【夏アニメ特集】『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』浪川大輔さん&上田麗奈さんインタビュー|アフレコ現場では浪川さんが事件をバラまいていた!?
アフレコ中に別の“事件”が多発!?
――演じる上で苦労したり、この部分を気をつけて演じたというところはありますか?
浪川:ディレクションの際に言われてよく悩んだのは、「ここはウェイバーで」「ここはエルメロイⅡ世」で、という指示ですね。
ほんの僅かなのですが、この(エルメロイⅡ世の)見た目のまま、声だけウェイバーになるっていう場面もあって、演出でもしっかりウェイバーの表情になっていたりするんです。
ただ、急に声の雰囲気が変わりすぎるのも違和感が出ると思いますし、ある程度明確な線引きはしてもらいながらも、そのバランスには苦労しましたね。
あとはやっぱり、ちゃんと台詞を言えるかどうか。作品自体はシリアスなシーンが多いのですが、収録中のスタジオ内はもう爆笑の渦ですよ。
――それは一体どういう……?
上田:(若干言いにくそうに)ええと、難しい漢字がいっぱい出てくるので……(笑)。
――なるほど、漢字の読みが(笑)。
浪川:台本も漢字が多いですからね。もう収録中もいろいろな事件が起きていて、もはやこっちこそ“事件簿”です。
上田:本当は浪川さんが謎を解決するはずなんですけど、一番事件をばら撒いているような……(笑)。
一同:(爆笑)。
浪川:周りが事件を解決してくれていますから(笑)。そこが収録現場と本編で一番違うところですね。
――具体的に言いにくかった台詞や単語はどんなものでしょうか?
浪川:実は“魔術師”って結構言いにくいんです。これが出てくる頻度も高くて、多い時だと3行に5個くらい入っている時もあるくらいで。
それでも一生懸命説明するんですけど、それとカタカナの用語が組み合わさった時は特に厳しくなりますね……。
ただこれに関しては原作者の三田先生からも「大変でしょうけど頑張ってください」と直接声をかけられたこともあったくらいだったので、やっぱり作る側も大変だと分かって書かれているんだなと(笑)。
上田:私の場合は、とにかく英語が大変でした。
浪川:(収録では)一発OKだったけど、かなり緊張してたもんね。感動しましたよ。
上田:英語を喋る機会なんてほとんどないので、もう本当に滅茶苦茶緊張して……!
事前に英語のガイドをいただけていたので、それを何度も家で聴いて、現場にも持っていっていました。
浪川:素晴らしかったです! 個人的には「for you」の「for」の発音がすごくかっこよくて好きです。
上田:そこの部分だけは得意なんです(笑)。
音響監督さんには、(緊張で)怖くて声が震えていたことが、マイク越しに分かったみたいなのですが、「不安そうな感じも含めてリアルな雰囲気が出ている」と言っていただけて、安心しました。
――グレイを演じる上で気をつけた部分はありましたか?
上田:あるスタッフの方が、「グレイの表情を描くのが大変」ということをおっしゃっていたのが印象に残っていて。
グレイは無表情に見えますが、意外と感受性豊かな子なんです。そういう難しさもあって、最終的に加藤監督が表情を修正することがかなり多いそうです。
その話を伺っていたので、きっと絵コンテだけだと、どんな表現が正解なのか分からないと思い、絵コンテの表情はあまり意識しすぎないように演じています。
台本を読んだ時に感じた自分の感情も乗せながら、音響監督さんたちとすり合わせを行っていくような形で、役作りを進めていきました。
浪川:グレイに関しては、声が入ることに加藤監督もすごくワクワクされている様子でしたね。
声の演技にあわせて絵を変えるケースもあるそうなんです。もともとキャストとの距離の近い、話しやすい監督さんということもあって、キャスト陣も一緒に作品を作っている感覚が強くありました。
――キャストの方々の演技が、絵にも反映されるというのはすごいですね。
浪川:そういうのは、やっぱり我々としても嬉しいですよね。特にグレイは、なかなか表現が難しいキャラクターだと思うのですが、めっちゃ可愛い!
あんな娘に「師匠」と呼ばれて慕われたら、男としてはたまらない。特にエルメロイⅡ世は、周囲が彼に厳しくあたってくる人間ばっかりなので……。
――もう一人のヒロイン的な存在である、ライネスについてはいかかでしょうか?
浪川:あのひねくれた感じも含めて可愛いというのはすごく分かるんです。……ただ、もし自分がエルメロイⅡ世と同じ立場で、目の前にいたらたぶんムカつくんじゃないかと思います(笑)。
上田:確かに、エルメロイさんの視点から見るとそうなのかも(笑)。けど、傍から見てる分にはとにかくかわいいですよね。
『事件簿』は全体的に、完成した映像を見ると、絵コンテと比べてキャラクターの表情が変わっていることが多かったのですが、グレイとライネスに関しては特にそれが顕著な気がしていて。作画の方もすごく気合を入れて丁寧に描いてくださっていることが伝わってきました。
今後はグレイとライネスの女子会みたいなシーンもあるらしいので、そのシーンも素晴らしいものになりそうだと今から楽しみにしています。