映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』キャストインタビュー|新キャラクターを演じる3名が、役作りで意識したことや重要となったこと、ティム監督の魅力を語る
1984年に公開され世界を騒然とさせた、アクション映画の革命作『ターミネーター』。シリーズ最新作である『ターミネーター:ニュー・フェイト』が2019年11月8日(金)より公開されます!
シリーズの生みの親・ジェームズ・キャメロン氏の製作復帰、シリーズ主演のリンダ・ハミルトンさん、アーノルド・シュワルツェネッガーさんの両名が『ターミネーター2』以降、28年ぶりに共演するなど、話題を集めている本作。
そんな注目作にて、新登場となるキャラクターを演じる、マッケンジー・デイヴィスさん(未来から来た女性兵士・グレース役)、ナタリア・レイエスさん(人類の未来に大きく関わる女性・ダニー役)、ガブリエル・ルナさん(最新型ターミネーター・REV-9役)の3名にインタビューを実施!
役作りにおいて重要となったこと、大切にしたことや、作品の手応え、ティム監督の作り上げる現場の魅力などについて語っていただきました。
お互いへの愛情や相性の良さもあって、しっかりと役作りができた
――グレース、ダニー、サラが、ひとつの目的に向かって、身を捧げて戦う姿に感動しました。また、REV-9という絶対に倒れない敵がいたからこそ、その懸命さが際立ったと思います。役に説得力を持たせるため、皆さんはそれぞれどのようなことをされたのでしょうか。
マッケンジー・デイヴィス(以下、マッケンジー):まず、このキャスティングの妙というか運が良かったのがひとつですね。(キャスト同士の)相性というのは作ることができるものではないですし。
今回の撮影では、ほとんど眠れなかったり、病気になったり、夜間撮影が一か月半に及んだりと本当に厳しかったのですが、この3人の相性の良さとお互いへの敬愛の気持ちがあって、なんとか乗り切ることができました。それがなければ今までで一番過酷な現場といえるかもしれません(笑)。
この3人で、お互いに愛情を持った美しい時間を過ごせたからこそ、地に足をつけて演技ができたというか。それが役のリアリティーにつながったのかもしれませんね。
ナタリア・レイエス(以下、ナタリア):私も、皆さんと一緒に仕事ができてよかったし、とても光栄でした。
また、「多様性」を見せられたことがとても嬉しいです。私はラテン系なのですが、こんなアクション大作の、重要な役どころで出演できるということで、ハリウッドや、世界が変わりつつあることを伝えられたと思います。
サラ、グレース、ダニーの3人の女性、およびそれを演じた私たち、という観点から見ても、身長や背景、出身地などが全員違います。でもお互いに愛情を持っていて、それをフィルムに残すことができました。
なので、私にとってこの作品は「多様性」を祝福する作品になったと思います。
ガブリエル・ルナ(以下、ガブリエル):まず、肉体も精神も機械ということで、「ひとつのターゲット(目標)に向かって動き続ける」という“前”への意識、常に攻撃モードというのを意識しました。
フィクションで人間のキャラクターを演じる際は、表現は直接的にはならない。けれど機械の場合は「目標を確実に達成する」ということから直接的な表現が求められます。
ただしその際、感情が見えてはいけない。「そのためにはどうすればいいだろう?」と考えましたね。素晴らしい役作りをしているキャスト陣、彼らが演じるキャラクターにとって“脅威”にならなければならないということで。
そのために、体のトレーニングや技術を活かし動くのはもちろん、動いていない状態でも「頭の中で常に周りのデータが収集され、計算がされている」という感覚は強く意識しました。
これほどまでに、集中力を使い自分の中にそういった感覚を持って演じたのは、今回が初めてでした。さまざまな工夫が、観た人に伝わればと思います。
シーンごとの目標が明確で、「誰が主役か」と考える必要がなかった
――映画を観る前は過去作のふたり(サラとT-800)が主役かと思いましたが、観た後では、全員が主人公と思えるような作品でした。監督からは「自身が主役だと思うくらいで演じてほしい」というような、“主役への意識”みたいな話はなにかありましたか。
ガブリエル:ありがとう! 主人公といってもらえて嬉しいです。僕的には観た人の4分の1くらいがそう思ってくれたら嬉しいですね(笑)。
1作目の『ターミネーター』の撮影の時の話で、「まるでアーノルドと自分が違う映画を作っているかのようだった」と(サラ役の)リンダさんが仰っていて。お互い共演するシーンがあまりなかったからですけど、僕らの時もそれは同じで。
彼女たちと僕とでは別々に撮影が進んでいたので、自分の首を絞めながらも「僕は僕の映画の主人公なんだ」という感覚が確かにありましたね(笑)。
一同:(笑)
ガブリエル:そうやってふたつの物語が別々に進みながらも、時にぶつかり、出会いと分かれを繰り返していくさまは織物を編んでいく感覚に近かったです。とても素晴らしい時間でしたね。
でも、監督から「君がメインだよ」という話は特にされてないです。映画のタイトルは『ターミネーター』なんですけどね(笑)。
一同:(笑)
ナタリア:監督は、本当に謙虚で努力家な方で。自身の2年間をすべてこの作品に費やしていました。
特に、現場のマネジメントで素敵だったのが、アーノルドさんからエキストラまで、全ての方を同等に扱っていることです。
全員が「ひとつの物語を綴るために、ベストを尽くす」という雰囲気の現場を作ってくださっていて。
なので、参加している私たちも「誰が主役か、より重要か」といったエゴを考えたり、心配することはありませんでしたね。皆が平等でいることができた最高の現場でした。
あとは、キャラクターがそれぞれひとつのミッション、目標を抱えていて。「あなたのキャラクターのミッションはこれです」と言って、絶対にぶれないようにしたりと、とても気をつかってくださいました。
マッケンジー:ナタリアが言ってくれたことに同感です。監督から今日はグレースの物語、という風にシーンの目標を明確にしてくれて。今どこの物語なんだろう? という疑問が、常になかったです。
作品中ずっと主演格であり続けるというのはものすごく大変なことですし、いずれ自分の物語、番がやってくる、というのが分かっているのはとてもやりやすかったです。ストーリーの構造としても本当に良くできていると思いました。
――ありがとうございました。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』作品情報
11月8日(金)公開
イントロダクション
一度は回避したと思われた人類滅亡の日”審判の日“。だが、その危機はまだ終わってはいなかった……。
人類の命運を握る女性を守る謎の強化型兵士グレースと、女性の命を狙う凶悪に進化を遂げた最新型ターミネーター REV-9との壮絶な攻防。
そして彼らの前に現れる、サラ・コナーとT-800。人類と地球の未来をかけた壮絶な戦いの火ぶたが、再び切って落とされる……。
果たして人類は再び”審判の日“を回避することはできるのか!?
■製作・ストーリー:ジェームズ・キャメロン『アバター』『タイタニック』
■監督:ティム・ミラー『デッドプール』
■配給:20世紀フォックス映画
■キャスト:
アーノルド・シュワルツェネッガー
リンダ・ハミルトン
マッケンジー・デイヴィス
ナタリア・レイエス
ガブリエル・ルナ
ディエゴ・ボネータ