【秋アニメ特集】『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』アリス役・茅野愛衣さんインタビュー|長年の役者仲間である松岡禎丞さん・島﨑信長さんとの思い出
割り切ろうとしても割り切れなかった、二人のアリス
――幼少時と整合騎士で変わってしまったアリスの人格というのは、どのように演じ分けをされていたのでしょうか?
茅野:年齢も違いますし、割り切って別人として考えた方が演じやすいのかなと考えていた時期もあったのですが、結果的には割り切れなかった感じですね。
というのも、《アリシゼーション》編を通して演じてみて、「やっぱりアリスはアリスなんだ」と感じるようになったんです。子供の頃のアリスと、整合騎士としてのアリスは別の存在ではあるのですが、一人のアリスであることには変わりないというか。
これまでインタビューでは、私自身も「二人のアリス」だったり「アリスであってアリスではない」という表現を使ったりもしていたのですが、シンセシス・サーティとしてのアリスを演じている時も、ツーベルクとしてのアリスは生きていて。
記憶こそ繋がっていないのですが、どちらも同じアリスという人間として考えるようになりましたね。
――前半戦では、アリスが再登場するまで結構な期間があったと思うのですが、苦労した部分はありましたか?
茅野:久しぶりに出た時が、よりにもよってライオスとウンベールの回(※4)だったので、ルーリッド村の話からのギャップもすごくて、もう衝撃的でしたよね。
ただ間が空いていたからこそ、キリトとユージオの距離感の変化や成長を感じ取れたのが嬉しかったです。実際にアリスが登場するシーンでは、その嬉しさは押し殺していましたけど(笑)。
物語の流れを理解するのには、自分が出ていない修剣学院での部分も原作を読んで内容を把握していたので苦労はなかったのですが、あのあたりのエピソードも思い出すと、やっぱりラストでユージオがいなくなってしまったのが切なくなります。
※4:ライオスとウンベールの回
第10話「禁忌目録」のこと。ティーゼとロニエを監禁し、暴行を働こうとしたライオスとウンベールを見過ごせず、《禁忌目録》を破ったキリトとユージオは、アリスによって《セントラル・カセドラル》へと連行されることになる。
――《アリシゼーション》編は、最終的に命を落とすキャラクターも少なくないですよね。
茅野:彼らは元々データ的な存在ですから、それを「死」と呼んでいいのかどうかという問題も、考えるとさらに切ないんですよ。
私自身、昔から映画とかを見ていると、生身の人間よりも機械が壊れて動かなくなるシーンの方に涙を誘われることが多いのもあって。
ユージオたちは赤ん坊の頃から成長していて、一つの生命として捉えてもいいくらい重みのある存在だと思うのですが、現実世界の視点から見ると、簡単にデータのように消去できてしまうのが恐ろしいですね。
これが一体どういう結末を迎えるのか、私自身も早く原作の続きを読みたくて仕方がないです。