この記事をかいた人
- 福室美綺
- 福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。親友であり敵のような複雑な関係性が大好物です。
――アフレコ収録が進む中で、好きなシーンや印象に残ったシーンはありましたか?
矢野:『ギヴン』に関しては、本当にたくさんあります。どれか1つを選ぶのはすごく難しいですね。
真冬が関わっているところを挙げるなら、立夏のギターを聞いたときに初めて「ギターがやりたい!」と心が動くシーンですね。
あとは、鼻歌を歌って立夏がバンドに誘いたいと思うシーンも印象に残っています。
自分の歌で心が動いてくれた立夏を、真冬は「自分は感情表現が下手だから」と怒らせてしまうシーンですね。
そのシーンは真冬のセリフがありませんが、セリフがなくても収録中はずっと立夏の横にいて、雄馬くんのお芝居を肌で感じています。
それがまた演者として心が動かされて、本当に泣けてきて。
台本の真冬のセリフは「………」になっていても、その中にもキャラクターの想いがあると感じ取れる空気感だったので、本当に印象的に残っています。
――本当に特別な空間だったんですね。
矢野:はい。本当に雄馬くんのお芝居がすごくて。
また、「………」がとにかく多い台本なんですが、そこにもきちんと意味があり、お芝居が続いています。
“間”を贅沢に使いつつ、その“間”の後にくるセリフの良さが強く感じられる作品です。
BLが好きな人はもちろんですが、僕がそうだったように、BLをあまり知らない方にもぜひ見ていただきたいと思います。
ハードルがあるかもしれませんが、ノイタミナでバンドものという触れやすい環境ですし、みなさんの想定を超える作品です。
重たい話が根底にありますが、登場人物の個性的でユーモアなかけ合いもあるので「クスッ」と笑えるシーンもあります。
全部が重たいものではなく、彼らの青春を日常の中で感じていただけるところに『ギヴン』の魅力があると思うので、多くの方に見て知っていただきたいです。
全11話しかない中で、そこにこれだけの尺を使っても良いの!? と感じられるほど、何でもない会話をファミレスや焼肉を食べながらしているシーンや日常を感じられるシーンがたくさんあったりして。
でも、その何でもない日常のシーンにこそ、彼らの魅力がすごく詰まっているように感じるんです。そこからシリアスな話などすべてにつながっているような気がします。
そんなシーンを演じていると、やっぱりキヅナツキ先生はすごいな、と。なので、ぜひ『ギヴン』をよろしくお願いいたします。
[インタビュー・文/福室美綺 写真/相澤宏諒]
好きだったはずのギターも、おもしろかったはずのバスケも、くすんで見え始めたある日、上ノ山立夏は佐藤真冬と偶然出会う。日々の生活の中で音楽への情熱を失いかけていた立夏だったが、偶然聴いた真冬の歌が刺さり、2人の距離は変わり始める。ノイタミナ初となる、BLコミックのアニメ化。新書館「シェリプラス」で連載中、大人気の青春バンドストーリーがアニメで動き出す!もっと歌いたい、君のとなりで――キヅナツキが描く、オルタナティヴ・ラブ!
ある日、上ノ山立夏は壊れたギターを抱えた佐藤真冬と出会う。ギターを修理したことで懐かれてしまう立夏。仕方なくギターを教えることになった立夏だったが、偶然聴いた真冬の歌が心に刺さる。立夏は真冬を自分のバンドに誘い、2人の距離は変わり始める。しかし、感情を表現することが苦手だという真冬は、過去に囚われているようで――。
原作:「ギヴン」キヅナツキ(新書館「シェリプラス」連載中)
監督:山口ひかる
シリーズ構成:綾奈ゆにこ
キャラクターデザイン/総作画監督:大沢美奈
美術設定:綱頭瑛子
美術監督:本田光平
色彩設計:加口大朗
撮影監督:芹澤直樹
撮影監督補佐:中川せな
CG監督:水野朋也
編集:伊藤利恵
音響監督:菊田浩巳
音楽:未知瑠
アニメーションプロデューサー:比嘉勇二/秋田信人
アニメーション制作:Lerche
オープニング・テーマ :「キヅアト」 センチミリメンタル
エンディング・テーマ :「まるつけ」 ギヴン
佐藤真冬:矢野奨吾
上ノ山立夏:内田雄馬
中山春樹:中澤まさとも
梶 秋彦:江口拓也
村田雨月:浅沼晋太郎
鹿島 柊:今井文也
福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。好きな作品は『Free!』『NO.6』『十二国記』『ギヴン』『新世界より』など。好きな声優さんは保志総一朗さんと坂本真綾さん。ハッピーエンドよりも意義のあるトゥルーエンドや両片想いが大好物な関係性オタクで、主にイベントレポートやインタビューを担当しています。最近はVTuberがマイブーム。