早くも「最遊記朗読劇」第2弾が2020年秋に開催決定! 新たな最遊記の世界に魅せられた「最遊記朗読劇〜Alive〜」をレポート
2019年9月28日(土)と29日(日)に、『最遊記』初の朗読劇となる「最遊記朗読劇〜Alive〜」が三郷市文化会館(埼玉県)にて開催されました。
峰倉かずや先生による『最遊記シリーズ』は、原作コミックスが全世界シリーズ累計2,500万部を突破し、現在までにTVアニメ・舞台・ドラマCDと幅広くメディア展開されています。
初の朗読劇でお届けされたのは、原作エピソードでも人気が高い“清一色篇”。玄奘三蔵役の関俊彦さん、孫悟空役の保志総一朗さん、沙悟浄役の平田広明さん、猪八戒役の石田彰さん、そしてゲストの清一色役・二又一成さんが出演し、新たな『最遊記』の世界を魅せました。
本稿では、2日目の29日(日)に開催された朗読劇の模様をレポート! 朗読劇の次にお届けされたキャスト陣によるアフタートークもあわせてお届けします。
八戒の過去を知っている清一色とは……?
幕が上がり現れた関俊彦さん(玄奘三蔵役)、保志総一朗さん(孫悟空役)、平田広明さん(沙悟浄役)、石田彰さん(猪八戒役)、そして二又一成さん(清一色役)。
初の朗読劇でお届けするのは原作シリーズでも人気の“清一色篇”。八戒の過去に関わるエピソードです。
かつて愛した人・花喃と過ごした日々を思い出していた八戒の前に、清一色が操る怪しい人形が現れます。
突然現れた正体不明の清一色は八戒の過去を知っている様子……。
そんな清一色の手によって、悟浄の心臓の近くに血を吸って命を奪う生きた種を植え込まれてしまいました。
三蔵が銃でその種を打ち抜き、八戒の気功による治療で何とか命をとりとめることができた悟浄。
しかし、八戒は自分のせいで悟浄が傷ついてしまったのだと自分を責めてしまいます。取り乱した八戒に対し、このままじゃ清一色の思うツボになると諭す三蔵。
三蔵は清一色の目的は仲間である自分たちを傷つけて八戒を“壊すこと”だと気づいていたのです。
そんな中、三蔵に言われて水を汲みに行った悟空が行方不明になってしまいます。またもや自分のせいだと探しに行こうとする八戒に、禅道の教えである“無一物(むいちもつ)”を説く三蔵。
無一物とは、三蔵が先代から継いだ“何物にも捕らわれず、縛られず、ただあるがままに己を生きること”の教え。会場にいた人すべてが三蔵の言葉に耳を済ませていました。
清廉な空気が漂う中、頭を冷やしに出て行った八戒を見送る三蔵と悟浄の会話が、戦いの中の合間でも笑える三蔵一行らしいやり取りで、会場からもクスッと笑い声が起こります。
場面が変わり、清一色の策によって崖下に落ちてしまった悟空のシーン。1人で悶々としている中、悟空を心配して追いかけてきた白竜が現れます。
白竜の励ましで悟空はこのまま助けを待たず、自ら崖を登ることに。そんな前向きな姿勢が悟空らしいところです。
再び場面が変わり、森の中で立ち込める霧に行く手を阻まれていた三蔵・悟浄・八戒の3人。その前に、行方不明になっていた悟空が戻ってきますが、三蔵だけが本物の悟空ではないと見抜きます。
3人の前に現れたのは、清一色が操る偽物の悟空だったのです。本物の悟空といえば、まだ白竜と一緒に崖を登っている最中。“腹、減ったー!!!”と食欲旺盛な悟空のセリフで第1部が終了となりました。
あともう少しだけ自分の為に生きてみたい by 八戒
第2部は、妖怪に連れ去られた恋人を取り戻すために、八戒が百眼魔王の居城に乗り込む過去のシーンから始まります。
八戒は囚われていた恋人・花喃のもとにたどり着きますが、花喃のお腹の中には妖怪との子どもが……。八戒の剣を奪った花喃は自分の体に剣を突き立てて……会場には八戒の叫び声が大きく響き渡りました。
過去に囚われていた八戒がハッと我にかえると、目の前には清一色と相対する三蔵と悟浄の姿が。
ムカデの妖怪だった百眼魔王の術を使う清一色に3人が翻弄される中、悟空と白竜が現れます。
今度こそ本物の悟空と再び会うことができてホッと一安心する八戒。三蔵は悟空に悪態をつきながらも安心している姿を見せ、悟浄にも笑みがこぼれます。
清一色を見て生きている臭いがしないと言う悟空に、八戒は自分が殺した男だと思い出した様子。三蔵&八戒は、負傷をしている悟浄&悟空を置いて、清一色を追いかけます。
三蔵たちを追いかける悟浄と悟空がいつもの他愛のない言い争いをしている一方で、三蔵と八戒は清一色と対面。
三蔵によって八戒は迷いを断ち切ったかのように見えましたが、清一色の術にはまり、自分の意志とは反対に三蔵を手にかけてしまいました。
現実に戻った八戒は、目の前で倒れている三蔵を見て我を失ってしまい、追いついた悟浄と悟空も手にかけようとしますが……八戒の攻撃は悟浄と悟空ではなく清一色に直撃!
そう、八戒は清一色の術にかかったような演技をしていたのです。もちろん、三蔵も無事。三蔵・悟浄・悟空に支えられながら、八戒は過去と対峙し吹っ切ることができました。
場面が変わり、清一色との戦いを終え、天竺への旅路を続ける三蔵一行。足を骨折した悟空にいたずらをする悟浄、2人をやかましいと一喝する三蔵。その様子を温かく見守る八戒、いつもの三蔵一行です。
過去の八戒を知っている悟浄が当時の思いを語るシーンになると、八戒は自分の手を見つめ、短い生命線がもう少し長かったらいいなと一言。
すると、悟空がマジックペン(油性)で八戒の生命線を書き足します。びっくりする八戒は、手で目元を隠しつつどこか嬉しそうな表情を向けるシーンで朗読劇の幕が降りました。