最終回はどうなる!? 気になる伏線は回収されるのか?
第8話では燕太が玲央の放った銃弾から一稀をかばい瀕死の状態に。
第9話ではカワウソに翻弄される玲央と真武の関係を決定づける出来事が起こり、さらに悠の兄・誓が組織の抗争に巻き込まれついに死んでしまうという衝撃の結末で終わりました。
その中で“カワウソ”についても明らかに。カワウソとは概念としてこの世界に存在し、欲望をうつしだす鏡とのこと。
玲央はカワウソに真武を支配したいと思う欲望にまみれた自分を見せられ、カワウソの言う通り、欲望=カワウソに踊らされてしまいます。そしてついに第10話では玲央と真武の知られざる秘密が明らかに……。
「つながり」「欲望」「カッパ」「カワウソ」「ケッピ」「ア」「スカイツリー」「ミサンガ」……はりめぐらされた伏線が最終回でどのように回収されていくかが幾原監督作品の見どころです。
兄に導かれ、縁の外側を目指す悠。あとを追う一稀と燕太は悠を取り戻せるのか……?
ケッピとカワウソの戦いの行方は?
愛も嘘も欲望も、すべての痛みを共有してきた3人は、今何を願うのかー?
辿り着いた場所で、3人は何を見るのか―?
最後に一稀、燕太、悠の3人は再びつながれるのか……。
今後の展開に目が離せません!
[文・きっしー]
TVアニメ『さらざんまい』作品情報
放送情報
■フジテレビ“ノイタミナ”にて4月11日(木)24時55分より放送開始!
アニマックスほか各局でも放送
※放送日時は変更となる場合がございます。
INTRODUCTION
舞台は浅草。
中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。
『元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』
ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!
同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。
STAFF
監督:幾原邦彦
チーフディレクター:武内宣之
シリーズ構成:幾原邦彦・内海照子
キャラクター原案:ミギー
キャラクターデザイン・総作画監督:石川佳代子
コンセプトデザイン:柴田勝紀
助監督:松嶌舞夢
美術監督:藤井綾香 スタジオPablo
色彩設計:辻田邦夫
撮影監督:荻原猛夫
編集:黒澤雅之
音楽:橋本由香利
原作:イクニラッパー
制作:MAPPA/ラパントラック
CAST
矢逆一稀:村瀬歩
久慈悠:内山昂輝
陣内燕太:堀江瞬
ケッピ:諏訪部順一
新星玲央:宮野真守
阿久津真武:細谷佳正
春河:釘宮理恵
久慈誓:津田健次郎
陣内音寧:伊瀬茉莉也
吾妻サラ:帝子
ゾンビ:加藤諒
パッケージ情報
●Blu-ray
●DVD
【第3巻】アニメイトオンラインショップでの購入はこちら
MUSIC
■オープニング・テーマ:KANA-BOON「まっさら」
■エンディング・テーマ:the peggies「スタンドバイミー」