『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』高橋李依×内山夕実 対談|TVアニメ第2期につなぐ架け橋を大切に演じて
先日、TVアニメ第2期の製作も発表された人気アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』の完全新作アニメ第2弾『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』が2019年11月8日より全国劇場公開! 今作はエミリアとパックにスポットを当てたTVシリーズの前日譚が描かれます。
『氷結の絆』の公開を記念して、エミリア役の高橋李依さん、パック役の内山夕実さんに7月28日に行われた「MF文庫J夏の学園祭2019」のステージ後にインタビューを実施。アフレコを前に熱い想いや意気込みを語ってくれました。
『氷結の絆』への期待感の大きさといよいよ感を感じた「MF文庫J夏の学園祭2019」
――「MF文庫J夏の学園祭2019」の『リゼロ』ステージに出演された感想をお聞かせください。
パック役 内山夕実さん(以下、内山):去年に続いて参加させていただいて、また『リゼロ』のみんなと一緒に帰ってこられたことがうれしかったですし、1週間前にあった作品単独のイベント(「Memory Snowスペシャルイベント」)とは違った緩やかさもありました(笑)。
また、たくさんの方たちが『リゼロ』の今後に期待してくださっているんだなと感じることができて有意義な時間でした。
エミリア役 高橋李依さん(以下、高橋):今回のステージでは『氷結の絆』と、TVシリーズ第1章から第3章を振り返るバラエティーコーナーもあって、『氷結の絆』に向けて動き出したんだなという実感がより強くなりました。
前週に『Memory Snow』にがっつり寄り添ったイベントをやったこともあって、一歩歩み出したんだなとイベントの中でも感じたし、最後に皆さんへのあいさつをする時もしみじみとしてしまって。今日来てくださった皆さんのお顔を見て、「頑張らなきゃ!」と思いました。
――そろそろ「『氷結の絆』の新情報が発表されるのでは?」と皆さん、強い関心を持って参加されたと思います。
内山:『氷結の絆』の新しいキービジュアルと第2弾PVもステージ中に披露されて、直前までのバラエティ感あふれる空気がガラっと変わりましたね(笑)。「遂にか」という気持ちは私たちキャスト陣だけではなく、お客さんも感じられていたのではないかと思います。
高橋:ただ、あのPVを見た後だったので空気がちょっと(笑)。だからその後のお知らせも粛々と。
内山:あらすじも読んだんですけど、あの内容をひょうひょうと読むわけにもいかず。
高橋:「(かわいく似せて)僕はパック」みたいには。
内山:それはちょっと違うなと思いまして(笑)。短い時間ながらメリハリがある内容だったなと思いましたし、いよいよ感も実感できて、これから始まるアフレコに向けて気合を入れてもらえた気がします。
新作はエミリアとパックがメインの物語。うれしさ+大きなプレッシャーも
――ちなみに新作OVAが制作されることを知ったのはいつ頃だったのでしょうか?
高橋:去年の9月にあった『Memory Snow』の劇場公開直前イベントの終わりに発表したんですよね。
内山:そのイベントの舞台裏で「次の新作アニメは2人の話だよ」と聞かされました。パックにとってリア(エミリア)は絶対的な、唯一無二の存在ですが、どういう経緯でそうなったのかはTVシリーズでは描かれていなくて。
もちろん既に只ならぬ関係であり、2人の間に割って入れる人はいないだろうという描写はたくさんありましたけど、いよいよそれがひも解かれていくのかと、演者としてもいちファンとしてもうれしい気持ちと、「大切に演じなきゃ」という、いい意味でのプレッシャーもあります。でも楽しくやれたらいいなと思っています。
高橋:私は「続きがあるよ」と聞かされた時、まさかOVAを2本もやるとはと驚きが大きかったです。短編で独立して描かれることになるとは予想外。絶対に成功させていい形で第2期にバトンタッチしなきゃ、スバルにバトンをしっかり渡さなきゃというプレッシャーも感じました。
運命に抗ってきたスバルの物語を演者としても視聴者としても見てきたからこそ、「エミリアの葛藤を1本作るってどうなるんだろう?」と。エミリアとしてリゼロを引っ張るには正直、まだ自信がなくて、大丈夫かなという気持ちが強いです。
新作は『リゼロ』らしい。エミリアとパック視点で描かれるので新鮮!
――前作のOVA『Memory Snow』がハッピーな内容だったので、2本目はどうなるのか、『リゼロ』ファンもまったく想像できなかったと思います。でも『氷結の絆』の公式サイトやPVを見たらある意味、『リゼロ』らしいシリアスな雰囲気でした。
高橋:ファンの皆さんは『リゼロ』らしいものが見たいのかなという空気感も感じていました。『Memory Snow』は特別に温かい時間だったねとキャストやスタッフの皆さんとお話ししつつ、次に向けての何かをしなきゃいけないという雰囲気も(笑)。
内山:わかる!『Memory Snow』では、たくさんのキャラが出てきて、それぞれに見どころもありましたが、『氷結の絆』は原作を読まれている方だけではなく、読んでいなくてもPVをご覧になった方ならエミリアとパックがメインの物語であることは察しがつくと思います。
2人にスポットを当てて描いていただくということは必然的にエミリアやパックと向き合う時間も増えるわけで、いつも以上に気合を入れてやらなくてはという想いが強いです。
――TVシリーズでのエミリアはスバルとの対話や視点からほとんど描かれていたと思いますが、今回は確実に違いますよね。
高橋:TVシリーズでは例えばスバルとエミリアがケンカした時もお互いの主張があるけど、視聴者の方はスバルの視点を通してエミリアを見て、考えるわけで。そういう意味では今回、エミリアの視点、パックの視点で描かれるのは新鮮ですね。
今までにないパックはPVでも体感。エミリアの過去を知ることでより共感しやすく
――あとパックはTVシリーズでは登場しない期間も結構あったので、パックファンの方にも待望のエピソードでしょうね。
内山:そう感じていただけるとうれしいです。出番があっても主人公たちとは違う次元で考え、行動していることが多かったので、この作品でパックが何を考えているのか、わかっていただけるのではないかと思っています。
PVの収録では「今までこういう面持ちで言葉を発したことはなかったな」と思うくらい、いつものテンションではないパックがいました。TVシリーズをご覧になっていた方には今まで想像できなかったパックをたくさん見ていただけると思います。
――エミリアもまたTVシリーズ第1話でなぜ姿を人目を気にしたり、人と接することを避けていたのか、その理由もより理解できたし、エミリアへの愛おしさも増しました。
高橋:そうなってもらえたらうれしいです。エミリアは人のために頑張り、傷つきながらも報われず、救われず、ずっとパック以外、味方がいない状況。それでも素直に助けを求めたり、口にできない不器用さも彼女の魅力だと思いますが、『氷結の絆』が公開されたら、せめてこの3次元では味方が増えてくれたらという希望もあります(笑)。1人でも多くの方に「エミリア頑張ったね」と思ってもらえたらうれしいです。
エミリアとパックに漂う特別な空気感の始まりがわかる内容に
――また『リゼロ』はキャラ同士の熱い掛け合いも見どころの1つですが、今回は長く掛け合うシーンがエミリアとパックにありそうですね。
高橋:いままでにもありましたが、意味深なセリフをパックが言い出すことがあって。
内山:空気が変わるんだよね。
高橋:『Memory Snow』でも楽しい雰囲気の中、パックが引き締めるようなことを言ったりしました。エミリアと一緒にいる時の空気感って特別ですよね。
内山:「雪像たちも明日には融けちゃう」というセリフの後、「永遠に形が残るものなんてない」と言ったり。
高橋:1つひとつが意味深ですよね。
内山:私もそう思いながらも「果たして尋ねてみてもいいのだろうか?」と、言えないままここまで来てしまって。でも演じながら、「きっとパックは他に思うことがありながらきっとこの言葉を発しているんだろうな」という部分は随所に感じられて。
スバルでさえも入れないような、リアとの2人だけの特別な空気感はTVシリーズでも『Memory Snow』でもありましたが、それも『氷結の絆』があったからなんだろうなと思います。いろいろな意味でドキドキしています。
――エミリアとパックの熱い掛け合いを期待してます。
高橋・内山:……。
内山:ちょっと想像しちゃいました。
高橋:「これからアフレコがあるんだなあ」って。絶対あっという間だし。
内山:1本の劇場ものを収録するにあたって、限られた時間の中でいかにシンクロできるか、ですね。原作を読む限り、パックは今まで演じられていなかった部分がいっぱい出てくるので、今まで演じてきたキャラではあるけど、ここから築いていくものもあるんだろうなという気持ちで、皆さんの肩を借りながら頑張りたいです。
本作を見て、エミリアとパックの近寄りがたい関係とパックのクールさにご理解を!?
――以前、『リゼロ』の連続インタビュー企画で、渡邊政治監督が「パックに癒しを求めてしまう」みたいなお話をされたことをふと思い出して。もしかしたら監督のパック愛が、今回のエピソードのアニメ化につながったのでは?と(笑)。
高橋・内山:(爆笑)
高橋:うれしい! パックありがとう!
内山:本当ですか? でも内容読んだらドキドキですよ。
高橋:劇場の来場者特典も毎回パックのものにしましょう! パックタオル、パック歯ブラシとか。
内山:ひいきがひどすぎる(笑)。エミリアとパックはお互いに絶対的な存在でありながらも、視聴者からすれば、どこか近寄りがたい、理解や感情移入しにくかった部分もあると思いますが、『氷結の絆』を見て、2人に親近感や共感してくれる方が増えたらうれしいですね。
高橋:確かに。パックはスバルを殺しちゃってますからね。
内山:それも何度か……でも、それもリアの身にああいうことが起こってしまったからで!
高橋:今回を機に、視聴者の皆様にもご理解いただきたい。
内山:「パックって非情だな」ではなく、「それだったら仕方ないな」とご理解いただけたらパックも私もうれしいです(笑)。
渡邊政治監督の「パックに癒しを求めてしまう」については以下より
TVアニメ『リゼロ』監督が語るエミリアorレム、真のヒロインとは
演じる高橋さんと内山さんの関係性は?
――エミリアとパックは固い絆で結ばれていますが、演じる高橋さんと内山さんの絆は?
高橋:私たち、今日のステージで5万点の仲ですから。
――……それ以外でお2人の絆を証明できるエピソードはありますか?
高橋:私たち、かなりの確率で共演することが多くて。声質自体から相性がいいのかな? とか思ったり。
内山:私たち、バランスがいいのかもしれないね。
高橋:夕実さんにはいつもお世話になっています。
内山:こちらこそですよ! 出会った頃からこんな感じで、李依ちゃんはいつも場を明るくしてくれるし、何事においてもひたむきに、笑顔で、全力な子なので、先輩と慕ってくれているけど、私からしたら見習うところもいっぱいあって。現場にいてくれると安心感があるところはリアに対する想いくらい、いてくれてよかったなと思っています。
高橋:「えへへへ、お父さ~ん」。
内山:時々、性別が変わっちゃうところがちょっと、ですけど(笑)。
愛されキャラの高橋さん、放っておけない内山さん
――ちなみにお2人でお出かけしたりすることは?
内山:あります。この前もご飯食べに行ったよね?
高橋:はい! あとコラボカフェに一緒に行ったりとか。
内山:忙しいはずなのにフットワークが軽くて、誘うと「行きます! 行きます!」と言ってくれますし。仲良くしてもらってます。あとリアとパックの関係性がそうさせるのか、気になるんですよね。例えば体調悪そうにしているところを見たら、「ちょっと大丈夫?」って声かけたくなるし。
高橋:飴ちゃん、くれるんです!
内山:飴ちゃんとか言ったらオバちゃんみたいでしょ!
高橋:そうか! のどにいい飴をよくくれるんです。いつも気をつかってくださって。
内山:他の現場で会っても、「大丈夫? 濡れマスクとかあるよ」って。
高橋:アレもコレもあるよ、みたいな。
内山:保護者的な感覚に勝手になっちゃうんですよね。そういうふうに思わせてくれる愛らしさがあるんですよ。
高橋:私がうかつ過ぎて、飴もマスクも持ってないのが悪いんですけど。
内山:そうだね。今後は自分で持ち歩くようにしようか。
高橋:そうですね。「のどポーチ」みたいなものを作らなきゃと思いました。
――……高橋さん、何年目の方ですか?
高橋:いや、その……。
内山:こういうところがいいんです。みんなに突っ込まれるくらいの、愛されるキャラクターです。
――お2人の仲が冷え冷えでないことはわかりました(笑)。
内山:冷え冷えではありません。お互いに気をつかいあった結果、全力ですれ違っていることはよくありますけど(笑)。
高橋:氷くらい、硬くて、壊れない絆ということで(笑)。
『Memory Snow』のBD&DVDは劇場上映版から大幅ブラッシュアップ! 小林さんと高橋さんのコメンタリーも!!
――6月7日に『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』のBD&DVDが発売されました。本作の見どころやお気に入りシーンなどご紹介お願いします。
内山:パッケージ化にあたって、劇場上映された映像からちょこちょこ変わっているシーンがあるそうです。
高橋:例えばパックが常にキラキラしていたり。
内山:そうだ! そこは劇場では見られなかった部分なので、ぜひパックの輝きを見てください(笑)。
――あとTVシリーズは常に気を抜けない緊張感がありましたが、この作品は安心して見られますね。
高橋:そうですね。見ていただく方、それぞれにお気に入りのシーンがきっとあると思います。テンポよく場面が変わっていくこともあって、「お屋敷のシーンが見たい」とか「雪祭りのシーン見たい」とか「もめてるシーンが見たい」とか(笑)。それぞれのシーンが楽しくて、『リゼロ』でコメディをやるとこうなるんだと。
内山:オーディオコメンタリーもしてるんだよね。
高橋:ゆっけ氏(小林さん)とお菓子を食べながら、おうちでTVを見ている感覚でコメントをさせていただきました。ぜひ皆さんもおうちでお菓子を食べながら、コメンタリーを聞いていただけたら、きっと同じ空間で一緒に見ているような雰囲気で楽しんでいただけると思います。
リアとパックで心を通わせ、第2期につなぐ架け橋を大切に演じます
――では最後に『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。
内山:「遂にここを描いてくださるんだ!」という喜びと共に身の引き締まる想いです。TVシリーズの本編以外でも自分の演じているキャラと濃密に向き合える機会をいただけることはありがたいですし、今後、制作されるTVシリーズ2期につながるように頑張ります。
そして『氷結の絆』を見たうえで、TVシリーズを見直していただくと新しい発見や受け取り方をしていただけると思います。パックとしては今まで描かれていなかったり、演じられてこなかった部分も感じていただけると思いますし、よりパックを皆さんに理解していただけるように、リアと心を通わせながら大切に演じていければと思っています。『氷結の絆』、そしてTVシリーズ2期とまだまだ続く、『リゼロ』を引き続き応援よろしくお願いします。
高橋:『氷結の絆』が動き出したなと感じたのはつい最近で、第2弾PVが公開されて、「始まったな」と。こういう取材やインタビューを受け、お話ししていく中で、自分の考えを改めて確認して、言葉にすることで、一歩ずつ『氷結の絆』に向かって歩いている感覚です。
これだけ想いをお話しさせていただいたからにはアフレコも頑張らなきゃいけないなと気が引き締まるし、今日のイベントや『リゼロ』ラジオで皆様から感じる期待にもお応えしなくてはいけないと思っています。
私たちやスタッフの皆さんの『リゼロ』愛がたくさん詰まった、素晴らしい映像になると思いますので、期待しながら公開を待っていただきつつ、劇場で『リゼロ』を感じて、楽しんでいただけたらうれしいです。
『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』2019年11月8日 全国ロードショー
公開劇場は以下より
INTRODUCTION
キミのためになら、ボクはなんにだってなれる――。
2018年秋に劇場上映された『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』に続く、アニメ完全新作エピソードの第2弾。ヒロインのエミリアと精霊のパックが出会い、ロズワール邸に呼ばれるまでの物語。
エリオール大森林で暮らしていたエミリアがルグニカ王国の王選に臨むまでを描いた、TVシリーズの前日譚。
STAFF
原作・シナリオ監修:長月達平(MF文庫J『Re:ゼロから始める異世界生活』/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:大塚真一郎
監督:渡邊政治
チーフ・ディレクター:川村賢一
脚本:横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太
モンスターデザイン・モンスター作画監督:小柳達也
アクション作画監督:大田和寛
プロップデザイン:岩畑剛一、鈴木典孝
デザインワークス:コレサワシゲユキ、小高みちる、灯夢
美術監督:高峯義人
美術設定:青木薫
色彩設計:坂本いづみ
特殊効果:川西美保
3Dディレクター:軽部優
撮影監督:峰岸健太郎
編集:須藤瞳
音響監督:明田川仁
音響効果:古谷友二
音響制作:マジックカプセル
音楽:末廣健一郎
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:WHITE FOX
配給:角川ANIMATION
製作:Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
CAST
エミリア:高橋李依
パック:内山夕実
ナツキ・スバル:小林裕介
レム:水瀬いのり
ラム:村川梨衣
ロズワール・L・メイザース:子安武人
公式サイト
公式Twitter(@Rezero_official)