劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』安野希世乃さん、大西沙織さん、茅野愛衣さんインタビュー|ついに完結を迎えるアニメ『冴えカノ』と演じるキャラクターへの想いとは
2度のTVアニメ化を果たした人気作『冴えない彼女の育てかた(以下、冴えカノ)』が、2019年10月26日より公開される劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』で、ついにクライマックスを迎えます。
TVアニメ第2期『冴えない彼女の育てかた♭』では、主人公・安芸倫也のゲーム制作サークル“blessing software”の別れと再出発が描かれ、新たな希望と非常にもどかしい気持ちで終了しました。
劇場版は、その物語の続き。原作が刊行されたのが2012年、TVアニメがスタートしたのが2015年ということで、感慨深い想いをいだいているファンのみなさんも多いことでしょう。
それはキャラクターを演じたキャスト陣も同じ。アニメイトタイムズでは、加藤恵役の安野希世乃さん、澤村・スペンサー・英梨々役の大西沙織さん、霞ヶ丘詩羽役の茅野愛衣さんらヒロイン声優陣にインタビューを実施しました。
劇場版で少し関係性の変わったキャラクター同士の掛け合いについてや、それを演じてみた感想、そして作品の完結まで関わっての思い出話など、気になるポイントを余すところなく伺いました。
大西さんと茅野さんが語る劇場版での英梨々と詩羽の関係性や、安野さんが演じたかったシーンと一番見たかったシーンとは……?
『冴えカノ』と共にあった5年の間に声優陣が得たもの
――今回の劇場版で『冴えない彼女の育てかた』も節目となります。まずはこれまでアニメやイベント、ラジオなどで作品に関わってきた感想を聞かせてください。
安野希世乃さん(以下、安野):かれこれ丸5年を数えた作品となり、色々な事をみんなとやらせてもらいました。ラジオは丸2年以上はやっていたと思います。
茅野愛衣さん(以下、茅野):長かったよね。最初は安野ちゃんと大西ちゃんのふたりでやっていて、その後3人になってからも結構続いていました。TVアニメ第1期と第2期を繋ぐためにずっと続けていたので。
大西沙織さん(以下、大西):第1期と第2期が2年空いていますからね。月1配信の時もありましたけど、そう考えるとラジオは丸3年くらいやっていたことになります。
安野:4コマを一杯書いていた時期があったり、ラジオはやっぱり印象に残っていて……。
茅野:同人誌(※1)をみんなで出したよね!
安野:ぶっとんだことも含め楽しい経験をたくさんさせてもらっていました。そんな作品が最後まで描かれるということで、感慨深くもありつつ嬉しく思っています。
※1:同人誌
ラジオで行われていたコーナー「冴えてる同人誌の作りかた!!」の企画の一環で、コミックマーケットへの出展を目指し、声優陣が4コマ漫画を描いていた。
――大西さんはいかがでしたか?
大西:やっぱり思い出がありすぎます。この3人でイベントにいっぱい出演させていただきましたし、ラジオもやったし、同人誌は安野さんが実際に売りに行ったんだよね。
安野:ジャージでね(笑)。
大西:モロバレでね(笑)。ひとつのコンテンツで本当に色々な関り方をさせてもらえました。
劇場版の収録は時間をかけてじっくりやらせて貰えたんですが、終わった後のタクシーで私と安野さんと安芸倫也役の松岡禎丞さんが一緒になったんです。
その時に「これがキャラクターに命を吹き込む最後の時間だったのかな」みたいな話になりました。
アフレコ後ということもあって、みんな疲れていたにも関わらず「やだ! 終わりたくない!」みたいな話をしたよね。
安野:駄々をこね始めてね(笑)。
茅野:運転手さんが一番困ったろうね。深夜のタクシーで(笑)。
大西:それくらい大好きな作品なんです! 原作が終わるとなった瞬間にも衝撃があって、「えっ、丸戸さん(原作者の丸戸史明さん)締めるの?」みたいになっていました。
――「冴えない彼女の育てかたFES♭~glistening moment~」で劇場版の発表があった時のファンの興奮も凄かったですよね。
茅野:大西ちゃんがわーって泣いちゃってね。
大西:いつでも泣いているからもういつの事だか……(笑)。
――茅野さんはどうでしたか?
茅野:長い事『冴えカノ』で関わってきたので、みんなとはただの共演者と言うより“戦友”みたいな感覚なんです。
私はアフレコ後のタクシーで千夏(波島出海役の赤﨑千夏さん)と一緒だったんですが、二人で帰りながら「よくやってきたねぇ」「舞台挨拶大変そうだねぇ」みたいに、しみじみと話していました。
『冴えカノ』にはそういう濃密な時間をたくさんもらって、このメンバーだったからこその作品だなと感じる瞬間が多いんです。
それが終わっちゃうと思うと、「えっ、終わるの?」「本当に?」みたいな気持ちになりますね。
それこそ「ファンタジア文庫大感謝祭」も今年で6年目の参加で、そう考えると凄いなと。
そんなに続くことはなかなかないですし、会場で「霞ヶ丘詩羽役の茅野愛衣です」と後何回言えるのかと思うと切ない気持ちもあるけど、今は早く作品がみんなの下に届いて欲しいという気持ちでいます。